第四章・ノルダの奴隷市場
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アカネイア皇国の首都パレス。
大陸最大の都市にして誰もが憧れる理想の都。
しかしその都の住人になるには市民権が必要であった。
そしてその市民権を得られなかった者や剥奪された者がパレスの近くに住み着き貧困街ノルダが形成された。
ノルダは盗賊の巣窟になったり奴隷売買が行われているために上流階級のパレス市民からは疎まれ、何度も騎士団によって殲滅されていた。
しかし数日するとまた人々が集まり始め、数ヵ月後には新たなノルダが形成される。
治安の悪い貧困街が造られる度に壊滅されてきたのだが戦争が始まってからは壊されること無く膨張し、今のノルダは過去最大の規模にまで成長していた。
武器、麻薬、奴隷、あらゆる物が公然と売買され一度ノルダに運ばれた盗品を探し出すことはもう不可能とまで言われるようになっていた。
「へへへ、次はお前の番だぜ。せいぜい媚びを売って高く買ってもらいな」
シーダの後ろで山賊のような男がヘラヘラ笑っていた。
首輪に繋がれた鎖を引っ張られて数歩前に踏み出すとそこには数十人の仮面をした人物がシーダを見つめていた。
シーダとレナを捕らえたマケドニア兵達の思考はサムシアンと同等だったらしく、このノルダまで連れて来られた後、奴隷として売り捌かれることになってしまった。
数分前にレナが信じられないほどの高額で競り落とされ、次はシーダの順番が廻ってきた。
中央のステージまで来ると身に付けていたマントを取り払われる。
後ろ手に拘束され隠すこと出来ない裸体は360°からの視線を感じていた。
(ああ・・・見られているだけなのに・・・)
全員が仮面をしているために表情はわからない。
ただ自分ひとりだけが身体も感情も全てを丸裸にされていて耐えがたい苦痛だった。
だが毎日のように犯され続けた身体はその苦痛にも反応し秘唇をじっとりと湿らせ始めていた。
一見とても清純そうな可憐な美少女なのに実は裸を見られただけで悶えるマゾ娘。
物凄く高額な値段がつくかと思われたのだが何故か金額は上がらなかった。
その理由はシーダの下腹部にある印のせいである。
容貌は美しくても見るからに妖しげ術を掛けられている奴隷に高額な金額を出すものはいなかった。
結局レナの1/5くらいの値段で趣味の悪い仮面をした男に落札されてしまったのであった。
「おい!さっさとこっちに来い。新しいご主人様がお待ちだ!」
乱暴に首輪を引っ張られ苦しそうに咳き込みながらシーダは奥の部屋に連れ込まれた。
何の装飾も無い殺風景な部屋にはフードを被った男が一人いるだけだった。
しかしその男は体格からしてシーダを競り落とした男とは別人のようである。
何者なのかと訝っているとシーダが今入ってきた扉からもう一人の男が入ってきた。
「クククッ、こんな上玉をあんなに安い金で競り落とせるなんて俺もついてるぜ」
男は大声で笑いながらシーダに抱きつくと胸を揉み始めた。
「ちょっとっ!いやっ、やめてっ!」
シーダは激しく身体を揺さぶって逃れようとするが体格が違うために何の効果も無い。
男の手が胸を強く揉み回し乳首を摘もうとした瞬間、今まで黙っていたフードの男が喋りだした。
「ラング殿・・・服従の印の方が先ですぞ・・」
(?!)
突然喋りだしたフード男から不気味なオーラを感じてシーダもラングもその場に固まった。
その男の姿はシーダの身体に忌まわしい印を施した男に非常によく似ていた。
カダインの高司祭が身に纏うローブを羽織り、顔が完全に隠れるフードをし、そして誰もが圧倒され言葉を失ってしまうほどのオーラ。
背丈が若干異なるからガーネフ本人ではないがそれに非常に近い人物であることは間違いなかった。
「ボ、ボーゼン殿、お願いします」
先程まで威勢のよかった男は急に大人しくなり部屋の隅で様子を伺っている。
するとボーゼンと呼ばれた男がシーダの前に歩み寄ると何やら喋りだした。
「ホゥ・・これはガーネフ様の・・・ではこの娘が・・ラングなどにはもったいないのぉ・・」
ボーゼンは独り言が終わると聞きなれない呪詛を唱え始めた。
(また変な呪文を掛けられる!)
ガーネフの淫蛇の印だけでも苦労しているのにこれ以上何かされては堪らないと逃げ出そうとするが、その時にはもう遅くボーゼンの詠唱は終わっていた。
(いったい何をされたの?)
不安に怯えているシーダを残してボーゼンは部屋を出て行きラングと二人きりになってしまった。
「ヘヘヘ、邪魔者はいなくなったことだし早速一発やっちまうか」
頭は禿げ上がり醜く太っているラングはシーダに近づくと拘束している手錠を解き放った。
(?!)
