(13)
膣と口を犯され、アナルと乳首を苛められながら、倒錯的な服従の愉悦に飲まれかけていたアリシエル姫の意識を、前触れなく室内に現れたティアリス王女の姿が覚醒させた。凛然とした赤毛の美少女の訪れは、助けに来てくれたのであればこの上なく頼もしく感じたことだろうが、肌着姿で屈強の男達に左右から腕を押さえられた格好となれば、その境遇は考えるまでもない。
一緒に現れたローブ姿の初老の男性が、手にした小さなナイフで赤毛の美姫の胸元を切り裂く。アリシエルよりたっぷりと実った見事な造形美の双乳があらわになる。アルトの悲鳴が石壁に反響すると同時に、黒髪の美姫の体は勝手に動いていた。
「――ティア様っ!!」
自分を犯す男達から身をもぎ離し、駆け寄る勢いのまま年上の王女の肢体を抱きしめる。男達の目から隠すように。自分の身で赤髪の美姫を守るように。
「お願い…お願いです! わたくしにでしたら、何をしてもかまいません。どんなことでもいたしますから、どうか、ティアリス様にだけは、ひどいことをなさらないで下さいっ! お願い。お願いしますっ!」
「ア……アリス、貴女……」
華奢な王女の体は細かく震えている。奉仕を中断された男達が怒って鞭打つが、鞭の恐怖も今回ばかりは高貴な美少女を従わせることはできなかった。苦痛に耐えながらも、アリシエル姫はティアリス姫を抱いた両手を決して緩めず、必死に哀訴を続けた。
「ヒッヒ。健気なことですな、アリシエル姫。ご自分はどうなってもいい、と?」
「どうせ、わたくしの身はとうに汚れています。この上どうなろうともかまいません。ですからどうか、ティアリス様だけは、無事に帰してさしあげてください…!」
「ほほう。ですが、これを聞いてもそんなことを言っていられますかな? ヒヒヒ」
男が何を言おうとしているのか察した年上の王女は顔色を変えるが、何も言えずにいる。
「貴女がこんな目に遭っているのはね、全部そこのティアリス姫のせいなのですよ、アリシエル姫」
「え……?」
「そもそもウチの奴隷工房に、顔を隠して話を持ってきたのがその方なのですよ。裏街で貴女を捕まえて、淫らな牝奴隷に調教して欲しいってね。フヒヒ。その前に王女が闇の魔法薬を入手しているのもわかっておりますよ。強い後催眠効果を持つ薬をね。ティアリス姫に薬を盛られる機会があったのではありませんかな、アリシエル姫? ヒッヒヒ」
あの日、お茶に誘われたことを思い出す黒髪の美姫。だが、素直に男の言葉を信じられずにいるようだ。
「そ、そんな……でも、だって……どうしてティア様が、そんなこと……」
「ヒヒ。どうしてってそんなの、ライバルを蹴落とすために決まってるじゃありませんか。貴女がいなくなるだけで、王子の心も王子の婚約者の座も手に入るんですからね。ヒヒヒッ」
「そんな……嘘です、ティア様がそんなこと、なさるはずありません。そうですよね、ティア様」
が、気の強そうな眉を辛そうに歪めた赤毛の美少女は、アリシエルと目を合わせられずに顔を背ける。その態度を見れば、彼女が男の言葉を否定できずにいるのが一目瞭然だった。
「そ…ん、な……」
呆然とへたり込む黒髪の美少女の前で、もう一人の美姫の凌辱が始まろうとしていた。
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