【 第二 話 】

  『 失われる無垢 』


 なんという僥倖であろう。

 これぞ強運と言わず、何と言うべきか。

 一番の最大であった難関、歩く化け物が負傷した。

 一人のときならいざ知らず、亜子ちゃんの身を庇って。

 まぁ、当然か・・・

 俺様に抱かれるための、大切な身体だもんなぁ〜♪

 ご苦労。ご苦労・・・

 映像に映る怪我の具合の見ても、まぁ、重傷。

 とりあえず、生命に別状はなさそうだが。

 だが、最低でも、数日は動くこと不可能と思われた。



『し、静馬・・・』

 頼りない光源から、負傷した静馬を横たわらせる。

『も、申し訳ありません・・・』

『よ、横にならないとダメだよ!!』

『いえ、これぐらいの痛み、慣れてます』

 空恐ろしい言葉が少年の口から洩れた。

 これぐらい? しかも慣れている、ときた。

 実際に静馬は平静を装いながら、本当に立ち上がった。

 流れ落ちる汗の量は誤魔化せないが、

 表情はまさに淡々としたものだった。

『な、慣れているって・・・う、嘘・・・』

 どれほど過酷な日々を過ごさせていたのか、明白だった。

 父様が? それとも母様か?

 それとも、自分が、か!?

 そんな静馬に亜子も涙を浮かべずには居られなかった。



『あ、いや。普通に、ト、トレーニングの賜物ですよ!?』

 確かにあの化け物じみた数値は、異常さを物語っている。

『何より御嬢様が怪我されるより、気分的に楽ですよ』

『・・・・』

『私・・・もう、藤宮家の御嬢様でもないのよ?』

『・・・・それでも僕にとって、御嬢様の大切な御身体です』

 おう、おう、言ってくれるじゃないのぉ。

 まぁ、俺様に抱かれる大切な身体にゃ違ぃねぇか〜♪

『御嬢様じゃないの、もうただの女の・・・』

 俺様の女、俺様だけの『専用肉壺』だけどなぁ〜

『だから、無茶だけはしないで・・・』

『・・・解かりました』

 けっ、いけ好かない小僧だぁ〜

『それよりも、先ほどの衝撃が気になります』

 もっともな疑問だった。

 俺は既に映像で解かっている。もう土埃もなく、鮮明に。

 あー、完全に入り口は塞がった、がな?



 その映像が映し出すように、入り口は落盤により完全閉ざされていた。さすがのこの若造でも、砕いて脱出するには不可能な厚さでもあろう。まして怪我した 身となっては・・・

