7:逃げられなかったモンバーバラの姉妹


 オリジナルでは、先代国王の手助けもあって逃げ出せた姉妹ですが、今回は、逃げられなかった事にしてみました。
 そして何より、どっちを使おうと悩んだ挙句、諦めました。
 最初に状況説明、その後、ミネアで次にマーニャの視点での話しになります。


 父親の仇、バルザックがキングレオ国王に取り入っていると知り、敵討ちにやって来たマーニャ、ミネアそしてバルザックの兄弟子のオーリンは、様々な苦労の末、仇である進化の秘法を使い魔物に成り下がったバルザックを追い詰めた。
 しかし、そのバックに居たキングレオ国王の圧倒的な力の前に敗れ去ってしまう。
 投獄されたマーニャとミネアであったが、実は、そこには、キングレオの先代国王も居た。
 仮定を語るのは、愚か者のする事であるが、もしもここで先代国王と話が出来ていれば、モンバーバラの姉 妹の運命は、変わっていたのかもしれない。


 私の名前は、ミネア。
 占いで生計を立てながら仇であるバルザックを探していた。
 そして、今一歩の所まで追い詰めたのに、邪魔が入り、この牢屋に居た。
「あと少しだったのに!」
 悔しそうにする姉さん。
「まだ諦めては、駄目です。私の占いでは、再起の時は、必ずあると出ています」
 私の言葉に姉さんが不敵に笑った。
「そうよね。あたし達が生きている限り、まだチャンスは、ある筈。でもそうすると取り敢えず、ご飯よね。ここのご飯は、何時なのかしら?」
「姉さんたら」
 思わず笑う私を見て満足そうな顔をする姉さん。
 きっと私の緊張を解す為にわざとあんな事を言ってくれたのでしょう。
 その時、何かが近づいてくる足音が聞こえる。
 暫くするとバルザックが現れた。
『さっきは、よくもやってくれたな』
「ご主人様に情けなく助けられた駄犬が何の用なのかしら?」
 挑発にバルザックが睨んでくるが姉さんは、動じない。
「なんだったらここでさっきの続きをする?」
 装備は、取り上げられているが、私も姉さんも魔法が使える。
 やり方次第では、勝つ方法がある筈だ。
 それに対してバルザックが下品な笑みを浮かべた。
『自分達の立場が解っていない様だな? 何ならここの先住人にお前達を犯させても良いんだぞ』
 その言葉に周りの牢獄の住人がざわめく。
 思わず後退る私の前に姉さんが立ち言う。
「妹には、指一本触れさせないわ!」
「姉さん……」
 その後姿が私には、とても頼もしく思えた。
『そんなに妹が大切か?』
 バルザックの問いに姉さんが怒鳴り返す。
「当たり前の事を言わないでよ!」
『だったら、お前の体を差し出せ、そうすればお前が従っている間は、妹には、こちらからは、一切手を出さない事を約束しよう』
 バルザックが出した条件を姉さんが呆れる。
「あんたみたいな自分の師匠にさえ裏切る男の言葉を信じろって言うの?」
『信じなくても良いが、その場合は、姉妹揃ってこの牢獄の慰め物になるだけだ』
 バルザックの言葉に姉さんが悔しそうな顔をしながらも問い掛ける。
「本当に妹には、手を出さないでくれるのね?」
「姉さん、駄目です。騙されるだけです」
 必死に止める私に姉さんが耳元で囁く。
「もしも騙しているとしても多少の時間稼ぎには、なる筈よ。それにあんな男に抱かれるのは、嫌だけど、嫌な男に抱かれるのは、慣れているわ」
 踊り子であった姉さんにそういう事を求める相手は、多かった。
 舞台小屋の主や土地の権力者、どうしても断れない相手に姉さんは、何度と無く体を穢された。
「姉さん……」
「そんな湿っぽい顔をしない。大丈夫、これは、チャンスよ。上手くあいつの油断を誘えば、仇を討つ事が出来るわ」
 固い決意の炎が宿った姉さんの瞳に私は、説得を諦めた。
「無茶は、しないで下さい」
「解ってるって、貴女こそ油断しないで、あいつが何時約束を破って卑劣な事をしてくるわ解らないわ。その時は、一人でも逃げる事を考えて。一人でも逃げられれば仇を討つチャンスは、残るんだから」
 姉さんの言葉に私は、泣きそうになるのを堪えながら頷く。
 姉さんがバルザックの方を向いて告げる。
「あんたの要望通りあたしの体をあげるわ。だけど妹に手を出した時は、覚悟をしなさいよ!」
 含み笑いをするバルザック。
『良いだろう。安心しろこちらから手を出すことは、絶対にしない』
「その言葉、取り敢えずは、信じてあげるわ」
 こうして姉さんは、バルザックと共に牢獄を出て行った。
「神よどうか姉さんにそのご加護をお与え下さい」
 私は、ただ祈ることしか出来なかった。


