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第３章 女神の決断・魔王の策略
自分を救うために向かっている聖矢たちの姿に勇気づけられ、毅然とした態度でルシファーを睨みつける沙織�
「・・んくっ・・く、はっ・・はぁっ・・・さ、さぁどうするつもりですか・・・？私を屈服させることなど、もう不可能だとわかったでしょう。おとなしく観念しなさい・・・！」
聖矢たちが来るまで耐えればいい・・少なくともこれまでと同じような凌辱ならば耐え切れる・・・沙織は強い口調でルシファーと対峙する。実際、復活した沙織の神聖な小宇宙によって触手はほとんど動けなくなっていた�
「フン・・・」
だがルシファーは余裕の表情を崩さない。そして沙織の前に、スッと手をかざす。その瞬間・・。
シュバァァッ！！
一陣の風とともに沙織の法衣が全て引き裂かれた。美しいプロポーションが完全にルシファーの目に晒される。
それはまさに神聖な「美」の結晶ともいうべき裸身であった。なよやかな細い肩、ふくよかな胸、その頂でふるえる可憐な乳首、しなやかなくびれ、カモシカのようなスラリとのびる美脚、そしてその肌は透き通るように白く、はりに満ちている。美の神アフロディーテの羨望と嫉妬を招きかねないしなやかさとみずみずしさを持つ神々しいものだ。
「あっ・・いやっ！・・くぅぅ・・くっ・・こんなことで・・私を堕とせるとでも・・思っているのですか！？」
恥ずかしさにうなだれる沙織。しかし、すぐに顔を上げ強い言葉をルシファーに投げつける。だが、そそりたつ乳首、股間を濡らす大量の愛液で張り付いてしまっている楚々とした恥毛、涙と涎、粘液で濡れ光る美貌、これまでの痛々しい凌辱の痕がはっきりと見て取れる。媚薬の効果で体の自由が利かず、恥ずかしい部分を手で隠す事もままならない。
「そう焦るな・・役者はそろってはいないぞ・・まずはこやつらだ・・私と同じく貴様に対する憎悪を抱いている者たちよ・・！」
ルシファーの呼びかけに、沙織の前に漆黒の空間の穴が出現した。その奥から奇妙な音が聞こえてくる。
・・ズル・・ズル・・ピチャッ・・ペチャ・・・グジュゥゥ・・グオォォ・・
「・・・？・・な、なに・・？なにかが・・くる・・？」
不安げに暗闇の奥を見つめる沙織。そこから姿をあらわしたもの・・・それは・・
「っっ・・！ひっ・・・！」
触手であった。それもあまりに醜悪な色、形・・。沙織は思わず悲鳴をあげる。３本・・いや３匹の触手はその身体が真赤なもの、黒みがかった紫のもの、青くぬれ光るものであった。それぞれ先端がまるで男性器の亀頭の形をしている。そしてその太さは、沙織の太ももほどもあった。今までの触手はルシファーに操られていたものであったが、この３匹は自分の意志をもっているように感じられた。この世ならざる者の出現に知らず知らずのうちに身体が震えてしまう。
「クックック・・・どうだ？こいつらが誰だか分かるか・・？これは貴様らによって地獄に封印されたアベル、ポセイドン、エリスらの魂に肉体を与えたものだ・・・懐かしいだろう・・？クハハハハ！」
「な・・なんてことを・・！」
沙織の瞳に怯えの影がはしる。
「こいつらは今までの触手とは違うぞ・・・それぞれがそれぞれの方法で貴様を犯してくれるのだ・・！それでも耐えられるかな・・？」
（うぅ・・た、たとえどんなことをされても・・負けられない・・絶対に・・・！）
薔薇の花びらのような慎ましやかな唇をキュッと引き締め、沙織は身体を緊張させた。
＊ ＊
そのころ聖矢たちはルシファーの神殿の入り口まで辿り着いていた。
「どんな罠が仕掛けてあるか分からないからな・・・用心しろよ、みんな！」
３人が、先頭を行く聖矢の言葉にうなずく。しかし注意深く進入したものの罠の存在や敵の攻撃などの気配は一切感じられない。
「・・・どうなってるんだ・・・？ひとっこ一人いやしない・・」
「不気味だね・・静かすぎる・・・」
