(14)


 男のナイフが振るわれ、気の強そうな赤髪の美姫の唇から羞恥の色が濃い怒声が上がる。下半身を覆う肌着を切り裂かれ、彼女は一糸まとわぬ美身を男達と年下の王女の目に晒していた。
「や、やめなさいっ! わたくしに不埒な真似をするとただでは済まないわよ!?」
 奇しくもそれは黒髪の姫君がかつて口にしたのとよく似た恫喝である。
「早く解放なさい! わたくしが戻らなければ、すぐに国の手のものが探しに来るわ。今ならまだ、何もなかったということにしてあげてもいいのよ!」
 精一杯の虚勢を、男は鼻で笑って退けた。
「わざわざ他人の目に触れないようお忍びで来られたティアリス姫を、探しに来る者などいませんよ」
「えっ…! 何故、それを……!?」
 あっさりカマ掛けに引っかかり、嘘を認めてしまう王女。頭がよかろうが意志が強かろうが、この辺りは世間知らずの小娘でしかない。
「フヒヒ。ティアリス姫には感謝しておりますよ。貴女の浅はかな企みのおかげで、連合で一、二を争う美姫を二人ながら手に入れられたのですから」
 男がさらけ出した陰茎を目にして、アリシエルは息を飲んだ。長さ、太さ共に今まで彼女が見せられてきた中の最大のサイズに匹敵し、しかもその形状は、見たこともない醜悪で凶悪なものだった。禍々しくエラが張り、血管やイボが浮いた獰猛な逸物は、何らかの魔道改造が施されているのかもしれないとさえ思わせるおぞましさだった。何もない空間からぬめる触手が一本伸びて、魔根に粘液を塗り込める。そして男は媚粘液にまみれた剛棒をティアリス姫の濡れてもいない秘唇に押し当てた。
「え、まさか……」
「や、やめ……!」
 二人の美少女の制止は何の効力も持たず、男は無造作に腰を送り出して高貴な処女肉を引き裂いた。
「――――――――っ!!!」
 声もなくのけぞる赤毛の姫君。天井に向き見開かれた瞳からは、透明な雫が零れ落ちる。内股には真っ赤な鮮血が幾筋も伝っていた。

「ヒヒ。ぎちぎちに締め付けて、可愛いものですなあ」
 悦に入って腰を動かす男。処女を破壊された苦痛にさらに激痛を重ねられ、ようやくティアリスの喉から絶叫が洩れた。
「――ぎぁあああああ〜〜〜ッ!!」
 快楽など一欠片も与えるつもりがないことは、男の暴力的な抽送を見れば明らかだった。
「あ、あ、あ……」
 あまりに非道な惨劇に呆然とへたり込んでいたアリシエルは、頭巾の男達に抱え上げられ、胡座をかいた上に落とされた。
「ひぅんっ」
 アナルを抉られ、甘い悲鳴を洩らす。向かい合うように腰を下ろした男のペニスが、耐えず愛蜜を垂らす膣洞にもねじ込まれた。
「はぁああああんっ!」
「あぎぃいいいいいっ!!」
 アリシエルの悦楽の声と、ティアリスの悲痛な叫び。囚われた美姫達の二重奏が石壁に反響する。二人を襲う淫辱はいつまでも終わる気配を見せなかった。


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