 それから数日が経った。
 少なくともこの数日は、約束は、守られて危害は、加えられなかった。
「でも油断しては、いけない。それに姉さんがどうなったかも心配だわ」
 そんな中、遂にバルザックが私の前に現れた。
『元気そうだな』
「姉さんは、無事ですか?」
 問い掛ける私にバルザックが愉快そうに答える。
『安心しろ、まだ指一本触れていない。それより朗報があるぞ』
「朗報?」
 少なくとも姉さんが安全だと解った以上、これ以上の朗報等、バルザックの口から出てくる筈は、無かった。
『戦いで負傷して生死の境を彷徨っていたオーリンが我等が師エドガンの進化の秘法を使って命が助かったぞ』
「オーリンさんが!」
 正に朗報だった。
 キングレオとの戦いの最中、私を庇い酷い怪我を負って居た。
 姉さんの事もそうだが、彼の事も心配していた。
『来るんだ』
 バルザックの声と共にオーリンさんが歩いてくる。
「オーリンさん! 本当に大丈夫ですか?」
 しかし、牢屋の前まで歩いてきたオーリンさんは、何も答えてくれない。
「オーリンさん、私です。ミネアです!」
 必死に声を掛けるがオーリンさんは、何の反応を示さない。
「オーリンさん?」
 私が戸惑っているとバルザックが命じる。
『俺の足を舐めろ』
 言われるままにバルザックの足を舐め始めるオーリンさん。
「オーリンさんに何をしたのですか?」
 恐る恐る訊ねる私にバルザックが答える。
『言っただろう進化の秘法を使ったと。俺の命を狙う奴に使うんだ、こっちの命令に絶対服従する様にしておいたのさ』
「なんて酷いことを!」
 睨む私にバルザックが肩をすくめる。
『心外だ。これでも兄弟子を死なせたく無いと言う善意でやった事なのにな』
「オーリンさんを元に戻しなさい!」
 私の訴えにバルザックがオーリンさんを掴み上げてその股間部、睾丸を握りこみ告げてきた。
『これでも締め付けがある研究をしていてね。その為、無為に進化の秘法を使う訳には、行かなかった。だから生殖能力の進化実験を行った。実験は、半ば成功で半ば失敗だったがね』
「失敗ってどういう事ですか?」
 嫌な予感を覚えながらも問い質さずには、居られなかった。
『子種の生成量の強化を行い、想定通り子種のは、生成量は、爆発的に増幅した。しかしその為、この様に子種を出さずに居ると睾丸が膨張を始め、限界に達した時に死ぬだろう』
「そんな死ぬなんて、どうにかならないのですか!」
 私の問いにバルザックは、あっさり答えた。
『難しい事では、無い。子種を出し続ければ死ぬ事は、無い。ついでに言えば、一度でも子種を出し尽くし、進化の秘法の効果が無くなれば絶対服従の効果も失われる』
 そういいながらバルザックは、オーリンさんを私の居る牢獄に投げ込む。
『後は、好きにしろ。そいつは、自分の意思では、食事と排泄以外は、何も出来ない。ただし事前にお前から性的行為を求められた時のみそれに応える様に命令して在る』
「それでは、約束が違います!」
 私の訴えにバルザックは、高笑いを上げる。
『俺は、何の約束も違えていない。お前が望まぬ限り何もしないしさせない。お前が望んでオーリンの子種処理の相手をするかどうかの話だ。嫌ならそのままオーリンが死ぬ姿を目の前で見るのだな』
「貴方は、最低です」
 憤りを覚える私にバルザックが背中を向ける。
『俺は、これで失礼する。何せマーニャにした実験の成果が出ている頃だろうしな』
「待ちなさい! 姉さんには、何をしたの!」
 私の叫びにバルザックは、歩きながら応える。
『次に来るまで正気だったら会わせてやるさ。上手く行っていれば、懐かしい出会いになる筈だ』
 そのまま去っていくバルザック。
 私は、虚ろの目のオーリンさんと二人で牢獄に残されるのであった。


