第六章・悲しみの大地グラ

-2-


(これからグラをどのように再興していけばいいのかラング殿の意見を聞かなくては・・)
時刻は深夜を回り闇に包まれた城内をシーマはランタンの明かりだけを頼りにラングの部屋へ向かった。
アカネイアから遣わされたラングという男にあまり好感は持てなかったが、今後のグラの行く末を握っている男であることには間違いない。
少しでも多く話を聞いて、ラングの気の向くような再興策を練らなければと思っていた。
そしてラングの部屋のドアノブにシーマの手が伸びた時・・・その動きが止まった。
女性の悶えるような甘い声が部屋の中から漏れてくるのである。
シーマは音を立てないように気を配りながら、ゆっくりとドアノブを回し、僅かに開いたドアの隙間から部屋の中の様子を窺った。
暗い闇に包まれた部屋の中央に、ランタンの明かりに照らされた橙色の姿態が踊っていた。
ラングに連れられてやってきた青い髪の女性があられもない姿で天井から吊るされている。
上半身を覆うものは何ひとつなく程よく成熟した乳房が晒されている。
肩幅に開いた両脚の付け根には最も恥かしい部分を隠す白い下着が残されているだけだった。

「どうした?縛られただけで感じてるのか?乳首がこんなに固くなってるぜ」
「はうっ・・・ダメぇ・・・」
吊るされた青髪の女性の乳首を指で撥ねると、その口から甘い吐息と悲鳴が漏れる。
ラングの太い指で乳首を捏ねまわされる度に身体が震え、腰が何かを求めていやらしく揺れる。
シーダが求めるものを知りながら敢えて焦らすようにゆっくりと乳首だけを弄ぶ。
「あっ・・・ああぁ・・・」
乳首に感じる快感と、それだけでは満足できない焦燥感がシーダのM性を更に開花させていく。
もう既にシーダの下着の中央部には自らが分泌した恥かしい液体によってじっとりと濡れていた。
「もう我慢できないみたいだな」
「はい・・・シーダはもう限界です・・・」
『シーダ』という名前にシーマは何か引っ掛かるものを感じた。
しかし、その事を深く考えるよりも目の前で繰り広げられる情事のほうにシーマの関心は傾いていた。
「いったい何が限界なんだ?」
「シーダは・・・シーダのオマンコはもうグチョグチョに濡れて・・・ラング様のペニスが待ち遠しくて・・・口を開いていやらしい液をいっぱい垂らしています・・・」
セックスをする前に何度も言わされている台詞ではあるが、口にするたびに激しい羞恥に襲われてしまう。
しかしその羞恥心がシーダの身体の中で甘美なものに作り変えられる。
「どうかシーダのオマンコに・・ラング様の逞しいペニスを突き刺して・・ラング様の子種で・・・シーダの子宮を思う存分汚してください・・・」
「入れてやってもいいんだが、この下着が邪魔だな・・・自分でこの下着を脱いで見せろ」
シーダは、おあずけをくらった犬のような表情でラングを見つめる。
今、シーダの両腕は天井から吊るされたロープによって頭上で拘束されている。
手が使えない状態でどうやって下着を脱げというのか。
しかし、シーダにとってラングの命令は絶対である。
無理と知りながらも太腿を擦り合わせながら下着を脱ごうと努力する。
自分の恥かしい個所を晒すために身体を揺すり、腰を大きく振っている姿は滑稽でもあり、とても淫靡な舞のようにも見えた。
そしてそのダンスを見ているうちに、シーマは自分の腰も何かを、恐らくはシーダが求めているものと同じものを欲していることに気付いた。
(ああ・・私のも熱くなっている・・)
シーマは既に男性経験があるからセックスがもたらしてくれる快楽は知っていた。
しかし、今自分を包んでいるこの感覚は、今までのどのセックスでも感じたことの無いほどに強烈で新鮮なものであった。
(私もあのように一方的に責められてみたい・・・いやっ、ダメだ。私はグラの王女。これからのグラを引っ張って行かなければならない立場なのに、こんな普通ではない営みに溺れるわけにはいかない・・)
Mの道に進もうとする自分を僅かに残った理性とグラの王女であるというプライドが踏み止まらせる。
しかしその思いも部屋から漏れる言葉の前に脆くも崩れ落ちた。
「お願いします・・・下着を脱がしてください・・・そしてシーダのオマンコを熱いペニスで犯してください・・」
「へっ・・タリスの王女様が嵌め請いをするとはな・・・恥かしくないのか?」
「あぁ・・その事は言わないで・・・」
