<<8月18日(水)18:00 葦挽樹海・ロッジ>>

黄湖を見晴らせるロッジの前、最後に1人残された少女の姿があった。
風雨に全身を嬲られつくしたかのようなその姿は、その身にこれから起こる事を暗示するかのように、どこか悲哀を帯びて見えた。

「あっちの小屋には誰もいなかった・・でもこの嵐の中、あの人たちもずっと外に居続けるとも思えないし、きっとここにいる・・そして、アンジュも・・」

少女は一歩、二歩と踏み出すと、そのロッジの扉に手をかける。
この呪われた葦挽の森の中。
期が満ちるのも、そう遠くはなかった。

    ▽     ▽     ▽     ▽     ▽

幾層も重なる重厚な雲の上に、既に日の光はない。
芽衣子が扉を開けると、灯りの消えたロッジの中は、ドロついた水底のように濁った雰囲気を漂わせていた。

ミシ・・ミシ・・

屋内に足を踏み入れると、床の軋む音が真っ先に芽衣子を迎える
外では暴風雨が荒れ狂っているというのに、妙にはっきりと聞こえるその音。
それはまるで死霊の笑い声だ。
親友を救うための勇気、という麻薬で恐怖を和らげているとはいえ、それでも芽衣子は一瞬躊躇してしまう。

「・・ダメ、立ち止まっちゃ。アンジュが・・助けを待ってるもん・・」

芽衣子は頭を左右に振るい、飛び散る水滴と共に幾らかの恐怖も吹き飛ばすと、懐中電灯のスイッチを入れる。
そして、再び足を踏み出した。
しかし・・

――バン!

不意に背後の扉が閉まる。
あまりに見事な奇襲に、芽衣子は息をのむ事すらできずに凍りついた。

「・・よウ、君の到着を待ってたぜ・・栗原芽イ子ちゃん・・」

まるで、背骨の変わりに太く冷たい鉄棒を差し込まれた感じ。
芽衣子は振り向きもできずにだが、それでもしばらくしてから、かろうじて声だけを返した。

「・・あ、アンジュを・・み、皆を返して下さい・・」
「・・・・」

だが、背後の相手は何も言い返してこない。
その静寂が、更なるプレッシャーとなって芽衣子に襲い掛かる。
まるで心臓を鷲掴みにされているかのように、小さく震えた吐息だけが場に響く。

「・・あ、あ、アンジュを・・」
「・・アの金髪の娘ナら、奥にいる・・」

恐怖を振り払おうと搾り出した言葉も、また別の声にかき消される。
しかしその声には、恐怖以上の違和感があった。
声はなぜかすぐ足元から聞こえたのだ。
そしてたしかに今、足先の辺りに生暖かい吐息がかかるのを、芽衣子は感じていた。

「・・ひっ!」

芽衣子はとっさに横にステップを踏んで場を飛びのくと、すぐさまを先程いた辺りの床照らす。
そこに、真っ黒なモジャモジャの纏わりついた丸い何かが転がっていた。
それが何であるのか認識する前に、芽衣子の人間としての本能は『見てはいけない』とけたたましく警鐘を鳴らす。
だが、幼い好奇心は難なくそれに勝ってしまっていた。

「・・あ、あ、あ・・」

そこに転がるのは、人間の生首に他ならなかった。
それはゴロリと転がりこちらを向く。
腐ったケチャップのような血にまみれた顔。
そこに沈むように蠢く瞳が獲物を凝視した瞬間、芽衣子の後ろに潜んでいたその頭の持ち主が・・首のないブロディが彼女を捉えていた。

「・・むッッ!んうぐーッッ!!」
「・・んおっ?」

だが、恐ろしい化け物に巨大な手で口をふさがれた瞬間、そのショックで恐怖の呪縛から逃れた芽衣子は、間髪入れず反撃に移っていた。
その手に噛み付き、完全に体を拘束される前にそこから抜け出したのだ。
急いで、入ってきた扉に向かう。
だが、そこにはあちこち体から折れた骨が突き出し、変形しきったガイの姿があった。