 牢屋で出されたご飯を食べえるとオーリンさんは、動かなくなる。
 そして、恥かしいが確認の為にみるとオーリンさんの睾丸は、前見たときよりも確実に大きくなっていた。
「どのくらいまでならば大丈夫なのでしょうか?」
 男の体の事など全然解らなかった。
「うー、うー、うー」
 苦しそうに呻くオーリンさん。
 全ては、私を庇っての事、私がなんとかしなければいけない。
「しかし、どうすれば……」
 私は、必死に考える。
「やはり、オーリンさんに私の純潔を捧げるしかないのかしら?」
 複雑な思いを抱いていた時、姉さんが昔話してくれていた事を思い出す。
「そういえば姉さんがどうしても抱かれたくない相手が居た場合、口ですると言っていました」
 私は、硬くなっているオーリンさんのアレを確認する。
「あんな大きいものを口に……私に出来るの?」
 首を横に振る。
「出来る出来ないの問題では、ありません。やらないといけないのです」
 私は、オーリンさんのアレを口に含む。
 大きすぎて先の所しか口の中に入らなかった。
 しかし、その途端、口の中に何かが吐き出された。
 ゲホゲホと咳き込み、口を離し、出された物を吐き出す。
「これが子種……」
 確認してみるとオーリンさんの顔色が僅かだけど良くなっていた。
「良かった。こうやってオーリンさんの子種を処理して、抜け出す機会を待ちましょう」
 こうして私とオーリンさんとの異常な共同生活は、始まった。


 オーリンさんが苦しむのは、たいてい食事の後だった。
「食欲が満たされると性欲が強くなるみたいですね」
 そう考察しながら私は、オーリンさんのアレを口に含む。
 最初は、先の方しか口に入らなかったそれも、何度か繰り返す内にコツを掴んだ。
 同時に私のそれが上手く行くとオーリンさんが出す子種の量も多い事に気付いた。
 上手く行けばオーリンさんを絶対服従から解放出来るかもしれない。
 そう思いながら、頭全体を動かして口でオーリンさんのアレを扱きあげる。
 そして今回も大量の子種が吐き出された。
「多過ぎます。少し飲んでしまいました」
 喉の奥で粘つく感覚が気持ち悪かった。
「次からは、もっと気をつけましょう」
 そして私は、体力の温存の為に横になりました。
 暫くそうしていると体が妙に熱っぽい事に気付きました。
「まさか、風邪をひいてしまったのでしょうか?」
 この様な不衛生な環境では、たかが風邪といっても油断できません。
「頭は、熱くない。逆に熱いのは……」
 私は、お腹を触る。
 この熱さは、お腹の奥の方から生み出されている気がした。
「取り敢えず、体調管理には、気をつけないと」
 そう自分に言い聞かせながら私は、眠りにつく。


