女を下僕に出来る男
俺の名前は、武田哲郎。
いわゆるフリーターだ。
これといった夢も無く、恋人も居ない。
その上、もうすぐ三十だと言うのに童貞だ。
「いっその事、魔法使いでも狙うか?」
三十まで童貞だと、魔法使いになれると言う都市伝説を思い出して自虐的な事を言ってしまった。
給料日前で金も無く、俺は、寂しくカップラーメンを啜りながら、テレビを見ていた。
「可憐ちゃん、可愛いよな」
いま一番人気のチャイドルの可憐ちゃんが出ていて、丁度ダンスシーンでスカートを捲れ、思わず凝視してしまう。
そして、案の定ぎりぎりの所で下着が見えない事に落胆する。
「そうだよな」
俺は、可憐ちゃんのシーンが終ったのを確認してからテレビを消し、カップラーメンの残り汁を飲み干して床に大の字になる。
「なんか良いことおこらねえかなー」
大して期待したわけでは、無かった。
だが、それに答える声があった。
「そのお願い、叶えましょう」
鈴を転がしたような綺麗な声に驚き、上半身を起こすと、目の前に、可憐ちゃんに負けないくらいの美少女が居た。
まあ、胸があるかどうか微妙なラインなのがマイナスポイントだが。
「失礼ね、貧乳は、ステータスなのよ」
その少女の言葉に、俺は、驚く。
「どうして考えてたことが解ったんだよ!」
その少女は、妖しい笑顔で言う。
「心が読めるのよ。だってあたしは、昔天界にいた者だから」
次の瞬間、少女の背中から白い翼が広がる。
「……天使」
少女、いやその天使が言う。
「あたしの名前は、サンタ。貴方に幸せを運んできたのよ」
その言葉に俺は、戸惑いながら言う。
「本当なのか?」
天使は、頷いた。
「ええ、貴方が望むのだったら、貴方の精巣を変化させて、どんな女でも下僕にしてしまう、ザーメンを出る様にしてあげる」
「下僕って」
天使の口から出たとは、思えない発言に俺が戸惑っていると天使は、俺に抱きつき、耳元で囁いた。
「貴方は、選ばれた人間なの。だから心配することは、無いわ」
「そうか俺は、選ばれたんだな?」
俺の言葉に天使は、頷き確認してきた。
「さあ、願って、自分が世界中の女を思い通りにする力を手に入れることを」
「願う! 俺にその力をくれ!」
俺は、力の限り叫んでいた。
次の瞬間、頭が真白になって意識を失ってしまった。
俺が次に意識を取り戻した時には、天使の姿は、無かった。
「夢だったのか?」
ぼやける頭で考えるが答えは、出ない。
そんな時、郵便ポストに入っていた出張ヘルスのチラシが目に入った。
「物は、試しだ。童貞なんて後生大事にとっておくもんじゃないからな」
「一回二万、膣出しは、別料金だからね」
そう告げてきた、ヘルスのケバイ女。
「解ったよ」
そっけない態度でお金を渡しているが、内心ドキドキだった。
「とりあえず、フェラからね」
まさに仕事といった態度でケバイ女は、俺のズボンからチンポを取り出して、舐め始めた。
「あら、意外と大きいわね」
少しだけ嬉しそうに言うケバイ女。
しかし、俺は、そんな反応を気にしている余裕は、無かった。
初めてのフェラチオに今にも射精しそうだった。
「もしかしてもう?」
ケバイ女が意外そうな顔をした時、我慢の限界に来てしまった。
いきなりの射精にむせるケバイ女。
「もう、この早漏!」
ケバイ女は、睨んで来た。
「あんた、まさか童貞なんじゃないの?」
軽蔑の視線を向けて来た。
「そ、そんな訳ないだろう!」
俺が反論すると、舐めきった表情でケバイ女が言う。
「時々居るのよね、普通に女と付き合えず、水商売相手に童貞を無くそうする奴」
「いい加減にしろ!」
感情のまま俺が叫んだ時、ケバイ女の態度が急変した。
「何これ!」
股間を押さえて蹲るケバイ女。
苦しそうな顔で俺を睨む。
「何をしたの!」
俺は、その時確信した、天使の言った事は、本当だったのだと。
「俺に従え、さもないとずっとそのままだと」
悔しそうに歯軋りをしながらケバイ女が頷く。
「そうだ、そこの壁に手をつけ。後ろから犯してやるよ」
ケバイ女は、言われたとおりに壁に手をつく。
