−2−


リースが郷里を去ってから一週間・・・
今、彼女は城塞都市ジャドの地下牢に囚われていた。もちろん、何かしらの罪を犯して
牢獄入りとなった訳ではない。ジャドの町を征服している強国、ビーストキングダムの
兵士たちによって捕まえられたのである。


ビーストキングダムとは、昼でも深夜のように闇が途絶える事のない森、月夜の森にある
獣人たちの国である。人間たちに追われ、このままでは獣人という血が絶えてしまう。
そんな時に現れたのが、現在の国王、獣人王である。名前は安直だが、その実力は当代一と
歌われるほどであり、彼は獣人の、獣人による、獣人のための国を作り、人間たちに対して
戦いを挑んだのである。その侵略の第一歩となったのが要塞都市ジャドだったのである。
リースがジャドを訪れた時、すでにそこは獣人たちの占領下に置かれ、危険を感じた多くの
冒険者達と同じくジャドを脱出し、聖都ウェンデルへとむかったのである。



「ん・・・ううっ・・・こ、ここは・・・」
リースが意識を取り戻すと、そこはもちろん牢屋の中だった。完全に全てを認知できるように
なるまで、リースは感覚であたりの様子を探る。冷たい石畳の他は鉄格子が見えるだけで、
他に見えるものといえば、ここに来るまでに仲間(?)になってくれたエルフの少女、シャルロットだけである。
ジャドを征服したビースト軍が次の標的とした都市、聖都ウェンデルの光の司祭の孫娘である。
とはいえ、エルフの寿命は人間の何倍にも達するので、15歳でありながら背丈はリースの半分ほどしかない。
胸は勿論つるぺた。当然秘所にはあるべきものが無い。・・・と、そこまで認識してからリースはハッと気付いた。
本来あるべきものが無い・・・それは何もシャルロットの陰毛だけでなく、自分たちの服すらも剥ぎ取られているのである。
(道理でよく見えると思ったわ・・・それにしても武器ならともかく、下着まで取っていくなんて・・・・)
それがリースの羞恥を急激に高め、逆に自意識をはっきりと取り戻す事になった。
(とにかく・・・ここから一刻も早く出ないと・・・)
「フェアリー・・・」
リースがそう口ずさむと、彼女の体の中から妖精が姿をあらわした。・・・当然ではあるが初めからこういうことが出来た
訳ではない。ウェンデルへ向かう途中に出会ったこのフェアリー、マナの女神の使途(って言うかパシリ?)であり、
心有るものにマナの剣を抜いてもらい、女神を目覚めさせると言う使命を負って人間界にやってきたのである。
ちなみにリースの中には他に光の精霊ウィル・オ・ウィプスが宿っている。ここに閉じ込められる前にフェアリーと共に
確保に完了した精霊の一匹である。精霊を八匹確保して、聖域への扉を開きマナの剣を抜き取る。それがリースたちが
考え出した世界を救う方法なのであった。(もちろんフェアリーが全部教えたのだが
「リース・・・どうしたの!?その格好・・・」
「見て分かるでしょ。武器もお金も服も、全部取られちゃったの。お願い、ここの様子を見てきてくれない?」
「・・・解ったわ。ちょっと待っててね」
そう言うとフェアリーは鉄格子を潜り抜け、先へと飛んでいった。・・・リース自身も隠せる部分を手で覆い隠すと、
鉄格子から外の様子をうかがった。・・・見張りは誰一人としていないが、周りに脱出できそうな場所も見当たらない。
と、偵察に出ていたフェアリーが慌てた様子で戻って来た。
「どうしたの?」
「来るよ!ビースト兵が!」
リースも慌てて奥の方へと退散すると、フェアリーの言っていた通りにビースト兵たちがやってきた。・・・が、顔には
あの下卑た笑いが浮かんでおり、リースに否応がなしにローラント城での出来事を思い出させた。
獣人たちは鉄格子のかぎを空けると、リースたちに近づいてきた。
「へっへっへっ・・・いい格好だな」
「おい、ルガー様に見つからないうちにこいつらも犯っちまおうぜ」
「当たり前だ。何せルガー様は実直なお方だからな。こんな事がばれたら俺たちの首が飛んじまう・・・だからと言って
こんな美味しい獲物を前にして黙ってろってのが無理だからな。」
そう言いながら、獣人はリースに近寄ると、背中に手を回して抱き上げ、そのまま唇を重ねてきた。
「!・・・んっ・・・んん・・・」
(ああ・・・初めてだったのに・・・)
陵辱を受け、それでも王女として、一人の人間としての誇りを持っていきようと決意していたリースにとって、最後の砦でもあった
それすらも奪われ、また新たな幕が上がった。
胸を揉みしだかれながら唇を吸われ、触れられる場所全てが性感帯になったかのようにとめどない快感がリースに広がる。
やがて手は秘所の茂みを掻き分けて、一番感度の高い場所を弄り始めた。
「はあっ!・・・ああ・・・」
指の動きとほぼ同時にリースの口から声が漏れ、それが場の雰囲気を更に卑猥なものにしていく。腰が自然と動き、快感を
得ようとするため、腰の動きそれ自体も一種の興奮を招く結果となる。指の動きはとどまることを知らず、リースの秘所は
愛液があふれ始めていた。
「あっはあぁ・・・だめぇ・・・ふあぁ・・・」
(ああ・・・こんな・・・こんな事って・・・)
いつしか、リースはこの被虐的な行為に抵抗することが出来なくなっていた。抵抗しようと思えばできる。それをせずに
もっとこの行為を続けていたい。そういった感情がリースを捕らえ、抵抗の余地を奪ったのである。
「ああ・・・もうだめっ・・・・だめぇ・・・」
だが、それを見て取ったのか否か。絶頂を迎えようとしていたリースは、唐突に愛撫を止められ、快楽への糸口を断ち切られてしまった。
「ああっ・・・」
思わずリースの口からは落胆の声が漏れてしまう。獣人たちはそれを聞いて失笑を漏らした。
「人間なんて所詮はこんなものさ。こうやってちょっと弄くってやれば、すぐに本性をあらわすんだ」
「もしかしてもっとして欲しかったのか?だったら自分でおねだりしてみろよ」
「出来ないことも無いだろう?さっきまであんなにいやらしい声を出していたんだからな?」
顔も知らない男たちに、それも獣人なんかに・・・と思わないでもなかった。だが、火照った体に理性無き心は更なる快感を得ようと
自然と動き、言葉を漏らした。
「ああ・・・・お願いです・・・もっと・・・もっとしてください・・・私にいやらしい事をもっと、もっと・・・」
(もう、駄目・・・何も考えられない・・・・)

