○知的な姫 エメラルド
 
 拙者の名前は、エメラルド、ジュエル王国の第二王女。
「残るは、拙者とルビーだけ」
 拙者の言葉に、ルビーも真剣な顔をして答える。
「でも残り六日。二人で頑張ればなんとかなります」
 その言葉に拙者は、日数を計算して言う。
「淫魔王は、これまで一人に三日ずつをかけていた。そして、拙者達二人も同じ様にするつもりなら十五日。儀式と同じ日数だ。これは、偶然だと思うか?」
 ルビーが驚く。
「まさか、淫魔王が儀式の事を知っていたと言う事?」
 拙者が頷く。
「その可能性が高い。儀式期間に合わせて拙者達を篭絡しようとしていると考えれば、この状況の説明がつく」
 悔しそうな顔をみせるルビー。
「全て淫魔王の思う壺だったということか!」
「しかし、逆を言えば、予定を狂わす事が出来たら、儀式を成功させられる筈だ」
 拙者の言葉にルビーの顔が明るくなる。
「その通りですね。今日、淫魔王の襲撃を防げば、十分に勝算があります」
「そこで問題になるのが姉上達だ。昨日の様な真似をされたら、手足が出ない。どうにか方法を考えなければいけないな」
 拙者が悩んでいると胸に痛みが走る。
「どうかしましたか?」
 ルビーの言葉に拙者が胸を押さえながら言う。
「大したことでは、無い。直に治まるだろう」
『その胸の痛みは、そのままでは、治まらないぞ』
 淫魔王の言葉が聞こえてきた。
「何処だ!」
 ルビーが剣を構えて言った。
『朕は、中央広間に居る。言葉だけをそちらに送っているだけだ。それと一つ約束してやろう。サファイア達を盾にお前達を襲うことは、しない』
「そんな言葉を信じろと言うのか!」
 ルビーが感情的に反論する。
『信じる信じないは、そっちの勝手だ。それよりもエメラルドの胸の痛みの正体を知りたくないか?』
 淫魔王の言葉に拙者が尋ね返す。
「この痛みは、お前の仕業か?」
『そうだ、お前が考えた通り、朕は、儀式の事を知っていた。だから、お前達を我が雌奴隷にする為の変革を促す種を最初の性交で植え付けていたのだ。お前の胸の痛みもその一つだ』
 拙者達が考えているより、淫魔王は、狡猾な存在だった様だ。
「卑怯者め! さっき盾にしないと言ったばかりだろう。今すぐエメラルド姉の痛みを無くせ!」
 ルビーの言葉に淫魔王が答える。
『朕の雌奴隷になると誓った者を盾には、しない。だが、朕に逆らおうとする者を盾にするのに何ら問題も無かろう』
 興奮するルビーを静止して拙者が言う。
「この痛みを取りたければ、拙者にお前の雌奴隷になれと言うのか?」
『それでも良いがお前達がそれを望むまい。朕が与える条件は、一つ。その痛みの正体を知りたければエメラルド一人で中央広間に来るのだ』
 確実に一人ずつ拙者達を篭絡するつもりは、変わらない様だ。
「解った。拙者一人でそちらに向かおう」
「エメラルド姉!」
 心配するルビーに拙者が言う。
「落ち着くのだ、ここで、奴に無理に逆らった所で、何の解決もしない。相手の動きを確認して、的確に行動をとる。それこそが今拙者達が出来る最善の手だ」
 拙者は、一人、中央広間に向かった。


