怠惰



〈悪魔博士〉
 四番目のターゲット、鯛田は、愛娘のクラス担任だ。
 しかし、愛娘の虐めの訴えを取り合わなかった。
 担任としては、怠惰の極みだ。
 ある意味、実際に虐めを行った生徒達より、その罪は、重い。
『生徒思いなふりをするみたいだ。そこを突いてやろう』
 メフィスト、悪魔の計略を俺は、実行に移す。


〈鯛田〉
『貴女の生徒について重要な話がある』
 名前も告げない、本来なら無視して構わない呼び出しを受けたのは、心当たりがあったからだ。
 最近、数人の生徒の様子が明らかなおかしいかった。
 防犯グッズを準備して、相手が指定してきた喫茶店にやって来た。
 そこには、顔に包帯を巻いた男性が居た。
「貴方が私を呼び出し人ですか?」
 男性は、無言で三枚の写真をテーブルの上に置いた。
 私は、慌てそれをしまう。
「詳しい話は、そこのラブホテルで」
 その耳打ちに逆らう事は、出来なかった。
 ホテルに入ると男性は、更に数枚の写真を見せた。
「乱交、獣姦、公衆自慰。貴女は、生徒にどんな指導をしているのかね?」
「これは、何かの間違いです!」
 私の訴えに男性が怒鳴る。
「ここまで明確な証拠があって間違いだと言うのか! それも一人じゃない三人もの生徒が異常性癖を顕にしていた事に気付かなかったと言うのかね!」
 返す言葉がない。
 正直、この三人は、最近様子がおかしかった。
 こんな事になる前に私が確り指導しなければいけなかった。
 私をラブホテルに連れ込んだ事を考えて、この男性は、これらの写真をネタに私を脅迫しようと言うのだろう。
 下手をすれば、この子達の一生を台無しにしかねない。
 私は、どうすれば良いのか解らないで居ると男性が荒縄を取り出し、服を脱ぐ事を強制してきた。
「最初に言っておく、これからすることは、生徒の指導に怠惰があったお前への体罰、痛くするのが目的だ」
 従うしか道が無かった私は、恥ずかしさを堪え、服を脱いだ。
 男性は、荒縄で私を縛る。
 荒縄が擦れて痛いのも必死に耐えた。
「縛り終わったがこれからが本番だ」
 荒縄は、体の自由を奪うだけでなく、胸をきつく締め上げ、胯間を下着の上から刺激していた。
 かなりの痛みだったが、まだ我慢が出来る。
 しかし問題は、この先だ。
 口では、あんな事を言っていても、こんな所に連れ込んだ以上、最終的には、セックスを求めて来るに決まっている。
 私には、結婚を約束した恋人がいる。
 彼を裏切る事だけは、出来ない。
 もしも相手がセックスをしようとしてきたら、逃げるつもりだ。
 幸い、足は、自由なので、逃げるには、困らない。
 上手く立ち回れば、男性が逮捕されてあの子達の秘密が公にならなくても済む筈。
 大切なのは、タイミング、レイプを否定出来ない状況にしながら、実際にされる前に逃げなければいけない。
 早すぎても駄目だが、遅すぎたら彼に会わせる顔が無くなる。
 男性は、革製の先が割れた鞭を取り出し、私を叩いた。
「痛い!」
「当然だ。これは、体罰なのだからな!」
 男性に何度も何度も鞭で叩かれて、激痛で泣き叫ぶ私。
 暫くすると男性は、鞭をしまった。
「今日は、ここまでだ。改善がなければ、また体罰を与えるから覚悟しておけ」
 そのまま男性は、立ち去ってしまった。
 予想外の展開に戸惑う私だったが、取り敢えず荒縄を外す事にした。
 その中、荒縄の一部、胯間に当たっていた部分が濡れていた。
「嘘、どうして……」


〈悪魔博士〉
『今頃、さぞ困惑しているだろうな』
 夢想するメフィスト。
「媚薬付きの荒縄で縛りあげられたら誰でもああなるのだろ?」
 愉快そうに語るメフィスト。
『そうだが、ノーマルなセックスしか知らない鯛田先生には、認められない事実だろう』
 正に悪趣味な喜びだ。
『それより、貴様の鞭の振り方がなっていない。練習するぞ』
 服を脱ぎ出すメフィスト。
「何を考えている!」
『練習台になってやろうと言うのだ感謝は、生気でしめして貰う』
 愛娘の体を傷つける心の痛みを強制されるのであった。


