第五話・裏【 真実、そして・・・ 】


 水無月家の長老であり、そして現当主である光源様に俺は許されて、俺は俺の(光一から桜を寝取るという)目的で、光源様はあくまで水無月家の復権という理由から、共謀することになった。

 光源様の孫である水無月光一は、もうすぐ十五歳となる・・・俺より五つ年下の若者であり、共に幼少の頃から同じ道場で剣術を学んだという関係もあって、これまでは仲の良い兄弟弟子であり・・・少なくとも俺には、恭敬するだけの存在であっただろう。
 その光一の巫女となった中川桜は、まだ今年で十二歳となったばかりの美少女であったが、彼女はあらゆる意味において、およそ普通の十二歳の少女たちとは異なる存在であった。
 まず人間的な外見からして、まるで芸術品と表現するしかない美しさに健康的な肉体を併せ持ち、十二歳にしては小柄な、胸の発育の貧弱なそれも・・・決してマイナス要素ではなく、全てがバランスの取れた身体とは思う。
 まして俺の長年における感が告げている。あれはきっと・・・極上のマンコの持ち主だ、と!!
 基本的に全ての巫女は、仕える剣士に捧げる『聖杯』と呼ばれるだけの身体(名器)を所持しているのだが、その中でも桜の身体は、格別な何かを感じるのであった。
 あのくびれのある腰の、その膣内を想像するだけでもイキそうだぜ。
 そして巫女としての素質・・・光源様の調べでは、現時点においてはともかくとして、十二歳にしてあの霊力の強さ(使役する精霊の多さ)だけに限ってみれば、十二歳時の現時点においては巫女史上でも類がないという。
 一日として欠かさない巫女修業の健気さ。そこに精霊(俺には精霊が見えないし、感じ取れないが・・・)たちも安住するのではないだろうか。
 さすがは俺の眼鏡にかなった桜である。
 その桜を抱く・・・水無月家の当主より、抱くことが許されたのである。無論、光源様の言葉には忠実に従う、という条件はあったものの・・・


 そんな俺は光源さまの持つ、一枚の退魔師スクロールを見せられた。
「光源様、これは?」
「ふふふっ。まぁ、黙って見るが良い」
「はぁ・・・」
 俺は頷いて、強制不可避とも言われる退魔師スクロールを開いた。
 宛名は光源さまであり、差出人は鳳駆・・・退魔師家の名門であり、あの十二師家に数えられる退魔師家の当主である。年齢は確か四十七歳ぐらいだったような気がする。
 そしてこの退魔師スクロールには、中川桜の巫女排斥を条件に、光一には新たな巫女・・・その鳳家の御令嬢が与えられることが確約されていた。
「何で、この鳳駆は・・・こんな条件を・・・」
「ふぉふぉふぉっ。知りたいかぁ・・・」
 京都を拠点とする水無月家の光源様も、さすがにそれほど東北の事情に詳しいというわけではなかったが・・・

 退魔師家でも名門と呼ばれる『十二師家』は、大きな勢力を持っており、霊脈に限りがある以上・・・他の名門と凌ぎを削っている状態である。その中でも、とりわけ東北の南部家と鳳家とでは、敵対とはいかなくても、険悪な関係なのは、退魔師界でも有名な事実であった。
 その南部家の勢力図で南端に位置するのが、桜の実家である中川家であり、当然に鳳家とは深い因縁があったしても不思議ではない。
 またその鳳家の当主、鳳駆(47)が桜を自身の巫女として求め、中川家の当主・中川将臣がこれを即断で突っ撥ねたという・・・そんな噂も一時期には世間を賑やかわしたらしいが、どうやらその噂も、全くの虚言ということではなさそうであった。
 良くやったぞ・・・中川将臣、とやら!
 桜を抱く、俺のために・・・
 光源様の説明を聞きながら、俺は見も知らぬ桜の父親に心から感謝した。
 その将臣とやらの想いに報いるために、桜にはたっぷりと俺の愛情を膣内に注いでやらなければ、俺の男が廃るというものであろう!

