蛙雷(あらい)氏・作 蛙雷さん十八番の「と○メモ」小説です。 メガネっ娘未緒ちゃんがまたまた可哀想な目に遭う被虐エロですが、読者の選択によって展開が変わってくるという実験的内容になっています。一粒で三度美味しい意欲作をお楽しみ下さい! |
俺は中毒患者だ。 まあ、中毒患者と言っても薬物中毒だとかアルコール中毒だとか言うような、危ない類の中毒患者ではなく、俗に言う活字中毒患者なのだが そんな活字中毒の俺が、学校の図書館に毎日のように出向いては、雑多な種類の本を読みまくるのは、当然の事であった。 そして、毎日のように図書館に出向けば、図書館でよく出会う人間と親しくなるのは、自然な事であり、不思議な事ではない だから、図書委員の彼女…如月未緒と言う名前の少女と親しくなったのは、当然の事であった。 親しくなったと言っても、別段恋愛感情とかがある!…と言うわけではない、彼女もどちらかと言えば、活字中毒患者であり、言うならば同じ活字中毒患者同士、同じ趣味を持つもの同士の仲間意識で親しくなった、というところだろうか? 少なくとも俺はそうだった、なにせ恋愛意識と言うか、好きな娘は他にいたのだから… 二年目の春が終わり、初夏の気配が色濃くなってきた今日この頃、俺は最悪であった。 以前から惚れていた娘にデートを申し込み、ものの見事に轟沈してしまったからである、それでも活字中毒の悲しさと言うか救いと言うのか、放課後には図書館に顔を出して、面白い本が無いかと、新刊書のコーナーや図書館の棚を見繕って、貸出の受付へと向かう、そこには彼女…貸出しを担当していた如月未緒がおり、顔を合わした。 その時俺は、かなり落ち込んだ表情をしていただろう、彼女は心配そうに聞いてくる…どうしたんですか?大丈夫ですか?気分が悪いのですか?…と… 心配してくれる彼女に俺は、無理矢理に作り出した笑顔で答える…大丈夫…大丈夫…と…そして思い出す。 轟沈してしまった彼女をデートに誘おうと思って用意していた映画のチケットが、自分の分と誘おうとした相手の分の二枚が手元にあることを…こんな自分を心配してくれている優しい彼女…一人じゃ見に行く気も起こらない事だし、心配してくれた御礼に彼女に、このチケットを二枚ともあげようと考えた… 「映画好き?」 俺の問い掛けに彼女は明るく答える。 「はい、大好きです」 俺は、ポケットから映画のチケットを二枚取り出しながら言う。 「それじゃ、このチケットあげるよ…明後日の土曜日まで有効だから…」 そう言いながら、映画のチケットを二枚とも彼女に手渡す。 「いただいて、いいですか?」 手渡された映画のチケットを手に持った彼女が聞き返す 「いいから、いいから…」 俺は、そのまま図書館から出て行こうとしたが、彼女の次の言葉に固まった… 「それじゃ、映画のチケットの御礼に私が御弁当を作っていきますから…待ち合わせ場所は、どこがいいでしょうか?」 固まったまま俺は彼女の方を振り返る、振り返った先には、映画のチケットを持って、楽しそうな笑顔で俺を見ている彼女の姿がある… 「え〜…と…」 「そうですね…11時に〇〇公園で待ち合わせ…で、よろしいでしょうか?」 俺は、二枚のチケットをあげた…彼女が誰か友達と二人で行けばよいと思って…しかし彼女は、俺に映画に誘われたと解釈したらしい… 俺は迷う、この勘違いを是正すべきかを…そして、考えた挙句に言った。 「それでいいと思うよ、土曜日が楽しみだな〜」と… かくして俺は、今度の土曜日に彼女…如月未緒と映画を見に行く事になったである… * ************************************** 待ち合わせ時間の30分前に、俺は待ち合わせ場所の公園に着く、別に早く着いておこうと考えたわけではない、待ち合わせ場所に行く前に近くの本屋に寄り、頼んでいた本を受け取っておこうと考えたからだ、本屋へと向かう道順の途中に待ち合わせを約束した公園があっただけである。 まさか、まだ着ていないだろうと思い公園内の待ち合わせ場所へと視線を向けると…その場所に彼女は、すでに待っていた。 自慢ではないが、俺は本を濫読している割には視力が良い…その卓越した視力が彼女の姿を捉える、淡いブルーのブラウスとピンクのスカートに身を包んで、待ち合わせに指定した公園のベンチに座っている彼女の姿を見つけ出したのだ。 彼女は公園の中に居る人達を見ていた…公園で遊んでいる親子…芝生に寝転がるカップル…ベンチに腰掛けている老夫婦…優しい表情でそれらの人々を見ながら、視線を公園の入口へと向ける…彼女の視線と公園の入口で彼女を見ていた俺の視線が交差する…まさか、この状態で彼女を無視して本屋に向かう事は出来ない…俺は、公園の中へと脚を進めた。 待った?と言う俺の問い掛けに彼女は、首を振り否定するが、しかし、なんとなくわかる。彼女が結構前からこの場所に居たのであろう事を… 少し早いが、ベンチに腰掛けながら彼女が作ってきたお弁当を食べる。 小さな俵型オムスビと玉子焼きにトマトのサラダ…その他にも、手作りらしい数々の料理を俺は綺麗に平らげる。 彼女はそんな俺の姿を嬉しそうに見ながら、俺の食べた分量の半分も無い自分の分のお弁当を食べる… ポットから注がれたお茶を飲み、一息ついた俺は言う。 「ごっそうさん!美味かった〜」 多分この言葉が彼女にとって一番嬉しい言葉だろうと言う気がしたし、実際にひじょうに美味かった事もあり、俺は心のそこから言う。 