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最高の牝奴隷──。そのあまりにも破廉恥な言葉が、今彼女の目の前につきつけられた。警察官として、女として、そして復讐者として──。すべてを否定された奴隷という言葉。
女刑事の心に、急速に怒りと反発の力が沸いてくる。絶望的な状況に甘んじて受け入れるわけには、断じていかないのだ。
「わ──私を奴隷にですって? 笑わせないでっ」
この瞬間だけは、全身に這いまわる男たちの手も、柔肌を焼きつくすような快感も忘れていた。切れ長の瞳が卵型の顔の中で怒りに燃えている。きりっと結ばれた紅い唇。つややかな黒髪は乱れてはいたが、かえって彼女の美しさをひきたてているようだった。
ヒュウ、と男の一人が口笛をならしてみせた。腕っぷしでも男たちに引けをとらぬ女刑事への、心からの賛辞だったのかもしれない。だが、逃げ場もなく、ろくに身動きもできない女の抵抗ははかないものでしかない。
「そうさ。あんたの身体だけじゃない。その手強さも、頭のキレも、すべてが最高の奴隷の資質なのさ。ふふっ──嬉しいだろう? 最高の評価なんだぜ」
思いがけない言葉に気勢をそがれた囚人のうなじをぬめりをおびた舌がなめまわす。その瞬間、全身へのいたぶりの感覚がよみがえってきた。胸に、腕に。わきの下に。そして下腹部に小高くもりあがった恥丘に隠された女の狭間に、男たちの休むことのないなぶりが続いているのだった。
「あん──っ。く、こんな、こんなあ──っ」
重く、熱く張り詰めた片手にあまるほどに豊かなもりあがりを見せる胸肉の先端に震える乳首は、舌に、指に熱く、固くなりながらもころがされていた。
脇腹から腰へのラインを執拗に撫で、背中を舐め上げる男がいた。純白のミルクのごとき肌を彩る陰毛を指にからめながらクイクイとひっぱり、サワサワとなで上げる手がある。そして繊毛に縁どられたぬめりを帯びた粘膜の集合体にも、男の指は侵入しているのだ。内腿の敏感な肌に下を這わされていた。
いつのまにか開かれていた足の間に入り込んだ男は、もはやどうにもすることのない位置にまで入り込んでおり、もはやその嬲りに身をまかせるしかないのだった。
「クックック──。使い込まれた形跡はないな。綺麗なものだ。このお豆も、帽子もロクにいじられたふうには見えないが、立派な作りだ。いいお道具だよ、刑事さん」
全身の神経に火花が散るような激烈な羞恥心を感じた。覗き込まれ、いじられるだけでなく、それをいちいち批評されるのは耐えがたい屈辱だった。
「ひああっ」
美囚の下半身がブルブルと震えた。敏感な肉豆がその帽子を剥がれ、ツンツンとつつかれたのだ。すでに肥大していた陰核への刺激は強烈だった。
「うん、十分に大きくなっているし、感度十分なおサネだ。ビラビラも大きすぎず、綺麗なもんだ。ちょっと赤みが強いけど、こんだけ濡れているからなあ。おツユは──」
「──や、やめなさいっ! そ、そんな恥知らずなっ」
耐えきれずに声を上げると、ドッと男達が笑った。虜囚の抵抗からいよいよ余裕が失われてきたのを感じているのだ。
「恥知らずなのはどっちだよ。ウソは言っていないぜ、刑事さん」
白い肌を真っ赤に染めて顔をうち振る女を、卑劣な男たちは、嵩に懸かってはやしたて、追いつめようとしていくのだ。
「感じていないんだろう?オマ○コをぴっちり閉じて、舌も覗かせず、ヨダレもたらさなければいいんだぜっ。もちろん、でっかいお豆もひっこめてなっ」
「あ──そ、そんな、いやあ──」
あまりに卑猥な表現に耳をふさいでしまいたかったが、今はそれすらかなわぬ身だった。この期におよんで、男たちのいたぶりを甘受することしかできないまま、女は悔しそうに、悲しげにうめくのだ。だが、そのうめきにすら甘やかなものが混じり始めている。
