(5)

 香織の一行が中等部の校舎に着いた時には既に午後の授業が始まっていた。
 誰もいない廊下を麗華に引きずられる様に歩いていた。
 教室の中からは授業をしている教師の声が聞こえてくる。
 麗華は立ち止まるとおもむろに教室のドアを開けた。
 突然ドアが開いたのを見て教室の中は騒然とする。
 廊下にいる高等部の生徒を不審に思った教師が廊下に出てくる。
 授業妨害をする生徒を叱ろうとする教師の首に麗華は抱き着くと唇を重ねた。
 40過ぎの男性教師は女子生徒の突然の接吻に戸惑い離れようとするが麗華の力は思ったよりも強く跳ね除ける事が出来ない。
 そうしているうちに男性教師の体中の力が抜けてその場に気を失って倒れてしまった。

 「麗華、先生に何をしたのよ」

 「殺しちゃいないわよ。ちょっと邪魔だから眠ってもらっただけ」

 首輪を嵌められ黒いマントを羽織らされている香織に向かって何事も無かったかのように笑い返すと教室の中に入っていった。
 生徒会員に周りを囲まれた香織も首輪を引っ張られて続いて中に入る。

 「あっ、麗華先輩だ」
 「香織先輩もいる」

 教師と入れ替わるように入ってきた麗華達を見て生徒達は騒ぎ出した。
 聖桜学園は高等部と中等部の交流はほとんど無いのだが麗華と香織は中等部の生徒にも人気があった。
 今年の春に海外留学から帰国して聖桜学園に入学したと同時に生徒会長になった麗華の噂は中等部にも広まっていた。
 顔は見た事が無くても名前は皆が知っていた。
 香織も中等部の頃から運動神経抜群で校内ではとても有名であった。
 校内で1,2を争う美女である二人が突然自分達の教室を訪れ、しかも香織がしている奇抜ないでたちを見て騒ぐなという方が無理であった。

 「先生は急用ができて授業を続けられなくなったのでこれからは私達があなた達に特別授業をしてあげるわ」

 香織は生徒会員達に押し出されるように教壇に上らされた。
 麗華は生徒達の前に立たされた香織の身体を覆っているマントを留めている紐に手を掛ける。

 「おねがいっ、麗華やめて!」

 肩の紐が解かれるとマントは下まで落ちてしまう。
 今にも泣き出してしまいそうな辛そうな顔で麗華に哀願するが麗華は鼻で笑うと容赦なく肩紐を引っ張った。
 マントはゆっくりと床に落ちその中に隠されていた身体が現れた。
 騒がしかった教室はいつのまにか静まり返っている。
 30人くらいの生徒の視線がすべて香織に集中していた。
 香織の白い肌に黒革の拘束具のような物が巻き付いている。
 両手を後ろ手に拘束されていて自分では隠す事が出来ない大きな胸は上下を革で縛られてその大きさはさらに強調されている。


 「いやーっ!見ないでぇー!!」

 香織はしゃがもうとするが首輪を引っ張られて身体を隠す事は出来なかった。
 拘束具と同じ黒い革で作られたパンティは香織の陰部をかろうじて隠すくらいの大きさで後ろはお尻がほとんど丸出しのようになっている。
 麗華は首輪に繋がっている鎖を持ち、もう片方の手で香織の胸を揉みながら中等部の生徒達に向かって言った。

 「どう?だれかこの恥知らずな女の胸を揉んでみたい人はいない?」

 麗華の呼びかけに対して生徒達は黙っている。
 男子生徒達は誰もが香織の裸体に触れたいと思っているのだが自分から前に出るという事は出来ないでいた。

 「本当に触らなくていいのぉ?みんなチンチンを大きくしているくせに」

 麗華に図星を突かれて生徒達は顔を赤らめて俯いてしまった。
 それでも麗華の香織への攻めは続き、香織の口からはクラス中の誰にも聞こえるような声を漏らすようになってきた。

