吸血姫 リーゼロッテ・ドゥケル


『魔獣博士メルト・バルガ』著 アルセリア生態研究録 
 吸血鬼『ヴァンパイア』に関する記述より抜粋

 形状:限りなく人に似た姿。ただし肌は非常に白い
 生息地:人里はなれた古城など
 特徴:以下参照
 吸血鬼、それは様々な伝承に登場するその名のとおり人の血を吸う鬼である。そして、恐るべきは血を吸われた人間はヴァンパイアへなってしまうことである。それに加え通常の武器では傷つかず再生能力を持ち、永遠の命をもっている。
 吸血鬼にはいくつかのランクが存在し、下級のレッサー、中級のノスフェラト、上級のノーライフキングである。上級のノーライフキングは巨人、竜とも並び称されるほどである。
 レッサーは駆け出しの冒険者でも対アンデッドよう武器や魔法を用いれば一体程度なら対応できある程度の実力のある冒険者なら苦戦することは無い。これはレッサーは知能が低く、再生能力も低い、魔術も使わないためである。もっともレッサーとはいえ血を吸われれば吸血鬼となってしまうのは変わらない。
 中級のノスフェラトになると強さは格段に跳ね上がる。ノスフェラトは真祖とも呼ばれ儀式によって自ら吸血鬼になったものをさす。そのため数多の魔術を使う上に人を凌駕する力をもち、多くの僕を従え、変身能力、飛行能力などなどと数多くの力を有している。ノスフェラト一体を倒すのに一国の騎士団が総出でなんとか互角というところであろう、もっともそのような例は数少ない、それはノスフェラトは永遠の命のため怠惰であり危害を加えない限りこれといって戦いにならないのがためである。また、例え肉体を滅ぼしても邪悪なる灰と呼ばれる媒介があるかぎり復活することが何度でも行うことの出来る能力もある。
 上級のノーライフキング、もはやこのクラスになると手におえない、ある文献によると一夜に3つの国を滅ぼしたという伝承もある。それほどの力を持ちながらもノーライフキングは人目につかない場所でひっそりと眠りについているといわれている。
 能力的には人間を凌駕しているヴァンパイアにも致命的な欠点がある。それは日の光の下では能力が半減しレッサーに至っては一瞬にして灰になってしまう。
 もしも、諸君がヴァンパイアに出会ったのならもはや命はないものと考えるべきであろう。



 神官・・・
 それは神の声をきき奇跡の力によって人々を救済することを目的にした宗教者である。
 だが昨今は宗派の勢力争いや、内部での権力争い、金の力で法衣を買った物などと問題を多く抱えている。しかし、末端の構成員達はそんな争いなどとは無縁であり真摯な態度で人々の救済に身を尽くしていてる。
 魔術師ギルドとはその性質のために表向きは衝突をしているが裏では協力しあい人々の安息に貢献している。



