01:新妻の菖蒲


 
 華売りNo.NZ0325001:菖蒲(アヤメ)
 組織の運営するマンションに入居した新妻。
 職場恋愛の末に寿退社し、幸せな新婚生活をおくっていた。
 美人で人当たりもよく、憧れていた同僚も多かった。


「ダーリン、いってきますのキスは?」
 あたしが顔を出すと、ダーリンは、朝から激しいディープキスをしてくれます。
「行ってくるよ」
「早く帰ってきてね!」
 あたしは、名残惜し気に手を振る。
 完全に見えなくなった所で家に入る。
「それにしてもこの条件で格安なんて嘘みたい」
 新居を探して居た時、偶々入った不動産屋で掘り出し物として紹介されたのだが、正にこれ以上ない好物件だった。
 セキュリティも万全で申し分ない。
「掃除をしますか」
 あたしが掃除機をかけていた時、そいつらが現れた。
 突然、ソファーに押し倒される。
 想定もしてなかった状況にパニックになる。
 そうしている間にも脚を広げられる。
「誰か助けて!」
 あたしは、必死に助けを呼んだ。
「無駄だ。入居の時に完全防音だと言われただろ」
 そいつらは、一人じゃなかった、複数の男性があたしを犯そうとしていたのだ。
「止めて!」
 懇願するあたしを嘲る様に男の一人が男性器の形をした 器具をあたしの割れ目に押し当てる。
「嫌、何をするの!」
 あたしの拒絶を無視して、それは、あたしの中に押し込められた。
「痛いぃぃぃ! それ以上入れないで!」
 あたしの叫びなど通じず、それは、あたしの一番奥まで押し込まれた。
 そして、一番奥、ダーリンとの子供を産むための子宮の入口に押し当てられた状態で先端から何かが吐き出された。
 引き抜かれる器具。
 これで凶行も終ると考えたあたしは、甘かった。
 男の一人が男性器を取り出し、挿入したのだ。
「駄目! あたしには、夫がいるんです!」
 人生でこれ以上ないほどに力を籠めて逃れようとしたが、あたしを押さえつけている男は、微動だにしない。
「許して……」
 頬を流れ落ちる涙。
 最悪の瞬間、男は、あたしの中で射精した。
 その瞬間、今まで感じたことのない強烈な感覚を覚えた。
 それからようやく解放されたあたしだったが、絶望の余り動けない。
「一つだけ救いをやろう。今のお前は、俺達の精子で妊娠しない」
 いきなりの発言に困惑するあたしに男は、続ける。
「同時にそれがお前を地獄に落とす。最初に子宮に注ぎ込んだのは、我々の組織が開発した独自のウイルスだ。そのウイルスは、我々の精子を触媒にして増殖する。ちょうど今、ウイルスが我々の精子を分解して、増殖している頃だろう。今日の事を誰かに言えば我々は、二度とお前と接触しない。そうなればお前は、一生未知ウイルスの恐怖から離れなれなくなるだろう」
 あたしは、自分の体内で蠢くウイルスを想像し、目の前が真っ暗になった。
「酷い、あたしが何か悪い事をしたと言うの!」
 睨むあたしを愉しそうに見る男達。
「一週間だ、一週間我々に大人しく犯されれば、ウイルスの死滅させる方法を教えてやろう」
「そんな話を信じろと言うの!」
 怒鳴り返すあたしに男は、肩をすくめる。
「信じたくなければ好きにすれば良い」
 男達は、あっさり帰っていった。
 あたしは、涙が枯れ果てるまで泣いた。
「ダーリンには、絶対に話せない……」
 涙を拭いながらレイプされた痕跡を消していく。


「ただいま!」
 ダーリンが帰ってきた。
 あたしは、駆け寄って抱き付く。
「今日は、何時もより情熱的だな」
 嬉しそうに言ってくるダーリンにあたしは、涙を堪えて笑顔で告げる。
「ダーリンが居てくれる幸せを実感しただけ……」
「恥ずかしいな」
 頭をかくダーリン。
 しかし、本当だ。
 もしもダーリンが居なかったら、あたしは、絶望の余り自殺していただろう。
 大切なダーリンの為にも、絶対にあの事を知られるわけにはいかない。


