その8
白いベッドの上で、静かに横たわっているミレル。
その白い肢体を惜しげもなく晒し、凌辱者が来るのを待っていた。
白いベッドを彩るのは、ミレルの輝やかんばかりの金髪と、そのサファイアグリーンの瞳、そして……首にはめられた黒い革製の首輪と、そこから伸びている銀色の鎖だった。
完全に屈服した風情で横たわっているミレル。
キチェの強制投与で同年代の女性より、遙かに豊かになったその胸。
そのお尻はキチェの強制投与に加えて、過酷な調教によって匂い立つような淫らさを発散させていた。
ごくり、と思わず唾を飲むカイル。
「とても、……男だとは思えないな」
「ええ、ここまでくれば性別なんて関係ありませんわ。今のミレルは一種の芸術品。殿方の欲望を満たす為の最良の道具」
「な、なるほど。……すでに人の美しさではないな」
「その通りですわ、カイル様」
婉然と微笑むローザ。
「喩えて言うならば、鍛え上げられた名剣に必然的にあらわれる美、……といいましょうか? もっとも素材が極上でなかったら、ここまで磨き上げることは出来なかったでしょうけど」
「……ふふっ」
ローザの言葉に、嬉しげに笑うカイル。
「これが、僕のモノか。ククク……」
「さあどうぞ、ご賞味を。名剣に銘を打つように、ミレルの躰にカイル様のシルシを刻んで下さいませ」
「ああ、そうさせてもらう!」
カイルはそういうと、ベッドへと近づいていった。
ミレルを見下ろすカイル。
ミレルはベッドの上でスヤスヤと眠っていた。
無防備な、その姿。
かつての体型から完全に変化したその躰からは、ローザの調教がいかに過酷なものであったかがうかがえる。
「ミレル……」
「……うんっ? あっ、……にいさま……」
カイルがそっと声を掛けるだけで、目蓋を開けるミレル。
その顔に広がる、やわらかな微笑み。
一気に襲いかかりたくなる衝動を、懸命に抑えるカイル。
カイルはなぜか、乱暴にミレルの躰を奪ってはいけないと感じていた。
「ミレル、おまえをもらうぞ」
「……うん」
優しく問い掛けるカイルに、嬉しそうに微笑みながらコクリと頷くミレル。
「ミレルは、にいさまの欲望処理の道具だから。その為に、ローザ様に仕込まれたから」
微笑むミレル。
「だから、もらって、にいさま。……ミレル、にいさまのモノになるのなら、とっても嬉しい……」
「ミレル……」
服を脱ぎ捨てていくカイル。
「あはっ、ミレルで感じてる、にいさまの……」
カイルの股間にそそり立つものを見つめ、嬉しそうにつぶやくミレル。
「嬉しい……」
愛欲に染まった表情でカイルを見つめるミレル。しかし、その表情には下卑たところは少しもない。まるで恋する純真な乙女のようなその表情……
まさしく、ミレルは極上品だった。
裸になったカイルは、ゆっくりとミレルに覆い被さっていく。
豊かになった胸が、カイルを出迎えた。
張りがあって、弾力がある。それでいて、やわらかいミレルの胸。
それを押しつぶしながら、背中に手を回すカイル。
「ああっ!」
それだけで、感極まった声をあげるミレル。
やさしく、あくまでやさしく抱いていくカイル。
ミレルの躰は段々と熱を帯びていき、その躰はほのかにくれない色に染まっていく。
「あっ、あはっ、ひぐっ、はうっ……」
淫らな鳴き声をあげ続けるミレル。
カイルはじっくりとミレルの躰を弄ぶ。
カイルの手で、カイルの指で、淫らな快感を覚え込まされていくミレル。
いや、みずからの意志で快感として記憶していく。
やがて時が経ち、一通りの愛撫が終わると、
ミレルはうつぶせに寝かされ、カイルによってその腰を上に引き上げられた。
