〜 秘密 〜



◆登場人物





◇桑原 聡(くわばらさとる)

 男性 25歳(用務員)

物静かな雰囲気の新人。

自らは陵辱に参加せず、仲間たちの行為をビデオに収める。



◇三本木 蜜乃(さんぼんぎみつの)

 女性 16歳(2年生)

幼い風貌の美少女だが、精神年齢は相応。

聖水常用者だが、上手く制御して概ね正気を保っている。











聖リトリス女学院の敷地内に多く存在する、

現在は使われていない寮。



深夜3時。



アパートタイプの古い無人寮の一室に明かりが灯っていた。





「ハァ〜〜・・今日も愉しんだ愉しんだァ〜」



「んじゃ、お先」



「後片付けは適当でいいからな、聡ちゃ〜ん」



「はい、お疲れ様でした」





帰り支度をし、ドヤドヤと引き上げてゆく中年用務員たちを、

新人用務員・桑原 聡(くわばらさとる)が玄関まで見送った。





「・・ふぅ」





やがて、喧騒が聞こえなくなると、

聡は風呂場の給湯器リモコンを操作してから寝室へと戻る。



机の上に置いておいたハンディカムをカバーにしまうと、

呟くように言った。





「今、お風呂・・沸かしてるからね」





ベッドの上は、すっかり祭のあとだ。



全身を白濁に汚された小柄な女生徒が1人、

ビクビクと腰を痙攣させていた。











湯気の上がるバスルーム。



今も牡と牝の体液の飛び散るベッドルームとは別世界のような

静かで落ち着いた空間がそこにはあった。





「お疲れ様・・えっと、蜜乃ちゃん・・だったよね?」



「あ・・はい。 どうも・・」





湯船に浸かる2年生・三本木 蜜乃(さんぼんぎみつの)は、

遅れて風呂場にやってきた聡を見上げると、

複雑そうな顔で頬を染めた。





「古豪8人相手、さすがにきつかっただろう?」



「はぁ、そう・・ですね」



「ごめんね、辛かった?」



「あっ・・いえ、別に辛くはないです。

 聖水、使ってますから・・」





シャワーで体を流す聡の背中を、

蜜乃は落ち着かないように横目でチラチラと見やる。



同じように自分を覗き見る悟の視線を気にしてのことだった。





「やっぱり・・聖水って、そんなにすごいの?」



「考えたくない、感じたくないものから目を背けられる・・

 まあ、心が痛みを感じなくなる麻酔みたいなものです」



「1年生の子とかは、皆、聖水をすごく怖がってるよね。

 蜜乃ちゃんもやっぱり去年はそうだったの?」



「・・・・。

 あの・・できれば聖水の話、もうやめませんか?」



「えっ・・」



「無理に心の痛みを掘り起こそうとすると、

 麻酔の効果が効かなくなることがあるんです」



「あっ、そうなのか・・

 わかった、やめよう・・ごめんね」



「エッチな話にしましょう?