 翌朝。
「いってらっしゃい」
 あたしが普通に見送るとダーリンが少し拍子抜けした顔をした。
「どうしたの?」
 ダーリンは、恥ずかしがりながら言う。
「今日は、キスをしなくていいのかなと思ってね……」
 あたしは、慌てフォローする。
「今日は、歯を磨くの忘れちゃたのよ。ダーリンに臭い口を近付けられなくって……」
 苦笑するダーリン。
「そんな事を気にしなくても良いのに、なんて可愛いんだ」
 微笑みながら出社するダーリン。
 そして地獄の様な時間が始まった。
 何時、あの男達が現れるかと思うと気の休まる時が無かった。
 人生で一番長い時間だった。
「昨日の事が夢だったら良いのに……」
 あたしが呟いた時、男達が現れる。
「残念だか、全て現実だ」
 無造作に近付いてくる男達を睨みながら確認する。
「本当に一週間でウイルスの死滅させる方法を教えてくれるのよね?」
 男が頷く。
「ついでに約束しよう、一週間が過ぎればお前が望まぬ限り指一本触れないと」
 こんな男達に一週間も体を弄ばれるなんて死ぬ程嫌だった。
 それでも、恐ろしいウイルスに侵されたままでは、ダーリンとキスする事も出来ない。
 あたしは、最後の確認をする。
「本当に妊娠しないのね?」
 男達が強く頷く。
「百人以上のウイルスキャリアに膣出ししたが、誰一人妊娠して居ない」
 あたしは、覚悟を決める。
「好きにしなさい」
 男達が微笑みながらあたしに愛撫してくる。
「……」
 でかかった声を堪える。
 最悪な事に男達は、愛撫が物凄く巧かった。
 ダーリンは、早い段階から入れて来るタイプだった。
 男達の一人の舌があたしの割れ目を舐めあげた。
「アァン……」
 思わず出てしまった声が恨めしい。
 ニヤつく男達から顔を背ける。
 胸を揉み上げられ、勃起した乳首をつねられ、クリトリスをしゃぶられ、あたしの割れ目は、広がり愛液を垂れ流す。
 それでも声を出すのを耐えた。
 男達が男性器を取り出し、あたしの顔の前に突きつける。
「鋏の刺青が有るのが解るな。それが俺達の証明、俺達は、お前達みたいな綺麗な野花を刈り取る『シザーズ』だ」
「体を奪えても、あたしの心を奪う事は、出来ないわ!」
 精一杯の虚勢をはるあたしの中にシザーズの男性器が入ってくる。
 二度目でも変わる事ない喪失感。
 しかし、動き始めると快感が襲ってくる。
 認めたく無いがあたしは、気持ち良くなってしまっていた。
 ダーリン以外の男性、それも脅迫された上の無理矢理の性交でだ。
 それを悟らせないように努力するが、シザーズの巧み腰の動きがあたしを絶頂に押し上げる。
 あたしが絶頂に達する直前、シザーズが射精した。
「……」
 声にならない声が出る。
 射精された直後、昨日感じた激しい刺激を何倍にもした物があたしの全身を駆け巡った。
 今まで感じていた絶頂など、これに比べたら、学生の頃のオナニーで感じていたのと大差なく思える。
 強烈過ぎる快感の余韻で呆然としていたが、シザーズは、体位を変えて再び動き出す。
「止めて! 今動かれたら……」
 声を出すのを我慢できなくなってしまう。
 あたしのそんな気持ちを知っているかの様にシザーズは、激しく突き上げる。
「アァァァン!」
 もう我慢出来ない、発情した牝犬の様に甘い声で鳴き叫ぶのを止められなかった。
「そらもう一発だ!」
 再び射精され、それに伴うあの絶頂があたしを襲う。
「イクゥゥゥ!」
 本能のままに吠えていた。
 その後もシザーズは、何度も射精し、その度にあたしは、あの絶頂に達した。
 イキ疲れたあたしを残し帰っていった。
 あたしは、ダーリン以外の男性にイカされた事実に情けなく、悔しさを堪えながら、ダーリンに痕跡を悟らせないように部屋を掃除するのであった。


