| 
			 第五話・魔【 ザ・予行練習! 】 
			 
			 この如何に広い京都においても、中学生が気楽に利用できるようなラブホテルは少ない・・・いや、唯一にここだけ、と言っても過言ではないかな。 
			 まぁ、人間界の常識を照らし合わせれば、おおっぴらに経営できないのは当然のことなんだろうけど・・・それだけに同じ目的をもった中学生カップルが・・・しかも同じ地元とあっては、顔見知りと遭遇するのも当然のことであった。 
			「・・・」 
			 私は既にマスターの記憶にある、二人の男女の姿を確認していた。 
			 
			 あらあら、初々しいわね〜♪ 
			 私は魔力でその二人の男女の記憶を覗き見て、それも無理はないわね〜、と思わずにはいられなかった。二人が交際を開始したのは、まだ先週のことでしかなく、まだキスをした経験さえない若い男女であったのだ。 
			 そんな未成熟な二人が・・・一気に、大人へのゴールまで突っ走ろうというのだから、彼女の手を引く彼氏も、まぁ必死なこと、必死なこと(笑) 
			 そこに鉢合わせする・・・私を連れたマスターと、初々しいカップルたち。 
			「!!」 
			「ま、間藤ぉ!?」 
			 どちらの男がより驚いたことであろう。 
			 そして、マスターの記憶。その陰惨ともいうべき過去の経歴から、こうなることをある程度は予期できていた私であった。 
			「て、てめぇ・・・桜ちゃんを!!」 
			 荒川裕二という人間が、私を中川桜と見間違えたのも無理はない。そして彼には、まるで無理矢理に連れ込まれていくように映ったことであろう。 
			「だ、大丈夫? 桜、あいつに変なことされてない!?」 
			 懸命に心配をする少女の名を、白雪奈々と言ったか・・・恐らく彼女が言う「変なこと」とは、昨夜から数え切れないほどに受けているはずであったが、今はまだ、桜を演じている必要がありそうだった。 
			「う、うん・・・」 
			「なら、本当に良かったわ。気を付けなさいよ。あの間藤って先輩、うちの学園じゃ、悪い意味で有名人なんだから・・・」 
			「う、うん・・・」 
			 私は本物の桜を装いつつ頷きながら、奈々という少女の容姿と生態データーを観察して、魔導スキャンをしていく。 
			 サラサラの黒いロングヘアー。十二歳にしてはまずまず発育された胸。くびれのある腰には短めの黒いスカートに、男心をくすぐるような黒いニーハイソックス。きりっ、と整った顔立ち。およそその外見は普通の人間の中でも、美少女と分類されることであろう。そして処女であり、一応、それなりの名器の持ち主であるようだ。 
			 巫女ではない普通の人間としては、かなりの相当な上玉であっただろう。 
			 しかもマスターとの性的な相性は95%オーバー・・・ 
			 しかも今日、まさにこの今夜が、彼女の人生における初の排卵日・・・その超大当たり日ときている。 
			 これは面白いことになりそうね〜♪ 
			 
			 私が敢えて桜を演じ、この展開を静観した理由は大きく分けて二つある。 
			 一つは今のマスターの実力を測る必要があったこと。昨夜から私の教えた魔術でどこまで実戦で渡り合えるのか、その実力を確認しておかなければ、この先の作戦を立てようもない。 
			 仮に私があの水無月光一という剣士(その実力はまだ未知数だが・・・)を異空間に引き摺り込んだ、としよう。その間にマスターには、その巫女である桜の相手だけではなく、その時の状況によっては、その他の人間たちを相手する必要があるかもしれない。 
			 まぁ・・・少なくとも、今のうちに少しでも実戦を積んでおく、慣れておくことはマイナスにはならないはずだ。 
			 
			 もう一つには、マスターの記憶によれば、この荒川裕二という彼氏、そしてその彼女である白雪奈々にしても、水無月光一と中川桜にとっては大切な知己でもある。 
			 このカップルを上手く利用すれば・・・ 
			 
			 これはマスターが望まれた巫女を献上する、そのための貴重な手駒が揃ったのではないだろうか? 
			 
