第四話『 略奪 』

       (視点・武田信晴)



 俺と瑞希の関係は続いていた。
 そう、俺はあの勝負に勝ったのだ。
(最初から負けるような想定はしていなかったが、な…)

 勝負内容は簡潔だ。
 三時間、俺の愛撫を受け続けて…瑞希が耐えられるか、どうか、という……その三時間の間に、俺の『規格外男性器』を求めなければ、瑞希の勝ち。三時間、絶え間ない快楽に溺れて……俺を求めたら、俺の勝ちだ。
 …一応、あくまで勝負は公平を期したつもりだよ。
 勿論、俺が負けるなんて、想定はしていなかったけどね。

 瑞希の方でも一つだけ条件を出してきた。
「キスだけはしないで……」
(……なるほど、ね……)
 固く唇を閉ざした表情から、おおよその見当はつく。
 三時間の間、キスだけはしないこと……恐らく、この短時間に俺の『強制発情』の能力を見越してのことだろう。
 実際に瑞希の『処女喪失』となった性交でも、この部屋での昨晩の出来事も、俺とのキスによって幕を開けている。
 特にキスには弱い、瑞希では当然の提案かもしれない。
「解かった、キスだけは勘弁してあげるよ」
「………」
 俺はそれを了承した。
「それじゃ、契約成立だね!」

 もし俺が勝てば……今晩、瑞希の身体を自由にした上で、来週末の一晩も、瑞希は俺の相手を務める。
(それだけの時間があれば……墜としきれるはずだ!)
 もし瑞希が勝てば……即時、彼女を解放し、瑞希の『処女喪失』の画像を抹消させた上で、今後……俺は瑞希に一切接触しない。

 正午から始まった俺との勝負。
 俺好みの衣装(真っ白な肩リボン型のワンピース)に手を掛けて、瑞希の乳首から攻めていく。
 敏感な乳首も彼女の弱点の一つだ。
 瑞希の胸は決して大きくはないが、感度良好だし、小柄で華奢な彼女の身体に適した大きさだろう。
「あっ……ち、乳首、だ、だめ……」
「ははっ、勃ってきた……」
 コリコリとして突起する乳首。昨晩、一日かけて開発させただけに、とても敏感だ。
 その先端を口の中に含む。
 俺の『強制発情』の特性に気付いた、瑞希の感度は決して悪くない。いや、素晴らしいほどの感性だろう。
(でもね、瑞希ちゃん…間違っているんだよ……)
 俺の『強制発情』の条件はキスじゃない。
 俺の唇が触れることだ。
 乳首や秘所に俺の唇が触れて、俺に舐められて、アヘ顔を晒さない女などいない。そして瑞希には、俺の『強制発情』に対する抵抗がないのは、キスでも実証済み。
 クンニの体勢になった時には、もう瑞希の身体には痙攣の傾向が現れており、表情は完全に蕩けてしまっていた。
(でも、簡単には往かせてあげないよ)
 それは昨夜、往き地獄を体験した瑞希にとっては、非常に辛い責め苦ともなろう。
 これを三十分、一時間……二時間、とも続けられれば、どんな女だろうと堕ちる。それは中等部の未成熟な身体である瑞希でも例外ではない。
「お、おねがひ……はぁ、はぁ……」
「往かせてあげてもいいけど……」
 俺はたっぷりと間を空けて、瑞希に問いかける。
「……解かるよね?」
「……はぁ、はぁ……んっ……」
 瑞希の股間に『規格外男性器』を擦り付ける。
 俺からは入れない。ただ先端を瑞希の入り口を擦るだけに留める。それが俺と瑞希で決めた勝負だからな。
 だから、瑞希自ら……俺のペニスを受け入れた時点で、この勝負の勝敗は決した、って言えるだろう。
「……らめぇ、らめぇなのに…」
「瑞希、往きたい?」
「…はぁ、はぁ…ひ、いっ、ひかせてぇ……」
「そうだね、俺の女になる?」
「……はぁ、はぁ……んっ……」
「俺の愛人になる、って言うなら……」
 絶望的な一言を突きつける。
「瑞希が孕むまで、膣内を掻き回してあげるよ?」

