01:陽


 その出会いは、中学二年の夏休みが始まろうとした日の事でした。
 私は、落としてしまった、私の双子の家庭教師の先生、藤堂誓唯さんと繪委さんから貰った御守を取りに旧校舎に戻った時、晴天の雷と共に彼女が現れたのです。
「あたしは、黒城舞夏。鏡の世界から来たの。夏休みの宿題で、ジンの力を使った感想を記録する事になってるんだけど、一夏ちゃんに代わってもらおうと思うのよね」
 私は、驚いて言いました。
「そんな、宿題は、ちゃんと自分でやらないと意味が無いです」
 言ってから、自分でもピントが外れた事を言っていると気付きました。
「そんな事を言って良いのかな? それ大切な御守なんでしょ?」
 舞夏ちゃんが指差した先には、私が忘れた御守がありました。
 慌てて拾うと、何故か御守についた石が輝きを失っていた。
「その石は、ジンの力を使っていかないと輝きが戻らないよ」
「それは、困ります!」
 折角誓唯さんに貰った大切な御守、それをこんな風にしてしまったら会わせる顔がありません。
「だったら、お願いね」
 笑顔で言ってくる舞夏さん。
 それでも私は、戸惑ってしまいます。
「でもジンの力ってどういうものですか?」
 私の言葉に舞夏ちゃんが手を叩いて言う。
「実際に使ってみれば解るよ」
 夕日が激しく輝き、そこに雄大なイメージを感じさせる巨大な人が現れ、私の服がまるでアニメに出てくるエッチなコスチュームに変化してしまいました。
 次の瞬間、舞夏ちゃんと一緒屋外に居ました。
「みて、太陽が見守る生命の営みを」
 舞夏ちゃんの言葉と共に、私の視界に、犬や猫達が交尾をしている姿が明確に映し出されます。
「イヤーン!」
 顔を赤くする私に舞夏ちゃんが言います。
「恥ずかしがったら駄目。全ての生き物がこうやって命を産み出してるんだから。人間だって」
 その言葉と共に、あたしの視界に大人の男女の姿が映り、男性が男性器を女性の大事な所に入れていました。
 思わず両手で顔を覆いますが、その映像は、消えません。
「ジンの力で見てるんだから、そのくらいじゃ見えなくならないよ。それよりじっくり見ててね。あとで感想を聞かせて貰うんだから」
 舞夏ちゃんは、そういってきますが、私は、何も答えられません。
 そして夕日が沈みきると同時にその現象は、終わり、私達は、元の旧校舎に戻っていました。
「それじゃあ、聞かせて」
 そういいながら舞夏ちゃんは、私のスカートの中に手を入れてきました。
「何をするんですか!」
 私が慌てると舞夏ちゃんが言います。
「記録の為に必要なの、あの御守で一夏のオマンコを弄る事が」
 オマンコって、恥ずかしい。
 私が顔を真赤にしていると舞夏ちゃんが耳に熱い吐息をかけながら言います。
「さあ、始めて」
 私は、私の大事な所を御守で触られるのを感じながら感想を始める。
「犬や猫のそれも驚きでした。でも、大人の人のそれは、怖かったです。男の人のあれが、あんなに大きいなんて」
「男の人のあれって何?」
 舞夏ちゃんは、意地悪な質問をしてきます。
「……男性器です」
 私が努力して答えると舞夏ちゃんは、訂正してきました。
「チンポよ。感想の時は、男性器をチンポと言ってね」
「そんな、恥ずかしすぎます!」
 私の言葉を無視して舞夏ちゃんは、御守で私の大事な所を触りながら言います。
「そして、ここは、オマンコよ。良い?」
「良くありません!」
 私は、決死の覚悟で反論しましたが、舞夏ちゃんは、御守の動きを激しくしてきました。
「駄目、ちゃんと言えるまで止めてあげないよ」
 御守で擦られるくすぐったい様な変な感覚への不安に私は、頷いてしまいました。
「解りました。言いますから、早く終らせて下さい」
「感想を再開して」
 舞夏ちゃんの言葉に私が恥ずかしいのを堪えながら答えます。
「男の人のチンポが女の人のオマンコに入っていくのが信じられませんでした。それも、女の人があんな顔をするなんて……」
 すると舞夏ちゃんが耳元で囁いてきます。
「一夏もきっと解る様になるよ」
 私は、顔を真赤にするしか出来ませんでした。
 私の前に差し出された御守の十二個の石の一つが光を取り戻していました。
 そして濡れているようでもありました。


 その後、舞夏ちゃんは、夏休みの間、家で暮らす事になりました。
「それじゃあ、宿題の方をお願いね」
 微笑む舞夏ちゃんに私は、顔を赤くして頷くしかできませんでした。


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