「・・きゃあっ!!」
「おいオい、こんナ美形のお兄さんノ顔見て、『きゃあっ!!』はナいと思うけどなア・・」

続いて部屋の窓に駆け寄るが、それを横から遮るように、頭の皮を剥がれて異名通り骸骨頭と化したスカルが現れる。

「・・いやぁぁっっ!!」
「ひゃッひゃっヒゃ、どうダい?オレッチのヘアースタイル、イカしてんだロォ?」

となれば、あとは二階に上り、そこの窓から飛び降りるしか脱出方法はない。
芽衣子は走った。
階段横で背中がバックリと避けたダンが待ち構えていたが、それをすんでのところでかいくぐると二階へと駆け上り、窓のある寝室の一室に駆け込む。

「・・あっ」

だがそこで、芽衣子は足を止めた。
目的地である窓のすぐ前に、やっと見知った姿を見つけたからだ。
しかし・・

「どうしタんだ芽衣子、そんナに慌テて・・」
「・・うぁッ!?」
「おいおい、そこで暴れルなよ・・先生の内臓が潰レる・・」
「いやぁっ!!」

やっと出会えた顧問の矢部もまた、腹部を十文字に裂かれており、そこから床に零れ落ちた臓物を拾い集めるという奇行の中にあったのだ。
そして、その時の一瞬の戸惑いが、芽衣子に致命的な隙を作ってしまった。

「うへへ・・可愛いウサギちゃん、つ〜カまえた♪」

芽衣子のすぐ後ろには昨晩、洞窟で亡霊の怨念の虜となった千秋に眼球をえぐられたオークの姿。
空洞となった両の瞳が、芽衣子を見つめている。
そして、再び男の腕に捕われる芽衣子に、二度目の偶然は味方しなかった。
いくら抵抗しても、噛み付いてもひっ掻いても、オークはそんな芽衣子が可愛くて仕方がないといったように、うへうへと下品な笑みで口元を緩ませる。

「ボクはねぇ・・昨晩、森で君を見た時、君に一目惚れしちゃったんだよォ」
「いひぃ・・」
「だって、君が一番可愛いもんね。このちっちゃなお尻ちゃんとか見てると・・ハァハァ・・ボク、もうそれだけで、どぴゅーって射精しそうになっちゃうんだ♪」

オークはブックリした太い腕一本で芽衣子の首元を押さえると、もう片方の手を芽衣子の背筋に這わせ、ゾワリゾワリと下ろしてゆく。
そして到達した小さな芽衣子のヒップを、太い指先で、分厚い肉に守られた掌で、すみからすみまで舐めるように揉みまわし始めた。

「ちャんちゃちゃ〜ん♪芽衣子ちゃンの可愛いお尻ちゃんニ〜、ご〜到着ゥ〜♪」
「やっ・・いやぁ・・」
「そォれ、もォ〜みもみモみ・・うへへ、芽衣子チゃんのお尻ちゃん、マシュマロみたイにふあふあしてるよォ〜」
「ハッハッハ、オーク君は芽衣子みたいなノが好みなのカね」
「はいィ〜、そレはもう〜♪」
「ほぉう・・お?・・ああ、あっタあった・・これは・・小腸の一部カな?」

醜悪な肥満の男に目の前で教え子が襲われているというのに、矢部はさして関心も示さずに飛び散った細かい臓物を捜している。
そしてそんな光景が、芽衣子の体から次第に希望を奪っていくのだった。

「ああ、オーク君」
「はい?」
「悪いんだが、芽衣子とのお楽しみの続きは、隣の方の寝室でやってくれんか。ここで君に暴れられると、捜しにくくてたまらん」
「ああ、スみません・・じゃ、そうしますよォ・・」
「・・やぁ・・お願い、やめてぇぇ・・」
「大丈夫大丈夫、ちゃ〜んとボクが芽衣子ちゃんの事、気持ちよくしテあげるから♪」

だが、オークは芽衣子の小さな体を軽々と抱え挙げると、隣の部屋へ向かう前にこんな事を言った。

「金髪のカワイコちゃンたちも、皆そこにいるかラね」
「えっ?」

――ギィィ・・

その部屋の中は、他と違い明るかった。
いつ点けたのか、部屋の中央の机に置かれた大きなランタンに炎が揺れている。
久しぶりの光に一瞬目を奪われた芽衣子。
再びゆっくりと開かれた瞳の奥に、彼女ではすぐに理解できない光景があった。
大きなベッドを2つくっつけたその上にいるのは、一足先に帰宅したはずの中本千秋も含めた5人のクラブ仲間たちだった。
だが、彼女たちは何故か生まれたままの姿だ。
皆、どこか虚ろげ、そしてうっとりとした眼差しをして、そこに横たわっている。


(・・あっ!)