 何故に四十半を過ぎた男が、桜の身柄を求めたのか・・・それは光源様にも定かではないらしい。ただの政治闘争(この場合は退魔師闘争か?)としての人質 としてか、もしくは桜の容姿に・・・またはただ純粋に巫女としての素質を買ってのことであろうか・・・そこまでの邪推はさすがに無粋というものであろう。 鳳家には鳳家の、水無月家には水無月家の事情というものがそれぞれにあるものだ・・・と、言うのが光源様の感想であった。
 残念だったな、おっさん(鳳駆のこと)
 桜のマンコは俺のモンだぁ!
 まぁ、あんたの無念も解る。だから・・・あんたの無念の分まで、たっぷりと桜の膣内を・・・その隅々までじっくりと味わってやるよ。

「まぁ、どんな事情であれ。退魔師スクロールでの誓約がなった以上、鳳駆はこの約定を違えることはできん」
「このことを光一の奴は・・・」
「無論、知らん・・・が、桜がお前に抱かれて、お前に寝取られてしまえば・・・光一とて、新たな巫女を求めるしかあるまい」
 確かに一度だけでも桜を抱けるなら、俺には女を確実に堕とす、それだけのテクには自信があった。この俺に口説き落とせなかった女が居るとしたら、それは初恋であった水無月志穂・・・光源さまの孫娘であり、水無月家の巫女ぐらいであろう。
「・・・」
「安心せい。桜を確実に堕とす助力は儂も惜しまぬ」
 俺は頷きながらも、また同時に覚悟を決めていた。
 もし、桜を抱き・・・それでも彼女は、光一を選ぶというのなら・・・俺が桜を抱く大義名分は、あくまでも桜の巫女の立場からの解放である。光一への想いを胸に秘めながら、巫女であるだけに我慢をする彼女の心を救ってやらねばならない。
 だが、一度抱く・・・と決めた以上、俺も、桜を光一から寝取ることに関しては、己のプライドをかけて全身全霊をかけることにする。

 その時は・・・光一、悪く思うなよ。
 あくまでそれは、桜本人が決めたことなのだから・・・


 そして俺は光源様の言葉に従い、午前中のうちに本邸に赴き、桜の部屋から全ての下着を回収し、俺の所持品として持ち帰ることが許された。
「それが欲しかったのであろうぉ?」
「はぁ・・・」
 少女の下着が欲しかったわけではなく、あくまで桜の下着が欲しかっただけであり、また俺の唾液が染み込んでしまった後となっては、それももはや別物であった。
「できれば、桜が身に付けていた直後のが・・・」
「それも心配には及ばん。それを回収させる機会ぐらい、いくらでも作ってやるわぁ・・・」
 光源様は哄笑したまま、この後、俺とある人物を引き合わせるということであったので、俺はスポーツバッグ一杯に桜の下着を詰め、本邸を退出する。


 光源様に連れられて赴いた先は、水無月家の代々が眠る墓石の前であり、そこに刻まれた一番新しい名前は、俺にとって初恋となった少女の名前であった。
「志穂を好いておったお主とて、全くの無関係な相手ではなかろう」
「?」
 正直、光源様が俺の気持ち・・・志穂への慕情に気付いていたことにも驚かされたが、その彼女絡みで関連する人物といえば、俺には彼女の弟の光一ぐらいしか思い浮かぶことはなかった。
 だが・・・確かに、もう一人・・・居たのだ。
 風来坊な外見のため、年齢は定かではない。ただ三十代以上であろうと思われた。だが、長身である俺よりも更に背が高く、そして俺の三倍はあるだろう体 重・・・そこにあるのは贅肉ではなく、全てが筋肉によって覆われており、門下生である俺でさえ、相手が只者ではないことを悟ることができていた。
「やはり、志穂の命日となる今日、ここに来ておったな・・・宍戸誠人よぉ」
「し、宍戸・・・誠人・・・」
 俺は愕然とせずには居られなかった。
 初めて見る大男であったが、俺はこの男を知っている・・・い、いや知っているなんてものじゃない。
 こ、こいつは・・・志穂の・・・