 深い森、夜空には紅い月が浮かんでいた。
「はぁはぁ・・・くっなんだ奴は」
 その森をかけながらリーゼロッテ・ドゥケルは焦っていた。リーゼロッテは赤い瞳と銀色に輝く髪が特徴的な小柄で幼い少女の姿ではあるが、数百年の時を生きたヴァンパイア・・・それも真祖と呼ばれるノスフェラトである。
 そのリーゼロッテはたった一人の神官によって追い詰められていた。手には銀色のナイフが突き刺さり再生も思うように行えない。
「なんたら・・・体たらくだ・・・あんな奴に・・・・・・」
 リーゼロッテはけして他のノスフェラトと比べて能力が劣っているわけではない、むしろその実力は限りなくノーライフキングに近いとさえ闇では囁かれるほどである。
「で?どこまで逃げる気だ?追いかけるのも楽じゃないんだ・・・・・・とりあえずめんどくさいからさっさとけりを着けさせてもらいたいのだが・・・・・・」
 いつの間に先回りしたのか神官服に身を包んだ20歳前後の男が立っていた。そう表現するのはあまりにも違和感があるからである。ぼさぼさの髪、剃り残しのある無精髭、整った顔立ちのはずなのにやる気のない表情、だらけきった態度、衣服もよれよれで神官服を身につけているからなんとか神官と認識できるようなものだ。
「貴様、本当に人間か?」
「う〜んどうだろうね?」
 会話をしながらもリーゼロッテは一瞬の隙を見逃すまいと・・・
「ふぁ〜あ・・・ねむ」
 してるのにこの男は余裕のあくびをかました上に
「帰って寝ていいか?」
 そうんなことをのたまった。
「ふざけるな!!『炎霊よ。集いて我が敵を無に帰すためにその牙をむきて喰らい尽くせ』塵になって永遠の眠りにつくがいい!!『フレイム・レオ』」
 炎の獅子がリーゼロッテの手から放たれその一撃が男に牙を向くが男は眠そうな目のまますばやく印を結ぶと
「えっと・・・裂水」
 そのまま腕を振ると水の刃があっさりと炎の獅子を切り裂き勢いを失うことなくリーゼロッテの肩を切り裂いき肩から赤い液体が飛び散った。
「ぐっ己・・・なぜ・・・その東方の術を」
「ああ、これ?東方の魔術だそうだ意外と使い勝手がいいんでな我流で修得した。」
 本来は魔術の修得には様々な訓練によって修得する。初歩的な術でも並みの術者では最低でも3年は必要とされる。それを我流で修得したとなるとこの男の才能は並みのものではない。
「さてと、そろそろ決めさせてもらうぜ。えっと・・・距離は・・・・・・70で構築は銀だな・・・数は8てところか・・・それじゃー銀十字の束縛」
「なんだその術は!?」
 リーゼロッテが今まで生きてきたなかで初めてみる術に一瞬、反応が遅れた。男の手から銀色のナイフがリーゼロッテへと向かい飛翔し刃はリーゼロッテを外れるがその柄につけられた鎖がリーゼロッテを完全に束縛した。
「ぐっ動けん・・・」
「ああ、無理しないほうがいいぞ〜」
 男はゆっくりとリーゼロッテに近づいた。
「殺せ・・・素直に敗北を認めてやる。神官ならわらわを消滅する術くらいしってるであろ・・・わらわは十分生きた・・・・・・わらわを破ったことを誇りにおもうがいい・・・」
 それに対して男は態度を変えることはなく
「ああ、殺すのってめんどくさいからそういうのなしな?」
 あまりに物言いにリーゼロッテは言葉をうしない次に何をいえばいいのかわからなくなってしまった。
「えっと・・とりあえず俺の名前はクルツ・アークライトだ。よろしくな」
「よろしくなって・・・貴様神官だろうが!!なにを吸血鬼たる、わらわに挨拶をしておる。そもそも貴様はわらわを滅するために来たのであろうが!!」
「いや、命令とかめんどくさいし・・・それにほらやっぱり女の子には優しくしないと」
「女の子って貴様はわらわは愚弄するか!!500と有余年生きたわらわはよりもよって女・子供扱いだとふざけるな。気が変わった今すぐ貴様のそっ首かき切ってやる!!」
「それは無理だと思うぞ?そんな状態だし・・・」
 いつの間にかクルツのペースに巻き込まれリーゼロッテは冷静さを失いつつあった。
「ぐっ・・・それで如何するつもりだ?」
「うーんどうしうかと今オレも必死に考えてるんだよな。そうだな・・・うんじゃー抱くことにしよう」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁな・・なにをいっているんだ小僧!!」
「いや、決めたし」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ、貴様それでも神官かぁぁぁぁぁ!!!!」
 吸血鬼に神官の道を問われる堕落振りはなんとも・・・
「ああ、それなら大丈夫。うちの宗派そういう禁はないから」
「そういう問題じゃないだろぅぅぅぅう」
「じゃーなにが問題なんだ?」
「私は吸血鬼だぞ!!化け物なんだぞ!!それを判っていってるのか?」
「細かいことはきにしないほうがいいと思うぞ」
「細かくないだろ!!」
「だってオレも似たようなもんだし」
「はっ?」
「へんだと思わないのかただの人間がこんなに強い能力をもっているのを?」
「それはそうだが・・・」
「オレはダンピールなんだよ」
 ダンピールは吸血鬼と人間のハーフであり忌み子と呼ばれ多くは処刑されるなどするのが一般的である。そして処刑されなくても何らかの機関で特殊な訓練をつまされる。
「なるほど、なっとくがいった。しかし、夜眠いダンピールとはへんな奴だ。だがそれだけではその力は並みのダンピールとは思えん・・・」
「ああ、親父のせいだな。なんでも『真紅の月』とかいうのがオレの親父らしい」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ真紅の月だと!!!そ、それはノーライフキングでも最強と呼ばれる吸血鬼の王だぞ!!」
「そうらしない。お袋がいってたからな間違いはない」
「それで母親は?」
「しがない田舎娘だったらしい。もっとも聖女としての素質を秘めていたらしいが・・・まーその影響でオレの中には魔の最強の血と聖の最強の血が流れてるらしい・・・まーそんなこと興味ないけど・・・・・・」
「くくくく勝てぬはずだ・・・・・・。」
 リーゼロッテは諦めとも言えるようなだがなんともすがすがしい気持ちで笑い声を上げた。
「まーオレは比較的運がいいほうだし、それに今回は可愛い女の子だったし」
「・・・・・・ときにきくが男だったら?」
「迷わず瞬殺」
 あっさり言い切りクルツ、しかも目は真剣そのもの。たぶんリーゼロッテとの戦いのときよりも真剣な眼差しをしていただろう。だが、それはほんの一瞬のことでしかなかったが。
「正直な奴だ・・・・・・強者に従うのは闇の掟だ。だがこころして抱けよ。この吸血姫リーゼロッテ・ドゥケルを抱くのだからな」



