【 第八話 】

  『 眼前レイプ 』


 物凄く暗かった。

 私は不安になり、彼を・・・静馬を呼ぶ。

 そうすれば、彼は必ず駆けつけてくれた。

 だから、きっと今も・・・



 物凄く痛かった。

 何て言えばいいのかな?

 もう全身がバラバラにされるような・・・

 そんな感じ。



 物凄い量だった。

 良く解からないけど、身体の中に熱いもの。

 それが大量に押し込まれるような感じ。

 もう熱くて、熱くて・・・



『んっ・・・』

 あ、あれ!?

 ゆ、夢だったのかな?

 そこは真っ暗な闇の中だった。

 光源が全くない、本当の暗闇の中・・・



 ああ、そっか。

 私・・・眠っちゃったんだね。

 次第に甦る、意識を手放す前の記憶。

 裏口で暗証コードを解析していた静馬の前で。

 一緒に居て欲しい、って言われた。

 いつか、結婚して欲しい、とも・・・

 えへへへ。

 私たちは今日、『聖夜』の日に両想いになれたのだから。

 運命を感じずにはいられないよ。

 私たちは『聖夜』の夜に生まれた。

 そして、その『聖夜』の夜に出逢った。

 昨年の『聖夜』の日には、想いを確かめ合い・・・

 そして、今日の『聖夜』の日に、未来を誓いあった。



 次第に意識が覚醒する中で、想いの余韻に浸る私。

 目が覚めたら、どうしようか・・・

 告白し合った後だけに・・・少し恥ずかしい。

 でも・・・今日は『聖夜』だし・・・

 私たちにとって『聖夜』は特別な日でもある。

 お、思い切って・・・しちゃおうかな〜?

 えへへへ。

 でも、うん、静馬が、したいって言ってくれれば・・・

『し、静馬・・・?』

 真っ暗で何も見えないけど・・・

 近くに居てくれているでしょう?

 ね、ねぇ・・・

『逃げろぉ、亜子!!』

 えっ?

 し、静馬の声!?

 それは声と言うより、叫びに近い。

 い、一体、何から逃げろって・・・

 一体、どうなっているだろう?

 状況が全然、解からないよ。

 ・・・・

 身体は・・・ん、力が入らないけど。

 なんとか、起き上がれるかな?

 んしょ、と。

『あっ・・・・』

 途端に何かが私の身体を押し倒した。

 あうっ、一体、なに?

 真っ暗で何も見えない・・・

 し、静馬は何処?

『あっ・・・い、いや・・・』

 誰かが私の両股を開いて、抱え込んだのだ。

 わ、私・・・何も穿いてない!

 そ、そんな・・・

 だぁ、誰かに見られている!?

 し、静馬にも見せたことがないのに!!?

『嫌ぁ、いやぁ・・・あっ・・・』

 股間を・・・舐められた?

 ぞわぞわ、ってする感覚。

 同時に有り得ないほどの感覚が私の身体を貫く。

 まるで、舐められるのを待っていたかのような。

 そ、そんなの嫌・・・嫌だよ。

 背筋に走った感覚を懸命に振り払う。

 全く力の入らない手で、股間の埋まるそれを抑える。

 でも、それは容赦なく、私の股間を舐め続けていく。

『嫌ぁ、だ、だめ・・・』

『亜子ぉぉ!!!』

 し、静馬、た、助けて・・・

 助けて・・・こ、こんなの・・・

 静馬以外の人になんて、嫌だよ・・・

『うぐっ・・・ううっ・・・』

 接吻された・・・

 黒い大きな影。

 ま、全く知らない男の人だった。

 思わず涙が出る。

 そんな全く知らない男の人に・・・

 静馬とするはずだった、私の初めてのキス。

 それがこんな人に奪われるなんて・・・

『うぐぅ・・・』

 しかも舌まで入れられて・・・

 いや・・・嫌なのに・・・力が・・・

 力が・・・抜けていく・・・

 大粒の涙が溢れる。

 そんな・・・

 静馬の前で・・・誰かにキスさせられるなんて・・・

『ううっ・・・』

 噛みつけ、と思った。

 この体格差じゃ絶対に勝てない。

 でも、突き込まれた舌を噛みつくことぐらい!