そこで芽衣子の関心を鷲掴みにしたのは、仲間たちの肌を汚す白濁の液体だ。
性知識の遅れている芽衣子とはいえ、裸の仲間たちも合わせて考えれば、それが何であるか、一応想像がついた。
それは中学一年生の自分には、まだ当分縁のないもののはずだった。
時々、好奇心旺盛な友達の持ってくる大人の本を横目に覗き見て、顔を赤らめさせるくらいの間柄でしかないもののはずだった。

(せ・・精液だ・・て、事は・・皆・・)

芽衣子はわけもわからず、ひどいショックを受けていた。
説明するなら未来世界に迷い込んだような、そんな感じ。
彼女らの肌を汚すあの液体は、中学1年女子の見解では『大人の女性』の象徴とも言えるものだ。
特に一番年上の高橋翔乃などは、その液体をまるでドレスのように妖艶に着こなしているかのようにすら見える。
それは、大人の女性の魅力に他ならない。
芽衣子には、つい一昨日まであんなに身近だったクラブ仲間たちが、ずっと遠い存在になったように思えてしかたなかった。

(・・あ、そうだ!)

しかし、そこで芽衣子は一番大切な事を思い出す。
危険を賭してまで、ここに乗り込んできた目的だ。

「・・あ、アンジュ!」

無論、クラブ仲間が全員揃っているわけで、そこには芽衣子が捜していたアンジュ・リセニーの姿もあった。
だが・・

「・・・・」

芽衣子の姿を見つけ、アンジュはハッとした顔をするが、すぐに表情を曇らせると、何も言わずに体をごろりと後ろに向かせてしまう。

「アンジュ!アンジュ!」
「・・・・」

オークの肩の上から、手を伸ばして呼びかけ続ける芽衣子。
しかし、やはり金髪の纏わりつく背中は振り向きも、言葉を返しもしない。
アンジュは気高さを失ってしまった自分の姿を、親友の芽衣子にだけは見られたくなかったのだ。
だが、その代わりにか、一同のリーダーである翔乃が口を開いた。

「・・芽衣子」
「しょ、翔乃先輩!あ、あの・・」
「いいのよ・・」

その返答は、芽衣子にはあまりに不明瞭なものだ。

「翔乃先輩・・いいのよって、何がですか?」
「・・・・」
「先輩!」
「・・いいの」

すると、翔乃はすっと恥ずかしげに視線を流してしまう。
その口元には、困ったような笑んでいるような、複雑な表情が浮かんでいた。

「芽衣子。高橋先輩はね・・いや、多分ここにいる皆は・・お兄ちゃんたちに、突然大人の女にされちゃって・・戸惑ってるのよ。・・ふふふ」
「え・・ちょ、千秋先輩・・?」
「あはは。芽衣子じゃあ、実践しないと一生わからないって」
「・・節子先輩?」
「芽衣子ちゃん・・お尻ってね、実はすごく・・あ、えと・・な、なんでもないわ・・」
「・・里美先輩・・?」

――ぼふっ。
「きゃっ」

そこで芽衣子はオークの肩から、横向けにベッドへと下ろされる。
すると、5人の少女たちはすっと身をよけて、そこにスペースを作った。
オークの動きはのそりのそりとしたものであったが、それでもすっかり混乱している芽衣子は何の対処もできない。

「うわぁ・・雨にビッチョリのセいで、ズボンもパンティーもスケスケだよォ♪・・んーばァ・・れぇえろエろえぇロっ♪」
「あっ・・や、ちょ、やめ・・んん!」

オークは横向けに身を丸める芽衣子の膝を手で押さえると、その太ももに尻に、しゃぶりついたり舐めまわしたりまさぐったりと、好き勝手な愛撫を始める。
時折、空洞となったオークの眼窩から零れ落ちる半透明の液体が、唾液と一緒に芽衣子の肌にこぼれる様は、生理的な嫌悪と共に独自なエロティックさを醸し出している。

「ふふ・・でも、芽衣子もこうして見ると可愛いわね・・」
「何を言ウんだ、翔乃ちゃん。芽衣子ちゃんは一番可愛いジゃないかァ〜♪」
「あー、お兄ちゃん、千秋はぁ〜?」
「あ・・はは・・二番目くラいかなァ・・」

その様子を、アンジュを覗いた4人のクラブ仲間たちが好奇の目でを見守り、また時折口を挟むが、そこで交わされる会話も芽衣子にとって何の助けにもならないものだ。
この異様な状況下、芽衣子はますます戸惑いから判断力を失っていった。

