その7
「はううっ……」
力無いため息をつくミレル。
壁際に四つん這いにさせられたミレルが、躰を震わせる。
目の前に置かれた鏡が、ミレルの姿を無情にも映し出す。
首輪をかけられ、そこから伸びた鎖が、そばにある支柱に繋がれている。
両手、両足もそれぞれ腕輪に足輪をはめられ、リングで地面に固定されている。
ミレルの体型に合わせて作られた木の台座を下腹部に当てられ、尻を突き出すように持ち上げられている。
枕元には大きなクッションが置かれており、ミレルは力無くその頭部をクッションにあずけている。
クッションは、ミレルが垂らした涎でテカテカに光っていた。
それが、今まで行われてきた恥辱の責めの凄さを物語っている。
いましも、黒人の内の一人ダーがミレルのアナルに浣腸の筒先を差し込み、ピストンをじわじわと押していた。
浣腸液が、ミレルの腸内を浸していく。
やがて、浣腸液のすべてを流し込まれてしまうミレル。
それを確認した後で、浣腸を引き抜くダー。
「あうっ……」
ミレルのアナルから透明な液体が噴き出した。
すでに、ミレルの腸内には排出するべき汚物はない。
浣腸液を、そのまま排出してしまうミレル。
それを確認するのは、ダーと入れ替わったギー。
その手には新たなる浣腸がしっかりと握られていた。
噴出が止まると、すかさず筒先を差し込む。
「はうううっ……」
苦痛とも快楽ともわからない声を上げるミレル。
それを見つめるズーの手に、すでに充填済みの浣腸。
背後ではダーが、シリンダーに浣腸液を充填していた。
無限ともおもえる浣腸が終わると、今度はアナル拡張の特訓が始まる。
浣腸を別のものに持ち帰る三人の黒人。それをソファーに腰掛け、楽しげに見つめているローザ。
最初は、小さく細い張り型から始まった。……そして今ではかなりの太さのものをアナルにくわえ込まされているミレル。
張り型を挿入され、引き抜かれ、再び挿入され、引き抜かれ。
三度に一度、アナル拡張棒を突っ込まれる。
「はうっ!!」
苦痛にのけぞるミレル。
それを冷静に確認した後、再び張り型を二度。
そして、アナル拡張棒で、一度。
繰り返し繰り返し行われる行為に、ミレルのアナルは次第に拡張されていく……
「次のサイズを」
冷徹に命令するローザ。
男達は、手に持つ張り型とアナル拡張棒をワンサイズ大きめのものに持ち替えた。
そして、再び繰り返される行為。
「ああああああっ!!」
悲鳴を上げるミレル。
しかしそれは、やがて悲しき嗚咽へと変化していくのだった……
な、なんなの……
調教を受けているミレルは、次第に訪れる肉体の変化を感じ取っていた。
初めは苦痛でしかなかった行為、
それが何か別の物に変化しようとしているのを感じていたのだ。
ミレルはそれをドス黒い、おぞましいものとして認識していた。
ああっ、流し込まないで! わたしの躰にそれ以上、黒い『何か』を流し込まないで……
しかし、ミレルの思いとは裏腹に、それはミレルの体内に蓄積されていく。
蓄積されればされるほど、苦痛は苦痛でなくなり、それは何か別のものへと変化しようとする。
ミレルは、自分が何か別の生き物に変えられそうな恐怖におびえながら、懸命に戦っていた。
もうそろそろね、うふふ……
ミレルを見て、満足げに微笑むローザ。
ミレルのアナル拡張はすでに成功をおさめ、すでにカイルのイチモツを受け入れることが出来るほどに広げられていた。
カイルのイチモツより僅かに小さいサイズの張り型を使い、ミレルのアナルはこねくり回されている。
「うううううう……」
悲しき嗚咽を漏らすミレル。
ミレルの躰は、はしたない躰に調教されてしまっていた。
いまだ、セックスの快感は感じないミレルではあるが、それでもその躰は調教にすっかり馴染んでいる。
そんなミレルを満足げに見つめるローザ。
さて、そろそろ引導を渡してもいい頃ね。うふふふ……
舌なめずりするローザ。
さてと、さっそくカイル様に連絡しないと……
ローザはソファーから優雅に立ち上がった。
もう、ミレルがカイル様のモノを受け入れる準備ができたことを報告しなくては、
……うふふ、カイル様の喜ぶ姿が目に浮かぶようだわ。
ローザは口元を愉快そうに歪めると、部屋から立ち去っていった。
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