「ほら、もっとけつをあげろ。入れてやら無いぞ」
ケバイ女は、無言で俺の指示に従う。
そして、俺は、初めてのオマンコを味わった。
「良いぞ、これがオマンコか。今まで知らなかったなんて、なんて損をしていたんだ」
ケバイ女は、涙を流しながら言う。
「なんでよ? なんでこんな童貞野郎のチンポがこんなに気持ち良いのよ?」
「その童貞野郎のザーメンを思いっきり受け止めるんだな!」
俺は、そのままケバイ女のオマンコの中で、射精した。
その瞬間、ケバイ女は、白目をむいて絶頂に達した。
「お金は、要らないな?」
思うままに犯した後の俺の言葉に、ケバイ女は、前金で渡したお金を叩き返して、悔し涙を流しながら帰っていくのであった。
俺は、高笑いを上げる。
「もう、世界中の女は、俺のものだ!」
そして壁に貼った可憐ちゃんのポスターを見る。
「そう、君もだよ」
あれから、一ヶ月がたった。
バイトは、とっくの昔に止めた。
抱いた女に言えば文句を良いながら言われたとおりに金を出してくるのだ、もう働く必要も無い。
色々な女を抱いた。
特に芸能関係の女を、目的は、無論可憐ちゃんを物にする為だ。
そして、今日、その苦労が実を結ぶ。
俺がホテルでその時を待った。
「疲れた」
そういって可憐ちゃんが入ってくる。
「お帰り、可憐ちゃん」
俺の存在に可憐ちゃんが驚く。
「誰、どうして可憐の部屋に居るの? マネージャーさん、どういうこと?」
俺は、悔しそうな顔で顔を背けるマネージャーに言う。
「ご苦労さん、後でたっぷり褒美をやるよ」
「マネージャー?」
信じられないって顔をする可憐ちゃんにマネージャーが言う。
「ごめんなさい。悔しいけど、あの男だけには、逆らえないの」
そのまま、逃げるように部屋を出て行く。
「さあ、これで二人っきりだ」
「嫌、来ないで!」
怯える可憐ちゃんも可愛い。
俺は、近づき、優しく声をかける。
「大丈夫、直ぐに俺なしでは、居られなくしてあげるからね」
「誰か助けて!」
逃げようとする可憐ちゃんを強引に引っ張り、ベッドに横にさせる。
「可憐ちゃんの初めての相手になれるなんて最高だよ」
俺は、そのまま勃起したチンポを可憐ちゃんのまだ産毛しか生えていない可憐ちゃんの割れ目に当てる。
必死に首を横に振る可憐ちゃん。
「それだけは、許して!」
涙目で嫌がる可憐ちゃん。
「安心して、直ぐに気持ちよくなるから」
俺は、そのまま強引に挿入する。
「……ガァ!」
目を剥き、まともな声にならない悲鳴をあげる可憐ちゃん。
その割れ目からは、俺のチンポを伝い、バージンの証である血が流れてきていた。
「これで、俺が可憐ちゃんの始めての男になったんだ」
「痛いよ! 抜いて!」
か細い手で必死に俺を押し返そうとするが、無駄な足掻きだ。
「そろそろ可憐ちゃんの中で出すよ」
必死に首を横に振る。
「赤ちゃんが出来ちゃう! それだけは、止めてよ!」
その瞬間、俺は、射精した。
絶望の表情を浮かべる可憐ちゃん。
俺は、ゆっくりとチンポを抜く。
そして、可憐ちゃんは、俺を睨みつけて来た。
「貴方だけは、絶対に許さない! 訴えてやるんだから!」
そんな可憐ちゃんに俺が言う。
「いつまでそんな口を利いてられるかな?」
「どういうことよ?」
問い返してくる可憐ちゃんだったが、信じられないって顔で自らの体を強く抱きしめる。
「何、この感覚?」
戸惑う可憐ちゃんに俺が教えてあげた。
「俺のザーメンは、天使から与えられた奇跡のザーメンなのさ。一度俺のザーメンを受けたら最後、俺に逆らおうとすると、激しい欲情にさらされる、そして、俺のザーメンが欲しくて欲しくてどうしようもなくなるのさ」
「そんなの嘘よ!」
必死に否定する可憐ちゃん。
「だったら、俺を拒むんだな」
俺は、そのまま手を伸ばす。
当然のように可憐ちゃんは、俺の手を弾くが、その瞬間、前のめりになる。
「嫌、熱い、あそこが燃えちゃうよ!」
俺は、チンポを可憐ちゃんの顔の前に突き出して言う。