			 
			 私の期待する前者は、まずまず予想以上の収穫であった。 
			「昨日、光一に言われたことを、もう忘れたのかぁ!!」 
			 無論、マスターが押されている一方だが、それも無理はなかった。如何に魔力に目覚めたとはいえ、それはまだ一昨夜の出来事であり、魔術師である以上、近接ともなればその身体能力は普通の人間とそう変わらない。それでも要所では部分硬化を発動させて致命打だけは完全に凌いでいる。 
			「解んねぇのなら、代わりに俺が・・・」 
			「うがぁ!」 
			 まして相手は恐らく何かの武道を嗜んでいるのであろう。身体のキレが普通の一般人のものではなかった。 
			 それを相手にして、まぁ大した進歩ではないか。 
			「代わりに俺が、お前を殺してやるよぉ!」 
			 
			「そろそろ頃合ね・・・」 
			「えっ?」 
			 あら、可愛い。そんなに驚いちゃって・・・ 
			 私は本来の姿を晒し、拘束魔術『サイコミュジャック』を発動させた。突き出した手から発生させた赤い霧によって白雪奈々の身柄を拘束していく。この赤い霧に霊力によって護られていない一般人が触れれば、一時的な全身麻痺を引き起こす。また退魔師相手にも、霊力に反発する性質を持っているため、停滞はせずとも、かなりの速度減少は免れないだろう。 
			 そして今にもマスターの喉笛を踏みつぶそう、とする男に私は挑みかかり、相手の得意とする格闘戦で圧倒する。退魔剣士ならいざ知らず、見習い以下の・・・まして丸腰相手に遅れを取るような私ではない! 
			「がぁ!」 
			 近接からの魔弾を腹部に受けて、こともあろうにマスターを足蹴にしようとした男の意識を刈り取る。放たれた発光は攻撃魔術の基礎とはいえ、一般人が直撃を受ければ、二、三時間は目覚めることはないだろう。 
			 私はその崩れ落ちようとする男の胸倉を掴み上げると、ゆっくりとその彼の愛しい人に微笑でもって振り向いた。 
			 
			 さぁ〜、奈々ちゃん。 
			 楽しい・・・一生、忘れられなくなるような、貴重な処女喪失となる一夜を、たっぷりと体験させてあげるわよ〜♪ 
			 
			 
			 
			 ラブホテルの一室に若い(若干一名は年齢不詳だが)四人の男女・・・といえば、4Pなどの乱交を想像するものであろうが、この一室に限ってはその限りではなかった。 
			 一人の男は部屋の中心である円柱に魔力を帯びたロープで拘束され、意識を失ったままの状態であり、サキュラは一人でベッドを占領。もう一人の女は、僕が座るソファーの前で佇んでいる。 
			 ラブホの主目的からすれば、なんとも奇妙な四人組であったことだろう。 
			 しかも室内は僕の(・・・まだ最下級しか扱えない僕には、何の特性もない結界ではあるが)『固有結界・無』によって覆われており、ここでどれだけ暴れようが、泣き叫ぼうが、外部に漏れる心配はない。 
			 