「うーん。やっぱり半ズボンは下カら責めるに限るね。とっても可愛いパンティーが丸みえダよォ・・うへへ・・ここもナメナメしちゃオ♪」
「あぅ・・やだぁ・・」
「なんだぁ?もう、クチョクチョじゃないかぁ〜。芽衣子ちゃんの可愛いオマ○コちゃん♪」
「じゃあ、さっさとヤっちゃいなよ、オークのお兄さん。んで、次はあ・た・し・♪」
「えぇ・・節子ちゃんは、ダンにシてもらいなよォ・・ダン、節子ちゃんの事、すごく気に入っテるみたいだしさァ・・」
「ぶ〜っ」
「ほら、節子。あんまり邪魔しないの!どうせ、節子は誰相手でも構わないんでしょ」
「・・ま、ね♪」

芽衣子の瞳に映るクラブ仲間たちは、既に皆、別人のようだった。
きっと『えっち』が皆を変えたのだろうと、芽衣子は何となく考えていたが、逆に一度そう思うと、途端に『変わる』事に対する不安が込み上げてくる。

「じゃぁ、芽衣子ちゃん、そろソろチンチン入れちゃおっかァ♪皆ニ見られて恥ずかしいだろうし、半ズボンは穿いタままでしようねェ〜」
「いやっ!」
「大丈夫だよォ。すぐにエッチなエキスで気持ちよくさセてあげるから。芽衣子ちゃんだっテ、皆みたいに綺麗になりたいんでしョう♪」
「や、やだっ!・・お願い、やめて、いやだよぅっ!」
「う〜ん、困っタなァ〜。そんナに恥ずかしいのォ?・・結合部分は見えなイんだよォ?」
「や、やぁっ!」
「芽衣子!あんまウダウダ文句言ってんじゃねーよ!単なる食わず嫌いなんだよ!」
「そ、そんな・・」
「そうよ、芽衣子ちゃん・・お尻エッチがいいなら、ちゃんとそう言った方がいいよ・・」
「え、あ・・あ、あぅ・・あ、アンジュ、アンジュ〜っっ!!」

一度は勇気を振り絞った芽衣子も、いつもの調子に戻ってしまえば単なる甘えん坊だ。
とっさに叫んだのは、やはりこの名前だった。
こんな状況にあっても、アンジュなら自分を助けてくれるのではないかと、そう思わずに入られなかったのだ。

「アンジュ!助けてアンジュ〜っ!!」
「・・・・」
「ハハハ、芽衣子ちゃんのソの恥ずかしがりやなところも、すっごく可愛くって・・ボク、もっと大好きニなっちゃいそうだよォ♪」
「アンジュ〜!!」

だが、芽衣子はそこにいるのが既に半分アンジュではなくなっている事を、理解できてはいなかった。

「・・芽衣子」
「アンジュ・・え?・・ン」

何かを振り払ったかのように、がばっと身を起こすアンジュだったが、次の瞬間、なぜか彼女は芽衣子の唇を奪っていた。

「うわぁぉ♪美少女2人のキスって、ボク初メて見たよォ♪」

5秒ほど続けると、透明な名残を残してアンジュは唇を一度離す。
そして呆けている芽衣子を、全く内容の読み取れない複雑な表情で覗き込んだ。

「アンジュ・・なんで・・?」
「・・芽衣子も・・アンジュと一緒になりまショウ・・」

再び唇を重ねるアンジュに、芽衣子は戸惑いながらも体を起こして応える。
キャンディーとマシュマロと綿菓子と・・例えるならそんな言葉が似合いそうな甘い甘い行為が、しばし続く。
やがて、芽衣子からはすっかり体中の力が抜けていた。
仰向きに足を投げ出し、半ば起こした背中をアンジュの胸に預けている格好だ。

「うはは、れずれずショー、とっても可愛かったヨォ♪・・さて、じゃあ準備は整っタね、アンジュちゃん♪」
「・・ウン」
「え?・・アンジュ?」
「ダイジョブ、アンジュが一緒ヨ。怖くないカラ」
「・・でも・・ん・・う、うん・・」
「ふふ・・頑張るのよ、芽衣子」
「・・え?あ、はい・・」
「あはは、芽衣子もすぐに病み付きになるって♪」
「・・は、はぁ・・」