「止せぇ、刹那!」
 思わぬ静止の言葉に、俺は辛うじて踏み止まった。
「儂らが束になってかかっても、歯が立たぬ!」
 まだ門下生でしかない俺はともかく・・・元退魔剣士である光源様でも?
 い、いや・・・それ以上に、何故、光源様は・・・志穂の剣士である宍戸誠人を前に平然として居られるのであろうか・・・

 この宍戸誠人という剣士は、俺の初恋の相手・・・巫女であった志穂をレイプし、死に至らしめた男のはずであった。当然、当時の俺でさえこの男に憎しみを抱き、殺意さえ覚えた相手でもある。
 それなのに・・・何故?



「先に来ておったか・・・」
 儂は志穂の墓前で佇む巨漢と並び立ち、一顧もしない男を一瞥する。
 宍戸誠人という男は、退魔剣士最強の名に相応しい風格と実力を兼ね備えた豪傑でありながら・・・多くの退魔巫女を犯し・・・レイプした剣士であった。
 退魔師結社の調査においても、これまでに宍戸によって(無論、儀式外となるため、巫女能力剥奪となる)レイプされた巫女の数は、優に三桁は越えるものと 思われる。だが、その他の追従を許さぬ類希なる武勇と、その特異な生誕の秘密からしてが、彼の不幸であった・・・と、言わざるを得ない存在でもあったの だ。


 父親の名は宍戸家の当主、宍戸猛人という、それはまさに当代随一の豪傑であった。確かに退魔剣士としての武勇と、退魔師としての名声を得た一大英傑ではあったのだが、何分と気性が荒い上に無類の女好きとして評判であり、そしてまた、とにかくにも酒癖が悪かった。

 それは宍戸誠人が生誕する前年のこと・・・
 この宍戸家において、見習いに叙された若き剣士が養子入りし、結社からの選定によって、沖縄でも島一番と評判の、一人のうら若き美しい巫女が与えられることになった。その巫女の名を比嘉寛子(当時十四歳)。
 それだけに酒宴は盛大に行われることになったのだが・・・ここで酔ってしまった猛人は、何百人という門下生、見習いや宍戸家の退魔師の目の前で、この若き剣士を打ちのめし、その巫女を犯してしまったのである。
 無論、巫女の剣士でもなければ、抱く資格も持たない猛人ではあったが、彼にはそんな巫女の身体の理などを意に介さない『バージンブレイカー』があった。
 この『バージンブレイカー』は、別名で「万能男性器」とも呼ばれ、古の退魔師が自らの一族に授けた秘術であった。これにより、宍戸家の血を受け継ぐ男児は、その巫女を抱く資格がなくとも、その巫女が所持する『聖杯』を味わうことが許されたのである。
 かくして、若き剣士の未来を祝うはずであった盛大な酒宴は、その当主自らの手によって、陰惨とも言うべき公開レイプ現場と化してしまったのである。理性 ある他の者も、当主の怒りを恐れて口を閉ざし、当主の行為を容認・・・恐らくは・・・うら若き美しい巫女が、つなげたばかりの霊線を断ち切られ、激痛によ る号泣によって破瓜されていく光景に、揃って鼓舞したのではなかろうか・・・
 酔いから醒めた猛人も、少女(既に巫女ではない)の肢体を見て、さすがに青褪めたものであったが、とりあえずその若き剣士には、新たな巫女と次の家督を譲る、という約束で、この比嘉寛子の身柄を譲り受けることにしたのである。
 その少女が破瓜された際の性交によって身篭ったのが、宍戸誠人であり、彼は父親譲りの体格と武勇、そして出産の際に力尽きた母体からは、膨大な霊力の素質を受け継ぐ、という・・・まさに稀有な存在の剣士となった。