			 
			『この白雪奈々という、女は・・・』 
			 これを期に一人目を出産する、と称してベッドを占領したサキュラは、精神感応力の応用であるテレパスによって僕に告げた。 
			 ちなみに精神感応力とは、特定の相手の脳裏を覗き込み、記憶・感情・思考などを読み取ることができる魔術である。これを応用すれば、僕とサキュラの間で思考における会話を成立させることができる・・・のだが、今のところはサキュラが一方的に問いかけるだけの(返答は僕の思考を読み取って貰うことで代用は可能な)一方通行ではあったが・・・ 
			『人間にしては相応な上玉であり、まだ誰も受け入れたことがない処女の身でありながら、相当な名器の持ち主です』 
			 ほぉ〜う。 
			 僕は目の前に佇む奈々の身体を熟視した。確かに中等部でこそ学園のアイドル的な桜ちゃんの登場によって、その存在こそ薄くなってしまっていたが、確か初等部時代では、星野香澄と二分する人気者であったような気がする。 
			『また・・・およそ一時間後には、初潮を迎えていなかったこの娘にとって、初めての排卵が行われることになります』 
			「・・・」 
			 つまり、今夜にも膣内に出せば、彼女の妊娠はほぼ確定・・・しかも今までに生理がなかったことから、今日がまさに超危険日であることを知る由もなく、妊娠を自覚できたときには、もはや手遅れとなっている可能性が極めて高い。 
			『それにマスターとの相性は抜群であり、十分にマスターを楽しませて・・・更にマスターの性交技術向上にも大いに役立ってくれることでありましょう』 
			 ふむ。まぁ、抱けと言われれば、確かに抱いても良いレベルだけどな・・・ 
			 これが桜ちゃんの身体、というならいざ知らず、それ以外のリアルな女生徒にはイマイチ気が進まない。アニオタ時代の哀しい習慣というべきだろう。 
			 だが、次のサキュラの言葉には、身も引き締められる思いであった。 
			『それにマスター。これはマスターの望む巫女の・・・桜の『聖杯』を手に入れる際の展開と酷似していましょう。つまりはその時のための予行練習だと思いください』 
			 あ。な、なるほど・・・ 
			 確かに拘束された荒川の存在を、巫女の剣士である水無月クンに見立ててみれば、奈々の処女を奪う、ついでに巫女の『聖杯』を手に入れるぐらいの違いでしかない。 
			 桜ちゃんの『聖杯』を手に入れるための大切な予行練習と思えば・・・とりあえずはこの女で妥協してやろう、と僕の息子もようやくそそり立つ。 
			 幸い、この手の状況はゲーム(18禁)などで手馴れたものである。 
			「では、まず・・・これをしゃぶって貰おうか!?」 
			「はぁ? あんた、何を言っているの!!」 
			「解らないのか。頭の悪い女めぇ・・・フェラをしろ、と言ったんだよ!」 
			「そ、それぐらい解っているわよぉ・・・でも、あんたなんかに、で、出来るわけがないでしょう!!」 
			 どうやらこの女は、この状況がよく理解できていないらしい。頼みとする荒川には意識がなく、魔力を帯びたロープで拘束されている以上、イニシアチブは完全にこちらにあるというのに。 
			 僕はゆっくりと立ち上がると、『パァン!』と、奈々の頬を叩いた。 
			 これまでに殴られた、叩かれたことはあっても、他人を叩いたのは初めての経験であったかもしれない。思わず背筋が『ゾクリ』とする。 
			「どうやら自分の立場が解っていないようだな?」 
			「・・・」 
			 そして彼女は、恐らく親にさえ叩かれたことがなかったのであろう。叩かれた痛みよりも、叩かれたことにショックを受けているようであった。今一度、奈々を立ち上がらせると、今度は荒川の方に引っ叩く。その際にも短めのスカート、黒いニーソによる絶対領域は護られており、それだけに僕の性欲を刺激していた。 
			 あそこで、もうすぐ・・・排卵が行われることになる。せっかくの初めての排卵なのである。たっぷりと僕のオタマジャクシで歓迎してあげようではないか。 
			 あ〜結構、リアルな少女相手でも・・・レイプは面白いかもなぁ。 
			 今更に意趣返しするつもりはなかったのだが、実際に僕は今のこの状況を明らかに楽しんでいたし、まして相手は、憎き荒川の彼女とあっては、一層僕の嗜虐心を掻き立ててもいた。 
			「次に僕の言葉に歯向かえば・・・そうだな。荒川の指を一つ一つ粉微塵に吹き飛ばすとしようか」 
			「な、なにを・・・あんたは、言ってるのぉ!?」 
			「なら先に先例を見せてやるよ」 
			 僕は魔力を集中させ、魔弾を更に指先だけに凝縮させて、赤い一閃を解き放つ。指先に凝縮された分、貫通力が増して対象を貫くことであろう。狙うは荒川の右横辺りだったが・・・思わずその首筋を掠めていき、僅かに鮮血が吹き出していく。 
			 うっ、あ、あぶねぇ・・・。 
			 魔貫砲の命中精度はまだまだだった。 
			『マ、マスター・・・こ、殺す・・・せっかくの貴重な手駒を即死させるおつもりですかぁ!』 
			 そんなサキュラの抗議には、とりあえず心の中で蓋をする。 
			 別に荒川が死ぬのは(常日頃から恨みだけしかなく)一向に構わないが、確かに水無月クンや桜ちゃんを追い詰めるための貴重な手駒ではある。簡単に殺すわけにはいかない。 
			 もっとも脅しとしては、一定以上の効果はあったようだ。 
			「では、解ったな・・・」 
			 僕は再びソファーの上に座り込むと、顔を蒼白させた奈々がゆっくりと歩み寄ってくる。拙い手つきでジッパーを下ろし、そそり立つそれを晒していく。脅しの効果てきめん・・・と、思った矢先のことだった。 
			『マ、マスター!!』 
			 その瞳の奥にある光に、そして咥えようとする際に、明らかに立てられていた歯・・・そしてサキュラからの警告! 
			 そのいずれかの一つでも欠けていれば、僕は取り返しのつかない事態を迎えていたことだろう。 
			 くっ、小癪な!! 
			 僕は即座に部分硬化の魔術を、自分のペニスに魔力全開で施した。 
			 『ガキッ』と、明らかな異質の音が室内に響き・・・危うく、桜ちゃんの『聖杯』を手に入れる前に、不能にされるところだった。 
			「そ、そんな・・・」 
			「なるほど。どうやら荒川の奴はどうなっても構わない、と・・・」 
			 
