【壱日目:誘惑】


前日のうちにメイド長を始めとし、二十六木家に仕える人間たちには三日間の休みを申しつけておいた。怪訝そうな顔をしたものの、三日間の連休という魅力には勝てなかったらしかった。邪魔されないように両親の行動もしっかり把握している。父親は今ロサンゼルスに、母親は撮影でフランスにいる。早々帰ってこない場所だ。
朝になっても誰も来ない屋敷の中は、朝独特の空気に包まれている。
そんな中、一人起きた葉奈は着ていたネグリジェを脱ぎ、普段は絶対に着ることのないエプロンに身を包む。ピンクを基調にした、フリルのついた太ももまでしかない短いエプロンを素肌の上から纏う。
姿見の前でエプロンの端をつまんで腰の位置まで上げれば、薄い陰毛が目に入る。

「この姿…お兄様たちが見たらどう思うかしら…」

くすりと楽しそうに笑って、葉奈は静かに部屋を出る。
誰も居ない廊下をエプロン一枚で歩いている。そんな恥ずかしさからか、乳首が勃起し、エプロンにこすられ、それがまた快感となって身体を支配する。
葉奈が中学を卒業するころから兄たちが葉奈を見る目が、兄妹のそれではないことに薄々勘付いていた。幼さの残る顔立ちに豊満な胸、引きしまったウェスト、程よく肉づいた尻、すらりと伸びた肢。
特に葉奈の身体に事あるごとに触れていたのは、長兄の一葉。葉奈とは9歳離れた兄と言うこともあってか、家庭教師のこれない日には熱心に勉強を教えていたが、上から見える葉奈の胸の谷間を見ていたのを葉奈は知っていた。



キッチンまでの道のりの中、葉奈はぼんやりと考え始めていた。

キッチンへ入れば、当然だが誰も居ない。時計を確認する。もう少ししたら、兄たちはここへ来るだろう。誰も居ないことを不審がりながら。
廊下を歩く複数の足音。
開いたドアの先に兄たちが思い思いに不満をぶつけていた。

「手伝いの者に休みを言い付けたのは、私ですわ」

思いもしなかった言葉に兄たちがキッチンへと入る。
流し台に寄り掛かりながら、妖艶な笑みを浮かべている妹の格好に思わず喉を鳴らしたのは、何番目の兄だろうか。
エプロンの下には何かしら服を着ているはずだ。
そんな視線を葉奈へ送る。

「葉奈、どういうつもりで休み何て」
「葉奈は悪い子です。お兄様たちと過ごす時間を邪魔されたくなかったのです」
「悪いことだとはいわないけど、ご飯はどうするわけ?葉奈に作れるのか?」

三葉の言葉に葉奈が顔を赤くする。

「お兄様のごはんは葉奈が作りますわ。女の子ですもの、カンタンなものは作れます」

兄たちへ背中を向ける。
何もつけていない、葉奈の背中。そして、尻。
ふっと葉奈の手元が暗くなる。

「葉奈は悪い子だな」
「お兄様?」
「誰も居ないことをいいことに裸エプロン…お仕置きが必要だな」

両脇を兄二人に掴まれ、軽々と持ち上げられる。
リビングにある大きなテーブルの上へ仰向けにされた状態にされ、葉奈は頬を朱に染めた。
つぅ、っと太ももを滑る指に僅かに身体をはねさせる。

「あ…」
「お仕置きだよ、判ってるね?」

葉奈に、というよりも自分たちに言い聞かせるように一葉は言う。
固く閉じられた割れ目に指を這わす。ぬるりとした感触が指に伝わり、一葉はほくそ笑んだ。

「濡らしてるのかい?葉奈」
「え…?」

知識はあるが、実際何もしたことのない葉奈にとって、その感触は初のもので、思わず一葉の言葉に耳を疑った。
くちゅくちゅと音を立てながら膣の入り口をひっかく行為に葉奈の口から甘い吐息が零れる。
足首を上へ持ち上げられ、動かないように固定された状態で葉奈は声を我慢するのに固く目をつぶる。

「葉奈のクリトリス…可愛いね」

包皮に包まれた状態のクリトリスを指で何度も刺激する。

「あんっ」
「葉奈はクリが感じるのかな?」

白いテーブルクロスに染み出した愛液が染みを作る。

「か、ずは…おに、さ…っ」
「イク?早いよ、まだ」

意地悪い笑顔を作って、一葉は指を割れ目から離す。
その指を舐めながら、やはり意地悪い笑みを浮かべたまま、葉奈を見下ろしたまま、静かに呟いた。

「時間はまだまだあるんだからな」

その言葉に、とぷりと愛液を滴らせながら、葉奈は身震いした。

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