第二章【聖女散華】
(3)
(・・・・・・なんだ・・・・・・どうしたんだ!?)
アデューとサルトビ、イズミの三人が、ディメイションクラウドの呪縛から解き放たれ、ほぼ同時に意識を取り戻したのは、今まさに舞台が整い、周囲の観衆が待望している瞬間を迎えよう、としていた頃だった。
≪・・・・・・ピチャ・・・・・・ピチャ・・・・・・≫
「・・・・・・んっ・・・・・・はぁ・・・・・・んんっ・・・・・・」
意識と同時に、五感も次第に回復していき、彼らの耳にも微かに何かが滴るような旋律と、甘くとろけるような囁きが耳につく。
(・・・・・・なにが・・・・・・目が霞んで・・・・・・)
「んっ・・・・・・一体、何が・・・・・・」
異常な状態を察知して、立ち上がろうとしたサルトビだったが、全身を拘束された状態では、立ち上がることさえままならない。彼らはこの時、ようやくにして、自分たちが拘束されている事に気がついた。
「一体、あの向こうに何があるというのだ?」
イズミはようやく、視界の中に本来最初に護るべき人物の姿がない事に気がついた。そして、三人の前に放置された白い布の存在を・・・・・・
≪・・・・・・ピチャ・・・・・・ピチュ・・・・・・チュュュュュ・・・・・・≫
「ま、まさか・・・・・・」
イズミは愕然とした衝撃を憶えずにはいられなかった。
「まっ、まさか・・・・・・」
サルトビもアデューも、眼前にあるショーツに愕然とする。
(勇者一行がお目覚めですよ)
(ほぉう。思ったより早かったな)
既に仕上げの段階も終えて、これからいよいよ自分の目的の第一段階に及ぼうという最中、仲間の眼前で犯すのも一興と思い直した。かつて、マーリアも心にラーサーという男を胸に、兄に抱かれ続けた。その時も確かにラーサーなるその男の眼前で、マーリアを犯してみたい衝動があったのも事実だった。
(それでは最前列に招待してやろうじゃないか)
偶発的か、意図的か・・・・・・恐らく後者だろう、突然に人垣が割れて、その先にある光景が彼らの視線を奪う。
「ぱっ、パッフィー様!」
それはイズミにとって・・・・・・いや、勇者一行にとって、余りにも残酷でこの上ない無情な光景だったろう。常に供にあって、常に護り続けてきた少女が公然の前で、衣服を乱され、捲くられたスカートの下には何も身に着けていなかったのだから・・・・・・
「運が良かったな・・・・・・これからいよいよ、お前たちの大切なお姫様が、貫通式を・・・・・・いや、成人式かな。迎える頃だったんだぜ」
「まぁ、お姫様の方も、仲間に見守られながら、大人になれるんだ。本望だろうぜ」
最前列に引き摺られていく最中、周囲の嘲笑も・・・・・・卑しい罵倒も彼らの耳には届かなかった。そして彼らは改めて認識する。眼前にあるその無常な光景が、ここではない事を・・・・・・そして、薄透明色の得体の知れない男の存在を・・・・・・
残酷な衝撃に愕然としていたアデューも、つい先日、お互いの想いに触れ合ったばかりの少女が、今、まさに薄透明色の男に陵辱されようという時、ようやく始めて、彼女の名を口にした。
「パッ・・・・・・パッフィー・・・・・・」
その口調には悔しさを、彼女の股間に頭を忍ばす男に向けられた視線には憎しみにも似た眼光だった。
「ぱっ、パッフィー!」
(・・・・・・ア、アデュー・・・・・・?)
