「私は籠の鳥ね。」アの国の地方領主、ドレイク.ルフトの一人娘、リムル・ルフトは格子に覆われた窓から外を眺めながら呟いていた。

 ギブン家の長子、ニー.ギブン。彼に新型オーラ増幅装置の設計図を渡そうとして
この城、ラース・ワウを逃げ出したものの、結局バーン.バニングスらの手によって
連れ戻されこの部屋に幽閉されていたのだった。

 「お嬢様?」扉が開かれ一人の女性が入ってきた。
唯一、リムルと会う事が許された音楽の家庭教師、ミュージイ・ポウ。
この城の中でリムルが心を開いて話す事が出来る数少ない存在。
でも今日のミュージイはいつものミュージイとは違う張り詰めたオーラを漂わせていた。

「えっ? どうしたの、ミュージイ!?」その気配に気付き部屋の隅に隠れようとする
リムル。その前に立ちはだかるミュージイの手には火花を散らす機械が。
そして次の瞬間、ミュージイの握る機械の一撃がリムルの意識を奪っていた。

薄れ行く意識の中、ミュージイの言葉がリムルの頭の中に響く。
「リムル様、ルーザ様の御命令です。貴方様をしっかり教育するようにと。」
そのミュージイの顔はまるで獲物を捕らえた獣のような笑いを浮かべていた。

「う、うん....」意識が再び戻る。
そこは先ほどと変らないリムル自身の部屋。だが、体の身動きが取れない。

目を開けるとそこには服というにはあまりに淫らな黒光りをし乳房が露わになった
モノを身にまとっているミュージイの姿があった。
普段の無口だけど優しい彼女とは全く別の女の姿。
そして片手には馬車で使われるような立派で太い鞭。
自分に投げかけられている意味ありげな視線はリムルに言いようの無い不安を与えた。
「離しなさい、私はドレイク.ルフトの娘、リムル.ルフトです。このような屈辱を受ける
いわれなどありません。お母様がこのような無体な命令を出すわけが...っ 痛ッ!」
ミュージイを詰問しようとするリムルの言葉は最後まで発することは出来なかった。
黒い鞭、そうミュージイの手に握られている皮の鞭がリムルのこぶりだが年相応に発達した
尻に激しい一撃を加えていた。そして無言のままさらに一撃、一撃…。
リムルの絶叫が部屋に響き渡る。だがそれに応えるものなど誰も居はしなかった。

(…ニー様、助けて…)あまりの痛撃、意識が遠のく。
「ミュージイよ、その位にしておけ。傷をつけるとお館様がうるさいのでな。」
久しぶりに開かれたように軋みをあげて開かれる扉、
まばゆい陽の光の中から見慣れた男の顔が飛び込んでくる。

「ショ、ショット…ウェポン…。」



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