『・・・・』

 その絶句した様子が何とも心地良い。

 携帯の電波も、地下となった研究所には届かない。

 外部への連絡手段は絶望的。

 入り口からの脱出も不可能。

 閉鎖された世界に閉じ込められた二人だった。



 結局、何も得ることはなく、先ほどの部屋に戻っていく。

 さすがに「歩く化け物」も、汗だくで足取りも重い。

『とりあえず、今日はここで休みましょう』

 暗に明日から探索を開始しよう、と提案する。

『御嬢様はどうぞ、奥の部屋のベッドで休んでください』

『えっ!?』

『自分はここで見張っていますから』

『だ、ダメよ・・・静馬こそ休まないとぉ!』

 それこそ少年の生命に関わりそうなほどに。

 亜子の眼にもそれが明白であった。

『解かりました、自分はここで横にさせて貰います』

 亜子の説得は無駄と知り、そして自身も自分の限界を悟り、それが最低の妥協点でもあった。

『解かった・・・で、でも、絶対に無理はしないでね?』

『承知しております』

 静馬は静かに微笑した。

 恐らく異性を思わず、うっとりとさせる微笑であろう。

 そしてそれが今、亜子だけに向けられている。

『や、約束だからね!?』

『はい』

 ・・・・

 亜子ちゃんとしては嬉しかったに違いない。

 紅潮した顔を暗闇に隠しつつ、奥の部屋に行く。



 そして、静馬の長い夜が始まった。





 現在、静馬が見張っている部屋。

 その奥にある部屋に亜子ちゃんが到達する。

 俺は盗撮する機器に複数の命令を与えた。

 まず「歩く化け物」が動いた場合に備えて。



 A、その映像と俺だけに解かるアラームを耳に付ける。

 B、そしてモニタリングした静馬の状態を把握。

 C、亜子ちゃんの部屋の盗撮。こちらは記録用しても保管する。

 D、更にモニタリングしている亜子ちゃんの状態を把握。

 E、更にモニタリングした亜子ちゃんの『子宮』を把握。



 特にBとDには携帯端末にも情報をリンクさせ、本人の状態を把握できるようにする。Eも常時、携帯に映し出させる。

 現在、端末の画面には・・・





     『亜子』   『静馬』



 状 態 『正常』   『重傷』

 深 度 『なし』   『なし』

 疲労度 『78』   『76』

 精 神 『正常』   『正常』

 感 度 『正常』      『異常』

 性適正 『G』

 排 卵 『なし』

 完堕率 『皆無』



 と、映し出されている。

 例えばまず『状態』から説明すると、その人物は起床しているのか、それとも睡眠しているのかが解かり、睡眠していれば『深度』が数字化される。数字が高 ければ熟睡している証であり、低ければ仮眠、浅い眠りと見るべきだ。



 『疲労度』も同様に数字化され、その人物の疲労度か解かる。



 『精神』は現在の精神状態を表す。亜子ちゃんが俺に抱かれ、夢心地で甘い夢でも見れば、精神は「幸福」とか、「至福」と表記される。

 まぁ、亜子ちゃんが心から愛することになる俺様に抱かれるんだ。「至福」と表記されることに違いない。



 『感度』は亜子ちゃんの現在の性感度であり、これが「100」に達すれば、亜子ちゃんの身体が絶頂する。そのときは股間から、盛大な潮吹きが行われるこ とだろう。

 『性適正』はこの値が高いほど、亜子ちゃんの身体が感じ易くなる。

 現在は『純真無垢な身体』であり、「G」表記だが、俺様によって開発されることで、最高「S」ランクまで上昇する。「S」ともなれば、例え処女であって も、その俺様との記念すべき「初SEX」でも絶頂することだろう。



 『排卵』は、亜子ちゃんが排卵した卵子状態、もしくは排卵予告を示す。排卵が始まる前夜からカウントダウンが始まり、より正確な時間が示される。



 そしてこの中でもっとも重要なのが、この『完堕率』だろう。

 亜子ちゃんがどれだけ、俺様の存在を受け入れたか、が解かる。

 この『完堕率』が高ければ高いほど(100%が理想的だが)亜子ちゃんが俺様を受け入れた・・・身も心も捧げた数値となる。

 「100%」ともなれば、何処の馬の骨かも解からない静馬の前であろうとも、俺様に喜んで抱かれて、自ら腰を振ることであろう。

 まぁ、神々に祝福された俺様と亜子ちゃんである。

 すぐに「100%」になること、疑う余地なしだ。





 おっと、さっそく亜子ちゃんの『状態』が『睡眠』となり、『深度』が『3』となった。

 深度は少しずつ上昇し、次第に彼女の眠りが深くなっていく。

 余程、疲労していたのだろうなぁ。

 まぁ、疲労度「78」もあれば、身体はクタクタの状態である。



 俺としては、まず亜子ちゃんの『深度』を高く維持させたまま、『感度』を高く引き上げ、『性適正』を上昇させることだろう。そうすれば簡単に彼女の表情 を紅潮させ、容易なまでに身体を絶頂させることであろう。

 そして最終的目標は無論、『完堕率』を可能な限りに高めた上で、寝取ることに成功させるにある。

 ん、寝取り?

 違うな。

 これは神様が亜子ちゃんの相手は俺に、と差配した上でのこと。

 言わば、これは俺と亜子ちゃんの天命である。

 亜子ちゃんを抱くことは、神の意志であり、亜子ちゃんの本当の望み。

「もし違うと否定するなら・・・」

 止めて見せろよ!

 と、静馬の様子を映すカメラに語りかける。

 横になると言っておきつつ、小僧はまだ周囲の警戒を怠らない。

 その異常なまでの(凶悪な)体、不屈の精神には舌を巻く。

 もし、俺様が亜子ちゃんの相手に相応しくない、神々の定めた亜子ちゃんの相手が俺様でない、としたら、それを妨げる存在は静馬だけであろう。

 何せ、ここには俺様と、亜子ちゃんと、この小僧だけしかいないのだから。



 再び、ベッドに横になった亜子ちゃんにカメラを戻す。

 いよいよ深い眠りともいうべき領域に到達する亜子。

「そろそろだな・・・」

 俺は頃合いを見計らって、亜子の寝室に入った。

 静馬の見張る部屋とはちょうど反対側になる。

「まぁ、ご苦労なことだ」

 くくくっ・・・





 俺は亜子ちゃんの寝室に、彼女の身体を中心として『蠱惑香』を焚く。

 無味無臭にして、基本的に無色。

 『蠱惑香』は女体の周囲にのみ、薄い煙状として視認できる。

 だが、この香が焚かれた中で性的な接触が行われると、その女体の身体にはその特定の人物の存在が染み込まされる。この黒木闘気研究所で開発され、尚も生 産され続けている人工香木である。

 無論、その効果は十二歳の亜子ちゃんの身体も、例外ではない。

 焚かれた十二個の『蠱惑香』。瞬く間に亜子ちゃんの寝室は『蠱惑香』によって満たされ、彼女の身体を中心に煙が包んでいく。

 くくくっ・・・

 まぁ、やるべきことは徹底しないと、な?