「綺麗な肌だな・・・すまないな手荒なまねをして」
 新緑の香に溺れそうな森の中クルツはリーゼロッテの肌に指を這わせた。
「ひゃうっ・・・気にするな・・・・・・」
 リーゼロッテの首には銀色の首輪が光それ以外は何一つ身につけていない状態ではあったがもはや抵抗する気はなくただクルツの愛撫に身を任せていた。
「痕が残らなければいいが・・・・・・」
「そんな・・・はぁぁん・・・こら・・・そんなところを・・・や、やめろ・・・そこは・・・ひゃっぐぅ」
「なんだお尻でいったのか?」
「う、うるさいバカモノ・・・・・・」
 クルツは秘裂に指を這わせねっとりした愛液を指に掬い取り
「体は正直にここをこんなに濡らしてるのにな」
「そ、そのようなこというでない・・・・・・は・・恥ずかしいではないか・・・」
 リーゼロッテはまるで少女のような恥じらいを見せたが心の中は今までに味わったことの無い安心かに満たされていた。それが数刻前まで敵として現れた神官にもかかわらず・・・
「まーこれだけ濡れてれば問題無いよな」
 クルツは股間から己の杭をさらしリーゼロッテは顔面蒼白になった。
「ま、まて・・そ、そんなものが入る・・・のか?」
 それはとてもデカいかった。しかも、超弩級に・・・はっきのいえばリーゼロッテの拳よりも一回り小さい程度で長さも手首から肘くらいまでといったところである。
「大丈夫だ。なんとかなる」
「だ・・大丈夫って貴様・・・・・・それは流石に・・・」
「そんなに不安なら舐めて濡らせばいいだろ?」
「えっと・・・・・・舐めればいいのだな?」
 リーゼロッテは言われたとおりにおずおずと舌を伸ばしながら肉棒に舌を這わせ丹念に唾液で濡らしていった。
「・・・・・・もしかして、お前初めて?」
「う、うるさい!!悪いか!!ああ、初めてだ。吸血鬼になってから何人かそう言う事をしようとした輩はいたが、どいつもこいつも弱くて半殺しにしてやった。」
「それじゃーいろいろと教えてやるよ」
「なっなっ・・・」
 リーゼロッテを四つん這いにし秘裂にそそり立つ男根を押し当てる。
「いくぞ」
「あぐぅぅぅひぎぃぃぃぃはひはひひたいぃぃぃぃいたいぃぃぃぃ」
 秘裂からは赤い雫が垂れ一気に根元まで呑みこんだ。
「おぐぅにいあたへぇ・・・からだが・・・おかひくなるのぉぉ」
「ゆっくり動いてやるからな」
 クルツが腰をゆっくり動かすたびにリーゼロッテは悲鳴をあげつづけたが肉棒が子宮口を刺激されるたびに甘美な衝撃がリーゼロッテの体を襲った。

(なんだ・・・これは・・・苦しいはずなのに・・・・・・それが心地よい・・・もっと激しく・・・もっと・・・)
 リーゼロッテはやがて自ら腰を動かし口からは艶かしい声が漏れ始めた。
「あぁぁん・・・こんなことなど・・・・・・すごいのが・・・・・・白く・・・あぁぁぁぁん」
「イッたのか?」
 リーゼロッテはぐったりとなっていたがクルツの肉棒は衰えるどころかますますいきり立ち、昂ぶりは留まることを知らなかった。
「じゃー次はこっちだな」
 クルツはリーゼロッテの蜜壺から肉棒を抜くと今度は肛門へと挿入した。リーゼロッテは口をパクパクさせながらも左右に分かれた秘裂からは止めないほどの愛液が漏れ。やがてリーゼロッテの口からは歓喜の声が漏れた。
「たまらないのじゃ。お尻の穴がおかしくなる・・・・・・きもちいい・・・もっと・・・もっと動いてぇぇぇぇぇ」
「やれやれ・・・」
 獣のように交わりリーゼロッテは何度も何度も絶頂を迎えた。



