転生



 「アハハハハ、おまんこじょぼじょぼしてぇぇえザーメンちょうだい、ださしてえぇぇ」
 人型にくぼんだ石制のベッドの上。
 かつては気性は荒いがそれでも人々を守る一角獣近衛隊の1人だった少女は快楽を求めて喘ぐ。
 貪るように精液を出すことを注がれることを望む。
「くすくす。ここまで堕ちれば作り変えるのは楽ね。羽化ももう少しかしら」
「おちんちんがビクビクしゅるの」
 射精した精液が窪みにたまる。それが一定量までにたまると
「儀式を始めるわ。準備を」
 数名いる助手たちに指示を出す。助手たちは大きな水がめを手に取ると窪みに中に入った薬液を流し込み顔まで多い尽くすがエヴァは苦しむことは無くその薬液の表面が徐々に固まり始める。
 やがて、それは白い『繭』のような形へと変わっていった。
 それを眺めるベネルは嬉しそうに笑みを浮かべ
「さー産まれるわよ。新たな魔人『ベルゼブブ』の誕生ね」
 そう高らかに宣言した。 

 ドクンッ――

 ドクンッ――

 ドクンッ――

 激しく鼓動する心臓のような音が響き黒い光が繭の隙間から漏れる。
「ベネル様。魔力値が20%上昇」
「繭の強度がレベル3まで低下」
 助手からの報告を受ける
「繭の強度をレベル4まであげなさい。そこで固定。魔力値の観測は怠らないで!!封縛結界をはって魔力の流失を抑えなさい。」
 厳しい口調で指示を出す。助手たちはその指示に従い動く。
「魔力値、繭の強度ともに安定。内部の温度、生命反応ともに正常値にまで安定しました。」
「いいわ。最後の因子を流し込みなさい」
「はっ」
 巨大な注射をもった助手が歩み寄り繭へと刺した。
「さー産まれなさい。」
 繭が激しく揺れ、白かった繭はやがてどす黒い色へと変わり亀裂が走る。

 ビキッ―

 鈍く乾いた音が響くやがて亀裂は大きく開き腕が現れる。腕にはまるで濃い剛毛が生えておりまるで蝿の手のような表面をしている。
「起きなさい、『ベルゼブブ』」
 その言葉に反応するかのように眠っていた少女は体を起こす。
 その体はかつての面影は無く体は黒い堅い質感の皮膚で覆われ背中には蝿の羽をもちその頭部も黒いヘルメットをかぶったような風貌で頭頂部の左右には大きな赤い瞳が光っおりその中央にはハエの触覚が生えていた。
「どう気分は?」
「とてもいいです。ベネル様。」
「そうよかったわ。貴方には早速だけど働いてもらうわね」
「はい、お任せを。」
 新たな魔人がここに誕生した。