 だが・・・
 それは宍戸誠人が五歳のとき、父親である猛人が亡くなると、公約の遺言通りに、母親の剣士となるはずであった若者が宍戸家の当主の座に着任。それですぐ に幼い誠人への悪質な嫌がらせが始まったわけではなかったが、その余りある武勇も併せて、彼は次第に宍戸家で孤立するようになっていった。
 そして最初の一幕となるのが、誠人の巫女の召し上げ・・・かつてその当主が猛人から受けた仕打ちを、そのまま誠人にも強いたのであった。
 無論、その当主は養子である以上、『バージンブレイカー』は受け継がれていないため、相応な激痛を受けることになったのだが・・・一度、巫女を破瓜してしまえば、『聖杯』とされたころには遠く及ばないものの、それでも十分な名器を持つ、ただの元巫女となるのだ。
 それからは存分に、その名器で楽しんだことであろう。
 これが二回も続けられれば、どんな男であろうとも・・・相手が自家の当主であろうとも、怒り果てることであろう。故に当主は誠人に約束したのだ。決して三人目には手を出さない、と。


 かくして、退魔師結社から(この時点では)疑問視されながらも、誠人には三人目となる巫女が与えられることが許された。
 まだ当時では退魔戦争における傷跡が癒えておらず、巫女に比べて退魔剣士のほうが圧倒的に貴重な存在であった世情もあっただろう。
 その誠人(当時23)が三人目に得た巫女こそが、水無月家の唯一の巫女であり、儂の孫にあたる水無月志穂(当時12)であった。

 既に誠人は現時点で退魔剣士であり、志穂も自動的に、巫女見習いから退魔巫女に昇格を果たすことになったが、妖魔の駆逐、魔族残党における掃討戦ともなる危険な依頼となると、まだ幼すぎた志穂を巫女として連れ出すには、さすがに躊躇われたのであろう。
 そもそも誠人自身、霊力が巫女クラスに匹敵する強さであり、志穂を邸宅に置いたまま、単身で依頼をこなす日々が続いた。

 予想以上に抵抗が激しかった、という魔族掃討戦から帰還したばかりの誠人に待っていたのは、宍戸家の退魔剣士、見習いを含めた門下生・・・三百二十余名 によって輪姦された、志穂の無残な姿であり・・・その光景を上座から見届けるように黙認した、当主である男の姿であった。
「お、俺は、お前との、や、約束通り・・・手を・・・」
 もはやそのような言い訳が通用する、精神状態ではなかった。一刀の元に当主を惨殺すると、誠人はその場に居合わせた宍戸家の全員(退魔師4組、見習い6組、門下生ら三百余名)を皆殺しにしたのである。

 こうして宍戸家の長い歴史は閉ざされた。唯一に生き残りである誠人は精神に破綻をきたした志穂を連れ、旅に出ようとしたものであったが・・・志穂は宍戸家のその場において自らの生命を絶ってしまった。
 巫女として生まれ、巫女として厳しい巫女修行を自らに課し、巫女として何一つ行うことなく、巫女としての能力を理不尽に奪い去られてしまったのである。
 三百人以上による死体の山に囲まれ、一人の美少女の遺体を抱き、宍戸誠人は生まれて初めて号泣した、と儂は聞かされたが・・・その真実は定かではない。
 ただ退魔師結社にとっては、この宍戸家の全滅となった所業は明らかに退魔師家の不祥事であり、水無月志穂の死因は、剣士であった宍戸誠人による暴行によるものとして処理され、誠人もその虚実を甘んじて受け入れたのである。