「いや、このエリート警察官殿は感じていないそうだから、これがいつもの状態なんだ。失礼なことを言っちゃあいけねえ」
「そりゃいいや。いつでもヌレヌレでピンピンかよっ」
卑猥な表現にどっと男達が笑った。まるで色情狂のように言われて絶句するエミリーだったふが、体の奥をまさぐってこようとする男たちの手に悲鳴をあげてしまう。
「う、うそよっ──そんなことないっ──そんなことないんだから──ああっ」
身も世もなく恥ずかしがる女だったが、もはやその官能のわななきは誰に隠すこともできない。女の肉体の弱さをさらけ出しながらあえぎ、その肌をのたうたせるのだった。熱く燃え盛る女の肌。男たちはさらなる蜜とあえぎを哀れな囚人から引き出すべくその手をうごめかしていく。
「──感じているんだろう?」
耳元でささやかれる声。耳から全身に広がっていくような快感にブルブルと身を震わせる女。認めてはいけない。認めてしまったら、きっと致命的な一線を越えてしまうことになるのだ。
「感じていると認めてしまえば、楽になれるぞ」
そう、認めてしまえば、この男たちの野卑な言葉なぶりからは開放されるかもしれない。だが、それを認めるわけにはいかない。彼女は、なおも耐える。
「おかしいなあ。感じていないってことは、これがいつもの状態なんだろ? 乳首ピンピン、おっぱいパンパン。クリトリスはおっ立って、ビラビラは淫汁まみれか」
その恥辱の言葉に、牝肉が反応する。身体をこわばらせる女に肉体の中で、意志ではどうにもできぬ膣肉のうねりが淫蜜を吐き出し、淫らに震えている。
「ヌレヌレ、ドロドロじゃんか。これでいつも仕事しているんだ、すげえな、刑事さん」
──いやあっ──こ、こんなっ、は、恥ずかしいっ──っ。
あまりの羞恥と押し寄せる快楽に頭が働かなくなっていた。逃げ出したかった。この男たちから。いてもたってもいられない焦燥感が女刑事の心の中に生まれていた。
(ヌチャッ──クチュッ──ピチャピチャッ──)
牝肉の扉をつきやぶった指が、いやらしい粘着質の発泡音をひびかせながら、膣内を荒らしまわっている。すでに熱くぬれそぼったそこはぬめりをおびた大量の愛液がこぼれ、彼女の内腿から男の肩までも濡らしているのだった。
「うひゃあ、オレの足元まで垂れてきているぞ。大洪水だ」
──いやあっ。もう、言わないで、お願い──。
口に出すわけにはいかない言葉。この卑劣な男たちにお願いをするなど、絶対にしたくないことだった。だが、追いつめられた彼女には選択肢はすでになく、このまま男たちになぶられあがき続けるか、快楽を認め男たちにお願いをするかの二つしか残っていなかった。
「う、くふうっ──や、やめてったら──く、くやしい──ああっ」
一度は消えた涙が、ふたたび目元に浮かんできていた。あまりに情けなく、恥ずかしい体験だった。これほどの恥辱を前にしてどうにもできない。悔しい、恥ずかしい。それだけが頭の中をぐるぐると回っていた。
「ほら、いつまでも強情を張るものじゃない。感じているんだろう?」
「あっ──あ──」
──ダメよ。そんな──認めるなんて──でも、でも、でもおっ──。
「認めてしまえば、楽になれるぞ」
もう限界だった。男の声が開放への、甘美な誘いのように聞こえた。
「感じているんだろう?」
それでも一瞬の躊躇ののち、エミリーの顎が動いた。コクンと、かすかだが、確かに頷いたのだ。
「それじゃあわからない。もっとはっきりと。──感じているんだろう?」
残酷な男の言葉にも、もはや抵抗する気力がなかった。ふるえる声で、エミリーの恥辱のしたたるような言葉が唇から押し出される。
「は、はい──ああっ──感じて、います──」
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