芽衣子は基本的に周りに流される性格だ。
もうこうなると、静止などかけられなかった。

「じゃあ、準備シてくれるかなァ〜♪」

いつの間にか服を脱いだオークは、芽衣子の細くて愛らしい足を大きく開かせて抱えると、そこに歓喜に震える肉棒を近づけてゆく。
半ズボンと下着は穿いたままだったが、後ろから手を回したアンジュがそれを避けさせ、侵入経路を確保する。

「うへひへ・・オマ○コちゃんが、ボクの事をピラピラ可愛ク誘ってる・・うひっ・・頑張っちゃウよ!頑張っちゃうよォ!・・ボク、芽衣子ちゃんノために頑張っちゃうからねェ〜♪」

無防備な肉口に、いよいよオークの男根が接近して行く。
その様子は、まるで凶暴な肉食の芋虫が、哀れな餌に這いずり寄っているかのようだ。
そして・・


「・・うっはぁァぁぁ・・ドォッキィィ〜ング♪」
「・・ぐ・・ぅん・・っ!」

餌にありついた芋虫は容赦なくその柔肉を食い破ると、体をうねらせて頭を奥へ奥へと突き込んでは、再び這い出て・・ゆっくりとその往復を始める。
一番奥を突かれる度に、芽衣子の足先はビクリと強張る。
結合部からはトロリとした赤い液体がこぼれ、ヌラリヌラリとランタンの灯りを照り返している。
そんな様子は、グロテスクながら動物の生殖本能を直接刺激する淫猥さがあった。

「はぁ・・っ・・ゾクゾクしちゃう・・」

思わずそう漏らす翔乃は、水泳部の中でもアンジュと双角をなす美少女だ。
それが災いしてか、矢部も含むサバイバル同好会のメンバーたちから、その身に最も多くの寵愛を受けており、今やすっかり娼婦の体にされていた。
先程から、時折身を捩じらせながらセックスを見入っていた彼女も、とうとう我慢できなくなったのか、すっとオークの肩に腕に擦り寄り、その肢体をなすりつけ始めた。
伸びをする猫のように背を反らして、突き出した張りのある胸でオークの腕の辺りを愛撫し、その濡れた吐息はオークの耳元にふぅっと吹き掛ける。
動きにまだ幾らかの未熟さはあるものの、その悩ましさはとても中学生のものには見えないほどだ。

「あふ・・オーク先輩・・」
「うはぁ・・いいよいいよぉ・・スごくエッチだよ、翔乃ちゃぁん・・」
「ああ〜、翔乃先輩、ずるいですよぉ〜」

そこに二番手として続いたのは、翔乃の腰巾着である里美だ。
この里美は、翔乃たちに比べると地味で目立たない存在だが、幸か不幸かブロディにえらく気に入られ、拉致されてからはほとんどアナル専用の肉便器と化していた。
ブロディはとにかく娘の肛門にしか興味がなく、四六時中肉棒を直腸に差し込んでさえいれば幸せな男だ。
そのため、里美はセックスにおける小手技のようなものはほとんど教えられておらず、翔乃とは対照的に素人丸出しの動きしかできない。
だが、それは14歳の少女のたどたどしいセックスアピールであり、牡の本能を刺激するには十二分なものなのだ。

「・・あん♪」
「ああ〜う・・もウ、困ったなぁ、里美ちゃんまで♪・・うはっ・・うひはハははは・・♪」
「なっ、里美まで抜け駆けかよっ!・・じゃ、じゃあ、あたしも〜」
「せっちゃんはダ〜メ。これ以上纏わりついたら、お兄ちゃん動けなくなっちゃうでしょ」
「だけどよぉ・・」
「千秋の言う通りよ、節子。それもオーク先輩、せっかくの本命とのセックスなのに、存分に楽しめなくなっちゃうでしょう?」
「いの一番で動いたあんたが言うなッ!」

深い森の奥にあるロッジの一室、そこに漂う賑やかさ。
だがそれは、狂った女子中学生たちの談笑に他ならない。
その部屋は、もはや現世ではないのかもしれなかった。

「ウハァ・・ハァ・・いいよォ・・芽衣子ちゃんノちっちゃなオマ○コちゃんが、ボクのおちんちんをキュウって可愛く締め付けテくるぅ・・♪」
「んっ・・んんんんっっ・・」