 そして、一週間目。
 シザーズがやって来たので服を脱ぐ。
 そんなあたしを見てシザーズが言ってくる。
「随分と期待してるみたいだな」
「馬鹿を言わないで! 今だって嫌で嫌で仕方ないんだから!」
 あたしの言葉にシザーズが割れ目をなぞり上げ、その指を見せつけてくる。
「こんなに濡れてるのにか?」
 あたしは、あたしの愛液が滴る指を直視出来なかった。
 失笑するシザーズがチンポを入れてくる。
「アァァァン!」
 声を堪える事は、諦めた。
 ダーリンとは、違う女を知り尽くした動きに、あたしの腰が自然に動き始める。
「すっかり快感に素直になったな?」
 シザーズの言葉に何も言い返せないまま、あたしは、絶頂に向かって昇りつめていく。
 そして、放たれるチンポ汁。
「イクゥゥゥ!」
 その瞬間、頭が真っ白になってダーリンの事すら忘れてしまう。
 無論、一瞬だけ、その後にあるのは、更なる後悔。
 何時もなら更なる攻めがあるのだが、シザーズは、離れていく。
 いぶしむあたしにシザーズが告げた。
「お前に投与したウイルス、『ルートイーター』は、シザーズのチンポ汁が無ければおよそ一週間で餓死する」
 予想もしなかった答えだった。
 驚きの後に激しい怒りが込み上げてきた。
「騙したのね」
 苦笑するシザーズ。
「俺達は、嘘なんてついてないぞ。実際問題、この事実を知らず、餓死寸前の『ルートイーター』がキャリアにもたらす激しい性欲で狂った女は、何人居るからな」
 唾を飲み込む。
「激しい性欲?」
 シザーズが頷く。
「そうだ。これは、普通にセックスをした所で治まる物では、ない。シザーズのチンポ汁が無ければ『ルートイーター』が死滅するまで続く」
 背筋に悪寒が走る。
「……耐えきって見せる」
 あたしの言葉にシザーズが笑みを浮かべる。
「勇ましい事だ。その決意に敬意を持って教えてやろう。『ルートイーター』は、決して男には、感染しない。万が一体内に侵入したも栄養が足らず直ぐに死滅する」
「本当ね?」
 あたしの確認にシザーズが頷く。
「健闘を祈る」
 言葉とは、裏腹に嘲りが含まれた言葉にあたしは、強い対抗意識を燃やした。
 帰ってきたダーリンにディープキスをする。
「久しぶりじゃないか?」
 嬉しそうに問い掛けてくるダーリンにもう一度キスをするあたし。


 あれから三日、目立った変化は、無く、あたしは、このまま、全てがもと通りになると思っていた。
 ダーリンを送り出し、家事をこなしていると体に変調が表れた。
「今日は、暑いわ」
 汗を拭い、上着を脱ぐ。
 しかし、暑さは、和らぐ事は、無かった。
 それどころか、暑さは、どんどん強くなる。
 他人の目がないのを良いことに下着姿になってしまう。
 その状態になって乳首が下着の上からも判る程勃起し、割れ目から愛液が滴り下着を濡らしている事に気付いた。
「あたし……」
 自分の理解できない状況に戸惑っていたが、無意識に自慰行為を始める手にあたしは、シザーズの言葉が思い出された。
「これがウイルスの飢餓反応なのね……」
 麻薬の禁断症状を想像していたあたしは、軽い安堵を覚えた。
「このくらいなら我慢できる……」
 そう言いながらも恥ずかしながら自慰を続けてしまう。


 更に二日後、あたしは、自分の甘さを後悔していた。
 熱さ、疼きは、絶え間無くあたしを襲い続けるのだ。
 例え自慰行為で絶頂に達しても、疼きから解放されるのは、一瞬、変わらぬ疼きがあたしを襲い続ける。
 ダーリンの前だけは、何とか平静を装っているが、独りの時は、割れ目から指が離れない、オナニー中毒と化している。
 最悪なのは、疲れはて、眠るなかで見る夢が何時もシザーズに犯され、膣内射精されて絶頂に達する物だと言うことだ。
 そうなることを心の何処かで渇望しているのが解ってしまうのが、怖かった。


 その夜、あたしは、ダーリンのベッドに潜り込む。
「あたし、ダーリンとの子供が欲しい……」
 熱い眼差しで告げるとダーリンが優しいキスの後、囁き掛けてくれる。
「僕もだよ……」
 あたしは、激しいキスで答える。
 裸だったあたしにダーリンが苦笑する。
「我慢出来なかったんだね、ハニー」
 そしてダーリンのシザーズに何かに負けないチンポが入ってくる。
「アァァァン!」
 誰に憚る事の無い快感にあたしは、はしたない声をあげる。
 ダーリンも久しぶりのセックスに昂らせている。
「いくよ」
「来てぇぇぇ! 熱いのぉぉぉ、いっぱい出してぇぇぇ!」
 ダーリンが熱い精液をあたしの中に拡がっていき、あたしは、絶頂に達した。
 しかし、それだけだった。
 シザーズにチンポ汁を出された時のあの頭を真っ白にする快感は、無い。
「やっぱりハニーは、最高だよ……」
 満足気な顔をするダーリン。
「……ダーリン、あたしもよ」
 作り笑顔を浮かべるしか無かった。