 ★ ★ ★

 一方――・・・・・・

 取り残された、リタとジャクリーヌは自信の無力さを噛み締めていた。
「ねえ、トパーズ。ベネル様がいっちゃたね?」
 ウェーブかかった不思議な虹彩の髪の少女が傍らの少女に尋ねる。
「そうね。トルマリン」
 そっけなく蒼色の髪をショートヘアーにした少女が答える。
 2人の少女は互いの顔を見合わせ笑う。
「ねえ、トパーズ。ベネル様は『綺麗』にしておけと言われたのよね?」
「そうね。トルマリン」
「じゃーさ私たちのやり方でいいのかなトパーズ?」
「そうね。トルマリン」
「じゃーさ遊んでいいってことかなトパーズ?」
「そうね。トルマリン」
 くすくすとトルマリンは笑う。
「じゃーささっそくやろうよトパーズ」
「そうね。トルマリン」
 2人の少女は見せつけるように唇を重ね舌を絡め合い互いの背後に手を回すとキスをしながら服を脱がせる。
 衣服は衣擦れする音を立てながら地面に落ちる。
「トパーズのおマンコ濡れ濡れだよ。すまし顔なのに淫乱だね。」
「そう・・・はぁん・・・トルマリン」
 トパーズの口から甘い声がもれる。
「そろそろ、いいよね。トパーズ」
「そうねぇトルマリン」
 脅える少女に近づくと
「あたし、こっちの三つ編の子にするわ。トパーズ」
「そうなら、私はこっちの子にするわ。トルマリン」
「やっ止めてください」
 リタは制止の声をあげるがそれが聞き入れられるわけもなく
「止めてくださいだって可愛いねトパーズ」
「そうね。トルマリン。でもこっちの子は抵抗しないわ。」
「きっと期待してるのよトパーズ」
「そうね。トルマリン。」
 好き勝手いわれながらもジャクリーヌはあまりにも異常な状況のその鮮明な頭脳も処理できずにいた。
「怖がらなくてもいいわよ。」
 ゆっくりと近づき拘束を解くがリタとジャクリーヌの体は長時間拘束されていたため機能が麻痺しており精液の撒き散らされた床に倒れこんだ。
「じゃー始めるよ。トパーズ」
「いいわ。トルマリン」
「ななに・・・いや・・・体に・・・はぐぅ・・・なにか・・・あぁぁ入ってくるぅぅ」
「やめ・・・あぁぁ・・・」
 さすがのジャクリーヌも声をあげる。
 リタとジャクリーヌの背中に当てたられたトルマリンとトパーズの右腕を見ると手首から先が存在しない。いや、そうではなく手首から先が2人の少女の背中と融合していたのである。
「すぐに自由にしてあげるよ。ねっトパーズ」
「そうね。トルマリン」
 その言葉の通り融合していた腕が元に戻る。
「それじゃー綺麗にしてあげるね。始めるよトパーズ」
「ええいいわ。トルマリン」
「えっなに!?」
「・・・これは?」
 2人の少女は自身の体が自分の意志とは関係なく動き出す。
「くすくす。私たちの能力は「マリオネット」肉体の一部分を相手に植え付け自在に動かせるの」
「加えるなら精神共有もすることができる。複雑でなく単純な動きなら複数の人間にも使用することができる能力。」
「だからねっ」
「やめ・・・」
 リタとジャクリーヌの体が動き出す。互いの意志とは関係なく犬のように舐め始める。
「それじゃトパーズ」
「ええ。トルマリン」
 2人は手を重ねると互いの手が一つになるとすぐに離す。そして互いの秘裂をなでまわしながら舌を絡めあう。その感覚は床に這いつくばる少女に伝わり身もだえして精液溜まりに倒れこむそれでも体は再び床を舐めるがその量は少女達の秘裂から溢れる愛液で量が増えるばかり。
「そろそろいいかな。トパーズ」
「そうね。トルマリン」
 こんどは二人の体を動かし互いの体を舐めさせる。しかも、淫靡で見せ付けるかのようにだ。
 2人の感度は急激に高まる。トパーズとトルマリンの体を通して互いの高速で快楽が行き交いそれが何倍にもなって帰ってくる。
「あっここが気持ちいいみたい。トパーズ」
「そうね。トルマリン」
 感度を共有してるのだから感じるところを誤魔化そうにも誤魔化せるわけも無く、免疫のない快感に弄ばれる少女たちは心は高揚しその感覚が自分のモノなのかそれとも相手のものなのかわからず
「「あぁぁん・・・そこは・・・はぁん・・・」」
 はしたない甘い声が自然と漏れる。
「ねえねえ。トパーズ」
「なに。トルマリン」
「あの子のお尻さ・・・」
「みたいね。」
 2人の淫猥な少女は操り人形と化した少女を69の体位にする。
「いや・・・そんなところ舐めさせないで」
 拒絶するリタの舌がひくつくジャクリーヌのアナルへと伸びる。むろんジャクリーヌの舌も同じように伸びる。
「くすくす。大丈夫。おいしく感じるように弄ってあるからねトパーズ」
「そうね。トルマリン」
 ジャクリーヌの自身で開発したアナルはその与えられる快楽に抗うことは無くより一層の快楽を求めて蠢きそれに呼応するかのようにリタの未知の領域であったアナルもまた激しく蠢いた。
「指が何本はいるか試してみようか。トパーズ」
「面白そうね。トルマリン」
 手が動かされ指がアナルへと一本また一本と入っていく。そして苦痛とそれを上回る快楽が全身を駆け巡り
「はぁぐぅ・・・こんな・・・苦しいのに・・・きもちいぃぃ・・・」
「そごぉぉ・・・だめぇ・・・」
 2人の少女は喘ぎ声を上げる。
「いやぁぁおしっこが・・・でちゃうぅぅ」
 快楽のためにゆるくなったリタの尿道からは大量の小水が溢れジャクリーヌの顔を濡らす。
「また汚れたね。トパーズ」
「そうね。トルマリン」
「じゃーまた綺麗にしよ」
「そうね。トルマリン」