「こんなに濡らしていながら何言ってやがる・・・うわっ、もうびちょびちょに濡れて糸引いてるじゃねえか」
ラングがシーダの下着をゆっくりと下ろすと、陰部は洪水のように愛液で溢れかえっていた。
(シーダって・・・行方不明になっているあのタリスのシーダ様・・・)
シーマは驚きの余り、思わず息を呑んだ。
シーダという名を聞いたときに何か引っ掛かっていたがその原因を突き止めることができた。
しかし、その答えを突き止めたことによって、シーマの心の中の最後の壁が完全に崩れ去った。
(あのシーダ様ですらこんなに乱れてしまうのだから・・・私などでは・・・)
ようやく大義名分を見つけたシーマはもう自分の欲望を抑えることは出来なかった。
立ち膝の姿勢で覗き見てたシーマは脚を開くとその中心部に指を這わせた。
「はぁ・・・ううっ・・」
待ち兼ねていた快楽に思わず声が漏れそうになるのを、もう片方の指を噛んで耐える。
陰部を震源地とした快楽の波が体全身に響き渡っていく。
今までにない最高の自慰に身を委ねながらシーマの意識はまた部屋の中へと移っていった。
「俺はこれから小便をしてくるから、それまで自分でマンコを弄って準備しておけ」
「はい・・・わかりました・・・シーダはオナニーをしてラング様をお待ちしてます・・」
「へっ・・小便塗れのチンポで犯してやるよ」
シーダを拘束していたロープを外すとラングは部屋に備え付けられているトイレへと消えてしまった。
一人残されたシーダは暫くボーッとしていたが、すぐに思い出したようにベットへ上がると大きく脚を開いた。
M字型に開いたシーダの股間がちょうどシーマの視界の正面に映った。
(うわっ・・・すごい・・ホントにシーダ様なの・・・)
目の当たりにしたシーダの下腹部はシーマの予想を遥かに超えていた。
綺麗に剃り落とされツルツルになった無毛の秘所には褐色の縦割れが走り、その奥地にはピンク色の肉襞が妖艶に蠢いている。
そして亀裂の先端にある淫核の更に上には今にも動き出しそうな禍々しい蛇の刺青が彫られている。
(ひょっとしたらシーダ様は何か弱みを握られ、ラングの命令に仕方なく従っているのでは・・)
と、いう思いが脳裏をよぎったが、目の前にいるシーダはラングの姿が既にないというのに、命令に忠実に従ってオナニーをし始めた。
「ああ・・・いい・・・あああぁ・・・」
シーダは指をV字にして秘裂を開き、もう片方の指で淫核や肉襞を慰めていたが、それだけでは我慢できなくなったのか、腰までも動かし始めた。
何かに憑依されたように淫欲に耽る姿は、もはや本気でしているとしか思えなかった。
(私も、もう我慢できない・・・)
シーマのズボンの股間部は数分前のシーダと同じように愛液によって濡れていた。
でも流石にこれ以上廊下で自慰に浸るわけにも行かず、自室に帰るべく立ち上がろうとした。
しかしその時、シーマは自分の背中に突きつけられた冷たい感触に、今までの陶酔が一瞬にして冷めた。
背中に感じる鋭利な刃物。
「だ・・誰だ・・」
自分がしていた恥かしい行為を見られた羞恥心と、背中を刺されるかも知れないという恐怖心から掠れた声で後ろにいる人物に問い掛ける。
しかしその人物から答えは返ってこなかった。
「ゴメンナサイ・・」
そう小さく呟く声が聞こえたかと思うと背中にチクリと刃先が触れた。
シーマは刃先に押されるように前に進み、ドアを開けてラングの部屋へ入った。

恐怖に怯えるシーマの目とオナニーに耽るシーダの目があった。
お互いの間に気まずい空気が流れる。
その沈黙を破るかのようにバタンと大きな音を立ててラングがトイレから出てきた。
その音にビクッと身体を震わせたシーマは緊張の糸が途切れたのか身体中の力が抜けてしまった。
「なんだぁ?客人の部屋でおもらしするとはグラの王女も礼儀がなってないな」
ラングの声が響く。
そしてその時になってシーマは自分が失禁してしまったことに気付いた。
しかし気付いたときにはもう遅く、生温かい液体がズボンを濡らしながら太腿を伝っていく。
「あっ・・いや、これは・・その・・・」
なんと言って取り繕っていいのか解らずシーマの頭の中はパニック状態になっていた。
「リンダ、その汚ねえズボンを脱がしてやれ」
シーマの背後にいたリンダはラングの命令に従ってシーマのズボンを脱がし始めた。


→進む

→戻る

→紋章艶義のトップへ