 俺は瑞希と結婚はできない。
 俺自身はこの最高級の身体を持つ瑞希が嫁でも構わないのだが、俺の両親が絶対に納得しない。
 結婚は許さないだろう。
 だから、俺が彼女に用意してあげられる席は、愛人という関係でしかない。勿論、経済的な生活には不自由させるつもりはないし、もし瑞希が妊娠すれば出産させて、その子を認知もしよう。
「……どうかな?」
 瑞希は名家の出ではない。
 だから、名家の『不文律の誓約』に縛られる必要はない。
 瑞希の身体を独占したい気持ちはある。が、彼女の彼氏に対する気持ちは本物だった。もはや俺の存在に完堕ち寸前だが、その最後の一線だけは彼女も決して譲らない。
「あっ……はぁ、はぁ……」
「ハハっ、もう、瑞希マンコもトロトロ……」
 でも、勝負は勝負だ。俺からは決して入れない。俺の『規格外男性器』は、完全に熟れた瑞希の入り口を擦るだけ。それだけでも、瑞希には非常に辛い責め苦となっている。
「お、おねがひぃ……も、もぉう……」
「負けを、認めるんだね?」
 完全に蕩けた表情で肯定する。
(まぁ、今日はこれでいいか……)
 瑞希を完全に完堕ちさせるまでにはいかなかったが、とりあえず俺は、この結果に満足していた。
 来週末。もう一度、瑞希を抱く約束を取り付けて、瑞希の身も心も手に入れられる可能性はまだ残っている。

 そう、瑞希の排卵日……
 彼女の超危険日、という……その日に。


「何か、いいことあったんか?」
 唐突に「松」に……中等部時代の相棒『松田宗孝』に告げられる。解かる奴には解かってしまうものらしい。
「まぁな……」

 今日は瑞希との約束の一日。
 彼女を抱く、瑞希の排卵日当日でもある。

「そうだ。久しぶりに受けてくれないか?」
「そりゃ構わんが……」
「今日は全力で投げ込んでおきたい気分なんだ」

 二年の正捕手である太田先輩は、決して悪い捕手ではないが、俺の全力を受け止められるまでには至っていない。今でも過去にも、俺の全力投球を受け止められるのは、中等部時代の相棒である「松」だけであった。

 俺の全開で投げたボール。それがミットに収まった衝撃が久しく、それだけに心地良く聞こえてくる。
「次は高速スライダー、全開で行くぞ!?」
「ok!」
『スパァン!』
「締めは再び、ストレート。インハイに全開だ!」
『ズドォン!』
 中等部以来のバッテリー。
 グランド全体に響く、衝撃。
 それだけに注目の的にもなった。
「ほぉう。信晴のボールを全球、完璧に受け止めるのか…」
 当然、それは監督の目にも……
「お前の名は?」
「は、はい。一年の松田宗孝です」
「一年の松田だな…そうか」
 山本監督も名将と呼ばれるほどの経験豊かな経歴。当然、俺が全力であったことも……「松」のキャッチングスキルが偶然ではなく、それは、俺の制御しきれなかったボール(暴投)までを受け止めたことからも明白だろう。
「信晴、いい感じに仕上がっているな……今日はそれぐらいで上がっていいぞ?」
「解かりました……松、サンキューな!」
「そりゃあ、俺の台詞だぁ」
 マウンドから降りて、グローブをミットに合わせる。
 俺も……「松」も……何も知らずに。


「へぇ……これが瑞希ちゃんの部屋か」
 瑞希の両親が不在と知って、俺は約束の時間、瑞希の自宅に……彼女の部屋を約束の場所に指定して、上がり込んだ。
「……ぅぁ……」
「綺麗に片付いているね……」
 彼女の部屋を約束の場所に指定したのは、つい先ほどのことで、それだけに常日頃から整理整頓を心掛けているのが、良く解かる。
 机の上には、彼氏の写真であろう、倒されて置かれている写真楯。その前には破瓜した際に、彼女が身に付けていた、ロケット式のペンダントが綺麗に保管されていた。
「……っぁ……」
「瑞希ちゃん、最近、学校を休んだって?」
 勿論、俺は学校を休んだ程度で咎めるほど高尚な人物ではない。また、瑞希の身体が到底、登校できるような状態ではなかったことも。
「……お、ね…がひぃ……は、外…しえぇ……」
「さすがに、もう辛くなってきた時期かな?」
 俺は微笑しながら、指に挟んだ鍵を見せつけた。

 俺は先週、瑞希との勝負に勝ち、一晩中、彼女の身体を自由にできる権利を行使し、そして今日の約束を取り付けた。
 そして、その約束が決して反故されないように、と細工をしたのだ。
 ……鍵付きの貞操帯だ。
 勿論、普通の貞操帯ではなく、定期的に、そして断続的に性感を刺激し続けるもので、初日だけならともかく、時間の経過とともに耐えられなくなる代物だ。
 しかも次第に停滞の間隔は短くなり、逆に刺激する時間は増加していく。
(外すこともできないから、鎮めることもできないしね♪)
 俺に抱かれて、男を知った瑞希には、この一週間が非常に永く感じられたはずだ。そして俺との約束を破ることも考えられなくなっていたことに違いない。

