(4)
白磁の肌を土と精液が混じった汚泥にまみれさせ、四肢を人形のように投げ出して、少女は与えられる律動のままに揺さぶられていた。そこに自発的な動きは一切ない。
「…………」
悲鳴も呻きももはやない。呼吸すら、男の抽送がさせているのではないかと思えるほど浅い。ひどくまばらな瞼の瞬きが、彼女がまだ息絶えていないことを見る者に教えていた。
2周目以降は、男達はそれぞれ好みの場所に欲望をぶちまけた。ひたすら膣内射精に固執する者、顔射する者、控えめな乳房に射す者、全身満遍なく注ぎかける者……。亡き母譲りの美しい髪を汚されるのがアリシエルには殊更こたえた。嫌がる王女に触発されてか、膝下までもある癖のない漆黒の髪は特別念入りに汚液を染み込まされ、見る影もなくどろどろにされてしまった。
もう何回犯されたのか哀れな姫君は覚えていない。精も魂も尽き果てていた。
(――このまま、死ぬのかしら)
生まれてから初めて、アリシエルは至近にリアルな『死』を意識した。痺れていた情動が強烈に揺さぶられる。
(嫌……! 死にたく、ない……!)
だがもう体が動かない。
王女の肢体で欲望を貪っていた男が、一声喚いてまた白濁を注ぎ込む。
「……あ…あ……あ、あ……」
脈動と共に視界が暗くなる。それは限界を迎えた少女の体が、本能的に僅かに残った体力を掻き集め、温存しようとしていたのかもしれない。
暗幕が引かれるように、美姫の意識は急速に闇に閉ざされていった――。
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