 翌日、ダーリンが出社した後、あたしは、オナニーを止められないでいた。
「後一日だな」
 いきなりの声に顔を上げると、シザーズがいた。
「約束が違うわ!」
 あたしの訴えにシザーズが笑みを浮かべる。
「違わないさ、俺達は、お前が望まない限りなにもしない」
 その言葉に、無理やりなら仕方ないと言う狡く、みっともない言い訳が断たれた。
「視ないで!」
「視られたくなければ止めれば良いだろう?」
 シザーズに視られているのに止らない指。
「なかなか興奮するぜ、ほらこんなに勃起している」
 あの快感を生み出す、鋏の刺青の入った勃起したチンポがあたしの前に差し出される。
 頭の中にあの快感が過ぎる。
 いつの間にかにあたしは、チンポが鼻に当たる程に接近していた。
「俺達のチンポ汁が欲しいんだろ?」
「……そんな訳ないわ」
 あたしは、顔を背け、最後の理性を総動員して答えた。
「そうか、だったらお前を『華売り』にするのは、諦める。次のターゲットを探すか」
 シザーズは、チンポをしまい、部屋を出ていく。
 これで良いはずだ。
 それなのにあたしは、追いかけていた。
「待って!」
 部屋を出た所にシザーズがいた。
 その股間からそそりたつチンポからもう目が離せない。
「これがラストチャンスだ、俺達のチンポ汁が欲しいな?」
「欲しいの! あたしのオマンコに貴方達のチンポ汁をぶちまけてぇぇぇ!」
 限界だった。
 あたしは、淫らな言葉を叫ぶのを我慢出来なかった。
「たっぷりと注いでやるぞ」
 シザーズのチンポが入ってくる。
「アァァァン!」
 あたしは、喘ぎ、ダーリン以外の男に激しく抱きついていた。
 あたしの頭の中は、チンポ汁をぶちまけられた時の快感への期待に埋め尽くされていた。
 一秒でも早く射精される為にあたしは、オマンコを締め付け、腰を激しく振る。
「良い乱れっぷりだ! ご褒美だ!」
 シザーズのチンポが脈打ち、熱いチンポ汁をあたしのオマンコにぶちまける。
「イクゥゥゥ!」
 これだ、他のどんな感覚にも無い、圧倒的な快感。
 同時にあたしを苦しめ続けた疼きが消えていた。
 今まで味わった事が無いような充足感。
「満足だな」
 シザーズがチンポを抜き取り、部屋を出ていこうとする。
「またチンポ汁をぶちまけてくれる?」
 そう懇願する自分の顔は、どれだけみっともないだろう。
 間違っても鏡で確認なんて出来ない。
 それでも、もうあんな苦しみには、耐えられない。
 こんな凄い快感を知ってしまったら、チンポ汁無しの生活なんて絶対におくれない。
「明日、『華売り』の適性試験をしてやる。それに合格すれば、お前は、『華売り』として、チンポ汁に困らない人生が約束されるだろう」
 その言葉を残し、シザーズは、去って行った。
 シザーズの言葉の意味が解らない程に馬鹿じゃない。
 シザーズは、あたしに売春をさせようとしているのだ。
 そうすれば、あの快楽に浸れると。
 しかし、そんなダーリンを裏切る事なんて出来ない。
 だが同時にこの一週間に味わった苦しみをもう一度体験するなんて想像したくもなかった。
 正に生き地獄、何をしても満たされる事が無い強烈な飢餓感。
 一度折れてしまったあたしの心で正気を保てるとは、思えない。
 理性と本能の狭間であたしは、悶え苦しみ答えを出せないまま翌日を迎えた。