 ★ ★ ★

「で、これはどういうことかしら?」
 ベネルが戻ってきて目にしたのは、快楽のためにもはや操れてるのかそれとも自分の意志で快楽をもとめて体を動かしているのかわからないリタとジャクリーヌは互いの小水にまみれそれを舐め取り床に大量の愛液を撒き散らしながら互いのアナルを弄りつづけ恍惚の表情を浮かべながら淫猥な歌声を奏でていた。
「えっと・・・まずいね。トパーズ」
「そ、そうね。トルマリン」
 そんな2人をみてベネルはにっこり微笑むが目は笑っておらず
「お仕置きね。」
 にべも無く言い放つ。
 2人の少女は顔が青くなった。

 そして・・・

「あぁぁぁん・・・ひぃぃぁぎぃぃぃい・・・ごめ・・・ベ・・・あぎぃぃぃ」
「おゆ・・・ひぎぃぃあごぁぁ」
 トパーズとトルマリンは巨大な肉の塊から伸びた触手に犯されていた。そしてその様子を見つめるベネルの後ろにリタとジャクリーヌが触手で絡めとれら同じように絶叫を上げていた。違う点といえば犯されていないというだけである。
「まったく。しょうのない子達ね。とりあえずイケない状態で、そうね。半日くらい放置しておこうかしら?ついで貴方たちの教育も始めましょ」
 そういい残し部屋を後にした。

 ★ ★ ★

(なんで私がこんな目に・・・)
 リタは内心そう思いながら、快楽の拷問を受けていた。
 頭は思いのほか冷静だがそのせいで余計に快楽がたかまるがそれでも絶頂を迎えることができず快楽が体に染み込んできていた。
(イキタイノデショ?)
(だ、誰?)
 突然心に響いた声に驚いき辺りを見回したが誰もいない。
 だが、リタの意識が一瞬なにかに引き込まれる感覚に襲われ気がつくと暗闇の空間にいた。
(ここは何処?)
 徐々に辺りの景色がはっきりしてくる。そこはピンク色の雲が上下にありまるでそらに浮かんでおり、裸でそらに浮いていたのである。
(キモチヨクナリタイノでしょ?)
 また声が聞える。
(誰なの?)
(あたしハアナタ、本当のアナタ)
(ウソ・・・)
 心の中での不思議な会話。
「ウソじゃないわ」
 はっきりと聞える声が背後から耳朶を打った。
 思わず振り返るとそこに立っていたのは意外な人物だった。
「えっ・・・わ、私?」
「そう、私はアナタだけどアナタじゃない。私は本当のアナタ」
「ど、どういうこと?」
 あまりのことに困惑する。
「だから私は本心のアナタなのよ。卑しいアナタのね」
「卑しいですって?」
「そうよ。卑しくて淫乱の私。おマンコいじりたくてしょうがないのよ。こういうふうに」
 目の前の少女はリタの秘裂に手を伸ばし軽くなぞる。
「はぐっ」
「うぅうん・・・気持ちいい。もっと触りたい」
 何度も何度もなぞる。リタは抵抗し様としたがなぜか体がいうことを聞かない。
「やめて・・・くだ・・・」
「嫌よ。なんで私がアナタの言うことを聞かないといけないの?私はアナタの心の奥底でずっと辛い思いをしてたのよ?やっとで出て来れたんだからねっ」
 そういいながらリタの軽く肉芽を弾く
「ひぐぅっ」
「くすくす。すっごく感じちゃう」
「そんな・・・」
 リタが言いかけたのを制するように少女は人差し指を唇に当てる。
「ウソはいけないわ。見せてあげるアナタがどうされたいか」
 突如空間が裂け無数の触手が伸びてくる。それが2人のリタを拘束する。
「なに・・・これ気持ち悪い」
「ううん、このぬるぬるの触手が気持ちいい」
 同じ容姿でも反応はまったくの対象。
「さー最高のショーを始めましょう」
「ひぃ」
 触手は胸へと伸び愛撫を始める。
「い、いややめて」
 拒絶の声をあげるリタリタ
「うぅん、そこ気持ちいい。もっとして」
 艶やかな声をあげるリタ
 ヌラリヌラリとまるでナメクジが全身を這いまわるようにその小さな胸全体を刺激し先端にある繊毛のような部分で乳首を絡めとりながら乳腺にすら侵入してくる。
「くるしい止めてぇぇぇぇ」
「あぁぁそんな奥まで・・・あぁぁきもちいぃぃぃもっとおっぱいをいじめてぇぇぇぇぇ」
 激痛が全身を駆け巡るがそれと同時に快感も駆け巡り秘裂からは止めなく愛液が溢れる。
「あああぁぁ最高ぅぅぅぅぅもっとぉぉぉぉぉぉ」
 悦楽の声をあげるリタ
「やめぇぇ・・・あぐぅぅひぐぅぅう」
 苦悶の声をあげるリタ
 鏡写しのリタ。
 一方のリタは快楽の声を
 一方のリタは苦悶を声を
 相反する2つの声が不協和音を奏でる。
 その歌声に踊るかのように触手は蜜溢れる秘裂へと伸び秘裂をこじ開ける。
「いやぁぁやめてぇぇぇぇぇ」
「あああ、そんな奥まできもちいぃぃぃぃぃ」
 触手は尿道を圧迫し膣内を太い触手が占領し子宮口をこじ開け排卵管にまで細い触手を伸ばして微弱な刺激が快感となって全身を襲う。