『!!』

 そう思った瞬間のことだった。

 男が再び、股間に・・・指で触れたのだ。

『嫌ぁ、そ、それだけは・・・』

 は、初めてなの・・・

 たった一つしかない、私の・・・

 静馬に捧げるって、『聖夜』に誓ったの・・・

 『聖夜』の夜に・・・絶対、静馬に捧げるって!!

『し、静馬・・・ど、何処!?』

「おっと、彼氏ならこっちで、じっくり観戦中だぁ」

 恐ろしく野太い声だった。

 そして私は身体を抱え上げられると、

 まるでボールか何かのように放り投げられた。

『うっ!!』

 叩きつけられた衝撃に顔が歪む。

 床がマットじゃなければ、怪我していたかもしれない。

『あ、亜子ぉ!!!』

『!!』

 その目の前には・・・両手を壁につけたような彼の姿が。

「ほぉう、拘束位を解いたか、あの小僧・・・」

 背後から聞こえる、男の声。

「それじゃ、せめて彼氏の前で、抱いてやるか・・・」

『い、嫌ぁぁ!!』

 私は懸命に逃げようとしたが、そこが行き止まり。

 私は愕然として、静馬を見た。

 お互いに一枚の空気を前にして、手を合わせるように。

 な、涙が止まらない。

 に、逃げらない・・・

 わ、私・・・

 男に両足を抱え上げられ、愕然とする。

 こ、このまま、犯されるの?

 い、いや・・・

 『処女』だから、というわけではない。

 静馬以外の男の人と、結ばれたくはなかった。

 だから、私は親を捨て、家を捨てたのではなかったか?

 静馬と結ばれたいがために・・・

 それなのに・・・

 よりにもよって、その静馬の目の前で・・・

「ほぉれ・・・入っていく、入っていくぞぉ〜」

『いや、嫌ぁぁぁ〜・・・』

 男の宣告通り、私の股間に宛がわれていく。

 『ずぶぶっ・・・』

 と、私の身体が衝撃を放つ。

『!!!』

 たったそれだけでも、凄まじい痛みが私を貫いた。

 『ずぶっずず・・・』

「くっくく・・・ほらほら、お肉を掻き分けてぇ」

『あがぁっ・・・ううぐぅぅ・・・』

 む、無理!!

 は、入らない・・・って!!

 これは女性の誰もがいつかは体感するのであろう。

 この激痛は・・・

 だが、この尋常ではない、激しい痛み。

 わ、私には、た、耐えられない・・・

「ほぉら、亜子ちゃんの処女膜に到着〜♪」

『・・・・』

「うほっ、すげぇ〜締め付けぇ〜」

 男の人は嬉々として、私の膣内を抉っていく。

 とてつもない激痛に、私は言葉一つ出せなかった。

「さすが、亜子ちゃんの処女膜・・・」

 留めようのない涙。

「くくっ・・・さすがに強固だぜぇ〜」

『・・・・』

「でも、それだけじゃ始まらんし、な・・・」

 男は無慈悲に宣告する。

「そろそろ、彼氏への挨拶は済んだかい?」

 し、静馬!?

 彼はこの見えない壁を、ただひたすらに殴り続けていた。

 その両の拳はもう真っ赤な血に染まっている。

 その静馬と、思わず目が合ってしまった。

 ううっ。

 涙が止まらない。

 よ、よりにもよって・・・

 静馬の目の前で、こんな男の人に犯されるなんて・・・

「では、思い残すことなく、お別れの記念として」

 『ずずっ・・・』

「この、俺様を受け入れてぇ・・・」

 『ぷちぃ』『ぶちぃぃ』『ぶちちぃぃぃ〜』

 決壊していく、私の大切な初めて。

『あっ・・・あぐぅ・・・』

「俺様の女になっちまいなぁ〜〜〜♪」

 私は懸命に頭を振った。

 た、たとえ、この身体が穢されたとしても・・・

 静馬への、この想いだけは変わらない。

 絶対に。

 もし、穢されたことで静馬が私を拒絶するとしても。

 この私の想いだけは絶対に変わらないのだから。



 『ずぼぉっ!!』

 言葉にはならないほどの激痛の衝撃。

 鮮血が飛沫き、尚も膣内を貫かれていく圧迫。

 !!!!!!!!!!!!!!!!!!

