(9)


 石床の上に無造作に放り出されたままの姿で、凌辱され尽くした美少女は浅く弱い呼吸をただ繰り返していた。既に獣達の蹂躙は終わり、人狼達は何処ともなく消えている。ほっそりした肢体、上質の磁器のように白くキメ細かな肌、艶やかな漆黒の髪、それらは全て生臭い牡汁にまみれ、徹底的に穢されている。
 粘度の高い白濁は固めすぎたゼリーのように、いつまでも彼女の顔や股間にへばりついて微細に震えていた。どれほどの量を流し込まれたのか、秘唇と菊口からはどろっ、どろっといつまでも白い粘塊が溢れ出してくる。
 乱暴に犯されてこそいたが外傷はなく、ただ何度も絶頂を強いられて体力を削られ、疲弊しきっていた。だが一番のダメージはアリシエルの精神に加えられたものだった。
 あんな目に遭って身体が悦んでいたのが未だに信じられず、黒髪の姫君は指一本動かす気力も湧かずに呆然と倒れ伏していた。
 そのままただ時間が流れ、いつの間にかまた触手生物が現れて彼女を包み込んだ。
「んっ……んんっ……」
 ぬらぬらと触手粘液を塗り込めながら、肌を、髪を、体内を汚す汚汁を拭い取る。不気味極まる外見への生理的嫌悪さえ克服できれば、触手の蠢きは優しくすらあった。身体を綺麗にし、食事や排泄の世話を焼いてくれる触手に感謝の念すら覚える。
 ――だが、アリシエルは知らない。この触手生物こそが、獣達に犯されて快楽を極めさせられた原因となっていることを。
 胃に流し込まれ、肌に体内に塗り込まれる粘液が、彼女の身体に取り返しのつかない改造を加える魔液であることを……。
 発狂を許されないのも、飲まされる濃縮栄養液に含まれる精神安定成分の影響なのだった。
 それから獣人達は触手生物と入れ替わりに訪れ、王女に極限の凌辱を強いた。少女の肉体は、何度も快楽の頂点を極めさせられ、急速に官能の深みに目覚めさせられていった。
 そして、囚われの姫君を襲う魔辱は、第三の段階を迎えようとしていた――。


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