孕むミズキ
とある田舎町。
ここに普通とは、少し違う姉妹が、拝み屋の祖父の家で暮らしている。
姉、檜原(ヒバラ)静流(シズル)は、ロングヘアーで大人しい性格だが、道徳心が強く、霊視能力を持つが故に、民俗学に興味があり、祖父に教わったりしている。
詩や小説なども好きで、その大和撫子的性格からもてるが、あまり男子の気持ちには、気付かないタイプである。
妹、檜原瑞生(ミズキ)は、元気で、運度運神経が良く、性格も明るいが、憑依体質の為、色々とトラブルに巻き込まれやすいタイプでもある。
ここで語られるのは、そんな二人を襲うエッチな勿怪(モッケ)トラブルである。
小学校からの帰り道、瑞生は、クラスで噂になった恋のお呪いをする為に、小さな神社に来ていた。
「うーん、こういう所は、正直遠慮したいんだけどなー」
そう言って踏み込むのに躊躇する瑞生だったが、持ち前の度胸で境内に踏み込んでしまう。
「確か真樹の話だと、ここら辺の木に赤い実が生っている筈なんだけどな」
暫く探してようやく目的の実を見つける瑞生。
「やったこの実だよね」
瑞生は、実をもいで口に入れて、好きな男子の事を思い浮かべ呪文を唱える。
「両思いに成れます様に」
その時、お腹に僅かな違和感を覚える。
「何だろう?」
瑞生は、お腹を撫でてみるが、これといった物は、感じない。
「憑かれたって感じでもないきがする」
躊躇半端な気分のまま瑞生は、家路につく。
「おかわり!」
瑞生は、お茶碗を出すと静流が驚く。
「どうしたの? もう五杯目よ」
それに対して瑞生が大盛りに盛られたご飯を食べながら言う。
「解んない、とにかくお腹すくんだよ」
そうして、瑞生は、その日、七杯もご飯を食べた。
そして、変化は、その夜さっそく現れた。
「お姉ちゃん、お腹が……」
弱々しい声で言う瑞生に静流は、ため息を吐きながら言う。
「だから食べすぎは、駄目だっていつも言っているでしょ」
しかし、瑞生の様子がおかしい事に気付く静流。
「どうしたの?」
瑞生は、顔を真赤にして言う。
「熱いよ! お腹が熱い!」
普通じゃ無い事を察知した静流が慌てて瑞生に近寄りパジャマのたくし上げると、瑞生のお腹がまるで妊婦の様に膨らんでいた。
「何コレ? いくら食べ過ぎたからってこんなに成るわけないよね?」
戸惑う静流を他所に瑞生は、虚ろな目で、お腹を押さえていた手をパジャマのズボンにいれていく。
「何をしてるの?」
静流の言葉に、瑞生は、割れ目を弄り始める。
「ここが疼いて仕方ないんだよ!」
「ちょっと瑞生!」
瑞生の両手を押さえる静流。
「いやー駄目! 我慢できない!」
そういって瑞生が、静流の太股に自分の割れ目を当てて擦り続ける。
顔を真赤にして静流が言う。
「もう、どうしたの!」
静流が戸惑っている間に、瑞生が叫ぶ。
「アァァァァン! どっかいっちゃうよーーー!」
そのまま白目を剥いて、倒れる瑞生。
静流がおろおろしていると、祖父が来て、溜息を吐いて、瑞生のお腹にお札を貼る。
「お祖父ちゃんこれって?」
静流の質問に祖父が答える。
「水子だな。新しい体を手に入れる為に、瑞生の体を利用使用したのだろう」
その後、祖父の古くから伝わる水子落しの儀式で元に戻って、おまじないの件を話した事で、しこたま起これる瑞生であった。
霊的な力をもった二人には、まだまだエッチな勿怪事件が降り注ぐが、それは、また別の機会に。
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