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「フフフフ…」
ショットは意味深な笑いを浮かべ現れた。
片手にはガラス板と鉄の箱からなる機械を持って。
(...ま、また何か...新しい方法で私をいたぶると言うの?)
うつ伏せにされ床に転がされているリムルは目を逸らす事も出来ない。
不気味なガラスの機械...。だがリムルの不安はある意味的中し、
ある意味外れていた。
「これを見ていただきましょう?リムル様?」
ショットは手に持った機械を倒れこんでいるリムルの顔の側に置いた。
画面が電気の光に包まれ、見た事のない部屋を映し出す。
そこには、リムルの最愛の人 ニー.ギブンともう一人見知った女。
ニーの部下の少女 キーン.キッスが生まれたままの姿で牢獄に入れられている
光景だった。
「なっ、ニー、ニー様あ!」
「ふふふ、我が軍が某所でゼラーナ隊を撃滅。本当ならば皆殺しにするところでしたが
ニー.ギブンとあの女だけは生かしておいたのですよ。何故だか分かりますか?
そう、貴方を正しき道へ連れ戻すため...。のんびり眺めましょうか?彼がどういう行動を
取るかを...」
(ニー、ニー様が負けた?...そんな...)リムルは絶望に襲われながらもモニターから目を背ける事
は出来なかった。
ニー.ギブンが牢獄に閉じ込められて数日が過ぎていた。
リの国と共同戦線をはらんが為に移動中をドレイク軍の大部隊に包囲され
逃げ切れずつかまってしまった自分。
(マーベルやショウはうまく逃げられたのだろうか?...しかしショット・ウェポンめ
キーンと交われば解放するだと? 何を企んでいる...)
取引条件、キーンとの性交を行えばそのまま解放してくれると言うショットの
言葉に二人は戸惑っていた。捕虜解放の条件としてはあまりに突飛なそれ。
だが、ニーは迷っていた。
リムルを愛する自分の心、そして何よりもこんな形で交わってしまうキーンの
事も。
「私なら...構わないわ...」ニーの心を見透かしたようにキーンが呟く。
自分に愛情を持っていない男の肉棒を受け入れる...バイストンウェルの武門に
生まれたキーンにとっては耐えがたい屈辱のはずだった。
「...可能性のあることはしておかないと...辱めは耐えてみせる!」キーンの強い眼差しに
ニーも決心を固めキーンの秘裂に肉棒を重ねる。
「うぐぐぐ...は、はあ...はああ...」初めて肉棒を受け入れその刺激に声を漏らす
キーン。
「ニ、ニー...こんなだけど...優しく...してね?」
「あ、ああ...くっ...なんて熱いんだ、キーンの中っ..ああ」
手馴れていないニーの愛撫や注挿だが、キーンの顔は幸せな表情に溢れていた。
「....ニー様...嘘...」
ショットの卑劣な罠とも知らずにニーとキーンの性交を目にしてしまったリムル。
何よりも、キーンの幸せそうな表情...。
(...ニー様が裏切った...なんて)
...誰かが音量を上げたのかスピーカーからニーとキーンの声が聞こえてくる....。
「ニー、ニー!! ニー!」
「あああ、はあ、ううっ」
恋人と他人のセックスの声。身動の取れないリムルは耳を塞ぐ事も出来ない。
「ふふ、お可哀想なリムル様...。だけど貴方様の教育はまだ終わっていないのです。
出荷までにその我侭な性格を修正するのが私の役目...。」
(また鞭っ?!)身を硬くするリムル、だが鞭の一撃はもうなかった。
その代わりに力強い腕が...ミュージイの腕がリムルを床から持ち上げる。
(ミュージイ...こんな力を持っているなんて)
ピアノ教師としての彼女しか知らないリムルにとっては意外であったが
すでに戦士としてショットに使えているミュージイにとっては至極当然の事。
だが、縛めさえ解け、ミュージイが一人ならばなんとでも逃げ出せるに違いない
と思っていたリムルの希望がガラスの城のように崩れ去っていく事でもあった。
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