第9話 「ナナの心」
あれから1週間がたった。あたしの体は日々、淫らなものへとなっていく・・・・・・朝、目が覚めてから、あたしはまず、お尻に入れられたいまいましい淫具に空気をいれること・・・・・・やりたくなくても、やらないと結局あとからアイツの目の前で入れさせられる。それが終わると身支度をすませる・・・・・・トイレにはいけない。アイツの力で、無理やりクリトリス、尿道、膣口の感覚を共有させらた・・・・・・おしっこするときあまりの激しさに意識は刈り取られ、そのせいで遅刻すんぜんになった。しかも、イクときはイクことをいわなければいけない・・・あたしはアイツのことが嫌いだ・・・あたしを犯すアイツは嫌いだ・・・あたしからサクヤを奪うアイツは嫌いだ・・・そして・・・・・・あたしの心を――からアイツはだっっっいっっっっっ嫌いだ!!
あたしは、アイツのことを嫌いだ。そのことはアイツは知ってる。心を読む力・・・サクヤと同じ力・・・でも、アイツは・・・・・・止めよう、いくら思っても事体は変わらない。アイツに従う、それしかサクヤを守れない。そう、あたしはサクヤを守るためならどうなってもいい・・・だからアイツに従う。嫌いなアイツに従う理由なんて他にあるはずがない。
今日は、サクヤがお弁当を作ってきてくれる。サクヤのお弁当は好き。かあ様のお弁当のようにあったかい。
「ナナちゃん。お待たせ」
「ううん、待ってないよ。サクヤ」
サクヤとお弁当を食べれるならどれくらいの時間でも待ってられる。
「では、いきましょうか?」
「うん」
サクヤとのお弁当はサクヤの植物園。サクヤが育てた植物はプロミスランドのものに似てるのもあるから幸せ。
「さっ食べましょうか?」
「うん、もうお腹ぺこぺこ」
幸せ、サクヤが笑ってくれてる。あたしはこの笑顔のためならどんなことにも耐えられる。
「楽しそうですね。2人とも」
「あっ、補佐官」
「カイ・・・なんで・・・」
なんでアイツがここに・・・
「こら、ナナ。ダメよ。そんな口の利き方は」
サクヤに怒られた。かあ様が怒るときの口調に似てる。
「いいよサクヤ。ナナらしいじゃないか」
なんで庇うの・・・あんたなんかに庇われたくない。あたしはあんたなんか・・・嫌い。
「そうですか補佐官がそう言われるなら・・・それより補佐官は?」
「いや、たまにはここでお昼をと思ったんですけど、お邪魔なら別の場所に行きますよ?」
よかった。いなくなる・・・
「いえ、邪魔だなんて。補佐官が宜しいのでしたらご一緒しませんか?」
なんで、そんな奴・・・ううん、サクヤなら誘うのはあたりまえ・・・
「では、お言葉に甘えて」
サクヤの料理はいつもどおり美味しい。でも・・・美味しくない。嫌いなアイツが笑ってる。サクヤも笑ってる。2人とも楽しそう。―――が笑ってる。私には見せない笑顔。あんなに楽しそう。苦しい・・・・・・胸が苦しい。
「あら、ナナ。どうかしました?」
「ううん、なんでもない。」
サクヤはいつもあたしを気遣ってくれる。優しいサクヤ。大好きなサクヤ。そのそばで楽しそうに食事をしている嫌いなアイツ。大嫌いなアイツ。でも、サクヤは楽しそうに笑う。
結局、この日の昼食の味は覚えてない。いつもなら1番幸せな時間は、1番辛い時間だった。あの時の―――の笑顔・・・本当に楽しそうだった。それが心を苦しめる。
仕事が終わればまたあの時間が来る。奴隷の時間・・・それでも耐えなきゃいけない。大好きなサクヤを守るためだもの・・・・・・
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