			 この白雪奈々を桜ちゃんに見立てたのは、明らかに僕の、そしてサキュラの誤算であっただろう。彼女は巫女である桜ちゃんとは違って、彼氏よりもまず自分のほうが大切なのであった。いや、別にその考え方を非難するつもりはない。誰でもまず自分を最優先とするものである。桜ちゃんのような崇高な気高さは稀有であり、そしてだからこそ貴重な存在でもあったのだから。 
			 まして奈々にとって荒川は、まだ一週間程度の交際をした相手でしかなく、彼女の初恋(・・・今でも本命)は、水無月クンであったとあっては。 
			 
			「や、やめて・・・」 
			「・・・そう何度も許して貰えるとは思うな!」 
			 再び僕は少女の頬を、今度は渾身の力で叩く。自分本位な女にはきっちりと再教育しておく必要があるだろう。 
			「そうだな。荒川ではなく、お前の顔の皮を剥ぎ、鼻の穴から引き裂いてやろうかぁ・・・」 
			「!!」 
			 僕はなるべく残酷に、そして無慈悲なまでに宣告した。 
			「まぁ、運良く生き長らえたところで、もう二度と男に愛されることはない面となろうなぁ」 
			「い、いやぁ・・・」 
			 素で自身の可憐さに自覚あったそれだけに、奈々の表情は見る見ると血の気が引いていくようであった。 
			「い、いやあ・・・お、お願い・・・ひ、酷いことはしないでぇ・・・」 
			 そこに敢えて、最低限の条件を・・・光明を彼女に譲歩してやる。 
			「三日間だ・・・たったの三日。その間、僕を愛し、僕に抱かれる・・・僕の女になるって誓うのなら、今回だけは不問にしてやろう!」 
			 それは処女である奈々にとっては、死刑宣告にも似た言葉であっただろう。だが、せっかくの美形であった顔が無残に引き裂かれ、未来永劫、男に愛されることはない顔にされるよりは、遥かにマシというものであろう。 
			「勿論、この三日間における僕との関係を誰に言う必要もない。それ以降、学園では無視のままの関係でもいいさ」 
			 もっとも僕は遺書を残してきた手前もあり、もう二度と学園などに通うつもりはなく、自宅に帰る気すらなかったのだが・・・ 
			 今は何より、新たに目覚めた力、魔術を覚える時間が楽しかったし、こうしてその力で美少女を脅すのは、まさに痛快でもあった。 
			「それとも顔を無様に・・・引き裂いて貰いたいか?」 
			「!!」 
			 これがダメ押しだった。 
			「ち、誓い・・・ます・・・」 
			「早くしろ・・・こっちはそれほど暇ではないんでなぁ・・・好きなほうを選んでいいぞ?」 
			 チラッと時計を見れば、サキュラの指摘した時刻まで三十分ほどしかない。 
			「だ、だから・・・誓い・・・ます」 
			「何を、だ・・・? 顔を引き裂かれたいと誓うのか?」 
			 そりゃ、どんな誓いだよ(笑) 
			「いえ、その・・・間藤先輩を・・・三日間、愛します・・・抱かれます」 
			「抱かれる・・・だと?」 
			 わざとらしくではあるが、明らかに不機嫌な声を上げた。 
			「す、すいません・・・だ、抱いて下さい・・・せ、先輩の・・・女にしてください・・・」 
			 