双脚を開き、自らワレメを開いておねだりするリースの姿に獣人たちは我慢できずに次々と襲い掛かった。
獣人の一人がリースの腰を持ち上げ、自らの分身を秘唇にあてがうとそのまま一気に挿入した。
「ああっ!・・・はああぁ・・・」
望んでいたものが自分の膣に入ってきたことによって、リースは悦びの声を上げた。だが、
「へへっ、こいつは良いぜ。俺のものを締め付けてやがる。・・・ほら、お望みどおりにしてやったんだ。さっさと腰を振りやがれ」
「えっ・・・あぁ、そんな・・・」
そのまま獣人の手によって快楽の渦へと突き落とされると思っていたリースにとって、この台詞は予想外のことだった。
挿入している獣人は下卑た笑いを浮かべると、体位を騎上位に変えて少しずつ腰を動かし始めた。
「あっ・・・」
リースの秘唇はその少しの腰の動きでさえも敏感に感じ取り、それが声となってリースの口から漏れる。
そして快感を与えるものが微弱な動きであることに、身体は自然と不満を募らせていく。
(ん・・・もっと欲しいのに・・・いっそこのまま・・・)
そう思った次の瞬間から、リースは自分から淫らに腰を振り始めた。挿入されている物を自分自身にこすり付けるようにして上下に動き、
悦びの声を漏らしてよがり狂った。結合部からはひっきりなしに淫猥な音が途切れることなく続いた。
「あっ・・・あああん・・・いいのぉ・・・はあああ・・・」
リースの頬は紅潮し、口からは涎を零して更なる快感を得ようと獣のように腰を振った。それと同時に両の手に握らされた物をしごいて
他の獣人の欲望を満たしていた。
「くっ・・・も、もう駄目だ!出すぞ、受け取れ!」
「ああ・・・出してぇ・・・リースに一杯出してぇ・・・」
挿入していた獣人はリースの卑猥な抽送に耐え切れず、絶頂を迎えてしまった。その後、すぐにしごかれていた獣人たちもリースに向かって
精を放出したのであった。しかし、それだけでは満足できないリースは自分で自らの秘所を弄り始めた。
中出しされたリースの中から愛液と精液とが混ざり合ったものが零れ落ち、それが指の動きによってより一層の淫らな音を立てた。
「んっ・・・あはあぁ・・・」
指は確実に淫核と秘裂とをかき回し、更に腰をくねらせて快感の一零しも漏らすまいとするその姿に獣人たちは見入っていた。そして、
目の前で満足できずに自慰に浸るリースを見て、再び獣人の男根が蘇った。そのままリースに向かってもう一度挿入し、バックの体勢で
パンパンとリズミカルな性運動を始めた。
「えっ・・・ああっ!・・・あっ・・・あっ・・・そんな・・・」
突然の事にリースは多少戸惑ったものの、すぐにその事に順応して自らもまた腰を振って獣人の物を貪った。
「ああっ・・・ああん・・・もう・・・もう駄目・・・」
「くっ!・・・また出すぞ!」
「私も・・・イク・・・イッちゃう・・・」
2度目の絶頂を迎えた獣人とともに、リースも絶頂に達した。その時、美しい裸体を床に投げうって余韻に浸っていたリースの耳に、
聞きなれた声が聞こえてきた。
「あんたしゃん達・・・リースしゃんになにしてるでちか!?」
正気を取り戻したシャルロットの声だった・・・。


→進む

→戻る

→ローラント・プリンセスのトップへ