 お兄さまだって、そっちの方が愉しいでしょう?」





この風呂場の湯船は比較的大きなものだが、

それでも人間2人が同時に入れば派手にお湯が溢れる。



湯船に浸かった聡が一息つくと同時に、

大量のお湯を飲み込む排水溝がゾゾゾゾゾと音を立てた。





「こうして改めて見ると、

 蜜乃ちゃん、やっぱりものすごい美少女だね」



「そ、そんなコト・・」



「さっきさ、僕がそこでシャワー浴びてる時、

 実はそっちをチラチラと除き見てたんだけど・・気付いてた?」



「・・ま、まぁ・・はい」



「・・やっぱりか。

 男の視線って、すぐわかっちゃうものなの?」



「わかりますね、ここの男の人たちの視線は、特に。

 まあ、ビデオカメラまで向けられたのは初めてでしたけど」





今日、夕暮れ時にここに連れ込まれて以降、

蜜乃は8人もの男たちに代わる代わる相手をさせられた。



だが、9人目の男たる聡だけはそれに加わることなく、

ひたすら撮影に勤しんでいたのだ。





「恥ずかしかった・・よね?」



「そりゃ、そうですよ・・

 ただでさえ1人で8人相手なんて経験ないのに、

 その上、ビデオカメラまで向けられてたら・・」



「カメラを通して見るとさ、狭く深い視線になるんだ。

 蜜乃ちゃんの体や心の奥底まで見えているかのような、

 そんな気分になるんだよ」



「な、なんだか、わかる気がします」



「蜜乃ちゃんてさ、お尻の穴が一番感じるんじゃない?」



「えっ・・ぅ・・

 そ・・そう、ですけど・・」



「やっぱりね」



「え? えっ? わかっちゃうものなんですか?

 お尻なんて恥ずかしいし、隠してたつもりなんですけど・・」



「ね? 狭く深い視線ってのは、

 表情や素振りのわずかな変化も見逃さないんだよ」



「や・・やだ・・すっごい恥ずかしいです・・」





ボッと紅潮した顔で俯く蜜乃。



しばし、そんな自分を見つめる聡の視線を感じつつ黙り込む。





「あ、あの・・ところで・・」



「何?」



「撮ったビデオは・・どうするんですか?」



「・・・・。

 そりゃ、オナニーのオカズにするんだよ」





投げかけた質問に対する聡の答えに、

蜜乃は違和感を覚える。



何故、オナニーなのか――と。





「あ、あの・・でも、

 わざわざそんな回りくどいことするくらい、なら・・」



「ハハ・・

 素直にレイプすればいいのにっていうんだろ?」



「べ、別にいいんですよ?

 その、蜜乃だったら・・もう、慣れていますし・・」



「いや、実は・・勃たないんだ、僕」



「あ・・っ」



「そりゃ僕だって、蜜乃ちゃんのお尻の中に射精したいよ。

 きっと、頭が真っ白になるくらい気持ちいいんだろうね。

 でも・・人前だとね、何故かダメなんだ」





聡の自嘲的な笑みに、蜜乃は複雑な顔をした。



本来、ここの男たちは自分たちにとって敵であり、

聖水の力に頼ることで、やっと『敵でないもの』になる。



ただ、『敵でないもの』は味方であるわけでもなく、

言葉を交わし、体を重ねても、心には何も残らない相手だ。



そんな相手に哀れみを覚えるのは初めてだった。





「その・・ごめんなさい、お兄さま・・」



「僕も蜜乃ちゃんが隠してた秘密を知っちゃったわけだし、

 おあいこだよ」



「で、でも・・」



「・・蜜乃ちゃん。

 そこで立って、こっちにお尻を向けてごらん」



「・・わかり、ました」





自分の言葉に従い、おずおずと差し出される蜜乃の尻に、

悟はそっと両手を添える。



そこに覗くのは、

先ほどまで多くの男たちを繋げていた愛らしい蕾。



彼らと自身を幾度となく桃源郷へと誘い、疲れ果てた穴は、

憂いに濡れて一層の劣情をそそった。





「可愛いなぁ・・

 蜜乃ちゃんのお尻の穴、ヒクヒクしてるよ」



「だ、だから・・敏感、なんですよぅ・・」



「指・・挿入れるね?」



「ど、どうぞ・・・・ん!