 嫌な汗を掻きながら目覚める私。
 昨日は、中々眠れず、夢見も最悪だった。
 そんな私の横では、オーリンさんが食事をしていた。
「今日は、随分と豪華ですね」
 普段は、肉など出ないのに、今日に限っては、大量の肉が食事に入っていた。
「幸いです。今は、体力を回復させる事が最優先ですから」
 食事が終ったオーリンさんが呻き始める。
「今、処理をしますからね」
 私は、自分の食事もそこそこにオーリンさんのアレを口に含む。
 不思議な事に昨日までと違った感じがした。
 頭を上下させながらその理由を思案していた時、ある事に気付いてしまった。
 嫌な味がしなくなった。
 正確に言えば、味は、同じ筈なのに嫌悪感等が全く感じないのだ。
 オーリンさんを救う為と言っても嫌悪感がり、不潔なアレの味には、吐き気を覚えていた筈なのに、今は、全く気にならないのだ。
 それどころか、美味しくさえ感じる。
 背筋に悪寒が走る。
 直感的に悟った。
 全ての原因は、昨夜のオーリンさんの子種だと。
 慌ててアレから口を離そうとした瞬間、子種が放たれてしまう。
 何の準備もせず、それも何時もより大量の子種、息苦しさのあまり昨日とは、比べ物にならない量の子種を飲んでしまった。
「拙い、きっとオーリンさんは、子種まで何かしらの術が施されているのよ。それをこんなに飲んだら……」
 効果は、予想以上に早く現れた。
 昨日感じた何倍の熱さがお腹の奥、女性の一番大切な場所、子宮から放たれる。
「駄目、熱い……」
 この熱さは、私から理性を奪っていくのが解る。
 目の前には、子種が詰った睾丸と硬くなった男性器。
 女性としての男を求めている事が理性では、なく本能で理解させられてしまう。
「本能なんかに負けては、いけない。こんな事では、お父様の仇を討つなんて出来ない……」
 それなのに男性器から視線が逸らせない。
 それどころか手が勝手に伸びていこうとする。
「駄目! 折角姉さんが護ってくれているのに、私が負けたら姉さんの苦労が無駄になってしまう!」
 必死の思いで手を止める私だったが、気付いてしまうオーリンさんが未だに苦しそうに呻いている事に。
「どうして、今までは、一度出したら落ち着いて居たのに?」
 視線の先にある睾丸が何時もより大きい事にその時になって気付く。
「何が原因なの?」
 子宮からの熱に正気を失いそうになりながらも私は、思い至る。
「そうよ、今日の食事は、何時もより栄養があった。詰りそれだけ多くの子種を生み出せる……」
 最悪な展開だ。
 私の理性も危ういというのにオーリンさんの体にも限界が近づいている。
「全てバルザックの企み。こんな事に屈しない。理性を持って対応するのよ」
 私は、何時もの同じ様に口で子種を出そうと手を伸ばす。
「飲まないように気をつければ、大丈夫の筈です」
 そう自分に言い聞かせながらオーリンさんの男性器を口に含んだ。
 その途端に広がる子種の味。
 そうだった、もう一度でてオーリンさんの男性器には、その残滓が残っている。
 吐き出さないといけないと口を離すが、口内の隅々に広がった子種は、容易に吐き出せない。
 悪戦苦闘する内に自然と唾を飲み込んでしまう。
 それが子種を更に向いいれる事になってしまった。
「少しだけ、これだけなら問題……」
 ないと思いたかった。
 でもそれが私の理性が持つ限界を超えさせてしまったのかもしれない。
「そうよ、これは、オーリンさんを救うために仕方ない事なのよ」
 私は、オーリンさんの男性器に自分の割れ目を押し当て腰を下ろす。
「アァァァン!」
 私の中を熱い肉棒が埋め尽くす。
「凄いぃぃぃ! コレが抱かれるって事なのですね!」
 多くの恋愛占いで女性が男性に抱かれる事を願うのを聞いていたが、今までは、曖昧な感じだったが、今だったらハッキリと解る。
 この快楽の為ならどうなっても良い。
「オーリンさん、私を激しく抱いてください!」
 私の言葉に応え、オーリンさんが腰を動かす。
「良い、いい、イイィィィ! 頭が真っ白になるぅぅぅ!」
 私は、姉さんが以前言っていたイクという絶頂を体感した。
 それと同時に放たれる子種が私の子宮の隅々まで蹂躙していくのが解る。
 そしてそれが私を更に欲情させる事も。
「止めないで、もっと、もっと激しく抱いて」
 私は、オーリンさんに抱きつき、自らも腰を振るのであった。