 瑞希の『運命の相手』となった俺からの、誕生日プレゼントにしては、この上なく最低だろう。だが、俺も手に入れた瑞希の身体を完全に自分のものにしよう、と必死だった。

「……ぅぁ……」
 瑞希が弱々しく手を伸ばしてきたところで、俺は指先に摘まむ鍵を高く上げる。俺と瑞希の身長差もあって、決して彼女の手には届かないだろう。
 完全に蕩けきった瑞希の表情に非難が混じる。
 やはり、瑞希ちゃん。そんな表情も可愛いね〜♪
「携帯端末と交換ね……」
 俺は起動させた携帯端末と交換することで、今度こそ貞操帯の鍵を瑞希に渡す。勿論、今の瑞希の状態では簡単に外すことはできないだろう。
(更に、出力をMAXにしてあげるね〜♪)
 瑞希の心地良い悲鳴をBGMに、俺は瑞希の携帯端末から彼女のパーソナルデーター、今が危険日……しかも排卵日を目前に控えた超危険日であることを把握する。
「やっぱり、今日が危険日……超危険日だったね!」
(しかも排卵まで、八時間前……)
 つまり、瑞希を確実に孕ませられる『絶対確定帯』まで、後約二時間という処だろう。

 『絶対確定帯』とは、とある科学者が実証させた、排卵の六時間前。それからの三十分間を指している。
(確か里見貴一の提唱した理論は……)
 膣内射精された精子は、排卵された卵子とすぐに結合できるわけではない。基本的に子宮口から排卵された卵子までの到達が約三十分。子宮奥深くに射精し、勢いよくその距離を稼ぐことができた、としても、精子には受精能を獲得させるまでの時間が発生するのだ。
 その受精能の獲得に約六時間前後を要す。
 そのため、卵子が排卵される時間……精子が受精能を獲得する時間を算出して導かれたのが……「奇跡の三十分間」であり、それが『絶対確定帯』だった。
 この時間内に膣内射精を受ければ、精子と卵子は確実に受精卵を形成し、間違いなく着床し……瑞希を絶対に妊娠させることができる。
(…だから、瑞希ちゃん!)
「それまでSEXはお預けね〜♪」

 俺は彼女のベッドに瑞希を押し倒し、弱々しい抵抗を封じさせて、彼女の唇を奪う。勿論、貞操帯は装着させたまま、最大出力のままだ。
 パジャマか? それとも部屋着なのか?
 止められていたボタンを外し、男を知ったことで先週より一回り大きくなったような胸を解放させ、ビンビンに尖らせた、瑞希の乳首と対面する。
(一週間ぶりの再会だわ〜♪)
 既に性感を刺激され続けていた身体に、俺の『強制発情』の効果が上乗せされて、瑞希の身体は完全に蕩けきってしまっていた。
「も、もうぅ……ら、らめぇ……」
「ん…そうだな」
 今から瑞希を抱いて、その膣内に出しても、超危険日であることに変わりはない瑞希の身体は、きっと妊娠させることができるだろう。
 だが……俺はただ瑞希を孕ませたい、のではない。
 瑞希の、その全てを……手に入れたいのである。
「それじゃあ……十九時になったら、ね!」
 後約一時間半。
 瑞希には残酷だが、この責め苦に耐えて貰う必要がある。
「そしたら……貞操帯を外して、膣内に……瑞希ちゃんの好きなマンコに入れてあげるね」
 もう意識も絶え絶えの彼女に、決定打を告げ続ける。
「勿論、今日も膣内に出してあげるから……瑞希ちゃん、当然、妊娠する覚悟もしてね。あ、出産までの費用とか、養育費とか……心配しないでいいから」
 仮に瑞希が妊娠して出産させるとしたら、その間、中等部の登校は難しくなろう。そんな問題も俺の家の力を使えば、休学扱いとなる。
 これまでにも五人の愛人が在学中に妊娠し、出産もさせているが、五人とも無事に進級を遂げている。瑞希も(性格と学績から)特に問題はないはずだ。

「さぁ、瑞希ちゃん…頑張ったね〜♪」
 『絶対確定帯』まで十分前だ。
 瑞希の手から、汗で熱く濡れた鍵を受けとって、貞操帯を解錠する。
 約一週間ぶりとなる、瑞希のマンコとの対面である。
「お待ちかねの時間だよ?」
 絶え間ない刺激が繰り返され、それからやっと解放されたこともあって、完全に蕩けきったマンコ。その名器の性能を知る俺だけに、俺も非常に待ち遠しく感じられていた。
「さぁ…どうする?」
「……ぁぅ……ぅぁ……」
 俺の曝け出したペニスを、とろとろマンコの入り口に宛がいつつ、擦り続けるように刺激を与える。
「ひ、ひぃれぇえぇ……ひ、ひきぃたぁひ……」
「それって……妊娠の覚悟はした、ってこと?」
「……ぅ……し、しゅる……ら、らぁから……」