 中央広間では、姉上達が淫魔王と性交を行っていた。
 性欲に狂う姉上達から目を逸らす拙者に淫魔王が言う。
『良く来た。早速だが、お前の胸の痛みの秘密を教えてやろう。その痛みは、大量の母乳がお前の胸の中に溜まっている為の痛みだ』
「そんな馬鹿な、拙者は、妊娠など、していない!」
 拙者の言葉に淫魔王が答える。
『妊娠せずとも母乳が出る体に改造してやったのだ。喜ぶが良い』
 淫魔王に体を改造されていた悔しさに腸が煮えくり返る思いだ。
『ついでに教えてやろう。お前の母乳は、絶頂に達した時にしか出ることは、無い』
 信じられなかった。
「そんな非合理的な事があるわけが無い!」
 拙者が反論するとトパーズが近づいて来て御尻を見せ付けてくる。
「エメラルドお姉様、淫魔王様のおっしゃっている事は、本当です。ワタクシもウンチを出せない体になってしまったの」
 愕然とした。
 あそこまで淫魔王を毛嫌いしたトパーズが篭絡したのが不思議に思っていたが、そんな酷い状態にされていた事に気付かなかったとは、自分の無力さを思い知る。
『ついでに教えてやろう。汝らの生活を維持するエメラルドには、快楽を得ながらも正気を保っていられる体に、幼いキャッツアイには、小さな体でも快楽を得られる体に、そして最後の楽しみに残したルビーには、強力な締め付けを行えるオマンコを持つ体に改造をしてある』
 ルビーにまで改造が及んでいるのは、想定外だった。
「それで、お前は、どうするつもりだ?」
 それに対して淫魔王が意外すぎる答えを返してきた。
『どうもしない。するのは、おまえ自身だ。もう告げてあるとおり、お前は、絶頂に達しなければ母乳を出すことは、出来ない。しかし、母乳を出さないで居る事も不可能だろう。お前が望むのなら朕が手伝ってやっても良いが、それは、お前の望むところでは、ないだろう』
 淫魔王の考えが解った。
「自分で自慰行為を行って母乳を排出させようと言うのだな?」
『その通りだ。お前もオナニーの経験は、あるだろう』
 確信に満ちた言葉だったが、確かにその通りだ。
 拙者には、淫魔王の考えの先も読めた。
「そうやって、お前は拙者を精神的に追い詰めていき、篭絡するつもりだな。だが、思い通りには、ならないぞ」
 拙者は、その場で裸になって堂々と秘所を弄る。
「自慰行為程度で恥じて屈服するほど拙者の心は、清純では、ない」
 ゆっくりと指を動かしていく。
 そして前々から悩みの種だった大きな胸にも手をやる。
 同じ女性の中には、拙者の胸をうらやましいと言う者も居るが、拙者にとっては、とってしまいたいものでしかなかった。
 こんな物があるからこんな事になるのだ。
 しかし、拙者にとって胸は、急所でもあった。
 自慰行為の時は、常に胸を中心に弄っていた。
 そして、母乳の所為か、一回り大きな胸を弄っていると普段より強い快感が拙者を襲った。
「アァァァ!」
 声が漏れてしまう。
 そんな中、キャッツアイが近づいてくる。
「エメラルドお姉ちゃんの胸って凄い。キャッツアイ、吸ってみたい!」
「淫魔王、これもお前の仕業か!」
 拙者の言葉に不機嫌そうに淫魔王が答える。
『言いがかりだな。サファイア、お前だったら、説明できるだろう』
 すると姉上が言う。
「キャッツアイは、生まれて直ぐにお母様を無くした所為か、胸、特に母乳と言うのに強い興味があるのよ。何度も乳首を吸わせてと頼まれて困ったわ」
 詰り母性をもとめているのか。
「好きにすれば良い」
 拙者が許すとキャッツアイは、拙者の胸を鷲掴みにすると乳首に吸い付いてきた。
「強すぎる! もっと優しくしてくれ!」
 拙者が頼むとキャッツアイも頷き、吸う力を弱める。
 すると、拙者の中に満ち足りた物が生まれてきた。
 それは、同時に快感を引き上げ、そしてその瞬間が来る。
「イクぞ、存分に飲むだ!」
 絶頂と共に拙者の胸から大量の母乳が噴出す。
 それをキャッツアイに吸い上げられた時、拙者は、イキながら更に一つ高い絶頂に達してしまう。
「また、イクゥゥゥゥゥウ!」
 母乳を噴出し終えた後、拙者の胸の痛みは、失われた。
 そしてキャッツアイも満足そうに言う。
「エメラルドお姉ちゃん、美味しかったよ。ありがとうね」
 拙者は、その言葉に答えられなかった。


 翌日、食事が終わった後、ルビーと二人、今後の対策を相談することにした。
「それでは、エメラルド姉は、母乳が溜まって胸の痛みを発生するのですか?」
 ルビーの言葉に恥ずかしかったがここで中途半端な受け答えをすればキャッツアイの時の二の舞になるので素直に答える。
「そうだ。その上、絶頂に達した時にしか母乳が出ない。おぞましい体にされてしまった」
 それを聞いてルビーは、複雑な表情をして言ってくる。
「それで気になったのですが、他の姉妹と違って僕の改造の意味が少し解りません」
 確かに拙者にもルビーに施された肉体改造の意味が解りかねた。
「しかし、油断するな。淫魔王は、真に狡猾な存在。何かしらの策がある筈だ」
 頷くルビー。
「当座の問題としては、拙者の母乳だが、今は、平気だ。もしまた痛くなっても自分で処理をすれば良いだけの事だ」
「辛かったら言ってください。何も出来ませんが、傍に居ることは、出来ます」
 ルビーの言葉が嬉しかった。