「そ、そんなことが・・・」
 俺は今まで、退魔師結社からの報告によってのみでしか、志穂の死因を知ることはなかった。い、いや・・・俺だけではなく、水無月家に居る全員がそうであろう。
「儂とて、志穂に精霊の監視を送っておかねば、解からんかったじゃろぉ」
「・・・」
 その濡れ衣を着せられた男は黙ったまま、肯定も否定もしなかった。
「その、志穂の剣士であったお主だからこそ、頼みたいことがある・・・」
「・・・」
「今、儂の水無月家には、志穂と同じ年齢となった巫女見習いがいるのじゃが・・・が、巫女と呼ぶには、余りにも素質が無さ過ぎてなぁ・・・」
 俺は、光源様の言葉に唖然とした。
 今の水無月家に居る巫女は、唯一に中川桜だけしかおらず、彼女の巫女としての素質は、現在はともかく十二歳という年齢では・・・
「お主から、巫女としての引導を渡してやってくれぬかのぉ・・・」
 再び、俺は愕然とした。
 巫女として引導を渡す、とは、紛れもなく処女喪失をさせることであろう。だが、桜を犯す・・・レイプするのは、俺の役目であったはず。
「刹那、お主の言いたいことは解っておる・・・が、桜から巫女能力を奪う役だけは、別の人物でなければならんのだ」
「・・・」
「それとも刹那。お主が桜の巫女能力を喪失させ、光一から完全に寝取った、としても、お主はそれからも水無月家のために・・・その光一を支えていけるのか?」
 よくよく考えれば、無理だ、と思った。
 確かに光一にとって、桜が俺に寝取られた、という結果は、桜本人による選択によってであり、俺にも弁明できる余地はあろう。また桜の意思によって、俺に処女を捧げる、というのならば、また話は違ってくるが・・・
 桜の巫女能力を奪った(霊線によって、それは剣士にも解るだけに)その直後、それが俺であり、またレイプによるものであるとしたら・・・光一は絶対に俺という存在を許さないだろう。
 恐らく、殺されるな・・・

「そこでお主に頼みたいのじゃ・・・」
「・・・その、剣士は水無月光一、というのだな」
「左様。儂の孫であり、志穂の弟じゃよ・・・」
「・・・」
 俺はその宍戸誠人の躊躇う様子に意外と思った。
 俺の知る宍戸誠人という男の経歴は、これまでに三桁にも及ぶであろう、巫女をレイプしてきた、曰くつきの退魔剣士であるはずだった。その事実は光源様も断言しており、また宍戸もその事実を否定はしないことであろう。
 ただ俺が誤解していたのは・・・宍戸は当初の目的から、巫女をレイプしていたのではない、ということであろう。あくまでも手合わせした剣士に敗北を刻む 込むため、宍戸はその巫女を犯してきたのではなかろうか・・・まるで、自らの所業を悪と知り、それの断罪を処断してくれる剣士の登場、その成長を促す意味 も含めて・・・


 暑い日差しの陽が昇りきり、今日が志穂の命日であった、その故人の墓から離れ、そのまま宍戸誠人と無言のままに別れた。
 正直、その宍戸誠人の生き様を俺は凄いと思ったし、また尊敬もした。
 だが、それでも・・・
 俺には桜の処女は惜しかった。
 桜の初めてとなる処女を奪い、その膣内に最初に精を注ぐのは、中川将臣の想いを汲み、鳳駆の無念も受け取った俺だけに許された特権ではなかったか?
「こ、光源様・・・言い付けを破るつもりではありませんが・・・」
 絶対服従は、一番の最初に交わした条件である。
「もし桜が、俺に処女を捧げる、と・・・言わせることができましたのなら、そのときは・・・」
「無論、そのときは光一とて、異論はできまい・・・」
 ひとまず安堵の溜息をつく。
「では・・・」
「うむ。そのときの桜はお主の女じゃ・・・好きなように破瓜し、好きなだけ抱くが良いわぁ・・・まぁ、なるべく、そうなるように儂も手を尽くしてやるつもりじゃが・・・」
 承諾が得られたとあって俺も頷いた。そのときは桜の身体を・・・処女をたっぷりと味わい、破瓜した後はガンガンに突いて、桜の膣内には消化しきれないほどの精液を注ぎ込んでやる!
「・・・そのためにも、刹那・・・お主も少しぐらいは霊力を身に付けんことにはなぁ・・・」
「・・・」
 霊力を身につけて・・・桜の膣内に一杯、注いでやるぞぉ!
 嫌よ、嫌よも好きのうち、とは誰の言葉であったか・・・