尚も思考が停止したような状態のパッフィーの前に、これから純潔を捧げるべく、初めての男として受け入れる事で、一人前の女として、成長を果たすであろう、凶悪でグロテスク、禍々しいばかりの凶器が、男の股間から曝け出された。
観衆の目に曝け出されたカリウスの剛直は、薄透明色に映像処理してあっても、その素晴らしいばかりの凶悪さは隠し通せるものではなかった。あの小柄な少女に相応しい、穢れない小さな洞穴では・・・・・・まさにカリウスのそれは・・・・・・規格外であろう。
その凶悪なまでのスケールを誇るそれが、【聖女】として崇められてきたパッフィー・パフリシアにぶち込まれ、乱暴に破瓜される光景を想像した観衆は決して少なくない。
カリウスが小柄な少女の背後に回り、その直後、観衆からそれまでにない歓声が沸き起こった。
「こうすると・・・・・・皆にも、パッフィー姫の大切な・・・・・・これから俺を受け入れる場所が、良く見えるであろう」
カリウスは背後からパッフィーの太股を抱え上げたのだ。それまで薄透明色の影越しにしか許されなかっただけに、今にしてようやく、パッフィー・パフリシアの秘部が・・・・・・まさに穢れない色合いの、小さな蕾が周囲の観衆にも晒されたのである。
そのままの体勢から【聖女】の純潔を奪う者の代表として相応しい剛直を、パフリシアの王女であり、封印の魔女にして、先の大戦を戦い抜いた英雄でもあった、パッフィー・パフリシアの身体に宛がう。
後側位からの結合を試みたのである。
その猛々しいばかりの凶悪なドス黒いペニスが、パッフィー姫の蠢く秘唇に触れ、身体の反応を焦らすように留める。
「あっ・・・・・・ああっ・・・・・・」
それだけでもパッフィーの身体が示した反応は敏感だった。まだ意識が鈍く、理性も失われていたが、身体の方は既に男の受け入れ態勢にある。そこに互いの性器の先端がふれあい、カリウスという身体が求める存在を、敏感に感じ取れたのであろう。
「では、いくぞ・・・・・・」
太股を抑え付け、カリウスは改めてパッフィーの膣内にその先端を沈めていく・・・・・・それに伴い、カリウスの男の象徴が確実に、次第に視界から姿を晦ましていく・・・・・・
≪ズブッ・・・・・・ズブズフッ・・・・・・≫
凶悪な凶器の先端が小柄な少女の膣肉を掻き分け、次第に、数多の視線から姿を晦ます。
「い・・・・・・いっ・・・・・・あっくぅぅ・・・・・・」
意識が鈍いはずのパッフィーの表情に、苦痛の色が滲み出す。当然である。挿入するカリウスでさえ、痛みを憶える狭さなのだ。ましてやパッフィーは未だに誰にも許した事がない処女の身であり、当然、受け入れる側の彼女が受ける痛みは、かなりのものであろう。
(この肉質・・・・・・こ、これはっ・・・・・・)
「いっ・・・・・・い、痛・・・・・・」
≪メリィ! メリィ!≫
パッフィー姫の膣内が軋むような衝撃が、犯す者、犯される者、そしてそれを静観する者にも感じられた。
≪メリィ! メリィ!≫
パッフィーの身体の膣内が軋む感触、その脾肉の感触、未だに誰にも許したはずがない未通を抉る感触・・・・・・そしてパッフィーの表情に浮かぶ激痛と苦痛の呻き・・・・・・
カリウスは挿入する狭さの苦痛よりも、清楚で可憐なパッフィーを陵辱する、その穢れない身体を征服していく過程を・・・・・・その犯している痛快さが、遥かに勝った。
「いっ・・・・なっ、痛い!」
激痛によって意識を完全に回復させたパッフィーではあったが、この最悪な状況を即座に理解できなかった。
彼女が最後に覚えているのは、市長の使者だった男に昏倒させられたまである。それから意識は、異常な身体の変調を覚えている。そして、この身体に与えられる、まるで股間から突き裂かれるような激痛・・・・・・
(・・・・・・ま、まさか・・・・・・)
【・・・・・・お嬢ちゃん、俺らと気持ちいい事しようぜぇ・・・・・・】
意識を失う前に耳にした、下卑た男の台詞が脳裏を響く。視界を奪われた彼女だけに、現状を正確に把握する術はない。だが、最悪の事態だけは理解できてしまった。