			 クククッ・・・と、心の中で嘲笑する。 
			 そしていずれは、桜ちゃんにも言わせてみたい台詞ではあった。無論、そのときは三日間ではなく、未来永劫に渡って僕の女にするつもりだが・・・そのように言葉をわざわざ言い換えさせる必要はない。そのための秘術・・・『性魔術・聖魔淫行』が僕にはある。 
			 僕が魔力を供給する代わりに、その性魔術を受けた少女は、僕の求めに応じて身体を委ねられることになるのだから。 
			 
			『やりましたね、マスター・・・』 
			 そんな痛快な思いの中で、サキュラからの賛辞を受け取る。 
			「で・・・、僕を愛すると言うのならさぁ、これをいつまでも放置させておくなよ・・・」 
			「・・・し、失礼・・・します・・・」 
			「お前が抱いて貰える肉棒だよ? キスの一つでもして、しっかり奉仕するもんだろう・・・」 
			「は、はい・・・」 
			 それまで気丈に振舞っていた彼女に初めて大粒の涙がこぼれた。が、念の為に部分硬化の効果はまだ残しておくことにする。用心に越したことはない。これはあくまでも前座であり、本当の本番である桜ちゃんを犯すまで、不能になどされては堪らない。 
			 奈々はゆっくりと唇をペニスに触れさせ、今度は歯も立たせずにしっかりと奉仕していく。慣れていないこともあって稚拙な手つきではあったが、今年の一年生の中でも上位であろう、美少女にフェラチオをされるというのは・・・これはこれで中々に乙なものだった。 
			 
			 そして、時計を見る限り・・・そろそろ頃合ともいうべきか。 
			「さっきの罰として、前座はなしだ・・・でも僕を愛しているって言うなら、濡れてなくても耐えられるだろう?」 
			「・・・」 
			 初めてのSEXともあって、処女なだけに恐怖感が強いらしい。だが、やはり顔を引き裂かれることに比べれば・・・だろう。 
			「だ、大丈夫です・・・は、初めてで・・・そ、の痛い、かもですけど・・・先輩を・・・あ、愛していますから・・・」 
			「ほぉ。つまり、僕を愛しているから、僕なんかに処女を捧げるんだね?」 
			「・・・は、はい・・・う、受け・・・取って・・・く、下さい」 
			 クククッ、せっかくの美形が殴打の痕と涙で台無しだな。 
			『マスター、そろそろ男を起こしましょうか?』 
			 僕は無言のまま頷いた。 
			「それは勿論、感涙の涙だよね? では、そろそろ・・・そうだな。さすがに初回から全裸は可哀想だから、パンツだけを脱いで、自分から跨るんだ」 
			 奈々は指示に従って、気重そうにショーツだけを脱ぎ取り、僕はそれを奪い取ると覚醒しつつあった荒川の前に放り投げた。 
			 