〈鯛田〉
 衝撃の事実を知った日から私は、問題の生徒に事の真実を確認しようとしたが、何故か私が個別に話をしようとする度、クラスで問題が発生して何も話せないうちに一週間が過ぎてしまった。
「早くどうにかしないと……」
 悩みながら帰宅途中、あの男性が居た。
「反省もせずに怠惰な日々をおくっていたな」
「違います。話し合うチャンスが無かっただけで……」
 私の弁解に男性は、一枚の写真を見せてきた。
「男とちちくり合う時間が有ったら、家に行くなり出来ただろうが」
 写真には、彼とホテルに入る所が写って居た。
「それは……」
 反論出来ない。
「まだ体罰が必要の様だな」
 男性は、私を再びラブホテルに連れ込み、荒縄を取り出す。
「裸になれ」
 男性の命令に慌てる。
「どうしてですか!」
「女性と思い、優しくしたのが間違えだった。もっと確り体に思い知らせてやる」
 蔑む視線を向けてきた。
「しかし……」
 反論すると荒縄を床に叩き付け怒鳴る。
「お前に改善する意志が無いのなら、事を公にしてでも少女達を更正させるまでだ!」
「それだけは!」
 制止する私を男性が睨む。
「お前が何もしない上、改善の意志が無いのだから仕方あるまい!」
「私が責任をもって正しい道に導きます」
「そんな口先だけの約束を信じられないな」
 私は、覚悟を決めた。
「解りました……」
 裸になり、荒縄で縛りあげられた。
 前回もきつかったが、今回は、更にきつい。
 荒縄が柔肌を直接刺激し、縛られる痛みと擦れる痛みが合わさり、声を出さないで居るのも大変だった。
 そして鞭で叩かれ、激痛が走る。
「ギャー、痛い!」
 男性は、身体中を叩き上げた。

 しかし、おかしな事が起こり始めた。
 叩かれて痛い筈なのに、体が疼くのだ。
 痛みが消えた訳じゃない、痛みの後に痺れる様に快感が走る。
 まるで鞭で叩かれて悦ぶマゾの様。
 浮かんだ考えを否定する。
 私は、そんな変態な訳がない。
 その筈なのに。
「アァン……」
 甘い声が出てしまう。
 おかしい、こんな事をされて気持ち良い理由が無いのに、体が熱く昂る。
「これでラストだ!」
 鞭が胸に直撃した。
「アァァァン!」
 頭のが真白になってしまった。
「次は、こんな物では、すまないぞ。痛い思いをしたくなければ、教師としての役割を全うするんだな」
 荒縄を外し男性は、去って居た。
「……こんなのは、何かの間違いよ」
 私は、愛液で濡れた荒縄を握りしめる。


〈悪魔博士〉
『完全にアクメっていたな』
 愉快そうなに笑うメフィスト。
「しかし、生徒と話されたら面倒な事になる」
 私の指摘にメフィストが指を振る。
『私の計画に抜かりは、無い。それよりも、勃起しているなら生気を頂こうか』
 節操がない体が憎らしい。


〈鯛田〉
 昨夜の事で悩む前に私は、やることがあった。
 問題の生徒と話す事。
 そんな事を考えながら教室に入った時、真供鴉さんが倒れて来た。
 その頬が赤く腫れていた。
 顔を向けると生徒達は、視線をそらす。
「誰がやったの!」
「違います。これは、ただ倒れただけで……」
 真供鴉さんがそう言うが、そんな訳が無い。
 しかし、ここでこれ以上追求しても、真供鴉さんの立場を悪くするだけ、放課後、指導室に呼び出した。
「何が有ったの? ここだけの話にするから話して」
 なかなか話してくれなかった真供鴉さんだったが焦らずゆっくりと訊ねた結果、語り出した内容は、とんでもない物だった。
「私、叩かれると変な気分になってしまうのです」
「それは……」
 口ごもる私に真供鴉さんが俯く。
「やっぱり私は、変だから……」
「違うわ! 変とかそういうのでは、無いわ!」
 慌て否定したがどう話せば良いか解らない。
「鯛田先生は、どうなんですか?」
「私はちが……」
 ここで私が否定したら本当に変だと思い、心を閉ざしてしまう。
 ここは、嘘でも、真供鴉さんの話に合わせるしかない。
「先生も変な気持ちになる事は、あるわ。でもね、大人になれば自然と我慢出来る様になるわ」
 とっさに口にしたが良い言い訳だ。
 真供鴉さんは、少し悩んでから言ってきた。
「お手本を見せて貰えますか?」
「それは……」
 躊躇する様を見て真供鴉さんが目を潤ませた。
「やっぱり、私が変な事を気遣った嘘だったんですね」
「違うわ。見せてあげる!」
 反射的に答えてしまった。
「ありがとうございます」
 真供鴉さんは、涙を拭きながら近くに在った長縄跳びの縄を手にする。
「縛らせて下さい」
「わかった……」
 服を脱いだ私を真供鴉さんが縛る。
「我慢出来なくなったら言ってください」
 授業で使っている大きな定規でお尻を叩かれる。
 多少は、痛いが我慢出来ないほどじゃない。
 それでも真供鴉さんは、抵抗があるのか叩いては、擦る。
 しかし、そんな優しさが私の体には、辛かった。
 淡い痛みが痛みでなく刺激となり、撫でられる事で刺激された感覚染み込むように快感と成っていく。
 気にしないようにしても新たな刺激が加わっていく。
 その上、徐々に刺激が強くなって行く。
「鯛田先生のおまたが濡れてますが大丈夫ですか?」
 恥ずかしい、でも黙るわけにはいかない。
「大丈夫よ……」
 嘘だ、体が燃える様に熱く、はしたない声が出てしまいそう。
 暫くして真供鴉さんが頭を下げる。
「本当に大丈夫なんですね。ありがとうございます」
 縄をほどき、帰って行く。
 全て上手く行った筈なのに、私は、戸惑いを覚えていた。
 燻る淫靡な焔に苛まれる。
 後始末をして学校を後にし、その足で彼の所に行ってしまう。