先程からベッドはギシギシと悲鳴を上げているが、体質からか、芽衣子にはあまり破瓜の痛みはなかった。
だが、まだ理性や恐怖が先に立っているために、『その感覚』を精神が拒絶し、感じるのは『異物感』『重み』『息苦しさ』だけ。

「芽衣子・・ダイジョブ・・体の力を抜いテ・・」
「あっ、アンジュ・・」

今まで後ろから芽衣子の頭を抱きこんでいたアンジュだったが、今度は手を伸ばして芽衣子の愛らしい乳房を愛撫し始める。
芽衣子の首元に優しいキスの雨を降らせてゆく。
神々しさすら感じさせるブロンド美少女のアンジュ。
彼女のそんな仕草は、まさに天使の慈悲であり、そしてまた悪魔の誘惑でもある。

「あんっ、アンジュ・・アンジュぅぅ〜・・」
「・・芽衣子・・気持ちいいノ・・?」
「・・ん・・うん・・」
「・・じゃあ・・お兄ちゃんのペニス・・は・・?」

芽衣子とアンジュがほとんどゼロ距離で、そんなやり取りを続けている間も、オークのピストンは容赦なく続けられていた。
左右から纏わりつく妖精たちが悩ましげな悪戯をする度に、でっぷりとしたオークの腰は、その動きに獣性を強めてゆく。
そしてそれは、確実に来たるべき瞬間に近づいていた。

「ウハァ・・ハァ・ハァ・ハァ・・ッ・・!」
「オーク先輩、もう汗だくです。もうすぐ、出しちゃうんですね・・」
「そうよ、里美・・ああ、野獣みたいな荒々しい息遣い・・すごく男らしいわ・・犯されたい・・」
「ハァッ・ハッ・ハァッ・・め、芽衣子ちゃん・・芽衣子ちゃん・・!」

えぐるように突き込まれる男根は、まだ一度の精も放っていないが、その代わりに野性の牡のフェロモンのようなものを、ゆっくりゆっくりと芽衣子の子宮に直接注入し続けている。
アンジュの愛撫により最後の防壁を失った芽衣子の精神は、それを牝の本能で受け止め始めていた。

「・・芽衣子?」
「・・ん・・あぅぅん・・っ」
「・・どう?・・お兄ちゃんのペニスは、気持ち・・いいノ・・?」

天使と悪魔が融合体が、再び口にするその質問。
異国のイントネーションを帯びたその言葉は、まるで魔法の呪文だ。
そして、生命の螺旋に直接語りかけるその呪文は、動物である以上、絶対に逆らう事ができない。

「・・ん・・気持ち・・いいよ・・」

頭の中が真っ白に染まっていく中、無意識に漏れたその言葉。
そして、芽衣子のDNAが早過ぎる覚醒を迎えた瞬間、また彼女の奥底に大量の初仕事が流れ込む。

「うはっ・・あ・あ・あ・イク・・イクよ、芽衣子ちゃん!・・イクよッ・・ボ・ボクの芽衣子ちゃぁぁん・・っっ!!」
「・・あっ、何か・・何かっ・・ふ・・ふああああああん・・っ!!」

折れんばかりに背を反り返して腰を突き出すオークと、アンジュの白い肌の中で限界まで身をよじらせる芽衣子。
その体内では今まさに、おびただしいまでの量の精液が暴れ狂っている。
そんな2人の姿、それはセックスというよりは交尾・・いや、もっと本質的な『生殖行為』そのものの姿だった。

「ウハァ・・ハァ・ハァ・・ボク・・沢山、出シちゃったァ・・♪」
「はっ・・あ・はぁ・・」
「うへへ・・一番可愛イ芽衣子ちゃんは・・セックスも一番気持ちいいんダねェ・・もう・・ボク、芽衣子ちゃんにゾッコンだよぉ・・♪」
「・・うん・・あ、あたしも・・好きだよ、お兄ちゃんのコト・・ちゅっ☆」
「うわっ♪うは・・うはははハはははハは・・芽衣子ちゃ〜んっ♪」

窓を閉じきっているはずなのに、ランタンの炎が不意に大きく揺らめく。
呪われた森に吹き荒れる大嵐により、ロッジが今や完全な密室と化している事に気付くものは誰もいない。
いや、彼らにはもはやそんな事はどうでもいいのだ。
オークと芽衣子が再び行為を始めようとする中、場の誰にも聞こえない不思議な声が森全体に響き渡っていた。

・・皆・・ノ者・・期・・ハ満・・チタ・・ゾ・・


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