 やって来たシザーズは、あたしの腰を大きな透明板に嵌め込む。
「これでお前は、下半身の自由が無くなった」
 そして割れ目に押し当てられるシザーズのチンポ。
 哀しいかな、あたしの割れ目からは、シザーズに犯される事を喜ぶ愛液が滴り始める。
 そんな光景から目をそらすあたしに携帯が突きつけられる。
「旦那に電話するんだ。そして繋がってる間だけ、チンポを動かしてやる」
 最低だ、シザーズは、犯されヨガっているあたしの声をダーリンに聞かせろと言っているのだ。
「そんな事は、出来ない……」
「それなら適性試験は、不合格で、お前は、二度と俺達と会うことは、無いな」
 シザーズの言葉は、あたしが望むべき形だった。
 それなのにあたしは、携帯を手に取り、ダーリンの番号を選び出していた。
 最後の通話ボタンの上で指が止まる。
 あたしの最後の理性が押すことを拒んでいる。
「早くすることだ、丁度トイレに行っている旦那が職場に戻った時がタイムオーバーだ」
 それが最後の理性を屈服させた。
 携帯のコール音をあたしは、永遠に続けば良いとさえ思った。
 しかし、無情にもダーリンの声が聞こえてくる。
『ハニー、どうしたんだい?』
 挿入されるシザーズのチンポ。
「アァァァン!」
 いきなり漏れる。
『大丈夫かい!』
 ダーリンの声に焦りが混じる。
「ちょと足をぶつけただけよ」
 ごまかすあたしだったが、ダーリンと電話している状況に快感は、どうしようもないくらい高まって行く。
『本当にどうしたんだい?』
 心の底からあたしを心配してくれるダーリンを裏切っているという罪悪感があたしの性感を否応なしに高めてしまう。
 そして、シザーズに射精された瞬間、人生で最高の絶頂に達した。
「イクゥゥゥ!」
 ダーリンに聴かれているのを判っているあたしは、叫んでいた。
『何をしてるんだ……』
 ダーリンの声が強張っている。
 あたしは、全てが終わったと思った。
「夜まで待てなくて、旦那の事を考えてオナニーしていたと答えろ」
 シザーズの言葉にあたしは、従った。
「夜まで待てなくて、ダーリンを思ってしてたの……」
 正直、無理がある言い訳に思えたが、ダーリンが苦笑しながら言う。
『いけない奥さんだ、帰ったらいっぱいお仕置きしてやるぞ』
 あたしは、ひきつった笑顔で言う。
「楽しみにしてるわ……」
 電話を切った後、シザーズがあたしに菖蒲の造花が付いたチョーカーを着け、小さなコインを見せて来る。
「これが『華売り』の目印だ。客が持ってくるこのコインをオマンコに入れてもらえ、そうすれば俺達に射精されるのと同じ快感が得られる」
 こうしてシザーズは、あたしの前に二度と現れる事が無かった。


 あたしは、『華売り』として何人もの客に射精して貰った。
 シザーズが言った通り、オマンコの中で溶け出したコインと絡み付いたチンポ汁は、あの快感を与えてくれる。
 そして今夜も。
「あの人が迷惑掛けたわね」
 飲み会で酔っぱらったダーリンを送ってくれたかつての同僚にお茶を出す。
「気にするなよ。それより、これの意味が判るよな?」
 差し出されたのは、あのコインだった。
 あたしは、微笑む。
「ええ」
 あたしは、裸になってソファーの上で股を開いて割れ目を拡げる。
「あたしのいやらしい華を見て、大金を出しても良い華でしょ?」
「隣で旦那が寝ているって言うのに良いのか?」
 わざとらしい言葉。
 あたしの様な人妻を買おう客は、浮気を楽しむ変態だ。
「あの人が起きるくらいにあたしを悦ばせて」
「いけない人だ」
 そう言いながらも、コインを入れてくる。
「アァァァン! 二枚も入れてくれたのね、いっぱいサービスするわ」
 あたしは、チンポをしゃぶりあげる。
「……凄い、もう出そうだ」
 あたしは、口を離して言う。
「駄目よ、出すのだったら、こっちに……」
 あたしがオマンコを示すと、盛りのついた犬の様にチンポを入れてくる。
「太いぃぃぃ!」
 あたしは、より深くまでくわえこむ為に足を相手の腰に掛ける。
「最高だ! 君が職場にいた頃から、こうしたかったんだ!」
 激しく腰を振って来る。
「良いのぉぉぉ! 溜まった思いを全部吐き出してぇぇぇ!」
「出すぞ!」
 熱いチンポ汁があたしの中に撒き散らされる。
「イクゥゥゥ!」
 あたしは、絶頂に達する。
 満足そうな顔をしてチンポを引き抜こうとするのであたしは、囁く。
「まだコインの効果が残っているわよ」
「本当にいやらしい人だ」
 第二ラウンドが始まる。


 ダーリン以外の男のチンポ汁を求め続ける毎日、背徳的だが、今まで以上に充実している。
 あたしの『華売り』としての日々は、終わりそうもない。


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