 「あっ・・・はぁっ・・・ああん・・」

 なるべく出さない様に耐えながらもつい漏れてしまう声がとても官能的で女子生徒達も濡れはじめた股間をモジモジさせている。

 「もう!こんなのじゃあつまんないわ!」

 業を煮やした麗華は生徒会員達に命令して一番前の席にいた男子生徒を連れて来させた。
 大人しそうな顔をした生徒だったが股間は既に大きく膨れ上がっていた。
 生徒会員に羽交い締めにされて身動きがとれない男子生徒は次々と衣服を剥ぎ取られパンツを脱がされると反り返った男根を露にされてしまった。
 クラス中の、しかも女子生徒の前で裸にされて泣き出しそうな顔をしている男子生徒の前に香織を連れてくると頭を掴んで無理矢理男根を咥えさせた。
 麗華は香織の頭を前後に動かして男子生徒に快感を与えて行く。
 まだ童貞でオナニーしかしらない男子生徒にとって香織のフェラチオの効果は絶大で瞬く間に達してしまい腰を震わせながら香織の口の中で射精した。

 「あ・・ごめんなさい・・」

 「いいのよ、この女は男の精液を飲むのが好きなんだから。もちろんこの子の精液も飲んでくれるわよね」

 麗華は精液を吐き出そうとする香織の口を塞ぐとその手で鼻を摘んだ。
 息が出来なくなった香織は仕方が無く口内に溜まっていた精液を飲み干すしかなかった。

 「キャー、飲んだわ」
 「いやーっ、信じられない」

 この光景には今まで黙っていた女子生徒達が悲鳴を上げはじめた。
 今まで後輩達に尊敬されていた香織に女子生徒達は軽蔑の視線を向けていた。
 精液を飲まされてうなだれている香織の前には既に次の生徒がペニスを露にして待っている。
 香織は休む間もなくまた麗華によって奉仕を強制された。



 「ゴホッゴホッ」

 香織は5人目の生徒の精液を飲み下して咳込んでいた。
 俯いた顔には精液がこびりついている。
 最初は大人しくしていた生徒達も香織の近くに集まって来ていた。
 自分の惨めな姿に涙を溜めている香織のお尻を誰かが蹴った。
 すると他の生徒もそれに続いて香織に手を出してくる。

 「いやーっ!!やめてぇー!!」

 香織に群がっている生徒達は髪を掴んで男根を咥えさせたり、豊満な胸を揉みはじめたり、足を開いて股間に顔を埋めたりしてやりたい放題の状況になっていた。
 中等部の生徒に襲われている香織を女子生徒達は嘲った表情で笑っている。

 「香織先輩の胸って大きくて柔らかそうですね」
 「肌は白いのに乳首はちょっと黒ずんでいてエッチっぽいわ」
 「たぶん今まで何人もの男に揉まれてるからあんなに大きいのよ」

 女子生徒達は香織を中傷する言葉を言って盛り上がっている。
 今まで自分達にはとても届かない所にいた先輩が足元で辱められている事に生徒達は優越感に浸っていた。


 「香織、こっちに来なさい」

 麗華に鎖を引かれて香織は生徒の群から引きずり出された。
 自分達の玩具を取り上げられて生徒達は不満そうだったが相手が麗華であっては文句を言う事は出来ない。
 麗華は生徒達の視線を一身に集めている香織を後ろから抱くと片手で固く凝った乳首を捏ね、もう片手は黒革のパンティに伸びる。
 先程男子生徒がこのパンティを脱がそうとしていたが肌にピッチリと付いていて脱がす事が出来なかった。
 まだ中等部の生徒達に見られていない下半身が曝け出されようとしていた。
 麗華の手は香織の秘所をパンティの上から上下になぞる。
 パンティ越しに感じる刺激に香織の身体は火照りだす。

 「あらぁ、ここはもうこんなに濡れているわよ」

 パンティから漏れ出した愛液が香織の腿を伝っている。
 麗華の指は腿の方からパンティの中に入り香織の秘所を弄ぶ。

 「ああっ・・・だめぇ・・・弄らないでぇ・・」

 香織は生徒達の視線から逃れるように顔を背けながらも甘い声を漏らす。
 羞恥に耐えている香織の表情に男子生徒の股間は大きくなる。

 「香織、恥かしい姿を見られて嬉しいんでしょ?もっと気持ちいい事してあげるわ」

 「いやっ!やめてぇぇっ!!」

 麗華は両手で香織のパンティの両端を持つと一気に膝まで下して今まで隠されていた部分が晒される。
 もはや香織の身体を覆う物は卑らしい拘束具だけになってしまった。
 生徒会員達は腿を寄せて少しでも秘所を隠そうとしている香織を教卓の上に乗せると両足をM字型に開いた。
 香織の秘所を少しでも近くで見ようと男子生徒達は教卓の周りに集まってくる。
 何も隠す物が無い香織の秘所に15人の男子生徒の視線が突き刺さる。