 水無月家に帰宅した俺は、まず光源様の直接指導のもとで、早速霊力を身に付ける修行が開始された。(霊力だけを身に付けるだけなら、巫女の修行のほうが適している、ということもあり)およそ巫女修行の真似事である。
「・・・」(俺の桜、と呼び捨てにするのは・・・まだ早かったかもしれない)
 あの桜ちゃんでも毎日やっていることである。男である俺ならば簡単なものだと、高を括って侮っていたことは認めざるを得ない。
「・・・」
 も、もう動け・・・ない・・・
 正直、呼吸するのも困難な、凄まじく疲弊した状態であった。
 こ、これを毎日・・・

 退魔師家には必ず一つ、霊脈と呼ばれる場所を管理して保管している。ここは(降臨儀式などを含む)儀式を行う力の源であり、傷つき消耗した精霊が休み、そして生まれて、そして死していく特別な一帯である。
 無論、自然だけのそこに明かりなどもなく、空気は澄んでいるものの非常に希薄。そして何より異常なのは・・・この重力場だった。
 ここに巫女は毎日、使役している精霊を癒すため、そして新たな精霊と交信をするために、この自然なる山道を駆け回って、精霊の休息地の手入れなどを行わなければならないのだという。
 そ、そんな馬鹿な・・・
 俺はその霊脈に入って僅か数歩・・・それだけで既に体力の底が尽きようとしているぐらいである。
「霊力を身に付ければ、幾分かは楽になる・・・」
「れ、霊力・・・」
 光源様の言葉は、これまでに光一や他の剣士見習いからも聞かされたことではあったが・・・だが、俺にはその肝心となる霊力がなく、また精霊を感知することもできないでいる。その素養が全くないのかもしれない。
「・・・」
 こ、これまで巫女修行という言葉、それだけで全く・・・きょ、興味を示さなかった・・・お、俺であったが・・・
 意識が遠のき、俺はその場に崩れ落ちてしまっていた。

