生えたミズキ
とある田舎町。
ここに普通とは、少し違う姉妹が、拝み屋の祖父の家で暮らしている。
姉、檜原(ヒバラ)静流(シズル)は、ロングヘアーで大人しい性格だが、道徳心が強く、霊視能力を持つが故に、民俗学に興味があり、祖父に教わったりしている。
詩や小説なども好きで、その大和撫子的性格からもてるが、あまり男子の気持ちには、気付かないタイプである。
妹、檜原瑞生(ミズキ)は、元気で、運度運神経が良く、性格も明るいが、憑依体質の為、色々とトラブルに巻き込まれやすいタイプでもある。
ここで語られるのは、そんな二人を襲うエッチな勿怪(モッケ)トラブルである。
小学校から帰宅を急ぐ瑞生。
しかし、その表情には、かなり切羽詰った物があった。
何かを必死に我慢する瑞生だったが、遂に限界に達したようだ。
「もう駄目!」
瑞生は、左右を見回してから、雑草で身を隠せる場所に入り、短パンと下着を下ろした。
暫くして、安堵の息を漏らす瑞生。
「残っているからって牛乳を三本は、飲みすぎだったかな」
そんな時、背筋に寒気が走った。
「何!」
周りを見回す。
『こっちだ』
瑞生が声のする方を向くとミミズが居た。
「あんたなの?」
戸惑う瑞生に答える声が聞こえる。
『そうじゃ、よくもワシに小水をかけてくれたな。その身に呪をかけてやる』
そのまま、地面に潜るミミズ。
呪の影響か、瑞生が動けるようになったのは、ミミズが完全に見えなくなった後であった。
摂り合えず、立ち上がり自分の体を確認する瑞生。
「何ともなってないよね?」
そう言いながら下着を上げた時、股間に痛みが走った。
「痛い!」
慌てて痛みを発した場所を見る。
そこは、まだ皮に隠れて全然見えないクリトリスの位置だった。
「傷は、無いよね……」
戸惑いながら、短パンもあげるが、何か圧迫される感じを覚える瑞生であった。
「ただいま! 瑞生、居るの?」
静流が家に帰り部屋に行くと、瑞生が何故かパンツも履かずに居た。
「何をしているの、瑞生!」
それに対して瑞生は、泣きそうな目をして言う。
「何か変な物に憑かれたみたい……。パンツを履いてると、何でか凄く痛いの」
顔を歪める瑞生だったが、そんな瑞生を真正面からみた静流も顔を真赤にする。
「何か見えるの、お姉ちゃん?」
瑞生の問いに静流が顔を逸らしながら言う。
「とにかく、詳しく教えて」
瑞生が頷き、ミミズとの会話を説明する。
「やっぱり、特別なミミズだったのかな?」
瑞生の言葉に静流は、何かを思い出したのか手を叩く。
「そういえば、クラスメイトの芙美(フミ)ちゃんが言っていたっけ。ミミズにおしっこをかけると……が大きくなるって」
肝心な場所を誤魔化すが瑞生が納得する訳無い。
「どこが大きくなるの?」
静流が更に顔を赤くしながら言う。
「……男の人のチンチン」
「えー!」
瑞生も顔を真赤にする。
「でも、あたしは、女だから、チンチンないよ」
静流が霊視でしか見えないそれを視界に入れない様にしながら言う。
「女性にも男性のチンチンに当たる部分があるの。多分、霊的に大きくなったそれが、敏感に成ってるんだと思う」
瑞生が困った顔をする。
「それじゃあ、お祖父ちゃんが帰ってくるまでは、このまま?」
静流が少し考えた後、言う。
「そうだ、男の人のは、擦って悪い成分を出して小さくするって話を聞いた事があるわ」
中途半端な知識である。
「あたしは、見えなくて出来ないから、お姉ちゃんがやってくれる?」
瑞生の言葉に静流が驚く。
「あたしが!」
顔をもうゆで卵の様にした静流が戸惑っていると瑞生が小さくため息を吐く。
「そうだよね、お姉ちゃんは、初心だから、チンチンの形をした物は、触れないよね」
失望が篭ってしまった言葉に静流が決意する。
「解ったわ。やってあげる」
そして、静流が、霊視でしか見えない瑞生のチンチンを擦りはじめる。
「どう?」
「痛い! 強すぎるよ!」
瑞生の言葉に慌てて手の力を和らげる静流。
「ゴメン。今度は、どう」
すると瑞生が気持ち良さそうな顔をして言う。
「今度は、大丈夫。気持ち良いよ」
瑞生は、他意は、無かったのだが、静流は、性的な意味で捉えて、俯いてしまう。
惰性的に手を動かす、単純な行為だったが、未知の性感にまだ小学生な瑞生は、直ぐに達してしまう。
「お姉ちゃん、何か出る!」
そのまま、霊的精液が瑞生のそれから射精され、静流に降り注ぐ。
「キャー!」
静流が叫びお風呂場に直行するのであった。
「これで、しめえだ」
古くからの儀礼でミミズの呪を取り除く、二人の祖父。
股間にお札を貼り付けただけの状態のまま瑞生が安堵の息を吐く。
「これで、パンツを履けるよ」
「欲張るからだ、これからは、適量を守るんだぞ」
祖父の言葉に瑞生がワラゴマするのであった。
霊的な力をもった二人には、まだまだエッチな勿怪事件が降り注ぐが、それは、また別の機会に。
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