 「いやぁ・・・そんなに見ないでぇ・・はずかしい・・・」

 香織は死にたいほどに恥かしいのに身体がその思いに反してどんどんと熱くなっていくのを感じていた。
 欲望剥き出しの男子生徒の視線と年下の女子生徒からの蔑みの視線を浴びて香織の心の奥底に眠っているMの感性が少しずつ目覚めはじめてきていた。

 「これじゃあよく見えないわ。自分の手で広げてみせてよ」

 いつのまにか香織の両手は自由になっていた。
 だからといって自分で秘所を広げる事などできるわけがない。
 そんな事できるわけがないと思っているのに気が付くと香織の両手は自分の秘所に伸びていた。

 「ヒィ!・・あぁん・・・」

 秘裂を広げようとした指が不意にクリトリスに触れてしまい思わず声を上げてしまった。
 しかしクリトリスから流れる快感にもっと浸っていたくて誰にも命令されていないのに香織は教卓の上でオナニーをはじめてしまった。

 「ああぁん・・はぁぁ・・いいぃ・・みてぇぇ・・・」

 後輩達が見ているというのに香織はクリトリスを摘み、胸を揉んで、腰を震わせながらいってしまった。
 生徒達は憧れの先輩であった香織の浅ましい姿に侮蔑の視線を送っていた。



 「さて、これからが本番よ。みんなでこの卑しいオマンコのなかに溜まったものを出しちゃいなさい」

 麗華は絶頂に達して意識が朦朧としている香織の顎を掴むと上を向かせた。
 勝ち誇った笑みを浮かべている麗華の手にはどこから持ち出したのか紅い液体の入ったワイングラスが握られていた。
 赤ワインのように透き通った赤ではなく、まるで血のように毒々しく紅い液体を口に含むと香織と唇を重ねて口移しで香織の中に流し込んだ。
 わけがわからず液体をすべて飲み干した香織に麗華は恐ろしい事を言った。

 「それはね魔法の汁なの。その汁を飲んでHをした時にもしいってしまうとその時中に出された精子は100%孕んでしまうのよ。
でも大丈夫よ。まさか無理矢理させられたHでいってしまうわけないものねぇ」

 麗華の言葉を最後まで聞き取れないうちに香織の身体は男子生徒達に捕まれ教卓から引き摺り下ろされた。
 何人もの生徒達に両手両足を掴まれて自由に動かす事は全く出来ない。
 拘束を解かれた手には勃起した男根を掴まされて精液塗れにされたり白くて細い指を丹念にしゃぶられて唾液を擦り付けられていた。

 「ぐへへへ、一番はオレだ。香織に俺の子供を孕ませてやる」

 目一杯に開かれた股間にははちきれんばかりに膨らんだ男根が迫っていた。
 香織を貪っている生徒達は既に常軌を逸っしている。
 唇をだらしなく緩めて涎を垂らしている男子生徒は先輩である香織を呼び捨てにしていた。

 「ふぇあ!ひゃへふぇ!!」(いやっ!やめてっ!!)

