12

 「あっ……いやあっ、抜いてっ、抜いて──っ」
 女の身もだえが激しくなり、狂ったように身体をうねらせる。だが、身体を動かすだけで甘い痺れが身体に広がっていくのだ。それだけではない。たった今貫かれたアヌスの中はヒリつくように熱く、形容しがたい感覚が背筋を貫いていた。
 真正面から見れば、あぐらをかいたように持ち上げられてアルファベットのOの形に開かされた足。その付けねは完全にライトの光りに照らし出され、ぷっくりと膨らんだ恥丘、その向こうには豊かに盛り上がり、自重でかすかにその形を歪める乳房が、恥ずかしげに背けられた顔が。全てがあからさまな状態なのだった。
「ひははははっ。いい格好だぜっ、刑事さんよおっ」
 白く滑らかな太腿の付け根には、白からピンク、そして鮮紅色までの複雑な色彩がうねっている。男たちのいたぶりに恥辱の蜜を滴らせる花弁もほころび、泉を隠す茂みの中では肉突起が立ちあがっているのが明らかだった。
「あっああっ、とって、この棒をっ──」
 そして、その下では最も恥ずかしい器官が、樹脂製の棒を呑み込まされたまま震えている。完全に奥まで突き入れられていないために女が悶えれば悶えるほどに棒はゆれ、直腸内部をいたぶるのだった。
 女として、いや人として最も屈辱的なポーズの一つであろう恥ずかしい姿勢で拘束されたエミリーの最も恥ずかしい器官で、樹脂製のアナル拡張棒が揺れている。女の喘ぎとともに蠢くそれはまるで別のもののように動き、ヒョコヒョコと首を振るように動く滑稽さは男たちの嘲笑を誘うに十分だったようだ。
「はっははははっ。ピョコピョコ動いているぜ」
「エミリー・ジャファル捜査官はお尻の穴でペットを飼っているらしいぞ」
 真っ赤な顔で身体の動きを抑えようとする女刑事だったが、快楽に燃えあがった身体はちょっとした刺激でさえもビリビリと電気が走るようで思うにまかせない。男たちのちょっとした愛撫で身体が動くのをとめられないのだ。
「あぐっ……くふう……ゆ、ゆるさないっ……」
 快楽に潤んだ目、上気した顔で、それでも女は抵抗を続ける。抵抗し続けなければ、そこで終わりになってしまうような気がするのだ。すでに鋭さは失われつつあったが、それでもまだ抵抗の意志は失われてはいない。
 彼女は知らない。一度屈してしまえば楽になれることを。二度と立ちあがれないかもしれないけれど、もはや恥辱を恥辱と感じることもなく、ただ相手に従っていればいい世界が目の前にある。
 だが女捜査官としてのプライドが、組織とその首領への憎悪がエミリーを引きとどめていた。彼女が強ければ強いほど、耐えれば耐えるほどに責めは厳しさを増していく。怒りと憎悪のあまり男たちに見かけだけでも従うという選択肢を失ってしまったエミリーは自らをがけっぷちに追い込んでいたのだった。
「許さないなら、どうなんだ?」
 男が面白そうに乳首をつまむと、それだけで乳首から身体の奥に衝撃が走る。脇腹に唇を這わされると声もおさえられずに体を震わせるのみだ。
「ああっ……くう……ぜ、絶対に……許さないんだからっ……あああっ」
「くくくっ……何もできないくせに強がっちゃって、可愛いじゃねえか」
 男たちの手が波状攻撃をしかけてくると、もう言葉さえつむぐことができず、悲鳴にもにた喘ぎを必死に押し殺すだけになってしまう。
 ──ま、負けないっ──組織なんかに、あの男には──っ。
 なおも強がる女刑事だったが、荒い呼吸、とめどもなくあふれる蜜といい、彼女が追いつめられているのは明らかだった。男たちは顔を見合わせると、いよいよ最後の仕上げにかかっていく。
 抵抗の意志を持ちながらも四肢を完全に束縛された状態ではいかなる反撃も不可能だった。ひたすら耐え、送り込まれる快感をやりすごすことしかできない。派をくいしばり、唇をかみしめながらあふれる嬌声をこらえるエミリーの姿は折りたたまれたままで、普段長身の彼女からは信じられないほどに小さく、無力だった。
