すっかりきれいに洗い上げたアメリアは、躰を拭き、浴室から出てきた。
「ずいぶんとゆっくりだったな」
 ゼルガディスの声が掛かる。
「も、もうしわけありません、ゼルガディスさん」
 ビクッと躰をふるわせるアメリア。
「別に怒ってるわけじゃあない。フフ、よく我慢できたと思ってな」
 ゼルガディスの言葉の意味に気がつき、アメリアは顔を真っ赤に赤らめた。
「自分でしたのか?」
「はい、……自分の指で気持ちよくなっていました」
「さすがはアメリア、本当に淫乱な牝奴隷だな」
「ああっ」
 言葉でなぶられて、被虐の喜びに捕らわれるアメリア。
「もうわたし、わたし……」
「フフフ、いい表情だ。そうだアメリア、そんなおまえにプレゼントがある」
「プレゼント?」
 期待と疑惑のまなざしで、ゼルガディスを見るアメリア。
「そうだ、ほれ」
 ゼルガディスが部屋の片隅を指さす。
「あっ、あれは……」
 アメリアは絶句する。
 そこには美しいドレスが飾られていた。
 清楚かつシンプルなそのデザイン。
 白を基調として、織り込まれた高価な飾り。
 その傍らには、金色のティアラが飾ってあった。
「そうだ、おまえの王女としての正式なドレスだ。どうだ、嬉しいか」
 ゼルガディスは軽い口調で言う。
「な、なんでこんな所に……」
 オロオロするアメリア。
「なんだ、せっかく取り寄せてやったのに。嬉しくないのか?」
 ゼルガディスはギラついた欲望の視線で、アメリアを縛り上げる。
「さあ、俺の前で着てみせてくれ」
「そ、そんな……」
 アメリアは思わず口ごもってしまった。
 ゼルガディスが自分に何をさせようとしているのか、おぼろげながら理解して、アメリアは蒼白になる。
「いやっ! それだけは許して下さい、お願いします!!」
 アメリアは裸のまま膝を折り、顔を床になすりつけて懇願する。
 その姿には、かつて気の強かった少女の面影は何処にもない。
 ゼルガディスは返事をせず、懇願するアメリアの背中に足を置いた。
 ぐいっ
 アメリアの躰が踏みつぶされる。
「あうっ」
 アメリアは思わず悲鳴を上げた。
「いい加減観念したらどうだ、アメリア。お前はもう王女ではない、人間でもない、この俺のペット、いや、家畜だ。納得できないのなら、何度でもお仕置きをしてやる!」
 ゼルガディスの言葉に、躰を震わせるアメリア。
「そうです、その通りです。でも、これだけは!」
 アメリアはさらに言い募る。
「家畜であるお前に、せっかく服を着せてやろうという、俺の好意を受け取れないとは! ふんっ、自分がどんなにあさましい生き物か、思い出させてやる!!」
 ゼルガディスは壁に立てかけてある、調教鞭を手に持った。
 しなやかな柳の木を素材として作られたもので、アメリアはさんざんこの鞭によって、躾けられてしまっていた。
 ピシッ、ピシッ、ピシッ
 立て続けに三回、アメリアのお尻がぶたれる。
「ひっ!」
 アメリアの悲痛な叫びが、部屋中に響きわたった。
 その後で、アメリアのアナルを指で揉みほぐすゼルガディス。
「あんっ、くふうっ、ああんっ……」
 おもわず、感じてしまうアメリア。
 そんなアメリアに対し、再び鞭を振るうゼルガディス。
 しばらくの間、それを交互に、執拗に繰り返す……
 と、アメリアの表情に劇的な変化が訪れる。
 苦痛と淫らな快楽の狭間で、アメリアの人格が崩壊してゆく……
 次第にアメリアは、自分の意志を失っていった。
「ああああ、いやですうっ、もう、許して下さいっ、ああっ……」
「アメリア、何でお尻をふたれているかわかるか?」