まるで聖矢たちの侵入を歓迎するようだ。神殿には邪悪な小宇宙が充満しているため、体力が完全に回復していない状態では思うように身体を動かせない聖闘士たちでも、これならばすんなりと玉座まで行くことができるだろう。
「へっ！好都合じゃないか！このままルシファーの所まで行くぜ！」
重い身体を引きずりながらも、聖矢たち４人は沙織の囚われているルシファーの玉座を目指し歩を進める。
＊ ＊
ルシファーは玉座に座り、先ほどの遠見の空間をとおしてその様子を見ていた。
（フン・・・のんきなものだな・・わざとだれも配置しなかったというのに・・）
ニヤリと不気味な笑みを浮かべる魔王。そしてチラリと沙織の方を見る。沙織は、動けない体を必死に奮い立たせ、３匹の触手と睨み合っている。
（聖闘士たちがここに到着するまで・・予定より時間がかかりそうだな・・・最高のエンディングのために少し遊ぶか・・）
ルシファーは邪悪な思慮をめぐらせ、何かを決めたように口を開く。
「アテナよ・・・少し話をしようか・・なに、ちょっとした提案だ・・」
高みの見物を気取っていると思われたルシファーの言葉に、沙織は不審そうに視線を向ける。
「・・・一体何を企んでいるのです？あなたと話すことなどなにもありません。」
「まぁ聞きたまえ・・貴様に私を倒すチャンスをやろうというのだ・・」
簡単に信用するわけにはいかないが、触手たちも襲ってくる気配がない。沙織は注意を少しだけルシファーにむける。
「聖闘士どもは確実にここまでこれるだろう、何の障害もないのだからな・・・だが、奴らに私を倒せると思うか？確かに奴らはアベルらとの戦いで奇跡を起こし、貴様を救ってきた・・それは認めるが、私の力は今までのどの神より強大だ。まして重症を負っている状態で、万に一つも勝てる可能性はない・・」
「そ、それはやってみなくてはわかりませんよ・・彼らはどんなピンチにも決してあきらめません・・！」
「・・・しかし、聖闘士たちにはあまりにもつらい戦いになるぞ・・？私と互角に戦えるのはこの地上でただ一人・・アテナ、貴様だけだ」
「・・・一体・・何が言いたいのです・・？」
ルシファーの真意をはかりかねている沙織が尋ねる。
「フフッ、チャンスをやろうといっているのだ。アベルらの魂が乗り移ったこの３匹の触手どもの責めに、最後まで耐え切れば私が正々堂々と戦ってやろうと・・世界の破滅も一時的にストップさせてやる・・どうだ、悪い話ではあるまい？こいつらは地獄の瘴気の中でしか生きられない・・自由に動けるのはせいぜい１匹30分程度だ。もっとも貴様に選択の余地はないだろうがなぁ・・」
沙織は、ルシファーの言葉を黙って聞いていた。聖矢たちのことは何よりも信頼している。しかしこれまでの戦いの中で、聖矢たちは幾度も瀕死の重症を負っている。心優しい少女は、そんな姿を見るたびに深く心を傷めていたのだ。
（ルシファーの言っていることは正しい・・・そうよ・・ここは私がやるしかない・・！これ以上聖矢たちにつらい思いをさせるわけにはいかないわ・・）
意を決した沙織がルシファーに輝く瞳を向ける。
「分かりました・・あなたの言うとおりにしましょう・・！ですが、約束は守ってもらいますよ・・！この触手がどんなに凄まじい力を持っていようと・・むざむざあなたのシナリオどおりになるつもりはありません！」
快楽と戦いつづける心に正義の灯をともし、聖なる女神は自らの裸身を触手の前に開放する。
「・・・さぁ・・始めなさい！」
ルシファーは青い触手を指した。
「・・・まずはこいつからだ・・！」
ズルリ、と動き出す青く濡れ光る触手。
（クックック・・・！全く私の計画どおりだ・・）
ルシファーは自分の思い描くシナリオが着々と進んでいることに、笑いを抑える事ができない。
聖闘士たちの身を案じ、厳しい試練を自ら受け入れる女神の慈愛の心が、沙織自身はおろか聖矢たちをも破滅へと追い込むことになる。沙織が聖矢たちの事を思えば思うほど、聖矢たちの沙織に対する信頼が強ければ強いほど、魔王のシナリオは、より残酷なエンディングへと向かう事になる・・・
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