 「香織さん、なにいってるかわかんないわ」
 「チンチンが美味しくて手放せないんでしょ」

 女子の中にも香織を哀れむような生徒は一人も残っていなかった。
 話には何度も聞いているが実際には体験した事も見た事も無いセックスを目の前で見る事が出来るという事に誰もが興味津々であった。

 「いやぁぁぁぁっ!!」

 男子生徒が腰を突き出すと肉棒は香織の体内に埋め込まれて行く。
 腰を左右に振って逃れようとするががっちりと抑えられていて動くのは上半身だけであった。
 香織の秘唇に差し込んだ生徒は男根に纏わり付いてくる肉壁の感触に碌に腰を動かす事が出来ぬままに果ててしまった。
 香織の極上の身体は童貞の生徒に強烈な刺激を与えていた。
 一瞬にして中出ししてしまった生徒を押し退けてすぐに次の生徒が香織に挑みかかった。
 香織の周りには反り返った男根を晒して順番を待つ生徒達で囲まれていた。



 「はぁ・・ああぁ・・・ふぅん・・」

 教室の中には香織の嬌声と腰を打ち付ける音に包まれていた。
 香織が上げる声に混じって女子生徒達の軽蔑する話し声が聞こえてくる。
 時間は既に放課後になっているのだがこの教室だけが時の流れから取り残されたようになっていた。
 誰もが下校したり部活に行こうとはせずに香織の痴態を楽しんでいる。
 香織を陵辱している生徒はこれで5人目になっていた。
 1ヶ月前に妹を盾に取られて数人の男達に毎日のように犯されていた香織にとって童貞ばかりの中等部の生徒とのセックスでは香織をいかせる事は出来なかった。
 教卓に腰掛けて狂宴を見ていた麗華も痺れを切らしてきていた。
 心の底から憎んでいる香織に魔法の汁で孕ませて貶めてやろうと思っていたのだがこれでは失敗に終わってしまう。
 奴隷のように四つん這いになって麗華の足の指を舐めている生徒達を蹴り払うと香織にもっと強い刺激を与えてやろうと立ち上った。
 しかし麗華が手を下す事も無く思い通りの方向へ進んでいった。
 犬のように後ろから犯されている香織の側に近づいた女子生徒が香織のお尻にマジックを差し込んだのだった。

 「ひぃっ!!や、やめてぇ!!そこはだめよぉ!」

 アナルに突き刺されたマジックの威力は絶大であった。
 今までは押し殺したような、思わず漏れ出してしまったような声しか出していなかった香織が突然叫ぶような声を上げて自分から腰を動かしはじめたのだった。
 1ヶ月前の香織への陵辱の日々が終わった後も夜にオナニーをする時にはバイブで秘唇を潤していたのだがアナルに対しては全く何もしていなかった。
 そのアナルに久しぶりに挿入され香織の体中に電流が駆け巡っていた。

 「この女、お尻で感じてるわ」
 「もっと欲しいって腰振ってるわよ」
 「じゃあもっと奥まで入れてあげるわよ」

 香織のアナルに刺した女子生徒はマジックの端を摘むと根元まで押し込んでしまった。

 「ああぁぁん、はあぁぁっ・・やぁぁん・・」

 「香織さん、気持ちいいの?」
 「気持ち良かったらちゃんと声に出して言ってよ」

 女子生徒達は顔を真っ赤にして喘いでいる香織の表情を覗き込む。
 緩んだ口元から涎を垂らしながら香織は涙交じりの声で言った。

 「はぁぁん・・だめぇ、気持ちいいのぉ・・お尻が・・オマンコが・・熱いの・・熱くて気持ちいいの・・」

 香織の恥かしい告白を聞いて女子生徒達は声を上げて笑い出した。
 無理矢理犯されているのに感じてしまいその事をみんなに知られてしまい香織の理性を守っていた壁が崩れ落ちた。

 「ああっ、はぁっ、ああん、あああぁぁん!!」

 香織は一際大きな声を上げて身体を仰け反らせる。
 それと同時に秘肉に埋め込まれていた肉棒から精液が勢いよく子宮内に発射された。
 射精した後も何度も腰を押し付けて溜まった精液を全部注ぎ込んだ事を確認してから肉棒を引き抜いた。
 だらしなく開いた香織の秘裂からは大量の精液が溢れ出してくる。


 「香織、やっとあなたにも満足してもらえたみたいね。良かったわね、来年の今ごろにはあなたは母親になってるのよ」

 麗華はぐったりとして動けなくなっている香織に近寄ると閉じかけた秘唇を指で開いて次の男根を誘う。

 「あっ、言い忘れたけど生まれてくる子供は人間じゃなくて魔物の子供なのよ。あなたは醜い魔物の母親になるのよ。それに1度に1匹だけ生まれるんじゃなくて中に出された人数だけの数が生まれてくるから他の子もどんどん香織に孕ませてやって」