「ミレル、お前のお尻に入れるよ」
「……うん」
カイルの言葉にミレルはかすかに頷くと、ゆっくりと全身の力を抜いた。
それを確かめると、ミレルのアナルを確認し、イチモツを添わせる。
「始めるよ、ミレル」
……ズンッ、
「はあうっ?!」
艶めかしい悲鳴をあげるミレル。
「うっ、……痛いか、ミレル?」
「ううん、痛くないよ、にいさま……」
思いっきり顔をしかめ、カイルの問いに答えるミレル。
「痛くない、ホントだよ……」
「ミレル」
ぎゅっと、ミレルの躰を抱きしめるカイル。
「はあうっ、ああっ、だめぇっ!!」
悲鳴をあげるミレル。
ミレルのアナルはカイルの肉棒によって引き裂かれていた。
体内に侵入を果たした肉棒は、ミレルの躰の中で暴れ回る。
ミレルの意識が次第に朦朧となってゆく……
「うふふ、よかったですわね、ミレル。いまあなたは、カイル様に愛されているのですよ」
「あ、あいされ……てるの?」
調教係のローザの言葉に、虚ろな表情でこたえるミレル。
その頬には、赤みがさしていた。
「そっ、……そうなの?」
「そうですわ、ミレル。どの女性にも成し得なかったこと、それをあなたは男の身で行っているのですよ!」
その言葉に、ミレルの顔に至福の笑顔が広がった。
「……うごくぞ」
「うん。……もっともっと、ミレルをあいして……」
「……わかった」
ほくそ笑みながら、しだいに腰を使い始めるカイル。
「ああっ、感じる、にいさまを感じるぅ……」
苦痛は、感じていた。
しかし、それにまさる幸福感に支配されるミレル。
張り型にはない、熱さ、堅さ、柔らかさ。
そして、独特の動き……
調教によって拡張されたアナル、薬によって性の器官へと練り上げられた腸壁が、次第にカイルのイチモツに馴染んでいく。
あううう……痛いけど、痛くない。痛いけど……痛くない。痛いけど…………あれっ?
次第にミレルの表情が変化していく。
苦痛に歪んだ表情から、うっとりとした表情へと……
あれっ? 痛くない? ううん……痛いんだけど、きもち、いい。痛いんだけども、きもちいいの。痛いのが、とってもきもちいいのぉ……
ミレルの中に詰め込まれていたドス黒いもの、それがついに快感へと変化した瞬間だった!
「きもちいい。……とってもきもちいいの、にいさま!」
ついに、悦楽の悲鳴をあげるミレル。
その悲鳴を聞き、邪悪な笑みを浮かべるカイル。
「そうか?」
「うん……」
カイルの問いに、淫らな表情で答えるミレル。
ズンッ、ズンッ、ズンッ……
「はああっ!」
感極まった、悦びの声を上げるミレル。
それは、ミレルの躰がカイルの前に陥落した瞬間だった。
ククク、僕のモノだ。ミレルは僕のモノだ! もう、逃がしはしない。逃がすものかっ!
一突き、一突きに力を込め、ミレルの躰を快楽に染め、屈服させていくカイル。
その都度、ミレルに対するカイルの征服欲が満たされていく。
それと同時に、ミレルに対する支配欲と独占欲を膨らませていくカイル。
「ううっ、きもちいい、きもちいいぞ、ミレル!」
「はっ、はうっ! ミレルも、ミレルもきもちいいです、にいさまっ!」
ドクッ……
ミレルの躰の中で、熱い衝撃が走る。
「あうっ?!」
「くっ!」
ドクッ、ドクッ、ドクッ……
続けざまに放たれる、熱いかたまり。
「ひぐっ?! うぅっ!」
身を震わせるミレル。
みずからの熱き欲望の塊を、ミレルの躰の奥底に流し込むカイル。
精液が腸壁を叩く音を聞きながら、ミレルは崩れ落ちていった。
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