 ふぅ・・ぅぅ・・っ」





唾液を絡めた人差し指と中指がヒクつく肛門に宛がわれ、

キュッと閉まった入り口を掻き分けて沈んでゆく。



背徳の奥底に第一関節が消え、次いで第二間接が消える。



かと思えば、今度は第一関節が見えるところまで引き抜かれ、

指と肛肉の間に茶色く染まった白濁が掻き出され、

『プチュ・・』と卑猥な音を立てた。





「すっごくエッチだよ」



「す・・すっごく、恥ずかしいです・・」



「じゃあ、イジメちゃうね?」



「ぅ・・ど、どぉぞ・・」





ズブズブと押し込まれる指先は、

今度は第二間接を通過し根元まで埋まる。



そこから、ゆっくりと抜いて・挿してが始められる。



摩擦がほとんどなくスムーズに抜き差しできるのは、

男たちの激しいピストンでグチャグチャに打ち砕かれた便と、

幾度となく注ぎ込まれた精液が潤滑油代わりとなっているからだ。





「出されたばかりの精液が次から次から溢れてくる。

 可愛いよ・・蜜乃ちゃん」



「はぁっ・・あ、あぁぁ・・っ

 ・・お兄、さまぁ・・蜜乃は・・切ない、ですぅ・・」



「羨ましいなあ・・

 僕も、蜜乃ちゃんの気持ちいいお尻の中に

 この想いを遂げられたら・・」



「・・お兄さま・・」





興奮に震える聡の深い吐息。



だが、自分の指で肛門をほじくられて喘ぐ美少女を目の前にして、

なお聡の股間は反応しない。



本来なら両立しないはずの興奮と落胆が絡み合い、

指の抜き差しが少しずつ早くなってゆく。





《ズブブッ・・ズルリ・・ズブブッ・・ズルリ・・

  ズブブッ・・ズルリ・・ズブブッ・・ズルリ・・》



「は、はぁっ・・ん、んんん・・っ」





指がズルリと引き抜かれるたびに、

排泄欲求が刺激されて危うい快楽に包まれる蜜乃。



断続的に下肢を支える制御が失われ、足がガクガクと揺れる。



優しくも深い未知の絶頂の気配を感じ取り、目を細めた。





「お、お、お兄、さまっ・・蜜乃は、もう・・っ」



「うん、イキそうなんだよね? 蜜乃ちゃん」



「あ、あの・・でも・・

 今、こんな状態でイッちゃったら・・

 た・・多分・・その・・えっと・・」



「大丈夫、『後始末』は僕が言い付かってるんだから。

 それに、蜜乃ちゃんと僕だけの秘密がもっと欲しいんだ」



「そ・・そんなぁ・・」





キュゥッと指を締め付ける肛門に、

時折不意にブルブルッと走っていた震えが、

次第にその頻度を増してゆく。



恥ずかしがる蜜乃本人の意思とは裏腹に、

彼女の16歳の肉体は最高の悦びを得んがため、

聡に絶頂のタイミングを教えようとしているのだ。





《ズブブッ・・ズルリ・・ズブブッ・・ズルリ・・

  ズブブッ・・ズルリ・・ズブブッ・・ズルリ・・》



「さぁ、大丈夫だから、蜜乃ちゃん・・

 何もかも、解き放っちゃえ・・ッ」



《――ブルルルッ》





一際大きな震えが指に感じ取った瞬間、

聡は大きなストロークで一気に最後のひと挿しを打ち込む。





「・・かはッ!?」





背筋を駆け上るゾクゾク感に突き動かされるように、

瞳を見開き天井を仰ぎ見る蜜乃。



自分の奥底にある快楽の地雷が聡の指先で踏み込まれたことを悟り、

蜜乃はゆっくりと瞼を閉じる。





「じゃあ、いくよ・・蜜乃ちゃん・・」



《――ズ、ズルズルズル・・ッ》



「はああああああああぁぁぁぁぁ・・っっ」





深い吐息にかすれた長い長い喘ぎ。



もったいぶるようにズルズルと指を引き抜かれてゆく感覚が、

そのまま全て蜜乃の絶頂となった。





《・・ズッ・・ズルッ・・・・ズルン――ッ》





そして、肛門から指が完全に抜き去られると、

中に収まっていた禁断の果実が次々とばら撒かれ、

水面に飛沫を上げる。





《・・ボチャボチャッ・・ボチャッ・・ボチャボチャッ・・》



「ぁ・・ぁぁっ・・! 

 ・・・・ぁぁぁぁ〜〜〜っ!!」





男の目の前での便の排泄。



快楽と羞恥心と開放感が蜜乃の頭の中を真っ白にしてゆく。





「最高に可愛いよ・・蜜乃ちゃん」





スローモーションで意識を飛ばし、

罪の色に濁った湯船へ崩れ落ちてくる蜜乃を、

聡はしっかりと抱きとめるのだった――


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