1 メイド朝の戦い


 その孤島は東京から船で3時間程度のところにある。
 広さは一周するのに歩いて2時間かかるかかからない。その島には一つの屋敷が中央に立っていた。
 屋敷自体のつくりから考えれば500人は生活できるだろう。だが、この屋敷で生活をしているのは屋敷の主と5人のメイドだけである。


 ★ ★ ★

 朝日のあたる廊下を青色のミニスカートのメイド服を着たショートカットの藍色の髪と褐色肌が特徴的な少女が軽い足取りで歩いていると正面から黄色のワンピースのメイド服を着た赤いリボンで金髪のポニーテルにした金色の瞳が印象的な少女が歩いてきた。
「おはようございます。アザミさん」
 キツネの尻尾をもった少女――金野 葉子(こんの ようこ)から挨拶をした。その葉子の腰には身長と同じほどの刀をもっておりなぜかキツネの尻尾が生えていた。。
「よう、キツネ娘」
 アザミ――大庭 アザミ(おおば あざみ)はぶっきらぼうに返す。
 2人ともにこやかに挨拶を交わすがその瞳は笑ってはいない。
「ところでアザミさん、どちらに?」
「そんなのご主人様を起こしにいくに決まってんだろ」
「あら、それでしたらおよびませんわよ。私が起こしにいきますから」
「ああ、そっかっ!」
 アザミは、いきなり正拳突きを放つ。だが、葉子はそれを予測したかのように後方に飛びのき着地と同時に腰に刀を構えアザミに向って迷うことなく抜刀する。その太刀筋を靴底で受け止め今度はアザミが後方に飛び退く。
「アブねえな。だが今日こそあたいがご主人様を起こす!!うぉぉぉぉぉ萌えろあたいのメイド魂『ヴィクトリア隆盛拳!!』」
 無数にくりだされ音速の拳から放たれてた拳圧が葉子に襲い掛かりかすった拳圧で頬が裂ける。
「なんですかそのどこかの少年漫画の主人公のような必殺技は!!」
「ふっ、こないだ読んだマンガのみようみまねだ。凄いだろ」
 少し薄し胸をはり自慢する。
「たしかに凄いですけど…後片付けが大変そうですね」
「うっ…」
 アザミの拳圧で廊下がぼこぼこまだ命中精度が悪いのかなにはともあれ室内ではあまり使わないほうがいい技である。
「そもそも奥義というのは日々鍛錬して身につけるものです。行きますよ。一刀流奥義『一念戦神』」
「げっ!?」
 今度は葉子が刀を正面に構え突進し衝撃波をくりだし窓ガラスがわれアザミの攻撃よりもさらに大きな被害を広げる。
「どうです!」
「いや、どうですって言われてもあたいよりも壊してねえかその技?」
「えっ…」
 たしかにそのとおりである。
「と、とりあえず、貴方を倒してご主人様を起こしに行きます」
 葉子は無かったことにして刀を構える。
「むっ、邪魔するならこの拳で黙らせる!!」
 拳と剣がぶつかり合う。その2人の激闘を影でこっそり見つめるピンク色のメイド服を着た少女が1人……
「いまのうちです」
 まだ幼さが残り虹色に輝く髪を縦ロールにし大きな丸めがねの少女――遙 ライム(はるか らいむ)はこっそりと動き出したが。
「どこ…行く気…?」
 それを追いかけるようボンテージ風のメイド服をきた目つきの悪い蝙蝠のような羽を持つ少女――アリューシャがあらわれた。
「アリーシャさん邪魔しないでください。今日こそはお姉様をわたしが起こすのです」
「まったく…お姉さま…ではなく…ご主人様…」
 スカートの中からそこにどうやって収まっていたかは判らないがライフルを取り出す。
「眠ってもらう…」
「そうはいかないです。マジカルバズーカ」
 そうライムが叫ぶとライムの手にはバズーカが握られており
「マゾ悪魔のアリューシャさんはこれでもくらえです!マジカル・ラブリー・拷問車!!」
 バズーカから放たれた光がアリーシャを捕らえると巨大な水車があらわれそれに縛られつけると水車が回り始める。
「こ、これは…あぁ…こんな…責めなど…あぁぁ…いい…この痛いの…あぁぁ濡れる…」
 アリューシャにとって心地よいほどの痛みに思わず快感を感じてしまいその苦痛に身を任せてしまった。
「今のうちです」
 ライムは急いで目的の部屋までたどり着くと慌てて扉をあける。
「お姉さ……」
 そこまでいいかけて声が止まった。
「どうですかご主人様お目覚めになりました?」
 黒を基調としたメイド服をきた女性――蜜月 綾香(みつづき あやか)が美少女の股間に顔をうずめる。だが少女は美しい容姿とは裏腹に少女はないはずの男性のシンボルに舌を這わせていた。
「綾香さん…あっでちゃいます」
 黒曜石のように輝く髪の美少女がとろけるような甘い声とともに射精する。
「では、お嬢様こちらの処理も済ませますね」
 丁重に舌を這わせ少女の精液を飲み込むとベッドから降りる。
「それでは、お嬢様。朝食のご用意しておきますので御ゆっくりと…ライムさん、そんなところに立っていないで廊下で発情しているおばかな方を解放してきたらどうですか?」
 にっこりと微笑みをライムに向ける。
「う、うん」
 生返事を返すだけであった。そして、綾香が部屋を後にしてしばらくたつと、この世の物ともいえない悲鳴が廊下から聞こえてきた。


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