「そんなとこ・・・はぁぁん・・・」
「くぅぅぅいぃぃ」
 拒絶を示していたリタの口からも甘い声が漏れ始め、触手は数を徐々に増やしアナルへと伸びその堅く閉ざされた門をこじ開け腸内の汚物を吸い出しながら激しく脈打つ
「はぎぃぃぃそこもいぃぃぃ」
「いやぁぁはぁん・・・そんなぁぁあぁん・・・」
 触手はその一本一本が意志があるかのように蠢き何度も何度もリタをイカせる。一度イク度にリタの感覚はどんどんと加速度的に高まり
「「はぁぁあん・・・あぁぁぁんぐぅぅいぐぅぅぅぅぅ」」
 2人のリタの不協和音が協和音に変わり快楽の歌を歌った。
「あははは・・・もっと・・・もっと・・・」
 リタは狂ったようにもとめそれを触手から解放されたもう一人のリタが見上げていた。
「くすくす、完全に堕ちたようね。さーリタ、私と一つになりましょうそうすればもっと気持ちよくなれるわよ」
 その瞳は奈落のように深く黒い光を宿していた。
「もっひょきもひくなれるの?」
 呂律も思考もまわらずただ快楽にその身を堕としたリタはただ快楽を求めるだけだった。
「そうよ。」
「うん・・・はぁぁんもっときもひよくなれるならどうへもいい」
 リタの魂は闇へと飲まれていった・・・

 ★ ★ ★

(なぜ・・・このようなことに・・・)
 ジャクリーヌは薄暗い路地で鎖に繋がれ全身を生臭い白濁した液体にまみれていた。
「おらメスブタ今日も餌を与えにきてやったぞ。」
 下卑な男が3人ジャクリーヌの前にたっていた。
「おらとっとと挨拶しな!!」
「ブヒッきょうも卑しいメスブタに精液様をお恵みください・・・」
 リタの意志とは関係なく口が勝手に音を出す。
 男たちは前戯もするわけでもなく乱暴にいきり立つ男根を強引にねじ込む
「けっもうゆるゆるなガバマンだな。メスブタ」
「ケツマンコもガバガバだぜ」
 げらげらと男たちは笑う
「元一角獣近衛隊といっても所詮はメスブタだったてことだ」
「はい・・・私はメスブタです」
 ジャクリーヌの意志とは別に体はかってに動き男達の性のはけ口に進んで体を差し出す。
(そう・・・私たちは負けた・・・敗北・・・そして・・・私は堕ちた・・・)
 美しかった街は荒廃し、暴徒がはびこり略奪、殺傷、強姦、罪をあげれば限がない。
「えへへへ精液いいの」
 体はやはり狂っている。だが心は狂っていない。
(こんなこと・・・)
(嘘つき・・・私は望んでいた・・・犯されることを・・・)
(だれ?)
「私は貴方よ」
 それは体が喋った。そして、そのとき初めて気がついた。自分が背後から自身が弄ばれてる姿を見ていたことに
「これは・・・まやかし?」
「いえ、すこし違うは。これは私が望んだ世界であり貴方が望んだ世界」
「こんなこと望んでなど・・・」
「いたわ。だって私は貴方だものなんでも知っている。お尻で感じることも人々から蔑まれたいこともね。最年少で一角獣近衛隊へと入ったけど・・・本当はそんなことを望んではいなかった。貴方はもともと光に身をおく存在じゃない。なぜなら貴方の心は闇を抱いていた。なにせお尻で感じるようになったのも元は嫌がらせから始まったこと・・・そして背徳の快感が貴方を支配している」
 もう1人のジャクリーヌは勝ち誇ったように話を始めると空間はくだけ何も無い二人だけの世界へと変わった。
「・・・・・・」
「言葉が出ない?まーいいわ。もう貴方は逃げられない。快楽を求めてるのでしょ?背徳者・・・さー私と一つに」
 ジャクリーヌの心と体が重なる・・・