「今日は、何時もより激しかったね」
 満たされた顔で問い掛けるが私の中の焔は、未だ燻り続けて居た。
 帰り道、あの男が待ち伏せをしていた。
「最低だな、やはり口だけだったな」
「違います!」
「何が違うのだ。生徒に叩かれて悦んだ挙げ句に男と交尾。教師としての自覚などない最低な行為だ!」
 反論出来ないのが悔しいのに男が荒縄を取り出したのを見た時、子宮が疼いた。
「今回は、叩くだけ済まないぞ!」
 私は、導かれるままにホテルに入っていた。
 縛りあげられた私に男は、蝋燭を垂らして行く。
「熱いぃぃぃ!」
 泣き叫ぶ私、しかし苦痛である筈なのに私のアソコは、いやらしい液体を分泌していた。
「叩かれるだけでなく、蝋燭でも感じるか!」
 蝋が勃起した乳首に垂らされる。
「アァァァン! 熱いのにイクゥゥゥ!」
 熱いのに、私は、感じ絶頂に達してしまった。
「最悪だな!」
 男は、そういい捨てて去っていった。


〈悪魔博士〉
『もうあの快感から逃れられない』
 メフィストが愉快そうに告げて来た。
「これだけで止められないとは、思えないがな?」
 疑問にメフィストが体を密着させ、耳元で囁く。
『一番折れた心は、もう元の強さをもては、しない』
「しかし……」
 反論しようとしたが口が塞がれ、そのまま生気の供給を強制された。


〈鯛田〉
 私は、最低だ。
 得体の知れない男からの体罰で絶頂に達してしまったのだから。
 こんな私が生徒に何を指導すると言うのだ。
 そう私は、罰を受けるべきなのだ。


 彼の部屋に辿り着いた。
「連絡も無しに来るなんて、どうしたんだい?」
 不思議がる彼の前でコートを脱ぐ。
「何て格好をしているんだ!」
 彼が驚くのは、当然。
 私は、荒縄で体を縛り付けただけのはしたない格好だったからだ。
「これは、いけない私への罰なの……」
「罰って……」
 彼の問いかけに私は、あの男との事を告白した。
「最低な私に罰を与えて……」
 彼は、困惑し、憤り露にしたあと怒りを私にぶつけてくる。
「僕と言うもののがあると言うのに他の男にイカされたなんて最低な女だ!」
 軽蔑の視線が心に突き刺さる痛みが体を熱くする。
「そう私は、最低の女、だから罰を与えて!」
「良いだろう! 二度とそんな事が出来ない様に痛みを体に刻み込んでやる!」
 彼の掌が何度も臀部を叩く。
 刺すような痛み、でもこれが彼が私を愛している証だと思うと堪らない。


「アァァァン! 痛いのに気持ち良いぃぃぃ! らめぇぇぇ! イクゥゥゥ!」
 私は、痛みでアクメを迎えてしまう。
「何て卑しい女だ! もっと罰を与えてやらないいけないな!」
 そう言っていつも以上に勃起した彼のチンポにしゃぶりつく。
「はい、この卑しい雌に体罰を!」
 私のアソコは、グチョグチョに濡れていた。


〈悪魔博士〉
『これで四人目、順調だな』
 跨がり、愛娘の体で私のをくわえこむメフィスト。
「本当に良かったのか……」
『今更良心が蘇ったか? 私も十分に生気を手にいれたから止めて良いぞ』
 契約者を地獄まで引き摺り下ろす悪魔とは、思えない言葉だった。
「嘘だな……」
 悪魔の言葉を信じる方がどうにかしている。
『悪魔は、嘘を吐かない。さっきも言ったが、四人の雌の魂を淫極に落としたのだ、無理にこれ以上収穫を求める必要がないだけだ。ただな、ここで止めたらこの体に宿っていた魂が無念を残す事になる』
「真供鴉……」
 私の脳裏に自ら手首を切った愛娘の最後の姿と遺された手紙からあがる悲鳴が蘇る。
「駄目だ! 全員をやらなければならない!」
 するとメフィストは、いやらしく体を寄せ告げる。
『ならばその思いを私に示しせ』
 私は、跨がる愛娘の体をベッドに押し倒し腰を打ち付けるのであった。


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