<<8月16日(火)16:30 葦挽樹海・黄湖周辺>>

  

「ふぅぅっっ・・・んっ・・んふぅ・・」

他の部員たちが今日の練習の仕上げにかかっている頃、一足先に帰りの準備を済ませた西林里美だけは、そこから少し離れた場所にいた。
湖を離れて少し森の奥に入った辺り、ここは水辺から大きな茂みを幾つか隔てているので、『それ』をするにはまあ都合のいい場所なのだ。

「んん・・・くふぅっっ・・」

何やら、必死に押し殺したような鼻息が、先程から不定期に場に響いている。
そう、里美のしているのは排泄行為だ。
練習中に腹部を冷やしすぎたのが災いしたのか、かすかな腹痛を伴った便意を覚えていたのだ。

ここからロッジまでは少し距離があるので、仲間たちに何も告げずに、彼女は一人こっそりと場所を離れた。
そして今、こうしてスクール水着を近くに脱ぎ捨て、かがみこんでいるのだ。
だが、酷い便意があるにもかかわらず、なかなかその欲求は満たされない。
仲間たちの視界から離れているとはいえ、やはりこんなところで用を足す恥じらいから、というのが半分。
もう半分は・・便が硬いのだ。
昨晩、バーベキューで肉を食べすぎたのが原因だった。

「・・んん・・もう、早くしないといけないのに。皆が探しに来たら大変だよぅ・・」

無論、里美にとって、それは独り言のつもりだった。
まさか、答えが返ってくるなどとは全く思っていなかったのだ。

「・・それは大変だな。手伝おう・・」
「・・エッ・・?」

里美には、いきなり茂みが動き出したかのように見えた。
そこには、静かに息を潜めて緑と同化していた男がいたのだ。

「・・いっ・・ムゥッ・・!」

森での行動に慣れ切った動き。
サックを背負っているというのに、あまりに俊敏な動きで悲鳴も上げさせないまま里美を捉え、巨大な手でその口を覆う。
それも抵抗で噛みつかれないような絶妙な押さえ方だ。
男はポケットに手を入れると、そこからバンダナを二つ取り出す。

「・・すまんが、軽く拘束させてもらう・・」
「・・むぐ・・んぐぅぅっ・・!」

手際よく里美に猿轡を噛ませ、もう一つのバンダナで後手に縛り上げる彼は、仲間内で『ブロディ』と呼ばれている男だ。
仲間内で最も寡黙な性情に加え、その巨体と濡れた海草のような髪が、独特の不気味さを強調させている。
なお、彼は日本人であり、『ブロディ』というのは本名ではない。
それは『ミッション中』に名乗るコードネームなのた。

実は、彼らは全員ある有名大学の学生、『サバイバルゲーム同好会』のメンバーたちだ。
要は兵士マニアで『戦争ごっこ』が彼らの主だった活動なのだが、そこに天性の素行の悪さが加わり、彼らの活動は道徳の域から大きく離れたものとなってしまっていた。

「・・突然、乱暴をしてすまかったな・・」
「・・んむ・・?」

あられもない姿を見られ、その頬はこれ以上ないくらい紅潮していたが、相手の予想外に真摯な態度に、里美は何かわけがあるのではと思った。
が、違った。

「・・オレともあろうものが、お前の形のいいケツを見ているうちに、我を忘れてしまったのだ・・」
「・・んぐぅっ・・むふぅぅっ・・!!」
「・・排泄中だったのだろう?大丈夫だ、硬い糞で肛門を傷つけないようにする薬を持っている。それを射ってやろう・・」
「・・ひぐっ・・んん〜っ・・!!」

(逃げないと!何か、すごく恐ろしい事をされる気がする――!)

里美はその直感に突き動かされ、慌ててその場を走り去ろうとするが、片手で難なく足を掴まれ、立ち上がる事すら出来ない。
ブロディは振り向きもせずに里美の抵抗を制しつつ、残った片手でサックをまさぐり、中から奇妙な円柱形のガラス瓶を取り出した。
ビンの中には何かの液体がなみなみと詰まっており、独特の光の屈折を作り出している。

「・・ぐぅっ!・・ぐぅぅっっ・・!!」

それを見た瞬間、里美の表情が恐怖に蒼白となる。
今まで見た事もないほど巨大な注射器。
まだ14歳である里美の認識は、その道具をそうとらえていた。

(この人は私を殺す気なんだ!たとえ中身が麻酔や麻薬だったにしろ、あんな大量に注射したら死ぬに決まってる――!!)

