第2章


 冷たい大理石の廊下に伏せる、眠れる美姫を仰向けにした時、
「んっ……」
 エンテの柔らかな唇から小さな吐息が洩れた。まさか、これから貞操の危機に晒されようとしている事など知る由もなく、その表情は美しさとあどけなさだけが残っている。
 ネブカは薄紫色の腰帯に手を伸ばし、
「さぁ、その成長した身体、拝ませてもらうとするか」
 意識を失っている彼女には、無論、返答できるはずもなかった。だが、ネブカの腰帯を緩めていく手には一向に衰える気配はない。
 薄紫色の腰帯が宙に舞う……
 その時だった。威厳に満ちた言葉の主が、その場に現せたのは……
「殺したのではなかろうな?」
「グ……」
 腰帯を緩める事に夢中であったネブカは、血の気のない表情を更に蒼白させ、滑らかであった言葉も凍りついてしまったように繋がらない。
「グ、グエン様……こ、こ、これは……」
 ガーゼル教団の最高位、グエンカオス……かつては四大賢者の一人として挙げられた英雄でもあったが、現在では暗黒神ガーゼルの降臨を目論む第一人者である。
 ガーゼル降臨には、ユトナの聖痕を持つ四人の生贄が必要であり、その一人が、ネブカによって貞操の危機に晒されているエンテ……メーヴェ王女なのだ。
「答えよ」
「メ、メーヴェに命の別状は……ただ、い、意識を……」
 内心は恐怖と歯痒さに満たされ、滑稽と解りつつも弁明を試み、ネブカは懸命に取り繕うとした。だが、如何に懸命に取り繕うとも、手にしている腰帯を緩めた理由になろうはずもない。
かつての四大賢者にも、ネブカの意図が明白であろう。
 だが……
「構わぬ」
「はぁ?」
 グエンカオスは部下の反感を煽るような愚を避けた。確かにガーゼルの降臨のためには、四人の巫女が必要ではあるが、現状ではユトナの聖痕は未だに揃ってはいない。彼には儀式前の生贄には興味がなかった。
 これが土の巫女ティーエというならば、ともかく……
「わしはこれより、火の巫女の回収に赴むかなければならん。ユトナの聖痕が全て揃うまでには、まだまだ日はかかろう……それまで、お主にメーヴェの身柄を預けよう」
 それはネブカの行為を容認する、許可の言葉に他ならない。
 ――しかし、因果なものよ……なぁ、メーヴェよ……
 この水の神殿に単身で乗り込んできた事からも、相応の覚悟と決意を抱いていたであろう事は容易に想像がつく。だが、結果はネブカのような男の慰み者になり……まして今日は、メーヴェにとって……
 思いがけない裁可が下り、ネブカは教皇の姿が消えてなくなるまで、ただ唖然としていた。
 こうして水の神殿には、ネブカと意識を失っているエンテだけが残された……
 そう、ネブカとエンテ、この二人の男女しか……

 一時は抱いた欲情を断念し、厳罰さえ覚悟していただけに、その喜びは言葉に表す事さえ不可能だった。
「さぁ、メーヴェよ。我々の結合を阻む存在は既にない。お前は晴れて、このわしに抱かれる事が許されたのだ。その栄誉を誇るがいい」
 ネブカは細い腕を掴み上げると、メーヴェの身体を改めて眺め見た。
 晴天の青空を想像させるようなスカイブルーの髪に、今は閉ざされている氷蒼色の瞳には、活力と生気に満ち溢れていた。すらり、と整った身体でありながらも、胸と腰は女性らしく膨らみ、その肉付きは決して悪くはない。
 ――たっぷり、愉しませてもらえそうだな
 ネブカは教皇から、そして、神々から捧げられた獲物に覆い被さった。
 触れてみて良く解かる……その美しく可憐な表情だけではない。その胸、その腰までその全てがバランス良く、まさに理想的なプロポーションであろう。
 腕や脚も細長く、体質的に贅肉とは無縁であろう事に疑う余地はない。が、何よりも、その膣内に・・・・・締りの良さげな身体の膣内だけに、ネブカの支配欲を刺激せずにはいられなかった。

 ネブカは意識のないメーヴェの胸の膨らみを、衣服ごしからでも触診するような異様な手つきで、その二つの膨らみを鷲掴みするように、掌に納めていった。
「ほぉう、貧相な胸と思いきや、想像以上に実らせているじゃないか」
 ネブカの嘲弄を含めた感想を漏らしながら、尚もメーヴェの膨らみを弄んでいく。再び、その膨らみ全体を鷲掴みしたが、今度は明らかに力強さがあった。
「っ……ァ
 意識を昏睡しているエンテの口元が僅かに開き、次第に容整っていた可憐な顔立ちにも苦痛の色が滲み出してきた。
「っぅ……ぅ……」
「この弾力性・・・・・悪くはない、ボリューム感だ」
 起用にも指先だけで揉みしだき、その中心部に存在するであろう、突起物の感触を捜し求めていく。そして、軟らかな……だが、確かな感触がネブカの指先に伝わった。
 その軟らかな感触を指先で挟み込むように、男は二つの膨らみを弄んでいく。更に軟らかな感触を挟み込んだままの状態から、左右に、上下にして、そのボリューム感を堪能していった。
 昏倒した事をいい事に胸を弄び続けられているメーヴェは、両腕を広げた体勢のまま男に馬乗りされ、ただネブカの成すがままに身体を許している。彼女の胸の膨らみは、無形に変化を遂げ、その跨る男の要求を応えていく。
「……」
 その苦痛を表していた吐息にも、次第に熱が帯びてきた。
「やはり、じかに確認するべきじゃな」
 水色のローブに手をかけると、一気に腰元まで引き摺り下ろしてしまった。つい先ほどまでネブカの掌に納められていた膨らみ……容良く整った乳房が、そして、その中心部に君臨する、薄桃色の小さな乳首が白日の下に晒された。
 ――ほう、これはまた、見事なまでの美乳であったか
 再び、そして今度はじかに、メーヴェの乳房を手に納めたネブカは、それを巧みに撫で回していく。この身体はリーヴェ王国で秘蔵され、ネブカのためだけに許された供物であった。
「この豊かな弾力性といい、しっとりと手につく、この瑞々しい素肌の張りといい、さすがは由緒あるリーヴェ王国の姫君。立派な身体をお持ちだな」
 乳房の中心に君臨する薄桃色の象徴を、指の間に挟んでは、撫で回し、それを指先で摘み上げると、強く、強く引っ張り上げていく。
「ん……っ……」
 今度は指先だけで、乳首を弾くように刺激を絶えず、与え続けていく。
 その新たな動作のたびに、意識のないメーヴェは過敏に反応を示すのである。
「敏感に反応しているようだな・・・・・感度の良さまで、抜群ときているようじゃな」
 ネブカはその薄桃色の突起物に、自身の唾液をたっぷりと乗せた舌を交互に這わせいく。そればかりか、その申し訳程度にしかなかった小さな乳首を口に含んでは、噛み吸い上げ、次第に強く、強烈に吸い上げていった。


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