			 覚醒した荒川が最初に目にしたのは、まさに脱ぎたてのショーツであり、そして身体を自分の方に向けさせられた彼女の姿であった。絶対領域によって隠されてしまっている以上、それが彼女の物と決まったわけではなかったが・・・ 
			 ゆっくりと腰を下ろそうとしているその姿に、その絶対領域の中がどのような状態か、想像できないほど無知ではなかったようだ。 
			「な、奈々!!」 
			「お、お願い・・・み、見ないでぇ!」 
			 それは嘆願というより、哀願であっただろう。 
			「・・・こ、これからね・・・せ、先輩の・・・女に・・・して貰うの・・・」 
			 僕は彼女の背後であったから、奈々がどんな顔をしているのか解らなかったが、恐らくは荒川にも、決してそれが自ら進んで求めたものではない、ということを理解したであろう。 
			「や、や・・・やめろぉぉ!!」 
			 荒川は自慢の身体で懸命に立ち上がろうとしたが、柱に巻きつけられた縄はサキュラの魔力を帯びた魔のロープである。対となる霊力に脆いという欠点はあったが、およそ霊力のない荒川には抗いようもない事態であっただろう。 
			「三日間、三日間だけだから・・・」 
			「い、だ、だけど・・・そ、そんな・・・」 
			「ご、ごめんね・・・」 
			 クククッ、誓いをバラしちまったが、まぁ、いい。言うなとは言ってなかったし、今回は不問に付してやろうか。だが、どうだ、荒川・・・いつも、いつも見下していた奴に、自分の彼女の処女が奪われる、って・・・今の気持ちはさぁ。是非、聞かせてくれよ。 
			 なぁ、聞かせてくれよ・・・ 
			 彼女の妊娠が確定となる・・・膣内に出した後にさぁ〜〜♪ 
			 
			 膣口に先端が突き当たると、ピッタリと閉じられていた肉襞の膣内を掻き分け、ゆっくりと膣内に埋没させていく。 
			「んんっ・・・」 
			「!!!!!」 
			 それは凄い締めつけであった。僕のペニスを濡らしておかなければ、奈々の身体は本当に傷ついていたかもしれない、それほどの狭さである。そしてすぐにそれ以上の挿入を阻もうとする存在に突き当たる。 
			 これが、この女の処女膜かぁ・・・ 
			「荒川、今・・・解るか? 僕と処女膜が触れ合っているぞ!」 
			「ま、間藤! き、貴様あぁぁぁ!!」 
			 くくくっ。 
			 威勢の良さは普段とおよそ変わらないが、そこから一歩も動けないという有様なだけに、それは悲しいまでの負け犬の遠吠えでしかなかった。 
			「んっ・・・うぅ・・・」」 
			 『ぷつっ』『ぷつっ』とゆっくりと繊維が千切れるような感触。それだけでも濡れていない奈々にとっては耐え難い激痛でしかなかったことだろう。懸命にその激痛に耐え、声を押し殺している様子は、中々に健気なものである。 
			 だが、それでは余りにもつまらん・・・せっかく荒川の奴が、彼女の処女喪失となるその一部始終を凝視してくれているのである。ここはやはり盛大に、喚き散らして欲しい場面であった。 
			 僕は奈々の両肩を掴んで抑えると一気に腰を突き上げた。 
			「!!」 
			 『ぶちぃぶちぶちぃ・・・』と、荒川の耳にまで届いたのではないか、と思えるほどの衝撃が貫き、一気にその根元まで抉り込ませていく。あのサキュラでさえも悶絶させたモノである。 
			「あ、あ・・・ああぁ・・・」 
			「あ、ああ・・・」 
			 その待望の処女喪失の瞬間に、一段と荒川の表情が歪み、僕はお構いなしに腰を更に突き上げた。 
			「いたぁい、痛い・・・うぎぃ・・・いやぁぁああ!!」 
			 懸命に頭を横に振り、凄まじいまでのBGMが室内に奏でられる。無論、『固有結界』の中である。どれだけ泣き喚かれようが、その悲痛な叫びが外部に漏れる心配はない。 
			 奈々には存分に、彼氏へ処女を無事に喪失しました、と報告して貰おうではないか。 
			「ひっ、いぃ、いたぃいたい!」 
			「はははっ、荒川、中々・・・具合の良い処女の彼女じゃないかぁ!」 
			 確かにサキュラが名器と評しただけのことはある。と、言っても僕はまだそのサキュラと、この奈々以外との性交経験があるわけではなく、比較する対象が少なかったわけではあるが・・・ 
			 サキュラの温かい膣内に比べれば、奈々の膣内はまさに灼熱のような熱があり、その締めつけは余りにも強烈であっただろう。それだけに僕のほうが意外と早く達してしまいそうであった。 
			 僕は全てを奈々に突き込んだ状態で、『性魔術・感度上昇』を放つ。これは密着しているほどそれだけ効果が高くなり、まさに今、奈々の子宮の入口となろう、その部分に接触している状態である。 
			『マスターもお人が悪いこと〜♪』 
			 その効果はすぐに表れた。奈々の膣内が途端にほぐれ、次第に破瓜された鮮血以外の体液が分泌され始め、口から漏れるそれは苦痛に変わりなかったが、明らかにそれ以外の甘い喘ぎが漏れ始めていた。 
			 そして何よりも発情させた効果もあって、彼女の卵巣は、彼女の人生における初めての排卵を行った瞬間でもあった。 
			 さぁて、いよいよ、孕ませてやろうとするかぁぁ〜♪ 
			 くくくっ。荒川のその目の前で・・・なぁ。 
			 