「はぁはぁ・・・もうすぐで日が昇るな・・・」
「ああ、だが平気だろ?」
「まぁな私くらいになると日光の下にいるのがちょっと苦手な程度だ・・・・・・それよりもおまえは・・・」
 そういうリーゼロッテの口を人差し指で抑え
「クルツだ。リーゼ」
「なっ・・・わかった・・・しかし他者に名を呼ばれたことなど久しいな・・・それでクルツ如何するのだ?討伐命令は出てるのであろう?」
「まぁな・・・だが出してるのは地方の教会の奴だからなそれなりに手を打てる。オレは一つの土地に入れないからな巡礼者として頼まれただけだ。リーゼを点数稼ぎの道具にさせないよ」
「ふん・・・・・・まぁ信頼してやるとしよう・・・」
「それじゃーこれに着替えてと・・・」
「まて・・・そのあそこがヒリヒリして・・・だな・・・」
「判ったよ。落ち着いたらこいつに着替えろ」
「これは・・・・・・クルツなんでこんなものをもっている?」
「それは秘密」
 悪戯ぽい笑みを浮かべそれは少年のような笑みであった。



「失礼。トマス司教殿」
 クルツは商業都市ザームルにある教会の司教室にへとやってきた。ザームルは地方にありながらも流通の要として発展している大きな町である。そして、トマス司教はザームルを中心にした教会を束ねている人物である。もっともトマスは権力欲と支配欲が強い商人出身の司教で法衣を金で買った一人である。そのため体型はぶくぶくと肥え太った心も体も醜い男である。
「やあやあ、クルツ君。それで首尾はどうだったかね?」
「ええ、うまくいきましたよ。もっとも流石に力を封印するので精一杯でしたけどね」
「それはそれは、では引き渡して・・・」
「いえいえ、いつ封印が解けるかわかりませんからね。彼女は私の監視下に置くことにしましたので」
「そ、そんな勝手なことを、これは私の命令ですよ!!つまり、神の意志なのです。悪しき魔物は私の手で・・・」
―ドゴッ
 クルツは壁を叩きつけると壁が凹み思わない事体にトマスはしりもちをついた。
「ぐだぐだいってるんじゃねぇぇぇぇ。あいつはオレが連れて行く。それに上に相談したら彼女をオレの配下に加える許可も出た」
「なっ・・・」
「ああ、それとな。おもしろい帳簿をここに前着たときに見つけてねぇ。面白い数字が一杯載っていたぜ」
 トマスの顔がみるみる青くなっていたった。
「その件も、報告したからそろそろ・・・」
―ガチャ
 十字架が描かれた鎧を身に纏った屈強な神官戦士が部屋へと入って来た。そして、羊皮紙に書かれた文章を読み上げた。
「トマス司教。あなたに教会の資金の不正使用などいくつかの余罪が発覚しまた。ご同行願いますか?」
「ひぃぃ・・・わ、わしの背後にはデ、ディステート卿がつ、ついて・・・」
「そのディステート卿は昨夜謀反の疑いで逮捕されました。」
「そんな馬鹿な・・・」
 後ろ盾を失ったトマスはただ床にへたり込むだけだった。神官戦士たちはトマスを両脇から抱えると連行していたった。
 クルツはそれを見届けるとこっそりと、どさくさにまぎれて部屋を後にした。
 外に出ると一人の修道女の少女がクルツを待っていた。
「遅いぞ。ずいぶん待ちくたびれた」
「そう、怒るなよ。リーゼ」
「それでどうなったのじゃ?」
「うん?万事解決、無問題だ」
「そっか・・・でどうするのだ?」
「そうだな・・・とりあえず宿にでもしけこんで・・・一眠りしたら次の街でも目指すさ」
「ふむ、あまり激しくするなよ・・・いや、激しいのは嫌いではないが・・・」
「はいはい・・・まーのんびり決めるさ、俺もお前も時間は無限ともいえるほどあるからな」
「それは・・・いえてるな・・・それにお前となら・・・(ぼそ)日の光のもとに生きるのも悪くない・・・」
「ん?なんかいったか」
「なんでもない。気にするな」
 空高く日の光が輝いていた・・・・・・


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