エピローグ



 それからさらに時が流れ後の歴史書には次のように記されている。

 龍王国歴史書

 賢帝ゼクロ・バハムート・ラグーン
 戦争終結後、龍王国建国しその卓越した手腕により荒廃した土地を5年で豊饒の土地へとかえた後、雇用制度の徹底、教育の充実、税の緩和、なによりも貴族の多くの特権を廃止しその利権を民衆に開放することにより経済発展が一気に10年は進んだ功績は大きい。後年は後進の育成に心血を注ぎ数々の偉人を育てあげる。

 美龍エキドナ・ティアマト・ラグーン
 10年ぶりに救出された後感動の再会を迎えゼクロが結婚するまで龍王国に滞在するも、「お父様のような冒険者になるわ。ゼクロもチェルシーも元気でね」という置手紙を残し出国。後に東の島国ヤマト国の王子と結婚したという風の便りがあったが審議は定かではない。
 
 知姫クロエ=アルティナ・リグ・フォルテ・ラグーン
 龍王国が安定した後ゼクロと正室に迎えられる。正室へと入った後もゼクロの情報網となりその手腕を振るう。その影の実行部隊の名前は残念ながら記憶に残ってはいないがその活躍は地方に多く残されている。
 そして男児1人をもうけ後の影龍王「クーロン」となる。

 鬼姫キルデ
 オーガの国を建国後王座を譲り、ゼクロの側室に入った後に女児1人男児1人もうけゼクロと末永く暮らす。後に男児は龍鬼王「ゼル」となりオーガの武王としてその名を知らしめる。

 魔道妃フリーダ・ブリシテン・ラグーン
 その自身にかかった呪いのために子供をもうけることはできなかったが、それでもその力を龍王国の発展に大きく貢献し後にこの世界の全ての魔術をまとめた魔導大全1025巻を編集し建国から50年経過した現在も龍王国建国当時の姿で健在である。

 馬族の長メイ・ラグーン
 三つ子の女児3人をもうける。武勇に秀でた彼女は多くの戦士の師となる。後にその娘は竜馬(りゅうめ)の3姉妹と呼ばれる女戦士になり、近年、その3姉妹の未開の地での冒険を綴った冒険記は多くの人気を集めている。

 自由騎士アルト・フィリス&龍の姫チェルシー・コアトル・ラグーン
 戦争終結後。アルトは領地を与えられたがそれを辞退。自由騎士になり多くの人々を救う旅にでる。チェルシーはゼクロの妹であることが正式に公表される。それに伴い名前を改めるも旅にでたアルトを追いその力になった。後に2人は正式に婚姻を結び晩年は静かな農村で暮らす。

 魔道医師ベネル
 戦争終結後も龍王国に留まりその医療技術を伝える医療機関本部「ヒーラー」を設立。肉体だけに問わず精神の治療の技術を確立するなどその多大な功績と技術は大陸一と称される。そしてベネル女史の傍には常に薬草学に詳しいダークエルフの少女がいたという。

 妖魔皇クルツ・アークライト&吸血姫リーゼロッテ・ドゥケル
 夜の国を建国し妖魔が人々に害をなさないように管理する。当初は反発があったものの長年のパートナーであるリーゼロッテの力も借りなんとか平定し今では人間とよい関係を築きあげ国が安定を見計らいめでたく結婚。

 雷刃アイゼル・マーカス&戦乙女ロス・ヴァイセ
 アイゼルはグーグニの最高軍事顧問に就任。ロスは剣をおき心通じ合っていたアイゼルと結婚し多くの子を授かる。

 百眼アスラン・ローリエン
 龍王国との和平交渉の先頭にたち和平を確かな物にする。そのご故郷の幼馴染と結婚し子供を4人もうける。

 そして・・・

 戦争後、行方がわからなくなった最大戦犯ミリア・リグ・フォルテ・ラルデリカとその娘フローラ・リグ・フォルテ・ラルデリカはその後いかなる捜索にもかかわらず発見されることはなかった。だが、龍王国の色町の一角にある娼館でよくにた2人の女性を見かけたという噂が立ったがそれをみた人は口々に似てなくもないがあんな卑しい女が聖女だったはずはないと口にしやがてその噂も闇へと消えた。
 時は流れ異種族交友も盛んになり異種間でのハーフも多くなっていった。
 人々は魔獣などの危険もありながらも平和を謳歌し安息な暮らしが続く。しかし、自身の謳歌する平和の下でどれほどの闇が広がってたを知る者は少くなっていった・・・

END


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