だが、里美が両足をいくらばたつかせても、巨大な腕はびくともしない。
それどころか、ブロディはまるで片手間といった感じで掴んだ足首を持ち上げると、そのままぐるりと里美の体をひっくり返してうつぶせに倒した。
そして、そのまま間髪入れずに細い両のふくらはぎに跨り挟み込んで固定、その抵抗を完全に封じる。
こうなると、既に後手に縛られている以上、里美には一切の抵抗の手段が残っていない。
唯一あるとすれば、ただ肩越しに恐ろしい男の方を振り向き、涙目に許しを請うだけだ。

「・・ふ、綺麗な蕾をしているな・・」

すぐ眼下に無防備に剥き出された里美の小さな尻を、どこか恍惚とした顔で眺めていたブロディだったが、やがて、その『針のない注射器』の先端の突起部を『所定の場所』にあてると、軽く押し込む。
先の滑らかな2cmほどの突起が里美の小さな蕾の中に沈み、姿を消した。


「・・ひぅっ・・!」

中から外へ『出す』ためだけの場所だと思っていた穴に、何かを突き入れられる異物感。
猿轡越しに愛らしい悲鳴が小さく漏れる。

「・・フン・・!」
「・・んぅぅぅぅ・・っ!!」

ブロディの鼻息と共に、針のない注射器――浣腸器のピストンはとうとう押し込まれ始める。
中に詰まったグリセリンがそれに圧迫され、ゆっくり里美の腸内へと注入されていく。
里美は何をされているのか理解すら出来ないまま、ただ背を丸くし、体を強張らせながらそれが終わるのを待った・・

「・・よく頑張ったな、中学生でこれだけ入れば立派なものだ・・」
「・・ふっ・ふぐぅぅ〜〜・・」

丸々一分間ほどをかけて行われた行為は、器内にまだ幾らか中身を残したまま終了を迎える。
今になって、やっとその行為が浣腸であった事を理解する里美だったが、時は既に遅い。
その直腸内では、グリセリンに溶かされた大量の便が、圧迫に耐え切れずにうねり狂っていた。
一方、そんな里美の上で、ブロディは引き抜いた浣腸器の先端をペロリと舐め、またサックの中に戻した。

「・・んぐぅぅ〜・・うぐぅぅ〜〜・・!!」
「・・・・・・」

それはまるで拷問の一風景だった。
手も足も拘束され、うつぶせに組み敷かれた少女が何かの苦しみに必死に耐える上で、その二倍近い体格を持つ大男がどっしりと跨り、それを見下ろしているのだ・・

無意識に鼻息を荒げ、ただ一点を凝視するブロディがいた。
大きな眼をぎゅっとつむり、体中を緊張させて『ある欲求』を耐え忍ぶ里美がいた。

そんな光景の中、ただ一つはっきりしている事があるとすれば、それはこれが『ゲームオーバーを待つだけのゲーム』だという事。
やがて無慈悲な必然が里美を襲うのだった。

「・・んふぅぅぅぅぅぅぅ・・!」
――ミチミチミチミチミチ・・

猿轡越しに大きく吐き出されたと息と共に、独特のじめついた音と異臭が場に充満する。
肛門からとめどなく流出する流動体は、尻と閉じられた太ももが作り出す三角地帯だけでは収まりきらず、すぐに横へ、膝の方へと溢れ出す。

「・・う、ふぅぅ・・ぅ・・」

やがて、軟便と共に体力・精神力まで排泄し尽くした里美が静かに力尽きる。
里美の頭が横なりに地面に投げ出されると、その瞳から大粒の涙が一つ伝って落ちた。

「・・す、素晴らしい・・」

だが、ブロディは逆にたった今、興奮が絶頂に達したところだ。
口元からダラダラと垂れ落ちる唾液、心臓は邪悪な鼓動を響かせ、どす黒い血液が体中を駆け巡っていた。
無意識に里美の尻へと伸びていくその右手は、途中から親指を先端として、そこに出来た生暖かい沼へと沈んでゆく。

――ヂュクヂュクヂュクヂュク・・
「・・んん・・っ」

軟便で隠れているにも関わらず、突き込んだ指先は的確にその穴を捉える。
そして大した抵抗も受けずに、そのまま根元までの侵入を果たしたのだった。

「・・ふ、潤滑油も充分・・食べ頃だな・・」

歓喜に震えた手で、ブロディは荒々しく迷彩ズボンのベルトを引き抜く。
もうたまらないといった風に、ズボンを脱ぎ捨てる。
そして、目の前に力なく横たわる少女に容赦なく覆いかぶさってゆく・・

「・・フンッフンッフンッフンッ・・!」
「・・う・うぅ・・ぐ・・うぅぅん・・」

――チャッポ・チャッポ・チャッポ・チャッポ・・

軟便にまみれた里美のアナル目掛けて、一心不乱にピストンを打ち下ろすブロディ。
これまで無表情を通してきた彼だったが、今はこれ以上ないくらい笑っていた。
人間の皮を脱ぎ捨てたかのような形相で、笑っていた――


→進む

→戻る

→狼と兎と黄色い湖のトップへ