十五歳の少女とはいえ、仮にも王族であり、その程度の知識はある。
≪メリメリ! メリィッ!≫
「いゃぁあぁぁぁぁぁぁぁ!」
視界が遮られて、何も目に見えなかったが・・・・・・この激痛から、今、何をされようとしているのか、そして、その激痛を与える男が、愛するアデューではない事だけが・・・・・・彼女には解った。
しかも、そのアデュー達の傍らで・・・・・・
「ぱっ、パッフィー!」
最前列に転げさせられた彼らにとって、それは屈辱と己の無力を痛感させるものでしかない叫びだった。今まで大切に護ってきたものを、蹂躙される光景を前に、今の彼らは余りに無力であった。
「いゃぁあぁぁぁぁぁぁぁ!」
完全に防音処理を施された倉庫内に、痛烈な悲鳴が幾倍にも増幅されて木霊する。パッフィーに突きつけられた現実は、敗北の代償というには余りに陰惨に過ぎ、余りにも残酷な状況だろう。
だが、パッフィー姫の身体を順調に踏破させていったカリウスが、侵入に僅かな抵抗を・・・・・・二人の結合を阻む存在があった。
処女膜!
(フフフッ、いよいよだな)
それはパッフィーの性格にも似て、気丈にも頑固で、これ以上のカリウスの侵入を断固として阻んでいるようだ。これまでは順調にパッフィーの膣内を踏破してきたカリウスが、これを一気に突き破るのは思い止まった。
カリウスは侵入を停止させ、機を伺う。
この膜の向こうには、未だに誰にも許した事がないパッフィー姫だけの未通の王宮があり、そこにはパフリシア王家の血脈に関わる器官がある。そこの到達にカリウスが認められ、今日、パッフィーの身体の膣内においてカリウスの名が刻まれる。
少なくても、パッフィー・パフリシアの処女を奪い、その初めての身体を思う存分に犯して、パッフィー・パフリシアの身体に、自身の欲望の濁流を染み込ませる事が許されるのだ。
薄透明色の挿入が止まった・・・・・・そして、パッフィー姫の太股を抱えあげて正対する。後側位だった体勢から正常位に移行したのだ。
当初、怪訝に思った観衆たちにも、すぐにその理由に思い当る。彼らにとって待望の存在に、その瞬間にカリウスが到達している事を・・・・・・
カリウスは力任せに、一気に処女膜を突き破るような性急な真似はしなかった。ゆっくりとパッフィーの処女膜を吟味しながら、嬲るように腰をグラインドさせていく。無論、一気に突き破る事も可能だったが、折角のこの小娘の処女膜である。ゆっくりと、じっくりと味わい尽くすように突き破ってやらなければ、小娘が初めての男として、カリウスを認めた事に申し訳がない。
パッフィーを産んでくれた彼女に対しても・・・・・・
体位の移行による激痛は、まだ無垢な少女には酷だった。ましてや、まだカリウスはパッフィーの膣内に埋めたまま、激痛でしかない挿入から、ギュウギュウに締め付ける脾肉が捩れるのだから。
「いや・・・イ、痛ッ・・いやゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
カリウスのグラインドする動きが再開され、それは徐々に力強さを増していく。挿入されるごとに周囲の歓声も一段と活気を帯び始める。
「ア、アデュー・・・・・・いやぁあぁぁぁぁぁぁぁ」
「ほら、勇者さんよ、あんたらの姫さんがいよいよだぜ!」
「しっかり見届けてやれよっ!!」
観衆のボルテージは次第に最高潮へと駆け上がり、その中、カリウスは一度だけ、カルロスに思考を送った。
(では、いってくる)
(存分にお愉しみを)
そして、遂に時は熟した。
何かが千切れ去った音がその場に居合わす者に伝わった・・・・・・
そしてそれは、彼女が十五年もの間、護り続けてきたものが遂に崩壊した・・・・・・その瞬間でもあった。
「!」
・・・・・・遂に、パッフィーは・・・・・・
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