			 夥しいばかりの(やはり、名器な身体だったと認めざるを得ない)濁流を奈々の一番奥に注ぎ込み、その最後の一滴までも惜しむように送り込んでいく。 
			「・・・」 
			 重なりあったまま、痙攣するような二人のその姿に、絶対領域によって覆われていたのにも関わらず、荒川にも僕が彼女の膣内で果てたのだと理解したのであろう。 
			 そうだよ、荒川・・・お前の予測は間違っていないぞ。 
			 その瞳が驚きによって見開かれ、次第に怒りへと変わっていくのが、僕には何とも心地よかった。 
			 
			 奈々の妊娠を確実なものにするべく、僕は三度に渡って奈々の身体を犯し続け、それと同じ数だけの射精を彼女の膣内に注ぎ込んだ。もっとも最初の膣内射精によって、既に彼女の子宮内では受精卵が形成されており、その時点でもう妊娠は揺るぎない現実ではあったのだが・・・ 
			「まぁ、予行練習としては、まずまずの身体だったな」 
			「よ、予行・・・れ、練習・・・?」 
			「ああ、そうさ。光栄に思えよ。あの桜ちゃんをレイプする、その予行練習の相手を務められたのだからさぁ・・・」 
			「そ、そんな・・・」 
			 その僕の言葉に、奈々のプライドはズタズタにされたようであった。あくまで練習台として、自身の処女が奪われたのであるから、それも当然の反応ではあろう。 
			 
			 僕は呆然とする奈々の身体を煩わしそうに押し退け、処女喪失だけでなく、三度に渡る(しかも妊娠確定となる)膣内出しをまざまざと見せつけてやった哀れな彼氏に詰め寄った。 
			「と、いうわけだ。誇っていいぞ。中々に良い具合の処女だったからなぁ・・・」 
			「くっ・・・」 
			 覚醒した当初に比べて、荒川の威勢が削がれているのも無理はない。彼女の初めてとなる処女を目の前で散らされ、しかも二度目・・・三度目には、レイプされているはずにも関わらず、明らかに奈々が感じ始めていたのは、この荒川にとってもショックであったことだろうから。 
			 まぁ、『性魔術・感度上昇』のおかげではあったのだが、それをわざわざ荒川に教えてやらなければならない義理はない。 
			「安心しろよ。三日間、たっぷりと犯し抜いてやるからさぁ〜」 
			 もっとも三日間もあの調子で犯され続ければ、この女は僕のチンポ無しでは生きていけなくなる・・・間違いなく、僕の牝奴隷第一号になることだろう。 
			「お、俺が・・・悪かった。も、もう勘弁してくれ・・・」 
			「!」 
			 その言葉には、僕も心底、驚かされた。 
			「へぇ。あの荒川クンが僕に侘びを入れるんだぁ・・・こいつは驚きだぁ」 
			「・・・」 
			「そんなに彼女が愛おしくって解放して欲しい、っていうならさぁ、まず百万は用意して貰おうかな・・・」 
			 僕がそんな条件を出したのには、いくつかの理由があってのことだ。 
			 まず金銭的な問題のこと。勿論、サキュラや僕が魔力を用いれば、幾らでも容易に稼ぐことは不可能ではない。が、今は余り目立った行動は控えておくべきであったし、何より、この荒川はこの京都でも有名な富豪の一人息子でもある。 
			 また二つ目の理由には、僕らには・・・正確には、僕が桜ちゃんの『聖杯』を求めている以上、三日間も悠長に使っていられない、ということが最大の理由であっただろう。 
			「財布の中にあるカードの口座に、五百はある。暗証番号は7777だ・・・全部くれてやるよ・・・」 
			 なるほど、7777ね。僕は思わず冷笑していた。 
			「いいだろう。もう一つの条件を果たしてくれたら・・・お前の7777、この奈々奈々を返してやるよ。くくくっ・・・」 
			 