 その夜、拙者は、再び胸の痛みを覚え、一人部屋で自慰行為を行うのであった。
 しかし、気持ちよくなるが、中々絶頂に達しようとは、しない。
 苛立ちと胸の痛みだけが強くなる。
『苦戦をしているみたいだな』
 淫魔王の声が聞こえてきた。
「拙者は、お前の甘言には、騙されないぞ」
『そうか、成らば辛い現実を教えてやろう。お前は、昨夜、今まで以上の絶頂を経験してしまった。その所為で、今までと同じ様なオナニーでは、絶頂に達する事が出来なくなってしまったのだ』
 信じたくなかったが、現在の状況を考えれば十分に考えられる事だった。
「何とかしてみせる」
 そう告げて拙者は、激しく胸や乳首を弄る。
 気持ちが良いのだが、全然足らないのが実感できる。
 それでも拙者は、諦めず自慰行為を続けた。


 一時間後、拙者は、中央広間に居た。
『何をしにきたのだ?』
 拙者は、淫魔王を無視してキャッツアイに近づく。
「キャッツアイ、拙者の胸を吸ってくれないか?」
 それに対してキャッツアイが悩む。
「淫魔王様に昨日怒られたから、止めておくよ」
 すると淫魔王が言う。
『キャッツアイが余計な事をした所為で、お前に余分な快楽を与えてしまった。その所為で計画に若干のズレが生じているのだ』
 詰り、淫魔王にとってもこの状況は、想定外だったのか。
 だとしたら、一番の方法は、ルビーにこの胸を吸うのを頼む事だ。
 しかし、拙者の考えが解ったのか淫魔王が忠告してくる。
『お前の母乳には、媚薬に近い成分が含まれている。ルビーに飲ませてこれ以上、計画を狂わせるな』
 普段と違う不機嫌そうな言葉がその言葉が真実な事をしめしている。
 残された方法は、一つだけだった。
 拙者は、自ら乳首を口に含む。
 快感が体を過ぎる。
 自分で予想した以上にそれは、気持ちよく、快感が高まっていく。
 そして、絶頂と共に口の中に母乳が広がっていく。
「美味しい」
 不思議と後を引く味であった。
 拙者は、無意識で再び乳首を口に含もうとした。
 しかし、それが叶わなかった。
 胸が一回り大きくなり、乳首が口まで届かない。
 必死に舌を伸ばすが先端に触れるのが精々だった。
「拙者の体に何をした!」
『お前の体は、激しい快感を覚えるたびに大量の母乳を作り出す。それに伴い胸も大きくなったのだ』
 拙者は、昨日の失敗の理由を察知した。
 連続して絶頂を迎えさせては、いけなかったのだ。
 今回みたいに、絶頂の後に大量の母乳が作られ、胸の痛みが継続する事で、何度も絶頂に達しさせるというのが淫魔王の策略だったのが。
 そして、私は、その罠に自ら嵌ってしまった。
 胸の痛みは、出す前より激しくなっている。
『どうする? お前が望むのなら、朕がお前の母乳を快楽で増える以上に吸い出してやっても構わないぞ』
 この形こそ、淫魔王が望んだ形なのだろう。
 それから逃れる道は、無かった。
 悔しさがこみ上げてくる。
「すまない、ルビー」
 そして、拙者は、胸を突きつけて言う。
「拙者の胸を吸ってくれ」
 そして、触手達が拙者の胸に群がる。
 大きく敏感になった胸を全体的に愛撫される。
「アァァァン! イイ!」
 それだけで絶頂に達してしまいそうだった。
 触手の先端が割れ、乳首を吸われた瞬間、拙者は、イッテしまう。
「イクゥゥゥゥゥ!」
 激しく母乳を出し、それが吸われる感覚に更に高い絶頂が襲ってくる。
「イッテいる最中なのにまたイクゥゥゥゥ!」

 そうしている間にも逆の乳首にも別の触手が吸い付いてくる。
「またイクゥゥゥゥ! イクのが止まらない!」
 拙者は、際限なく絶頂を繰り返してしまう。
 そして、胸の痛みが治まると同時に触手達が離れていこうとする。
「駄目! まだ、母乳が残っているから、もっと吸って!」
『朕の雌奴隷になると誓えば、その胸が空っぽになるまで触手がお前の母乳を吸ってやろう』
 拙者の中の理性が、全力で否定しろと言っている。
 しかし、口が勝手に動く。
「誓います。淫魔王様の雌奴隷になりますから、触手で母乳を吸って下さい」
『本当に良いのか? 正直、朕の予定とも異なる。もう一日頑張ってみないか?』
 まだ十一目、淫魔王が予定よりも早い。
 残り四日をルビー一人に背負わせると言うのがどれだけ辛いかは、自らの体で思い知った。
 しかし、はっきり理解できた。
 もうオナニーでは、母乳を出すことなど出来ないと。
「もう自分では、母乳を処理できないのです。どうか母乳を吸って下さい」
『良かろう、お前の母乳を残らず吸い尽くしてやろう』
 触手に乳首を吸われながら満ち足りた物を感じる。


 こうして拙者は、十一日目で淫魔王様の雌奴隷になってしまったのです。


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