 無慈悲な指がアナル拡張棒を弾くと直腸に電流が走った。鈍いはずの腸内感覚が鋭敏になっているのだろうか。だが、それ以上につらいのはアヌスに呑み込まされている拡張棒が身体が揺れるたびに反動で揺れて、敏感になっている入り口をこね回すことだった。
「ひああっ……」
 ツプツプと押し込まれる拡張棒。秘肉とは違う挿入感が囚人の脳を刺激する。意地の悪い指が少しずつ出し入れしながら責め具を押し込んでいく。いよいよ差し迫ってきた恐怖に身悶えするエミリーをさらなる恥辱が襲うのだ。
「へへっ……ますますあふれてきたぜ。よほどお尻がイイようだなあっ」
 肉門の入り口に指を這わせる男がいやらしく笑う。秘裂にそえるようにしてピタピタとたたくと、ぬちゃぬちゃと粘着質の水音がこれでもかというほどに響くのだ。
「や、やめてっ……」
「んんー? 許さないんじゃなかったのか」
 ズプリと音をたてて男の指が秘裂に沈んでいく。長い指が膣内の形状をさぐるように蠢きながら奥へと呑み込まれていくのだ。
「ああっ」
 すでに一度奥ふかくまで受け入れていた牝肉はむしろ喜んでいるかのように震えながら陵辱者を迎え入れていく。己の中を満たされていく充実感が、汚辱感とともに全身に広がっていった。
「ふん、もう十分だなあ、今度はこいつだ」
 指が引きぬかれるのを引きとめるかのようにからみついていく牝肉に気の遠くなるような屈辱を感じる女刑事。その股間に新たな責め具が押しあてられる。指とはけた違いの太さとボリューム感だが、体温はない。張り型だった。
「うっうう……」
 あぐら縛りのまま転ばされたような無残な姿勢のまま、男性器を模した筒具を呑み込まされていくエミリーは圧倒的なボリュームに呼吸をとめて声を上げるのをこらえていた。
「そら、そらっ」
 奥まで攻め寄せた攻め手が引いた家と思うとまた押し寄せる。ただそれだけのことだが、巧妙な男の手は張り型を自分の持ち物のように扱い女刑事を攻めたてる。すでに牝肉の置くまでとろけていた女体はひとたまりもなく官能の荒波にさらわれていくのだった。
 ──だめ、だめっ──あの男を捕らえるまでは──っ。
 女の思考に繰り返されるのは、彼女の全てを奪ったあの男のことだけだ。そもそも警察に入ったのも、私生活も、給料もつぎこんで活動してきたのも、全てはあの男を追いつめ、捕らえるという目的のためだったのだから。
 さが、もはや彼女の思い通りなるのは首から上だけで、それさえも痺れるような快楽の中に自由を奪われている気がするほどだった。もはや耐えるころが最優先で、反撃のことすらもが脳裏から消え去ろうとしていた。
「ふふふ……いいことを教えておいてやる。この張り型はなあ、あの動態カメラの部品なのさ。お前のヌレヌレま○この内部映像からその締め付け、動きにいたるまでデータをとるためのな。この惑星にも二つとないシステムだぜ。光栄だろう?」
 ──いやあっ……見られちゃうっ……みんなにっ──。
 もはや思考力が低下しているエミリーには、その意味を正確につかむことはできない。わかるのは何か恥ずかしく、残酷なことをいわれているということだけだった。

「ああっあっあっ……」
 とがりきった乳首、桜色に染まった乳房全体がふっくらと量感を増したようだ。
恥丘も、大淫唇も充血してボリュームを増し、二つの穴にはそれぞれに筒具をくわえ込んでいる。身体は小刻みに痙攣をはじめ、早い呼吸、せっぱつまった喘ぎ。エミリーの崩壊が近付いていることはもう誰の目にも明らかだった。
 ──だめっ、身体が言うことをきかないっ……そんな、そんな──っ。
 強制的に快楽の階段を昇らされていくエミリーは、ひたすらその瞬間を先送りすることしか頭にない。それが男たちを楽しませているとも知らずに──。


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