「自分のロストバージンの血が付着したチンポをしゃぶるんだ。そうすれば、ザーメンが飲めるぞ」
「そんな事は、出来ない!」
その言葉と共に更なる欲情にさらされる可憐ちゃん。
そして、遂に涙を流しながらも俺のチンポをしゃぶる。
「夢まで見た、これが可憐ちゃんのフェラチオか」
夢心地な俺は、直ぐに射精する。
可憐ちゃんは、気持ち悪そうにしながらも俺のザーメンを飲む。
一息吐いた様な様子で俺を見る。
「あんたは、最低よ」
「だけど、もう可憐ちゃんは、その最低な男のチンポがないと生きていけない体になったんだよ」
俺の言葉に体全体を使って否定しようとする可憐ちゃん。
「嘘よ、嘘よ、嘘よぉぉぉぉぉぉ!」
その叫んだ後、また疼きに襲われたのか、蹲る。
俺は、ベッドの上に座って言う。
「欲しいだろう、今度は、自分で入れるんだ」
「そんな事、出来ない!」
そう口にするだけで更なる欲情に襲われる可憐ちゃん。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ! こんな男の物を自分から入れるなんて絶対に嫌!」
その直後に襲った熱さに、可憐ちゃんは、負けた。
涙を堪えながら、自らから俺のチンポに手を添えて、腰を下ろしていく。
チンポを入れた瞬間、快感が可憐ちゃんを襲う。
「アァン!」
「ほら、もう気持ち良いだろう。最高の快楽を教えてあげるよ」
そのまま俺と可憐ちゃんは、一晩中抱き合った。
疲れ果てて眠る可憐ちゃんだったが、その顔からは、俺の憧れていた、優しさを感じる事が出来なかった。
何か大切な物が壊れた気がした時、天使の声がした。
「目標達成おめでとう」
俺は、振り返って驚く、白かった天使の羽が、まるでカラスの様に黒くなっていたからだ。
「その羽は?」
天使は、答える。
「貴方の欲望を吸収して、力が戻ったみたい。あんな中途半端な契約で力を使ったんで、力が激減したんだけど、ようやく人間界で遊ぶ事が出来るわね」
「何を言っているのですか?」
首を傾げる俺に天使が答える。
「あらそういえば言ってなかったわね、あたしは、天界から堕天した悪魔よ。そして貴方は、偉くなって暇になったあたしの暇つぶしの道具として選ばれた馬鹿な男」
血の気が引くのを感じた。
「まさか、俺の魂が狙いか!」
爆笑する悪魔。
「あんたみたいなちんけな人間の魂なんて、あたしには、必要ない。そうね、簡単に言えば趣味かしら。あたしは、人の絶望を見るのがすきなの。あんたみたいに最低な男にレイプされて絶望する女達を見るのは、最高だったわよ」
信じたくなかった。
俺が悪魔の手先として働いていたって事を。
悪魔は、楽しそうに言う。
「それじゃ、最後に貴方の絶望を頂戴ね」
「この力を奪うというのか?」
もしそうなったら、今まで犯していた女から復讐される。
悪魔は、悪魔と解っても魅力的な淫靡な笑みを浮かべて言う。
「その力は、死ぬまで貴方の物よ。例え、本物の天使が現れてもあたしの呪いは、解けないからね」
呪いだって、どういうことだ。
「簡単よ、貴方のザーメンは、確かに女を下僕にする事は、出来る。でも同時に貴方に絶対的な負の感情を持つようになる。貴方は、これからどんな女と寝ても相手から愛情を受ける事は、無いのよ」
俺の脳裏に今まで犯した女の顔が次々と浮かぶ。
そこにあったのは、全て俺への恨みの表情であった。
そして、俺は、可憐ちゃんを見る。
そこには、寝ていても解るような恨みの表情が現れていた。
俺がその場で崩れると悪魔が耳元で囁く。
「おまけで教えておいてあげる。ザーメンを変化させた影響で、貴方の精巣は、まともな精子を作れない。詰り、子供を作る事も出来ない。一生独りでその呪いを味わってね」
「嘘だぁぁぁぁぁ!」
俺は、絶望の叫びをあげた。
「そう、その絶望の声を聞く時があたしの至福の時なのよね。それじゃ、またね」
そのまま悪魔は、消えていき、俺は、絶望に彩られた人生を歩むことになるのであった。
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