 俺と亜子ちゃんの肉体的な相性が抜群とはいえ、期間も僅か一週間足らずと限られており、亜子ちゃんを『完堕ち』状態とさせるためには、あらゆる布石を惜 しまないほうが利巧というものだろう。



 早速、俺は『蠱惑香』を身に纏った『絶世の美少女』を一瞥する。

「初めまして、藤宮亜子ちゃん・・・」

 とても小柄な身体だった。

 胸は大きくなく、まして小さくもない。

 抱いたら折れそうな、くびれのある腰。

 純白の私服。白いスカートの裾だけが黒色。

 紺色のオーバーニーソックス。

 その最上部には白のラインが横に引かれてある。

 まさに強調されているばかりの『絶対領域』

 ごくりっ・・・あぁ〜やべぇ。

 どうしても、その『絶対領域』に目が奪われてしまう。

 悲しい哀しいまでの男の性だった。



「では・・・」

 俺は携帯端末を片手に、亜子ちゃんの身体に覆い被さっていく。

 ああ、いい匂いだわ。

 それだけで思わず昇天してしまいそうだった。

 さすがは『極上の御令嬢』の身体ではある。

 その香りの匂いからして、男を喜ばせるものだ。

 では・・・

「いいよね・・・?」

 無論、熟睡している亜子ちゃんに返事はない。

 俺様はその無言を「承諾」と受け取った。

「では、頂きます・・・」

 それは隣室で警戒している小僧に向けて言ったのか、それとも、熟睡している『絶世の美少女』に告げたのか。

 へぇへっへっ・・・

 俺は彼女の額から流れる黒髪を掻き分け・・・睡眠の深度には注意を払いつつ、亜子ちゃんの唇を奪っていく。

『チッュッ〜』

『んんっ・・・んっ・・・』

 深度がやや低下、同時に亜子の経験値が上がる。

 純真無垢な亜子ちゃんにとって、それは「初めての接吻」であったのだ。

 口内に割って入り、亜子ちゃんの舌と最初の接触。

 まさに亜子ちゃんにとって、「ファースト・キッス!」であり、

 そしてこれぞ、「ファースト・タッチ・インパクト!」だった。

 亜子ちゃんの唾液を『ゴクリ』と飲み込む。

 あ〜、やばいわぁ、これ・・・

 自身の体に亜子ちゃんのものが染み込むような感覚。

 では、今度は亜子ちゃんに問うとしよう・・・

 ・・・無意識だけど。



 もし俺を「運命の男」として受け入れるつもりならば・・・

 きっと彼女は、俺の唾液を飲み込むことだろう。



 再び唇を開けさせ、俺の唾液を送り込む。

 亜子ちゃんは『コクッ』と咽喉を小さく鳴らして・・・飲み込んだ。飲み込んだのである。

 俺の唾を・・・亜子は受け入れた!

 それは想定を遥かに超える喜びが俺を満たしていく。

 今、この『絶世の美少女』の身体の中に、俺の唾液が・・・

 そう思うだけで、達してしまいそうだった。

 はぁ・・・はぁ・・・

 こ、今度は・・・

 上着を肌蹴させ、ブラをずらす。

 『絶対領域』を堅守するスカートの中に手を忍ばせ、御令嬢仕様のショーツを引き摺り降ろしていく。

 ・・・はぁ、はぁ・・・

 ・・・や、やべぇぞぉ・・・

 え、エロすぎるやろぉ、この亜子ちゃんの身体・・・

 このあられもない亜子ちゃんの艶やかな痴態に、本番を自制するのも大変な苦労であった。もう俺の股間は『ギンギン』の痛い限りであった。

 本番は亜子ちゃんの排卵日。

 本番は亜子ちゃんと結ばれる「運命の日」

 排卵予定日は六日後。

 十二月二十四日・・・『聖夜』である。



 まさに俺と亜子ちゃんが結ばれるのに夜に、

 これ以上にないほどの相応しい日であろう。



 俺はゆっくりと亜子ちゃんの程良い乳房を触れ、ゆっくりと掴み、先端に君臨する乳首を舐め上げる。俺の唾液が『蠱惑香』によって亜子ちゃんの身体に染み 込んでいく。

 今こそ指して大きな反応はないが、いずれは・・・

 いずれは・・・



 そして、いよいよ、俺は亜子のスカートに手をかけた。

 ゆっくりと、遂に露出されていく、『絶対領域』

 俺と亜子ちゃんの結合部・・・二人の連結地点。

 これまでに見た女性器の中でも綺麗な色合いだった。

 いや、比べること自体、おこがましいか?