 なぁ、光一・・・お前は知っていたか?
 これほど過酷な、修行だったのだと・・・
 なぁ・・・光一・・・


 俺の目が覚めたとき、そこは別邸の光源様の住居であった。
「やっと目が覚めよったか・・・」
「も、申し訳ありません」
 光源様が意識のない俺をここまで運んでくれたのであろう。
「もうすぐ夕刻になる・・・そろそろ、光一の奴が帰ってくる頃じゃが・・・どうだ、体は動かせる程度の体力は戻ったか?」
「・・・」
 夕刻まで休んでいたこともあり、体力も幾分かは回復したようであった。
「じゃが、お主にはやはり霊力の素養は・・・」
「・・・」
 その改めて告げられた事実は確かにショックではあったが、それ以上に衝撃だったのは、霊脈と呼ばれる場所があのような場所であり、巫女修行が・・・桜ちゃんが毎晩毎日、あの場所で行われていたことであろう。
 光源様は「霊力があれば幾分・・・」と言われた。そして、桜ちゃんの日記には、巫女修行に割ける時間は約二〜三時間・・・ちなみに一日の睡眠時間も二〜三時間程度でしかない。
 どれだけ効率よく、また最短距離を覚えたとしても、過酷なことには変わりはないだろう。
「まぁ、そなたを退魔剣士にするための代案は、まだある・・・」
「!」
 その光源様の言葉を疑うわけではなかったが、俺は仰ぎ見るように水無月家の当主を見上げた。
 こ、こんな俺でも退魔剣士になれるのか!?
「それよりもそろそろ、光一が先に帰ってくると申したろう?」
「は、はい・・・」
 俺は頷く。
 光一は金曜日から、高山家の『降臨儀式』の立ち会い(正確には、巫女見習いである桜ちゃんが助産師として召喚されたからであったが・・・)によって留守にしていた。
 俺もまだ『降臨儀式』というものを直に見たことはなく、光一にはその感想を聞いてみたいものだな・・・と思ったものである。
「・・・桜の荷物も、光一が所持しておるぞ?」
「・・・あっ!」
 俺はようやく、光源様の言葉の意味を正確に理解した。
 再び例の合鍵を使って本邸に忍び込む。既に本邸の鍵によるセキュリティと合鍵の一致は、金曜日の日・・・あの光源様と結託した日に実証済みである。
 そしてそれから僅かに三十分も経過したぐらいであろうか、光一が玄関を開けて大きな荷物を玄関先に下ろすと、そのまま再び鍵をかけて外出していく。恐らく光源様が上手く呼び出してくれたのであろう。
 俺は即座にその玄関先まで足を運び、大きな荷物を順次に開いていき、その目的のものであった、洗濯前の桜ちゃんのショーツ、ブラなどを手に入れた。
 いい匂いだ・・・
 霊脈での情けなさ、巫女修行の過酷さに打ちのめされていた俺にとって、それは癒しの香りであっただろう。
 こんな俺でも退魔剣士になれる・・・
 そして、桜ちゃんを抱いた後・・・桜ちゃんが俺を選んでくれたのなら、この癒し香りの持ち主は・・・俺だけの女になるのだ。自然と股間がみなぎり、自らのポケットに桜ちゃんの下着をビニールに包んで押し込む。
 すぐにオカズとして使ってしまうには、貴重すぎる戦利品であった。


 それから間もなく、俺は光源様に呼び出され、光一とすれ違うように別邸に辿り着くことになった。
「まず、お主の覚悟を再確認させてもらおうかのぉ・・・」
「はぁ? 覚悟とは・・・」
 既に俺の決意は・・・桜ちゃんを寝取るための覚悟は申し上げておいたはずなのだが。それは再確認とは・・・?
「お主にはこれから、これを飲み込んで貰う」
 それは小さな化石なようなものであった。
「ただし、先に言っておくぞぉ・・・今夜は地獄のような苦しみを味わうことになるじゃろうぉ」
「・・・」
「そして儂の計画でも、これより数日は眠れなくなる・・・それほどに過酷なものになろうぉ・・・それでも、桜のような小娘如きを抱くために、お主はこれを受け入れられるのか?」
 俺は頷き、そのビー玉ぐらいの石を受け取る。
 あの桜ちゃんが抱けるのであれば・・・これぐらいの石など・・・
「噛み砕いてもいかん。丸呑みするのじゃぞぉ!?」
「解りました・・・」
 俺は光源様の言葉に従い、それを丸呑みする。
「ゴクリっ・・・」
「お主が今、飲み込んだのは、精霊石と呼ばれる・・・精霊が現界したまま、結晶化したものだ。これにより、僅か数日間ではあるが、お主の身には霊力が身につくことになろう・・・」
「・・・」
 その精霊石を飲み込んでから数秒、俺の身には何一つ変わったところは見受けられない。
「なん・・・に・・・う、ぐぁ・・・」
 その時だった。
 『ドックン』と心臓が途端に高鳴り、急速に灼熱のような熱と胸の内側から込み上げてくるような衝動の波動。
「うがぁぁぁ・・・くぉぉぉおおおおか・・・」
「吐き出すでない。それを全て受け止めてみせよぉ!」
 まず目の前が真っ赤になり、まるで自分の瞳が焼かれているような錯覚を覚えた。その場にのたうち回りながら、既に俺には光源様の言葉に頷く余裕さえなかった。
「桜を抱く・・・そして寝取る、貴様のその覚悟が今、試されておる!」
 懸命に口を塞ぐ一方、まず目から、そして次に耳、更に鼻腔から鮮血を吹き出し、恐らくは股間、ケツからも吹き出した血で汚したことであろう。
 俺は即座にポケットから、ビニールに包んだ桜ちゃんの下着を取り出す。
 さ、桜ちゃんを抱く・・・寝取る・・・そ、そうだ。これはそのための試練だ。それならば、こ、これぐらい・・・
 だが、俺の地獄のような時間はまだまだ終わりそうにない。いや、始まったばかりであろう。
「ほれ。これが今、入浴する際に小娘が脱ぎ捨てた下着じゃ・・・まだぬくもりがある。懸命に耐えるお主への、桜からの贈り物じゃてぇ・・・」
 俺はそれを受け取ると、確かにまだ脱いでからまだ間もないのだろう。桜ちゃんの芳香な癒しの匂いが俺の苦痛を僅かに和らげる。
 例えそれが、気休めだと解っていても・・・