 その瞬間、私は「初めて」を失ったのだ、と理解する。

『かっ・・・・はぁ!』

 その余りの激痛に吐血した口。

 あっ・・・

「うおっ、すげぇ〜ぇ、締め付けだぜぇぇ〜」

 ああ・・・

「さすが亜子ちゃんの処女マンコ・・・」

『・・・・』

「俺様にピッタリじゃねぇかぁ!?」

 男の人は狂喜して、再度、私の膣内に突き込む。

『うぎぃ・・・うががぁ・・・』

 まるで内臓を引き摺り出されるような錯覚。

 堪えようにも、耐えられない違和感、激痛。

『ぐぅうおぉぉぉぉ・・・うぇぇぇぐぅぅ・・・』

「す、すげぇ〜ぞぉ、亜子。こ、こりゃ〜〜♪」

 男は容赦なく、勢いを増して私を犯していく。

「さすが、俺様の肉壺だぜぇ〜〜〜♪」

 死ぬ、っと、思った。

 いっそ。もう、このまま殺して、とも思っただろう。

 女の子はいつか、必ず耐えなきゃいけない痛み。

 同級生の子の中には、既に捨てた、という娘もいた。

 だから、年齢的には耐えられないはずはない。

 でも、私には・・・

「いいぜぇ〜〜こりゃ、最高だ。亜子、最高だぜぇ〜ぇ」



 もし、もしも、これが・・・静馬となら・・・

 どんな痛みでも、私は・・・喜んだ、と思う。

 静馬と結ばれる、その代償の痛み・・・

 だが、実際に私を犯しているのは見知らぬ男の人・・・

 その上にこの激痛は、酷と言うものだった。



「さ、さぁてぇ〜〜そろそろ、出すぜぇ〜〜」

 この不躾な男が宣言した。

 それでも私はただ狂乱するように号泣するしかない。

 余りの激痛に、内臓を引き吊り出され続けるような錯覚。

 その激痛に、言葉にならない悶絶を繰り返すしかなかった。

『ぐぅうあぁぁぁあ・・・うぐぅぅぐぇぇぇ・・・』

「彼氏の前で・・・たっぷり、注いでやるからよぉ!」

 さすがの私も愕然とする。

「も、勿論・・・膣内、にな・・・」

 な、膣内!?

 い、嫌・・・そ、そんなの、嫌ぁぁああ・・・

 例え、ここで膣内に出された、としても・・・

 まだ月の標が来ていない私は、妊娠しないだろう。

 だが、こんな男に私の初めてを奪われた挙句に、

 膣奥まで穢されてしまう、というのか・・・

 そ、それは余りに残酷というものではないかぁ!?

「安心しろ・・・孕むからよぉ〜〜」

 こ、こんな人と・・・妊娠!?

「彼氏の前でたっぷり、種付けしてやるぜぇ〜〜♪」

『い、嫌ぁあああああ〜〜〜〜』

 私は絶叫した。

『絶対に、嫌ああああぁぁぁ〜〜』

 懸命に頭を振って拒絶する。

 『どぼぉぅ〜』

 夥しいばかりの正射が私の膣内の奥・・・子宮を叩く。

 熱いばかりの迸りが何度も私の膣内に放たれていった。

 な、膣内に・・・

『嫌ぁ・・・・』

 し、静馬の目の前で!?

『嫌ぁあああああ〜・・・・』



 身体の激痛は限界だった。

 精神の苦痛は、もっと限界だった。

 そして、こんな男の子を身籠る恐怖!

 波打ち放たれる、夥しい、おぞましいばかりの熱液。



 男が断続的に腰を打ち付けた。

 最後の一撃とばかりに、射精を放っていく。



 ・・・その瞬間

 ・・・私は、気絶した。



 これが・・・

 これが悪夢であることを、ただひたすらに祈って・・・


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