 あれからどれだけの時間が経ったのだろう。
 もう日付感覚なんて無かった。
 抱き合い、食事が来たら食事して再び抱き合い、疲れ果てて寝ていてもその間もオーリンさんは、私を抱き、子種を吐き出し続けていた。
 今は、食事をする為に、中断している中にオーリンさんの睾丸を確認すると想像しない状態になっていた。
 やり始める前の何倍にも膨らんでいたのだ。
「嘘、あれだけ子種をだしたのに?」
『実験は、成功だったみたいだな。大量の射精を繰り返す事に即時に対応して、更なる子種の増加量を増幅を行ったようだ』
 その声に振り返るとそこには、何処か見覚えがある少女に男性器を嵌めたバルザックが居た。
「最初からオーリンさんを助ける気なんて無かったのね?」
 バルザックは、あっさりと頷くと爪を伸ばしてパンパンに膨らんだオーリンさんの睾丸を突き刺す。
 大量の血と子種を撒き散らしながらオーリンさんが倒れていく。
『さて、どうしますか?』
 父さんの仇であり、今もオーリンさんを殺したバルザックが私に問い掛けてきた。
 答えなんて決まっていた。
「お願いします。私も抱いて下さい」
 私は、憎い仇に強請るのであった。


 時間は、戻りバルザックに連れて行かれたマーニャがどうなったのか。


 あたしの名前は、マーニャ。
 目の前を歩くバルザック。
 どうにかして倒さなければいけない。
 その方法を必死に考えた。
『馬鹿な事は、考えないことだ。貴様の魔力の強さは、知っているが、進化の秘法で変化した俺に一人で勝てると思わないことだ』
 バルザックが前方を歩きながら告げてきた。
『それにな一発で倒せなければ俺は、逃げる。そしてお前の妹に産まれた事を後悔するような酷い目にあわせるぞ』
 そうだった、今だミネアが人質に取られたような状態だったんだ。
 奴が言うように一発で倒す事が出来なければ今度は、ミネアに危険に晒すことになる。
 それだけは、避けなければいけない。
 そうこうしているうちに昔の父さんの部屋に似た部屋に到着した。
「こんな所でやるつもり?」
 あたしの問いにバルザックが苦笑する。
『他の男の唾がついた様なお前には、興味は、無い。体を貰うというのは、実験に付き合ってもらうという事だ』
「あたしにあんたと同じ化け物になれと言うの!」
 睨むあたしにバルザックが一つのガラスケースを指差す。
『あれに入ってもらい、研究中の新たな秘法の試験体になってもらうぞ。無論断れば妹がどうなるかわかっているな?』
 断れない。
 自分が目の前の化け物と同じ様になるなんて考えるだけで恐ろしいが、それでもミネアだけは、護り通さなければいけない。
「解ったわよ。言われた様にするわよ!」
 あたしは、半ば自暴自棄の様にガラスケースに入って。
 中は、不思議な液体で満たされていた。
『それでは、実験を始める』
 バルザックがスイッチを押すと体中に衝撃が走りあたしは、意識を失った。