 ゼルガディスの残酷な問い。
「いいえっ、わ、わかりません」
「それはな、お前が悪い子だからだ」
「悪い子」
 虚ろな表情でこたえるアメリア。
「そうだ、悪い子だ。ご主人様の言うことを聞かない悪い子だ」
「そう、わたしは、悪い子。だから、お仕置きされるの……」
 ゼルガディスの言葉を復唱するアメリア
 それを見て、ゼルガディスはほくそ笑んだ。
 アメリアの人格に、言葉を刷り込んでいくゼルガディス。
 すでに、意志の力のほとんどを奪われたアメリアは、ゼルガディスの思うがままに洗脳されていく……
「そう、よくわかったな、アメリア、賢いぞ。アメリアは良い子になりたくないのか?」
「アメリアは、良い子になりたいです」
 虚ろな表情で答えるアメリア。
「じゃあ、おれの言うことに従えるな?」
「はい、……アメリアはゼルガディスさんのいうことに従います」
 自らの意志を、完全にゼルガディスに委ねてしまうアメリア。
 アメリアは小さい頃、いたずらや悪さをすると、決まって家庭教師にお尻をぶたれていた。
 成長した今、それらの体験は、無意識下に納められている。
 ゼルガディスはその事実を調べ上げ、アメリアを調教する武器としたのだ。
 すでに、その事に関して記憶がないアメリアは、あっけないほどゼルガディスに屈服してしまった。
 まあもっとも、愛しいゼルガディス以外の調教なら、堕ちることはなかっただろうが……
「じゃあ、服を着てくれるな?」
「はい……」
 アメリアは、完全に虚ろな表情でゼルガディスを見たあと、いそいそとドレスの傍らに立った。
 そして、慣れた手つきで衣装を身に纏っていく。
 着ているうちに、次第に意識を取り戻すアメリア。しかし、屈服させられた躰は、アメリアの意志とは関係なく、動いてしまう……
 やがて、アメリアはドレスを完全に身につけてしまっていた。
「きっ、着ました、ゼルガディスさん……」
 アメリアは恥ずかしそうに言う。
 全裸で調教されていたときよりも、アメリアは恥ずかしくてたまらなかった。
 王女である自分が、いかに淫らな存在に変えられてしまったのかドレスが指摘しているようで、アメリアは思わず俯いてしまう。
「綺麗だな、アメリアは」
 ゼルガディスの言葉に、顔を赤らめるアメリア。
「フフフ、まさしく、セイルーンの清らかな姫というところか、見かけは。だが、その中身は、フフ、おれの逸物を、腰を振っておねだりする牝奴隷。フフフ……」
 ゼルガディスの言葉に、全身を真っ赤にするアメリア。
「さて、牝奴隷の儀式を始めるとするか。誓いの言葉と口づけをするんだ!」
 ゼルガディスの言葉に、アメリアはおずおずとゼルガディスの前に進み出る。
「きっ、清めさせていただきます」
 アメリアはそういうと、ゼルガディスの前にひざまずいた。
「牝奴隷のアメリアに、ゼルガディスさんの高貴なモノに奉仕させて下さい。ゼルガディスさんの牝奴隷として、一生懸命勤めさせていただきます」
「フン、謙虚さが足りないな」
「あっ、そ、そんなぁ……」
「王女としての気取りがある。フン、素直になったらどうだ?」
 ゼルガディスの言葉にうつむくアメリア。
 すっと、右手を股間に伸ばし、パンティーの中の閉じた割れ目を指でまさぐりはじめる。
 左手は、後ろに伸ばされて、アナルに自らの意志で指を突っ込んだ。
「あふぅ、はあぅ、き、気持ちいい」
 よがり始めるアメリア。
 なまじ清楚なドレスとティアラを身につけているために、壮絶なまでに淫らな姿となる。
「フフフ、まったくもって、淫らになったな。そのままでもいけそうじゃあないか?」
