13

 
 パシィン、
 部屋中に音が響き渡る。
「はあうっ、い、いたい……」
 リナはどこか虚ろな表情で呟く。
「そうか?」
 ガウリイは叩いたばかりのリナのお尻をゆっくりと撫で上げる。
「ううんっ、うんっ、うんっ……」
 甘いため息をつくリナ。
「リナ、さあ、お○んこ、と、言うんだ」
 恥ずかしい言葉を強要するガウリイ。
「いや……そんな」
 パシィン!
 ガウリイの平手がリナのお尻に炸裂する!
「い、いやよ……」
 パシィン!!
「そ、そんな、恥ずかしいこと……」
 パシィン!パシィン!パシィン!!
「う、お、お○んこ……」
 苦痛に耐えかね、ついに言葉を漏らすリナ。
「よくできた、リナ」
 こんどはやさしくリナのお尻を撫でまわすガウリイ。
「あんっ、はあっ」
 いっときの快楽に浸るリナ。
「さあ次だ。お○んちんと言うんだ、リナ」
 あくまでやさしい口調で問いかけるガウリイ。
「……もう……」
 パシィン、
「ああっ、お、お○んちん、お○んちん」
 リナはあっけなく、はしたない言葉をしゃべった。
「ククク、いいぞリナ、だいぶエッチな言葉を覚えたな」
 ご褒美とばかり、リナのお尻を撫でるガウリイ。
「ああっ、あああああっ」
 絶望の声を上げるリナ。
 ガウリイの『教育』は、確実にリナの心を蝕んでいった。
「じゃあ次は、言葉の意味を言うんだ」
 ガウリイはリナの胸をゆるゆると揉み砕く。
「フェラ○オの意味は?」
 カッ、とリナの顔が赤くなる。
「……し、知らないっ!」
ガウリイは、リナの乳首を指で弾いた!
「ひいいっ」
 思わず身体を反らすリナ。
「教えてやったはずだが?」
 ガウリイがやさしく語りかける。
「あっ、そ、それは……お、お○んちんを口で銜えて、ほ、奉仕すること、です」
「それで、どんな風に奉仕するんだ、リナ?」
「そ、それは、……舌でなめたり」
「ふんふん」
「す、吸い上げたり」
「フフフ、他には?」
「し、舌を這わせて、喉の奥底まで導いて、射精してもらいます」
「フフフ、射精した後はどうなるんだろうな?」
「射精された後は、せ、精液が、口から喉、食道を伝って、わたしのおなかの中に、流れ込みます。そして」
 虚ろな表情に、淫らな感情が宿る。
「リナは、ガウリイの精液を身体の中に吸収するの。そして、リナはまた一歩ガウリイのものになってしまうの」
「フフフ、よくできたリナ、賢いぞ」
 褒美とばかり、リナの下の口に、肉棒をつっこむガウリイ。
「ああああっ」
 嬌声をあげるリナ。
「さあリナ、イメージするんだ。リナはいまおれにフェラチオ奉仕をしている」
「あっ、あんっ……」
 ズッズッズッ……
「どうだ、リナ、いいだろう?」
「あっ、がうりいの、お○んちん、なめたい、あうんっ、なめたいの……」
 リナの舌が、なまめかしく唇をなめ回す。
 ガウリイの思惑通り、フェラ○オのイメージトレーニングを繰り返すリナ。
 リナはまだ口淫奉仕を一度としてしていない。
 しかし心の中では、すでに何十回となく、リナはガウリイに奉仕をしていた。
 心を犯し、しかる後に身体を堕落させていく。
 ガウリイが張り巡らした陥穽の中に、アリ地獄に落ちていくアリのように、はまっていくリナ。
「いっ、いいの、おま○こ、いいっ、がうりいのお○んちん、とっても、イイ!!」
 リナはそれから、はしたない言葉を叫ぶようになった。

 ピシッ、パシッ、ピシッ……
 鞭の音が部屋中に響き渡る。
 両手で吊るされた状態で、リナはガウリイの鞭の洗礼を受けていた。
 初めの三日、リナは泣き叫び続けた。
 リナが泣き疲れても、ガウリイの鞭は止まることがなかった。
 そしていま、リナはただひたすらガウリイの鞭を耐えている。
 いや、耐えているのだろうか?
 リナの股間からは、愛液が激しく滴り落ちていた。
 鞭で打たれるたびに、うっとりとした表情を浮かべるリナ。
 それは、苦痛すらも快感と感じるようになった、マゾ奴隷の表情だった……

「どうだ、リナ、感じるか?」
 冷酷な声で、問いかけるガウリイ。
「……うん、とっても……」
 夢見るような表情で答えるリナ。
「完全に、マゾ奴隷になったな」
 確認する、ガウリイ。
「……違うよ」
「なんだ?」
「ガウリイの、マゾ奴隷になったんだよ」
 きっぱりと言い切るリナの言葉に、会心の笑みを浮かべるガウリイ。
「そうか?」
「うん。……ガウリイに叩かれるから、きもちいいの。とっても」
 堕落した表情で答えるリナ。
「痛いけど、気持ちいいの、ガウリイだから」
 甘い吐息をつくリナ。
「もう、いいでしょ? わたしは、もう……」
恥ずかしげに目を伏せるリナ。
「……もう少しだな。ここで手を抜いたら、『しつけ』にならないからな」
「うん……」
 ガウリイの言葉に、首をコクッと縦に動かすリナ。
 それからまた暫くの間、部屋中に鞭の音が鳴り響いた。
 やがて、がっくりと首を折るリナ。
 すでに数十回になろうか? 小水を漏らすリナ。
 ガウリイは鞭を振るうのを止めると、机の上に鞭を置いた。
「ふふふっ」
 背後から近づくと、リナの背中の傷を舐め始めるガウリイ。
「あっ、ああっ?!」
 ぺろぺろぺろ……
 ガウリイが舐める度に、リナの股間に愛液が滴る。
 快楽の種子を、傷口から埋め込まれていくリナ。
 鞭の痕を丹念に舐めていくガウリイ。
「リナの身体に、痕は残したくないからな」
 ガウリイは笑ってそういったが、いまではリナもわかっていた。
 自分を馴らす為の、調教の一環だと。
 あくまでやさしく、いたわりつつ、リナの身体を舐めるガウリイ。
 全身を舐め終わると、ガウリイはしばらくリナに休息を許す。
 植え込んだ快楽の種子が、リナの身体の中で発芽するのを待つように。
 そして、
 再び鞭をとるガウリイ。
 ピシッ!
「あん、あはあんっ」
 とろけた表情で、嬌声を上げるリナ
 蜜を、滴り落とす。
 ああっ、だめっ、もう痛みすら感じなくなって……
 いいえ、感じないんじゃあなく、別のモノに置き換えられて……
 パシッ!
「いいっ、気持ち、いい……」
 だめっ、きもち、いい……
 いたいのに、きもち、いいの……
 マゾの表情を浮かべながら、涎を垂らすリナ。
 トロトロトロ……
 涎はリナのあごをつたい、床の上に、ポタリ、ポタリ、と落ちる。
 マゾの悦楽は、リナの躰の芯まで、しっかりと染み込んでいた。
「フフフフ……」
 鞭を振るうガウリイ。
 リナのマゾ奴隷化の完成まで、あと一息というところだった。


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