「体は、軽い?」
 違和感を覚えながらあたしは、体を起こす。
「どれだけ寝ていたのかしら?」
 首を傾げるがそんなちょっとした動きですら違和感が拭えない。
『ようやく目覚めたみたいだな』
 バルザックの声にあたしが声を怒鳴る。
「あたしに何をしたのよ!」
 するとバルザックが近くの鏡を指差す。
 あたしは、化け物の姿をした自分が映っているかもしれないと恐怖しながらも鏡を見た。
 しかしそこに映っていたのは、あたしだった。
 ただしまだ胸も膨らむ前、まだ父さんが生きていた時代のあたしの姿がそこにあった。
「嘘、どういうこと?」
『退化の秘法。進化の秘法を逆転させる事で生物の進化を逆転させる。今回は、男達に穢される前のお前に戻す為に使った』
 説明するバルザックにあたしは、強がる。
「若返れてラッキーね。どんな姿にされてもあたしは、あんたを許さない!」
 睨むあたしにバルザックは、圧し掛かる。
「何をするのよ! あたしなんて抱く価値もないって自分で言ったんじゃない!」
『ああ、抱く価値すら無かったさ。しかし今は、違う。あの頃、俺が欲情したあの頃のお前に戻っているんだからな』
 バルザックは、告白した。
 まだ父さんの弟子だった時、まだまだ幼いあたしに欲情して、下着をあさったり、寝ているあたしに向って射精したりと散々な事をしていたという事を。
『将来、絶対に美人になると確信していた。それが何だ、腰を振って俺以外の男達を求める売女になりやがtって。だから俺がお前を教育し直してやるさ。俺の男根だけを求め、俺に従う女にな!』
 あたしは、舌をだして言ってやる。
「世界中に男が居なくなって貴方だけになったて誰があんたに従うもんですか!」
『何時までその強気が続くかな? 俺は、お前を俺の物にするために退化の秘法を使った。詰りお前の肉体は、俺に屈服してしまうまで退化している』
 バルザックは、そういって男根を突き刺して来た。
「痛い!」
 あそこが引き裂かれたみたいに痛かった。
 この痛みは、まるで処女を失った時の様だった。
 痛みを堪えて見下ろすとあたしの割れ目から出血していた。
「嘘? あたしは、処女膜なんてとっくの昔に……」
『再生させたんだよ。これでお前の処女は、俺の物だ』
 満足そうに高笑いをあげるバルザックにあたしは、無理やり笑顔を作りながら言ってやる。
「自分で再生させた処女膜を奪って満足するなんて随分と小さなプライドね?」
 バルザックが不愉快そうな顔をさせてやった。
『そんな口を叩けるのも今だけだ。直ぐに俺の物である事を解らせてやるぞ』
「こんな腰をヘコヘコ動かすしか出来ない下手糞じゃ絶対無理ね」
 あたしは、単調で自分の快楽しか考えていないバルザックに言い放ってやった。
『俺の子種を受け止めた後も同じことを言えるかな?』
 そういった直後に射精するバルザック。
「化け物の癖に早漏な訳? 本当にヘタレね。それとも人間の姿では、女にフラレ続けて自棄になって魔物になったのか……」
 挑発の言葉の途中で体が火照り出す事に気付いた。
「何よこれ? あんたあたしの体に何をしたの!」
『言っただろう、俺の屈服する様に退化させてやったと。今のお前は、俺の子種に過剰に反応して発情してしまうんだよ!』
 バルザックが再び腰を動かしだす。
「やぁぁぁ! 今、動かないでよ! 今、動かれたら……」
 父さんの仇で感じてしまう。
『諦めろ! もうお前は、俺の物なんだよ!』
 単調の腰の動きをただ速くするバルザック。
 普通ならこんなの大して気持ちよくなる筈も無いのに、体が勝手に反応しだす。
「早漏のサルのオナニー野郎! これ以上動くな!」
 感じそうになるのを必死に堪えて言葉だけでも抗う。
『だったらもう一発出してやるぞ!』
「えぇ?」
 やばい、今だされたら、我慢できない。
 どうにかその前に抜こうとするが、努力の甲斐なく、男根は、あたしの子宮に押し当てられた状態で射精した。
「アァァァン!」
 熱い子種にあたしは、軽くイッてしまった。
『まだまだ終らないぞ。今まで我慢していた分を取り戻すのだからな』
 脱力しそうになるあたしが弱々しく首を横に振る。
「もう無理よ、せめて少し時間を空けてから……」
『お前の都合なんて関係ないな!』
 バルザックは、己の欲望だけに従い腰を動かす。
「アァァァン! 何でこんな単調な動きでこんなに気持ち良いのぉぉぉ!」
 嫌なのに気持ち良いのがどんどん大きくなっていく。
『鳴け! お前の鳴き声が俺を更に昂ぶらせ、弾けさせる!』
 バルザックは、その言葉通りまた射精した。
 とんでもない早漏だが、あたしにとっては、どうしようもなく辛かった。
「駄目、もうらめぇぇぇ! またイクゥゥゥ!」
 本格的な絶頂に全身の硬直し、脱力していった。
 そんなあたしに更なる奥にバルザックは、容赦なく挿入を繰り返す。
「嫌よ! イッたばっかりなのにまたイッチウゥゥゥ!」
 頭が焼けきれそうだった。
『イケ、イケ、イケ! イク度にお前は、俺の色で染まっていくんだ!』
 際限なく続く腰の動きと射精にあたしの正気は、直ぐに失われた。
「もっと、もっと、もっと射精して! あたしの子宮に子種をぶちまけてぇぇぇ!」
 自らも腰を動かし仇のバルザックの男根をより深くまで受け入れてしまうのであった。