 俺はゆっくりと丹念に舌を這わせる。



 亜子ちゃんの感度が少しずつ上がっていく。

 これまでに性経験はおろか、「キス」も「オナニー」でさえ体験したことがない、純真無垢な身体。それが俺の手によって、少しずつ(深度にも目を配ってい るため)開花されていく。

 接吻。それも舌を絡める濃い口付け。

 乳首を口に含ませ、乳房を掴み、露出している股間に口を這わせる。



 さすがにこれ以上の刺激は、亜子ちゃんの身体に危険であった。

 自制しなければならない俺にも・・・



 隣の静馬も『睡眠』・・・こちらはあくまで仮眠程度で済ませるらしい。

 それはそれで俺は一向に構わない。

 その間に俺は亜子ちゃんとの接触を楽しむだけのこと。





 さすがに、今日のところはそろそろ引き上げるべきだな?

 時間にして、およそ六時間程度。

 その間、俺と亜子ちゃんは本番なしの接触を重ね続けた。

 接吻が二百ちょい、ってところか?

 唾液を断続的に亜子ちゃんの口内に送り続けた。

 乳首は既に俺の唾液に濡れ、固く尖り出している。

 膣口も亜子ちゃんの体内で分泌した彼女の素晴らしいまでの味で、俺も水分補給をする。再び、咽喉が潤うことで亜子ちゃんに俺の液を返還していく。





「それじゃ、また明日だな・・・」

 既に俺も亜子ちゃんも汗だくである。

 ・・・・

 そうだな、もうこんだけ仲を深めたんだ。

 そろそろ、亜子って呼ばせて貰うとするか・・・

 いずれは「俺の妻」か、最低でも「穴奴隷」の『肉壺』である。



 既に俺の中では亜子ちゃんとの結合は決定事項だった。

 当然に生挿入による『膣内出し』だ!!

 『二人だけの聖夜』

 亜子の処女を奪い、初めて男の味を知る亜子の身体。

 亜子の初めての排卵、それに伴い初めての受精。

 そこにはもはや、亜子の意思などお構いない。



 そう、既に亜子のマンコは予約状態だった。

 俺が、ではなく、亜子が、である。

 時がきたら、たっぷりと、ここに、注いでやるからよぉ。

 俺の唇に未練のように糸を引く、亜子のマンコ。

 俺は微笑する。



 当然に・・・

 俺と亜子による『運命の性交』は・・・

 キャンセルも、返品も、不可避も不可能なんだぜぇ!!







 『藤宮 亜子』



 AGE:『12』

 身 長:『147』

 体 重:『38』

 血液型:『A』

 SEX:『処女』

 経験値:『接吻:経験済』『性的刺激:経験済』

 前生理:『なし』

 排卵日:『五日後』

 排卵時:『真夜中』

 膣内容:『極上凶悪レベル』

 性感帯:『子宮口』『乳首』『陰核』『海綿体』

 対相性:『相互抜群』

 遺伝子:『相性抜群』



 状 態 『熟睡』

 深 度 『62』

 疲労度 『95』

 精 神 『微発』

 感 度 『65』

 性適正 『F』

 排 卵 『なし』

 完堕率 『皆無』





 『短評』



 まぁ、初日としてはまずまずの成果だろう。

 最大感度が『65』まで跳ね上がり、亜子の身体が絶頂する『100』に達するのも時間の問題だと思われる。

 それに『蠱惑香』の効果・・・その本当の真価が現れるのは、二夜目の開発、二回目の性的接触があってからになる。





 『ボーナス』



 今夜、俺様と初めての『性的接触』、そして『ファーストキス』を体験させてやることができた亜子の身体のために、黒木研究所が開発した最高傑作の一つで もある、『膜強化剤』を服用させてあげた。

 これによって亜子の純潔の象徴である『処女膜』は強化され、激しい苦痛は伴うものの、その激痛によって、より俺様に破瓜される瞬間が記憶に刻まれること 疑いない。

 その分、俺様の快感は・・・

 へぇへぇへ・・・


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