 麗華の言葉を聞いて順番を待っていた生徒達が香織に襲いかかる。
 その姿は人肉を貪る餓鬼の群のようであった。
 香織にはもう意識はほとんど残っていなかった。
 ただ自分が醜い魔物の子供を孕ませられてしまったという絶望感だけあった。
 しかしその気持ちも新たに入って来た男根がもたらす快感によって消えていった。


 「早くやってみせてよ」
 「モタモタしてるんじゃねぇよ」

 香織を取り囲む生徒達から罵声が飛ぶ。
 男子生徒全員の精液を膣内に出された後も解放される事も無く更なるイジメが続いていた。
 香織の秘所を覆っていた陰毛は女子生徒達によって毟り取られ赤く血が滲んでいる。
 お尻をわずかに床から浮かしてしゃがんでいる香織は隠すものが無くなった股間を生徒達に向けて突き出した。
 下半身に力を入れると秘唇とアナルに根元まで埋め込まれたマジックが少しずつ顔を出してくる。
 まるで自分が排便をしているところを見られているかのような感覚になり香織は恥かしくて両手で顔を覆う。
 涙を流しながらイヤイヤするように頭を左右に振る。

 プシャーーーッ

 「やだぁ、オシッコしたわよ」
 「香織さん、ここトイレじゃないですよ」
 「汚した床は後でちゃんと奇麗にしてよね」

 二つの穴に入っていたマジックは外に出す事は出来たが下腹部に力を入れた時に一緒にオシッコまでしてしまった。
 本当に排尿しているところを見られてしまい香織はアンモニア臭のする水溜まりの上に腰を落とした。

 「きったなーい、オシッコ塗れよ」
 「明日も授業あるんだからすぐに奇麗にしてよ」

 もう何もする事が出来なくなってうなだれている香織の髪を掴むとオシッコで濡れている床に顔を押し付けた。

 「舐めて奇麗にしてください」
 「自分のだから汚くないわよ」

 気高い存在を辱めて蹂躪する快感に目覚めた生徒達は香織に自分の尿を舐める事を強要してくる。
 靴で顔を踏まれる屈辱を受けながら香織はおずおずと舌をだす。
 床に溜まった尿を舐めると生徒達からは侮蔑と蔑みと興奮の言葉が飛び交う。

 「しんじられなーい、本当に舐めたわ」
 「今度はお尻に刺さっていたマジックをおいしそうに舐めてよ」
 「俺、もう一回犯りたくなったよ」

 我慢できなくなった生徒達が香織に群がって行こうとした時、

 「誰っ!!」

 教卓に座って香織の痴態を眺めていた麗華がドアの方を睨んでいる。
 麗華から発せられる絶大な妖気は魔力のない生徒達の動きをも止めてしまったのだ。
 生徒会員達は麗華を守るように陣形を作ってこの教室に向かってくる妖気の持ち主を待ち構えている。
 麗華の表情には先程までの笑みも余裕も無い。
 教室内の全生徒が見つめるドアが静かに開くと褐色の肌をした毛深い男が立っていた。

 「あんた、何者よ・・」

 麗華が緊張で掠れた声で男に問い掛ける。
 褐色の男は表情を少し和らげると麗華に近づいた。

 「俺だよ、ベルレスだ」

 ベルレスと名乗った男の言葉を聞いて睨んでいた麗華の表情から緊張が消えた。
 しかしベルレスへの警戒はまだ解いていない。

 「今ごろ何しに来たのよ。ドルクの犬だったくせに」
 「お前だって昔は俺に嵌められて牝犬のように声をあげてたじゃねぇか。
 まぁそんな事はどうでもいいんだ。ここに来る途中に面白いモノを見つけたんで一緒に連れてきたんだが・・」

 そう言ってベルレスは片手に握られている鎖を見せた。
 その鎖は廊下の方まで続いていてその先には四つん這いになっている二人の生徒の首に繋がっていた。
 目隠しをされているので詳しい表情まではわからないがその二人は間違いなく夏美とアユミであった。


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