 どれだけ射精されたのだろう、全身がバルザックの子種塗れになっている。
『さて、あちらも準備は、整ったみたいだな』
 バルザックの意味ありげな言葉にあたしは、何とか反応した。
「あちらってまさか?」
 嫌な予感がした。
『無論、お前の妹の事だ』
「妹に何をしたの!」
 ガクガクする足で踏ん張り、バルザックに詰め寄る。
『俺は、何もしていないさ』
 そう言ってからバルザックは、妹を騙した手口を得意げに自慢した。
「それじゃあ、オーリンさんの子種を体内に入れたらミネアまで発情してしまうって言うの!」
『そうだ。今までも少しずつだが摂取し続けていた。今夜の事でそれの成分は、限界まで溜まっている事だろう』
 バルザックが愉しげに語る中、あたしは、悔し涙を流す。
「あんたなんかを少しでも信用したあたしが間違えだった!」
 そんなあたしにバルザックが近づいてくる。
「嫌、近づかないで!」
 拒絶するあたしにバルザックは、自ら男根を扱き、射精して子種をぶちまけて来る。
「この匂い……」
 元々、立ち昇るバルザックの子種のいやらしい匂いが強くなる。
 足から力が抜けてしまう。
『最後は、お前が選べ』
「あたしが選ぶ?」
 あたしの聞き返すとバルザックが一切れの肉を取り出す。
『これは、進化の秘法の開発段階で生まれた失敗作の肉だ。生きているうちは、全く役に立たなかったが死んだその肉には、強力な精力増強剤作用を持つ。これをオーリンに食べさせれば、今までの様に口で処理することは、出来なくなるだろうな』
「止めて! あたしだったら何もしても良いから妹、ミネアだけには、何もしないで!」
 懇願するあたしにバルザックが告げる。
『だから決めるのは、お前だ。この肉を出すかは、お前が決めろ』
「あたしが? そんなの出させないに決まっているじゃない!」
 即答する私にバルザックが苦笑する。
『そう急ぐな。これを出すと言えば、この肉を俺も食べて今夜もお前を相手してやろう。しかし、出さないというなら俺は、次の手を考える為、暫くお前を抱くことは、出来ない』
「それは……」
 戸惑っている自分が怖かった。
 今も苛むこの疼きを解放する手段が無くなると考えるだけが背筋が凍る様に恐ろしかった。
『ゆっくりと考えるんだな』
 バルザックの余裕たっぷりな態度に今までとは、違う理由で殺意を覚えた。
 こんなにも疼きに苦しんでいるのにそれをたてにするのが赦せなかった。
 だけど体が、本能が勝手に答えてしまう。
「肉を出してください。そして今夜もあたしを犯して」
『妹の純潔を奪うことになるが本当に良いのか?』
 いやらしくきいてくるバルザックにあたしは、泣き叫ぶ。
「仕方ないじゃない! もう、あたしは、貴方の子種無しじゃ生きていけないんだから!」
 もう、認めるしかない。
 あたしの体は、完全にバルザックの物になってしまった事を。
『良いだろう。褒美だ、これから存分に犯してやるぜ!』
 生肉を喰らい、バルザックは、あたしを持ち上げ一気に男根に向かって落とす。
「アァァァァァァァァ!」
 今までより更に深くまで届く男根に一気に絶頂に達し、叫ぶしか出来なかった。
 そのままあたしは、バルザックとまぐわったまま朝を迎えるのであった。


