(11)


 「んっ、ん……んんっ」
 可憐な朱唇を割って怒張した牡槍が飲み込まれる。男は動かず、黒髪の美姫が自ら頭を振り立て、口唇を女性器に見立てた性行為に励んでいた。無論少女の意思ではなく、鞭の懲罰を嵩に着た男の命令によるものである。
 粘膜の刺激に慣れているのか、男はアリシエルの懸命の奉仕にも涼しい態度で、次々に命令を下しては可憐な姫君に男を悦ばせる技巧を仕込んでいく。それは充分に理解しているアリシエルだが、一度鞭の恐怖に屈してしまった心は、羞辱の涙を流しながらも男の指示に逆らえない。
 少しずつ口唇愛戯を上達させていく王女だが、男が達する気配はない。
(は、早く……もう、早く出して……)
 自分から顎を大きく開けて何かにしゃぶりついた経験などない深窓の姫君は、すっかり顎が疲れて動かなくなってきていた。だが、ペニスの先端からは先走りの液がにじむばかりで、精が放たれることはなかった。
「――ぷはっ! も、もう、らめれす……ひぃいっ!!」
 口を放した途端、容赦なく鞭が浴びせられる。
「誰がやめていいと言った。続けろ」
 二度三度と痛撃を加えられ、アリシエルは泣く泣く男の逸物を咥え直した。
 その後も高貴な美少女は延々肉棒をしゃぶらされ続けた。泣き言は一切通用せず、動かない顎と舌を無理矢理動かして奉仕を強いられる。彼女は単に奉仕技巧のみを仕込まれているのではなかった。命令に絶対服従することをこそ徹底的に教え込まれていたのだ。
 どのくらい時間が経ったのか、もはや哀れな王女には判別できなかった。ようやく男は、短く告げた。
「出すぞ。一滴残らず飲み干せ」
 こぼしたらどうなるか、などとは今さら言わない。これ見よがしに掌で鞭を鳴らす男に、跪いた美姫は必死にこくこく頷く。
 そして、王女の口腔内に大量の白濁粘液が弾けた。
「んぶっ……ん、んっ……んくっ……んくっ……んくっ……」
 口蓋を叩き、舌に粘りつく汚液を、少しずつ喉奥に送り込んで嚥下する。少女の頬は薄く上気し、元々の美貌に何とも言えない艶っぽさを付け加えていた。人狼達の精に比べれば遥かに抵抗は少なかった上に、生臭い牡の匂いは、何故かひどくかぐわしく蠱惑的な味わいだった。

「……ふはぁっ」
 命令通り一滴も余さず飲み切ると、男は満足げに美少女の頬を撫でた。
「あ……」
 初めての優しい接触に、少女は切なげな吐息を洩らす。
「…………と言え」
 屈辱的な命令にも、どうしてか素直に従ってしまった。
「卑しい牝奴隷に精液を恵んでいただき……ありがとう、ございました……御主人様……」


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