「い、いじわるしないで下さい、ゼルガディスさん。ぜ、ゼルガディスさんの逸物でないと、いくことのできない躰にしておいて、そ、そんなこと……」
「フフフ、感謝しろよ、アメリア。おれ専用の牝奴隷にしてやったんだ。おまえはもう他の男とのセックスではいくことができないんだ。いくら綺麗な服を着て、清楚な姿を装っても、中身はセックスという餌を貪る俺専用の家畜でしかないんだよ!」
「ああっ、ああああ」
「悲しいのか? フン、嘘をつくな。嬉しいんだろう? 気持ちいいんだろう? でなきゃあ、ここまで俺の言いなりにはならないだろうからな」
「そ、それは……でも……」
 言い淀むアメリア。
 たしかに、自分の心の中に、めちゃめちゃになるまで愛されたいという欲望が潜んでいたことに気がついていた。
 そして、大好きなゼルガディスにそうされてしまい、心は行為を拒否しても、躰がゼルガディスのもたらす快楽をあさましく貪ってしまうことも。いや……
「わ、わたし、こうなることを望んでいた?」
 アメリアは絶望とともに呟いた。
 ゼルガディスはほくそ笑んだ。
 ついにアメリアが、自らの意志で、牝奴隷であることを認めたことに……
「そうだ、アメリア。生まれ落ちた時から、お前は俺の牝奴隷になるよう定められていたんだ。どんなにあがこうとも、逆らおうとも、この定めからは逃れることはできない」
「さだめ……」
「そうだ。だが、俺は優しいからな。一度だけこの定めより逃れる機会を与えてやろう」
 ゼルガディスはチャックを引き下げ、その逞しい逸物をアメリアの前に突き出した。
「ああっ」
 それを見つめるアメリアの目は、すでにして虚ろになっている。
「もし、心の底から俺の牝奴隷になりたいのなら、俺の逸物に口づけをしろ」
 ゼルガディスは完全に自信にみちた言葉で、アメリアに話しかける。
「いやならそのままがまんしろ。俺との関係もこれまでにしてやる。そうなれば、もうお前をなぶるものはいない。お尻をかき回してくれるものもいない。お尻で可愛がられることもなくなる。フフフ」
 百パーセント確実に、アメリアがペニスに口づけすることを確信しつつ、ゼルガディスは言い放つ。
 アメリアの唇が震える。
 すぐにむしゃぶりつきたい自分、でも、心の中にある微かな感情の残滓が、アメリアに最後の警報を発していた。
「どうした、アメリア」
 ゼルガディスの言葉に躰を震わせるアメリア。
「いやなのか? じゃあ……」
「まっ、まってください、ゼルガディスさん」
 アメリアは思わずゼルガディスの肉棒をつかむ。
 そして、震える唇で口づけをした。
 アメリアの心にあった、最後の何かが砕け散るとともに、完全な牝奴隷の烙印をみずからに刻み込むアメリア。
「フフフ、良い子だ、アメリア。そんなに俺の牝奴隷になりたかったのか? しょうがないな、飼ってやるよ。フフ、せいぜい主人である俺を楽しませるんだな」
 アメリアを完全に自分の物に堕とした悦楽にいるゼルガディス。
「ゼルガディスさん……」
 かつてのアメリアの心は完全に死に絶え、いまのアメリアは一匹のメス。卑しい牝奴隷に完全になってしまった。
 もはや、ゼルガディスに逆らおうという気持ちは欠片もおきない。
 ゼルガディスの命令に唯々諾々と従うことに、気持ちよさを感じるようになっていた。
「ぜっ、ゼルガディスさん、わたしに奉仕をさせてください」
 アメリアの口から、せきをきったように服従の言葉があふれ出す。
 もはや、アメリアの中から理性の歯止めは失われていた。