何で自分の拘束が解かれたのかわからなかったが、これは好機とばかりに逃げ出そうとした。
「おい、待ちな」
ラングは慌てた様子も無く落ち着いた声で言うがシーダはそんなことに従う気は無い。
何とかこの男から逃げ出そうと部屋を出ようとしたその瞬間、シーダの視界が暗転した。
シーダの視力は明かりを失い嗅覚も聴覚も全ての感覚が無くなっていく。
しかし何も感じない暗闇の中で身体中の神経の全てが悲鳴を上げるほどの苦痛を感じていた。
信じられない程の精神的な苦痛はやがて肉体にも届き脳も侵され発狂の寸前まで来たところで急に痛みが和らぎ感覚が戻ってきた。
そして気が付くとシーダは扉の前で倒れていた。
全身からは脂汗が流れ涙も涎も鼻水も垂れ流し失禁までしていた。
自分の身に起きたことが信じられないでいるシーダに向かってラングは愉しんでいるかのような口調で説明を始めた。
服従の印。それは奴隷契約を絶対のものとするために編み出された秘術である。
この術を唱えられた者は定められた主人に絶対服従を強制され命令に逆らうことは出来ない。
もし命令に逆らったり、主人に対して殺意を持ったときには耐えがたい苦痛が身体中を駆け巡るのである。
そしてこの術を解くには定められた主人が契約を破棄するまで続き、例え術者であっても解除することは出来ないのであった。
「クックック、そういうわけでお前さんは一生俺の奴隷として仕えてもらうぜ。タリスの王女シーダ姫よ」
「!!・・・なんでそのことを・・・」
旅に出てからシーダは自分がタリス王女であることを悟られないように努めてきた。
レナのように信頼して自分から正体を明かしたり、ミネルバのように初めから知っていた者もいるが、男達にはだれも知られていないと思っていた。
しかしこの男は自分がタリスの王女であることを知っている。
それはシーダにとってとても屈辱的なことであった。
「そっちはたかが一貴族の俺のことは知らんと思うが、俺も仕事で何度かタリスまで行ったことがあるからな。何度もその姿を見たことがあるから間違いない。しかもタリスが海賊に奇襲されてから姿が見えないって噂らしいし・・・まさか奴隷として売られてるとは誰も思わないだろうな」
ラングは満面の笑みを浮かべて自分の性奴隷となった美姫を眺めていた。
「まず始めに、そこでオナニーをしてみせてくれよ」
(くっ・・・)
最初の命令からそれはとても屈辱的なものであった。
今までのように一人の淫乱な女ではなく一国の王女として男の前で身体を開かなければならないのである。
ここに来るまでに何人もの男に抱かれてきたが、自分の素性を知るものに抱かれるというのはとてもつらい事であった。
しかし逆らうことは出来ない。
先程受けた苦痛から逃れることは今のシーダにとって最も優先されることであった。
もし今ここで両親を殺すことを命じられても躊躇わずにこの手で殺めてしまう。
それくらいに服従の印の力は強力であった。
あの苦痛から逃れることだけを考えてシーダは命令に素直に従い脚を開き始めた。
白く綺麗な太腿の内側にはピンク色の肉壁が口を開きその上部には真珠のような淫核が顔を覗かせている。
そしてその秘裂の上の無毛の下腹部には禍々しい蛇が踊っていた。
シーダはゆっくりと陰部に手を添えると右手の指でクリトリスを転がし、左手の指を秘唇に埋めて快楽を貪り始めた。
「ああ・・・・はぁん・・・・あああ・・・」
シーダの唇から甘い吐息が漏れる。
「これがタリスの王女のオナニーか。じっくりと見ててやるからもっと激しく指を動かしな」
「あああ・・だめぇ・・それは言わないで・・・」
自分が数日前まではタリスの王女であったことを言われると恥かしさと悔しさから身体の火照りが強くなっていく。
二本の指を秘唇に挿入して激しく動かすがもう既にシーダの身体は自分の指だけでは治められないほど熱くなっていた。
「ああ・・はぁ・・お願いします・・」
「何だ?」
「ください・・・私のココに・・お願いします・・」
シーダは脚を大きく広げると両手で秘裂を目一杯に開いてラングの男根が来るのを待った。
大きく開かれた秘所の内部は何度も男根を咥えているものとは思えないほどに綺麗なピンク色をしていた。
もっともっと屈辱を味あわせてから挿入しようと思っていたラングであったが今までに出会ったことのないほどに綺麗で魅惑的な秘唇の誘惑に勝つことはできなかった。
急いでズボンを脱ぎ捨てると大きく反り返った肉棒をシーダの中に突き刺した。
根元まで沈み込んだ肉棒は腰の動きに合わせて更に奥へ奥へと埋め込まれていく。
「はあぁ・・あああ・・ああん・・はぁぅん・・」
「おおっ・・・こりゃすげぇ・・」
男根に纏わりつくシーダの肉襞にラングは思わず声を漏らした。
突き上げる腰から伝わる快感がシーダの脳天にまで響いてくる。
「ああぁ・・だめぇ・・いくっ・・いっちゃうっ・・」
姿態を震わせるシーダの身体に強烈な刺激が駆け抜ける。
「んんっ・・ああっ・・いいっ・・・いくっ!!」
「うっ、中にぶちまけてやるぜっ・・おおっ!」
ラングが腰を強く打ち付けるのと同時にシーダの子宮に熱い液体が注ぎ込まれた。
シーダは身体を仰け反らせ全身に広がる甘い余韻を感じながら気を失っていった。
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