 ★ ★ ★

 所狭しと機械が置かれた部屋。専門の知識が無ければそこがなんの目的の部屋なのか判らないであろう。
 その部屋の中央にはリタとジャクリーヌの様子を映した映像が空中に投影されていた。
「ベネル様。2人はどうなったのでしょう?」
「気になるのターニャ?」
「はい」
「いいわ、教えてあげる。あの2人にはちょっと幻覚を見せてあげてるのよ」
「幻覚ですか?ですが一角獣近衛隊では・・・」
「精神攻撃にたいする強固な精神防御を施されてるのでしょ?でもそれはあくまで外部からのものに対して、トパーズとトルマリンを媒介にして内部の欲求やストレス。つまりマイナスの思念を増幅しその隙をつけば簡単に見せることができるわ。もっとも肉体、精神を疲弊させる必要があるけどね。」
「流石です。これでエヴァとともにリタとジャクリーヌを手に入れることが」
「違うわよ。本命はリタとジャクリーヌの2人。エヴァがおまけよ」
 それはあまりにも意外な答えだった。
「えっそれは・・・エヴァのほうが戦闘能力なら2人よりも・・・」
「高いわ。でもそれはあくまで単純な戦闘能力よ。実際の戦闘で役に立つなら特にリタね。あの感知能力は非常に魅力的よ。それにジャクリーヌの結界能力。逆にそれだけ結界を破る力があるのだからその力も魅力ね。ただ強いだけの兵など必要ないのよ。様々な局面でも能力を発揮できる兵が優秀なの貴方も覚えておきなさい。」
「はい、ベネル様」
 2人の会話が一段落したとき
「ベネル様。どうでしょう似合ってますか?」
 そこにはがさつが抜けたエヴァが立っていた。
「あら可愛いわわよ。ねっターニャ」
「ほんと素敵よ。エヴァ」
 2人はそう賛辞を送った。エヴァの身につけている衣服はかつての彼女が嫌いだったヒラヒラのついたまるでお姫様のようなフリルのついた幼い印象をうける漆黒のドレスだった。
「それじゃー仕上げに入るわよ。よくみておきなさい。新たな魔人の誕生を」
「ベネル様。被検体4号。魔力との適合率が120%になっています。これほどの適応は・・・」
「想定内よ。つづけなさい。」
「報告。被検体3号の変態が開始。続けて4号も変態を開始しました。」
「いいわ。続けなさい。」

―1時間後―

 石造りの部屋そこには奇妙な石像が転がっており、すべて砕かれており一つ残らず苦悶の表情を浮かべている。
「退廃の『バジリスク』背徳の『アラクネ』どうやら調子がいいようね。」
 ベネルはターニャとエヴァを引き連れその部屋へとやってきた。
「はいベネル様」
 アラクネと呼ばれた蜘蛛を連想させるような少女が頭をたれ
「この程度のこと当然です」
 バジリスクと呼ばれた爬虫類のような皮膚の少女は傲慢な態度をみせた。
「いいわ〜最高よ貴方達。」
 その反応に歓喜の声をベネルがあげる。
「お褒めいただき光栄です」
 アラクネは人の姿へとかえる。その姿はかつて智の天使と呼ばれた少女ジャクリーヌであり
「当然のお言葉です」
 バジリスクはリタへと姿を変えた。2人の性格にも変化があらわれていた。
「それじゃー貴方達に指令を与えるわ。」
 怠惰の「ベルゼブブ」のエヴァ。退廃の「バジリスク」のリタ。背徳の「アラクネ」のジャクリーヌのこうして三人の天使は闇に堕ち三人の魔人が誕生した。


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