「フフ、奴隷のくせに生意気な奴だ。だが、格別の温情をもって、奉仕を許してやろう」
 勝利者の表情でゼルガディスはアメリアを覗き込む。
「ああっ、ありがとうございます……」
「しっかり奉仕しろよ」
「はいっ」
 アメリアはついに始めて自分の意志で、ゼルガディスに奉仕を始める。
 アメリアは、その長大な逸物に手を添えると、口に導いた。
 頭に飾られた金のティアラが前後に動く。
 ぺちゃ、ぺちゃ、ぺちゃ……
 アメリアの口元から、淫らな音が響いた。
 しゃぶるほどに、なめるほどに、アメリアの躰はピンク色に染まっていく。
 もはや、一国の王女である誇りは欠片もない。
 あるのは、牝奴隷としてご主人様に奉仕できる喜び。

 ゼルガディスはアメリアの髪に手を伸ばすと、やさしく掻き上げる。
 ビクッとアメリアの躰が動く。
「フフフ、もういいぞ。尻を差し出せ」
「……はい」
 アメリアは素直に頷くと、パンティを脱ぎ捨てる。
 犬のように四つん這いになり、お尻をたかだがとさしあげる。
 両手でドレスを掻き上げたあと、お尻に手をやり、自らの意志でアナルを露わにした。
「ご賞味ください、ゼルガディスさん」
 恥辱にまみれた、屈辱的な姿勢をとるアメリア。
「フフフ、だいぶわかってきたじゃあないか。それじゃあ……」
 ズンッ
「ああっ、あああっ……」
 歓喜の声を上げるアメリア。
 すでにしてその瞳から理性が失われている。
「いいのか?」
「はっ、はい! 気持ちいいですぅ……」
「自分で動いてみろ」
「……えっ?」
「自分で貪ってみろといっているんだ」
「は、はい」
 アメリアは自らの意志で腰を振る。
「き、気持ちいい……ああんっ」
 アメリアは気づいていなかった。
 初めて自らお尻を振り、快楽を貪っていることに。
 牝奴隷の儀式は着実に進んでいる。
 あとは……
「うっ、でるぞ!」
「はっ、はいっ、ください!」
 アメリアは自分のアナルを必死に締め付ける。
 ドクッ、ドクッ、ドクッ……
 ゼルガディスの精液がそそぎ込まれる。
 腸壁に叩きつけられるそれを、アメリアは一滴もこぼすまいと、お尻に力を込める。
「ふうぅっ」
 アメリアの口から満足そうなため息が漏れた。
 心の底から、牝奴隷の喜びを噛みしめるアメリア。
 極彩色の快楽に浸りながら、アメリアはいつしか、ゼルガディスに感謝していた。
 自分にこれほどの喜びを教えてくれたことに。
「フフフ、完成したな」
「えっ……」
「フフフ、もうお前は自分から俺に奉仕する牝奴隷になったんだ」
「あっ……そうです。そうですね……」
 アメリアはにこやかに微笑む。
 その微笑みは、完全に主人に屈服した牝の微笑みだった。
「わたしはゼルガディスさんの牝奴隷。ゼルガディスさんにのみ忠誠を誓い、奉仕するために生まれた家畜。それがわたし」
「フフフ」
 みだらに染まった表情を見せるアメリア。
 満足げにみるゼルガディス。
「さて、もう一度だ。こんどは俺が喜ばせてやる」
「はいっ!」
 心底嬉しそうな表情になるアメリア。
 アメリアはお尻の力をわずかに抜く。
 白濁液が、アメリアの股間をつたい、前を濡らし、太股に流れていく。
 ズンッ
「ああんっ」
 すかさず、ゼルガディスはアメリアのアナルを再度犯す。
「あふう、ひいっ、ううっ、ああっ」
 ゆっくりしたストロークで、ゆっくり深くえぐるゼルガディス。
 アメリアが肉欲の宴から解放されたのは、翌日の朝だった。


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