その言葉を聴いた彼女の表情は、とても嬉しそうに見えた… 公園を出て映画館へと向かう…そして、映画館へと入った… 開演のブザーが鳴り、映画が始まる…家族愛を描いた秀作だ…スクリーンを見つめる彼女の横顔…うっすらと眼に涙が浮き出し始めているのに気がつく、俺はポケットからハンカチを取り出して彼女に差し出した。 何時しか俺も映画に見入っていた…不意に俺の目の前にハンカチが差し出される、彼女のハンカチだ…どうやら、俺も気がつかないうちに涙を浮べていたようだ…俺と彼女は、互いに差し出しあったハンカチで溢れ出した涙を拭きながら、映画を見た… 映画が終わり、館内に照明が戻る…俺と彼女は、お互いの顔を見る…次の瞬間、何故だかお互い笑い出す…とても幸せな気分で…笑いながら俺と彼女は映画館を出て行った。 近くの喫茶店に入り、今見た映画の事や最近読んだ本のことなどを話し合う…楽しくも有意義な時間が流れていく…しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎていく…喫茶店を出て俺と彼女は、待ち合わせをしていた公園まで戻った。 公園の中に設えられている時計が6時を指している、初夏のこの時期、夕闇はまだまだ降りてこず周囲は明るいが、そろそろ帰宅を促す時間帯かもしれない… 俺と彼女は、その場で別れる…月曜日に学校で会う事を約束しながら… 自宅に向かう道を歩きながら、彼女のことが気にかかる…もう少し話をしたい…彼女と一緒にいたい…しばしの諮詢の後に俺は、振り返ると今来た道を戻っていく、彼女を家に送っていくために、それを口実に少しでも彼女と一緒にいたいために… * *********************************** そろそろ彼女に追いついてもいい頃だと思う…しかし、彼女の姿は見えない…別の道を通って家に帰ったのかもしれない、大体考えれば詳しい彼女の家までの道順なんてのは知らないし、大まかな予想で彼女が向かった方向に足を進めただけだから、彼女に追いつけなくても不思議ではない… 「失敗したな…最初から家まで送って上げれば良かった…」 少々気落ちしながら、自分の家にと引き返しかけた俺の耳に微かな声が聞こえたような気がした… 声が聞こえたような気がする方を見る…そこには廃屋があった。 廃屋といっても、ただの廃屋ではない、廃屋と言うよりも廃墟と言うほうが当たっている…数年前まで大きな病院を開業していたが、何かの事情(不気味な噂は山ほど聞いた…)で廃院になり、そのまま放置されている巨大な廃墟と貸した病院の建物… そこから声が聞こえたような気がしたのである… 何か嫌な予感がした…普段なら、そんな声など無視して家に帰る俺が、引き寄せられるように病院の廃墟に足を進めたのは、その嫌な予感を信じたくなかったからなのかも知れない… 雑草が、ぼうぼうに茂る庭を突ききり俺は、ガラスの壊れている病院の正面玄関に立ち、内部を伺う…耳を澄まして何か物音がしないかと聞耳を立てる…その俺の耳に、微かな声が…女性の悲鳴のような声が聞こえた。 俺は、気をつけながら病院の内部に入る…そして、声が聞こえた方と思しき場所…上の階へと続く階段を音がしないように気をつけながら進む…2階から3階へ…3階から4階へ…4階のかっては病室として使われていたであろう部屋が立ち並ぶ中の一室から、声が聞こえているのを確かめると、俺はその部屋を注意しながら…中に居るであろう人間に悟られないように覗き込む…そこで俺は見た…見たくないシーンを見てしまった… この場所に来るまでの俺は、すでに一つのものを見つけていた…それは、小さなバスケッケース…彼女が…如月さんが、お弁当を入れていた代物だ、それが階段の途中に落ちていたのだった。 だから、ある程度は覚悟していた…覚悟はしていたが、実際に見たシーンは衝撃的であった。 まだ明るい光が室内を照らし出している…半分壊れたベッドの上で如月さんは、上半身を裸にされ、男の股間に顔を埋めていた。 室内に居る男達は4人…その中の一人、下半身を剥き出しにした男が、如月さんに口で奉仕をさせている、その周りを3人の男達が薄笑いを浮べながら、その行為を囃し立てながら見ている。 「ほらほら、早く口で出させなきゃ、せっかく口だけで我慢してやるって言った約束が、ご破算になっちゃうよ〜」 口で奉仕させている男が、如月さんの頭をわしづかみにし髪を引っ張りながら、腰を蠢かせる。 「そうだ…そうだ…下を上手く使えよ…うっ…出る…」 男がペニスを咥え込んでいる如月さんの顔を股間に、さらに押付ける… 「うっ…ぐぶぅ…っぐぶゅぎゅ…」 奇妙な呻き声と共に、ペニスで塞がれている口の脇から、白濁した液が滴り落ち素肌を汚していく… 「あ〜こぼしちゃダメだよ〜飲んで飲んで…ほ〜ら、イッキ!イッキ!イッキ!」 周囲の男達が囃し立てる。 「うげぇ〜…ぐぅぅ…」 無理やりに嚥下させられる男の濁液…ゴクリと喉が動き嚥下して行くのがわかる… 俺は、その場に飛び込んで行きそうになるの必死の思いで押さえ込む… 如月さんを犯している男達の人数は4人…この場に飛び込んでも勝てるわけもない… ならば人を呼ぶか?…駄目だ、間に合うわけが無い… 俺は考える…考える…そして俺は… A…その場から、黙ってさる。 B…如月さんが犯されていくのを、ただ見ている。 C…一か八かの賭けをする。 |