 それから僅かに数分・・・俺は不思議な感覚の中にいた。今も耐え切れないほどの激痛を、体のほうは感じてはいる。が、痛くはない・・・いや、痛覚が麻痺しているような感じであった・・・
『こ、これは・・・お、俺は生きているのか?』
『左様。死んではおらんな・・・』
『光源様・・・し、しかしこの感じは・・・』
 まるで幽体離脱をしたかのようであった。
『余りの激痛に、お主の脳が痛覚をストップしたのじゃろう・・・が、これはあくまで一時的なもの・・・すぐにも現実に戻ろう』
 そうか、と俺は心の中で頷く。
 だが、これが桜ちゃんを抱く、その試練・・・ならば・・・
「ぐあぁぁぁ・・・」
 再び痛覚が戻ったのだろう、耐え難い激痛が俺の全身を襲っていた。
『じゃが、もう一つ・・・ここでお主の思念が辿り着いた、ということは、お主の身にも霊力が身に付き始めた、ということであろう』
 もっとも、それは数日だけの限定的な霊力ということであったが・・・すなわち光源様は、霊力の素養が全くない、俺のために・・・その俺が桜ちゃんを抱けるように、と、とりあえず擬似的な、即席の退魔剣士見習いという俺を作ってくれたのであろう。
『ふむ。苦しみだけでは哀れじゃなぁ・・・どれ、桜を監視しとる儂の精霊を貸してやるとするか・・・』
 光源様の指が俺の額に触れると、俺の視界に・・・光源様の精霊の視界を通して、その光景が俺の視界に広がっていく。
『この精霊は一際最上位の精霊じゃ・・・桜の膨大な精霊たちでも探知される心配はないぞぉ・・・』
『お主のその試練の果てにして得られる肢体じゃ・・・存分に今から拝んで見るのも良かろうぉ・・・』
『試練の果てに得られたのが、こんな・・・みすぼらしい貧相な身体でも、今更キャンセルはできぬぞぉ?』

 全く揺れない貧相な胸でも、瑞々しいまでの肌で水滴を滴らせ・・・
 一応、その頂上には、申し訳程度に君臨する小さな桃色の乳首・・・
 くびれがある腰も裸体となれば、更にほっそりとしていて・・・
 毛が全く生えておらず、固く閉ざされた・・・パイパンおマンコ・・・
 開脚しても尚、縦筋の固く閉ざされた・・・そこには・・・
 そこには光一だけに許された、桜ちゃんの『聖杯』があり・・・
 桜ちゃんの初めてとなる、その象徴・・・処女膜が・・・

 俺は激痛に苦しみ、のたうち回りながら・・・桜ちゃんの肢体を眺め続けていた。

 ぜ、絶対に犯してやるぅ!
 あ、あれは俺のモンだぁぁぁ・・・

 あれは・・・俺の・・・


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