			 
			 
			 私がマスターに進言したそれ(もう一つの条件)は、明日にでも中川桜を呼び出させることであった。 
			 
			 いきなりの初手で、実力未知数の水無月光一を呼び出すより、まず先に巫女である桜を呼び出させ、これを奇襲でもって身柄を確保する。当然、巫女の危機を霊線によって察知した剣士、光一が駆けつけてくることになるだろうが、既に桜の身柄を人質として確保している以上、容易なまでに武装解除(無力化)させることが可能だと思われたからだ。 
			 その上で巫女に・・・桜に告げればいい。 
			 光一を助命する条件として、マスターに『聖杯』を差し出せ、と・・・恐らく、マスターの記憶にある桜の性格からして、この条件を拒むことはできないだろう。 
			 だが・・・ 
			「いいわ。桜を呼び出す役は、私がやる」 
			 その場に居る全員が驚き、先ほどまで茫然とするばかりであった少女に注目した。 
			「な、奈々、お前は何を言って・・・」 
			「裕二は黙っててぇ!」 
			 先ほどまで、桜の練習台として処女を散らされたのだと知り、唖然としていた様子が嘘であるかのように一喝する。 
			「私が先輩に協力する。その代わり・・・絶対に、桜もレイプしてぇ!」 
			「・・・」 
			「あの娘も、めちゃくちゃにしてよぉぉ・・・」 
			 その奈々の思考を正確にトレースして、なるほどと思った。 
			 確かにこの白雪奈々と中川桜の、二人の関係は親友であっただろう。だが、奈々にとって初恋であり、今でも彼女の本命は水無月光一にある。そしてその光一の巫女として、突如として桜が現れ・・・今では唯一無二の彼女として交際を開始させたのだから、まさに恋敵である奈々にとって面白い事態ではなかったことだろう。 
			 まして自分は、その桜をレイプする練習台として犯された、とあっては。 
			『マスター、これは嬉しい誤算でしたね・・・』 
			 異性である荒川の呼び出しよりも、同性である奈々のほうが確かに、これ以上にない適任者であっただろう。 
			 
			 こうして作戦はあらかた定まった。 
			 およそ考えられる限り、完璧な作戦であると思われた・・・が、常に事態は予測を越えるものであり、決して油断するつもりはなかった。 
			 だが・・・ 
			 私は出産したばかりのマスターとの男児、長兄『スティール』と、その双子となった長女となる『クレア』を抱き寄せる。 
			 マスターが望んだ『聖杯』を手に入れる日も近い。 
			 それ故に一抹の不安が私の脳裏に過ぎらずには居られなかった。 
			 
			 マスターが桜なる巫女を手に入れたとき・・・ 
			 その時・・・私はお役御免、となるのだろうか? 
			 
			 私は・・・ 
			 そして、この子達は・・・ 
			
  
			
			→進む 
			
			→戻る 
			→退魔師☆巫女物語のトップへ
 
		 |