10

 
 その日も、夜遅くまでガウリイに犯されるリナ。
 ガウリイに屈したリナの躰は、媚薬を使わなくても快感を生み出していた。
 子宮を、その長大な逸物で、ゴリゴリと削るように動かすガウリイ。
 ガウリイの逸物に馴染んでしまったリナの躰は、リナに幾度となく絶頂を味あわせていた。
「はあっ、はあっ、いいっ、あっ、お、お願い、一緒にイッて、ガウリイ!」
 悲鳴のようなリナの声が上がる。
「うっ、だ、だめだな。また一人でイクんだ!」
「そ、そんなっ、あっ、ああっ、いっちゃう、イクの、あああっ!」
 座位で、正面から抱き合うようにして、交わっている二人。
 リナの身体がガックリと折れ、ガウリイの方にしだれかかる。
「フフフフ、またイッたか、リナ。身体がずいぶんこなれてきたようだな」
 満足げに微笑むガウリイ。
「だが、まだまだだ。ほら、起きろリナ、いつまでもイッてるんじゃあない」
 ガウリイは股間の逸物に、気を注いだ。
「う、ううんっ、も、もうわたし……駄目……」
 虚ろな瞳で呟くリナ。
「おれを満足させるまでは、続けるぞ!」
「ああっ! お、お願い、次は一緒にイッて!」
「それは、リナしだいだな」
 ほくそえむガウリイ。
 一度リナの中に出したあと、ガウリイは射精を耐え続けていた。
 幾度となくリナを絶頂に追いつめ、果てさせる。
 ひとたび交われば、為すがままになるように、リナの身体に覚え込ませていくためだ。
「もっと腰を使うんだ。自分だけ気持ちよくなるんじゃなくて、おれも喜ばせるんだ」
「……こうぉ?」
 リナがクイッと腰を動かす。
 思わず射精しそうになるガウリイ。
「うっ、そ、そんな具合だ」
 ガウリイは内心感嘆していた。
 リナの持ち物は、名器と呼んでしかるべきものだった。
 経験不足で、まだ動きがぎこちないが。
 リナが娼婦で、経験十分だったら、堕ちていたのは自分だったな。
 埒もない想像に、苦笑するガウリイ。
「どうしたの?」
 心配そうな表情のリナ。
 その表情を見て、ガウリイは嬉しくなる。
 調教した女達は、けっしてこんな表情はしない。媚びるような表情はすることがあっても。
 今まで抱いてきた女達はこんな表情をすることはない。お互いに肉欲を貪りあうだけだから。
 やっと手に入れた!
 ガウリイはしみじみと感慨に浸った。
 自分のことだけを思ってくれる少女を手にすることが出来た感慨に。
 逃がしはしない!
 ガウリイは決意を新たにする。
 たとえそれが、彼女を鉄の檻の中に閉じ込めることになったとしても。
 ガウリイは、自分の中にある、狂ったような独占欲に酔いと、恐怖を感じた。
 もし、リナが自分の元から逃げ出そうとしたら、ためらわず、リナの両足のアキレス腱を切り落とすだろう、今の自分ならば。
 それでも反抗するなら、両腕の筋を削り落とし、呪文で逃げようとするなら、その舌を平気で切り落とすだろう。
 自分の狂気をいやす方法を、ガウリイは一つしか知らなかった。
 リナを、自分専用の性奴隷に、完全に調教してしまう。
 リナの意志がどうであろうと、その肉体は、自分の命じることならなんでもするように躾けてしまう。
 快楽と、苦痛と、欲望という、見えない鎖でリナをがんじがらめに縛り上げ、ぜったいに目の届かないところへ行けないように、調教してしまう。
 それだけでは駄目だ。
 ガウリイはリナの、あどけない顔を眺めた。
 もし万が一、リナが別の調教師の手に落ちたとしても、けっして他の調教師の調教テクニックになびくことがないように、仕込んでおかなければ。
 それにはやはり、リナに最高の調教を施すべきだと、ガウリイは決意した。
「ガウリイ、すごくエッチなこと考えてる」
 顔を赤らめながら、腰を淫靡に動かしながら、リナは囁いた。
「ああ、もちろんだ。リナの身体を貪り尽くす。それだけが今のおれの望みだからな」
 やさしく髪をなで下ろすガウリイ。
「まだ、わたしを変えるつもり?」
「ああ、リナをおれが思っている状況にするまで、まだまだ道は遠いな」
「そうなの……」
 悲しげな表情をするリナ。
 パシンッ、
 いきなりリナのお尻を叩くガウリイ。
「きゃあっ?! な、何するのよ、ガウリイ!」
「痛かったか?」
「あ、当たり前でしょ!」
「その苦痛が、やがて快感になるようになる。おれが目指しているのは、それより遙か先にある」
「そ、そんな……」
 思わず絶句するリナ。
「まあ、千里の道も一歩からと言うし、まずは、リナの声に『とろみ』をつける所から始めるか」
「『とろみ』?」
「ああ、リナのようなじゃじゃ馬を慣らすための、専用の道具を使ってな」
 悪魔のような笑みを浮かべるガウリイ。
「そうと決まれば、善は急げだ。今度は一緒にイッてやるよ、リナ」
 ズッズッズッズッ……
「ああんっ、あんっ、いいっ、いいようっ、早く、早くうっ!」
 ……リナとガウリイが獣の雄叫びを上げたのは、それから暫く経ってからだった。


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