 もはや今の瑞希に……まともな理性は一欠けらも残されていなかった。無理もないかな。この約束の時間から二時間。先週に解放されてからは一週間。ずっと、ずっと性的な刺激を繰り返され続け、それから逃れることができなかったのだから。
「ほら、入っていくよ……」
「あっ、あぁあ、あぁ、……」
「瑞希を、妊娠させる……マンコの膣内に、さ……」

 遂に一週間ぶりに、瑞希の(だいぶ降りてきていた)子宮口と俺のペニスの先端がタッチする。
 俺が挿入しただけで、瑞希は軽く往ってしまう。
(やっぱり、この膣内……すげぇなぁ!)
 俺は改めて瑞希の膣内が特別……これまで名器の特別だと思って、五人を愛人とさせてきたが、この瑞希の性能は、その愛人たちの膣内よりも……遥かに超高性能だった。

 そして瑞希にとって地獄の、責め苦の時間が終わりを告げよう……とした、そんな矢先だった。
 瑞希の携帯端末が鳴ったのは……

 表記された画面には『宗ちゃん』とだけ。
 以前に瑞希が哀願で口にした彼氏の名だったか。
「彼氏からか? どうする……電話に出る?」
「……らぁ……ふいちゃぁ、ら、らめぇ……」
 ペニスを抜かせまい、と、瑞希は両脚でロックする。
 もはや今の彼女には、俺に抱かれることしか頭にない。
 彼女の耳に、携帯端末の着信は届かない。
「瑞希ちゃん、覚悟を決めた、孕ませ、ご褒美タイムなんだよね……無粋な真似は、よくない……よね?」
 余りの瑞希の性能に、俺の言葉も拙くなる。
「ねぇ、瑞希ちゃん、俺専用マンコになる?」
 今なら、彼女は俺の言いなりも同然。
 もし瑞希が黙秘、拒否を示すなら、俺は、このとろとろのマンコからペニスを抜き去る、その構えを見せるだけで。
「ら、らめぇ、もぉぅ、いいろ……はる、はぁるから!」
(すまないね、宗ちゃん〜♪)
 俺は「元」彼氏に詫びて、性交を再開させていく。

「彼氏と別れる? もう、別れるしかないよね!」
「ほらぁ、瑞希マンコはもう、俺専だってさ!」
「さぁ、彼氏にさよならして、膣内出しされようね」
「妊娠、瑞希ママだね〜♪」
「…男の子かな、女の子かなぁ?」
 男なら、コーディネイターの俺似。
 女の子なら、瑞希似になって欲しいところだ。

 そして、遂に『絶対確定帯』の時間を迎えた。
「み、瑞希、い、往くよ!?」
 これ、マジぃ締め付けが……
 っ! 超ヤバ過ぎんぞぉ! これぇ!
「瑞希の、チンポ大好きマンコ、ザーメン大好き、種付けをしちゃうよぉ?」
「は、は〜ぁ、んっ、らぁ、あぁ……」
「くぅ!!」
「あっ、いぃ、しゅ…ごっ……くゅぅぁ……」

 俺と瑞希は互いに抱き合ったまま、その最も深い奥の膣内に俺は注ぎ込んでいく。溜めに溜めた一撃であり、瑞希にすればようやくにして得られた、灼熱のような熱。
 それだけに俺は、瑞希を孕ませた、と確信する。
 瑞希もまた、夥しいばかりの熱量に、妊娠を自覚したことだろう。

「明日の朝まで、休まず……抱き続けてやるからな!」
 俺が精力旺盛、絶倫であるコーディネイターであっても、激しい射精には疲労感がある。だが、それ以上に瑞希の身体を手に入れた高揚感があり、そんな瑞希を確実に孕ませるんだという気概もある。

 鉄は熱いうちに打て!

 もう瑞希が他の男に想いを抱けないほどに!
 この素晴らしい身体の存在を秘匿させるために!
 その瑞希の、元彼への想いを断ち切るために!

 こうして俺と瑞希は、真の意味で愛し合ったのだ。
 その二人の愛の結晶が、瑞希の膣内で形成されていく。
 もはや俺と瑞希の揺るぎない、愛の絆の結晶が……


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