 朝になり、目を覚ましたあたしは、だらしなく寝入るバルザックの男根から抜け出す。
「今だったら殺せる」
 あたしは、仇を討ち、自由になる絶好のチャンスを手に入れた。
 その筈なのにあたしは、自分の割れ目から溢れ出すバルザックの子種を指ですくい舐めている。
「もっと欲しい」
 あたしは、バルザックの男根をしゃぶるのであった。
『すっかり俺の子種の虜だな?』
 起きていた、試されていたのだ。
 でももうそんなことは、どうでも良かった。
「我慢できないの。また犯してよ」
『良いだろう』
 入ってくるバルザックの男根に溢れ出す声。
「アァァァン! 良いの! これさえあれば後は、何も要らない!」
 強く抱き付きながらあたしは、腰を振る。
『そうだ! お前は、俺だけの物、その証明だ!』
 脈打つ男根から大量の子種が吐き出される。
「アツイィィィ! イクゥゥゥ!」
 絶頂に達し、体を痙攣させるあたし。
 あそこから溢れ出す子種に幸せを感じながらあたしは、父さんの仇で大切な妹に酷いことをした男と唇を合わせ、舌を絡ませるのであった。


 数日後、あたしは、久しぶりに研究室から出た。
『面白い物を見せてやる』
 バルザックがあたしを抱え上げ、男根で突き刺した状態で運び、あたし達が居た牢獄の前に移動する。
 そこには、清楚で神秘的なイメージを持っている筈のミネアがいる筈だった。
 しかしそこに居たのは、大量の子種まみれでも男を引き寄せる雌が居た。
 バルザックと少し話した後、自分の子種の射精道具を壊されると自ら股を開き求めてくる淫乱な雌犬が。


 キングレオ国王がミネアとマーニャを蹴散らしてから数ヵ月後、勇者の一行が現れ、キングレオ国王を倒し、国を魔物の手から解放するのであった。
 しかし、キングレオ国王すら知らない王宮の地下の更に下にある秘密の研究室には、バルザックが居た。
「バルザック様の子種でイクゥゥゥ!」
 子供の姿のまま成長しないマーニャがバルザックの子種を受けて絶頂に達し、脱力する。
「バルザック様、次は、私を抱いてください!」
 誰の子か解らない胎児を宿して腹を膨らませているミネアがすっかり豊満になった胸を押し付けて強請る。
「駄目よ、バルザック様は、あたしだけの物なんだから! 淫乱雌犬は、そこら辺の失敗作に犯されてなさいよ」
 今だ男根を咥えたままのマーニャをミネアが睨む。
「胸もお尻もツルツルで、バルザック様の男根を完全に咥えこめないガキは、引っ込んでなさいよ!」
 マーニャの中に入りきっていない男根の棹を擦りあげるミネア。
 とても仲が良かった姉妹とは、思えない一触即発の雰囲気の中、バルザックが愉しげに言う。
『喧嘩は、止めろ。二人一緒に抱いてやる。その為の進化もしたのだからな』
 マーニャに入っているのとは、別の男根を生やしミネアを犯すバルザック。

「アァァァン! バルザック様の太くて大きいのがお腹の赤ちゃんに当たってるぅぅぅ!」
「良いのぉぉぉ! バルザック様の男根って今まで抱かれた男なんかとは、比べ物にならないくらいにスゴイィィィ!」
 腹を膨らませたミネアの上に子供の姿のマーニャを重ね二本の男根で挿入を繰り返すバルザック。
 彼は、師匠の娘と言う欲望の原点を手にし、満たされ、二人を犯すこと為以外の研究を止めた。
 キングレオとも魔物とも切れたバルザックは、それまで溜めた金でマーニャとミネアをキングレオ王宮の秘密の地下室で長い時を過ごすのであった。


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