第46話  総括


 「くふぅぅんっ・・・あああっ・・・」
 「おおおっ・・・んああああぁぁぁっっ・・・」
 暗い部屋の中、甘ったるい女の声が響き渡る。それも1人ではなく、2人の。その甘い喘ぎ声にあわせるように、クチュクチュ、チュプチュプ、ピチャピチャという水音が響き渡る。一つは女同士の口付けによる水音、一つは寝そべった大男のペニスに貫かれた女にヴァギナから発せられる水音、一つは大男の頭に跨った女のヴァギナを男の舌が舐めまわす水音であった。男が腰を動かすと大きなペニスが女の中に食い込み、行き場を失った愛液が噴出し、男の腹を濡らす。そして男がそのざらざらとした舌先で濡れそぼった女のヴァギナを舐めまわすと、その奥から染み出してきた愛液が舌に絡まり、ピチャピチャとイヤらしい音を奏でる。
 「んくぅぅっっっんんっ・・・もっと、もっと舐めて欲しいぞ、バーグ!!」
 バーグライドの舌でヴァギナを舐めまわされるヒルデが腰をくねらせながらその舌の動きに甘い声を上げる。その度にヒルデの妖しいほど美しい肢体がバーグライドの頭の上で震え、その動きにあわせるようにして豊満なバストがプルンプルンと踊る。そして全身に張り詰めた汗がキラキラと撒き散らされ、その光景がいやらしく、淫猥であった。バーグライドの舌はそんなヒルデをさらに喜ばせようと奥へ奥へと潜り込み、膣内をかき回して溢れ出す愛液を掻き出して飲み下してゆく。その水音がさらにヒルデを燃え立たせ、興奮させる。
 「あああっっ!!相変わらず、太すぎます、あなたぁぁぁっっ!!」
 バーグライドの腰の上に跨ったエレナのヴァギナを彼の巨根が激しく突き立てる。一突きごとにエレナの小さな体はガクンガクンと揺れ、全身にびっしりと浮かび上がった汗がその度に撒き散らされる。野太いバーグライドのペニスがエレナの子宮口を突付くたびに行き場を失った愛液が泡立って噴出してくる。その噴出してくる愛液の音がエレナを恥ずかしく燃え立たせる。噴出した愛液はバーグライドの腰の上に滴り落ち、卑猥な水溜りを作り出してゆく。野太いペニスのカリ首がエレナの膣壁を擦りあげるたびにその水の量は増してゆく。
 「おおっ、すごい、すごいぞよ、エレナ・・・このような快楽、いつ以来か・・・あふぅぅぅっ!」
 「お姉様、私も、もう気持ちよすぎて・・・あむっ、んんんんっ・・・」
 興奮しきった二人はどちらからともなく唇を重ねあい、舌を絡め合い、唾液を貪りあう。お互いの間を行き交う唾液が混じりあい、イヤラシイ音を奏でだす。その音さえも今のヒルデとエレナには心地よかった。お互いに激しく舌を絡め合い、より多くの唾液を交換し合う。その下でバーグライドが2人を攻め立てるために二人の体は大きく揺れ、お互いの胸が擦れあう。そして大きく肥大した乳首がぶつかり合い、ヒルデとエレナの快感をさらに高めてゆく。そしてそのことを表すかのように2人の嬌声もまた大きくなってゆく。
 「う〜〜むっ、さすがはエレナ。ヒルデとは一味違うわい」
 「むっ!?それはどういう意味かの、バーグ??」
 「締りが違うといっておるんじゃ。お前のはもうわしのにピッタリし過ぎてガバガバだからな!」
 「そなた、そのガバガバで一発目をイってしまったのか??」
 軽口を叩きながらヒルデのヴァギナを弄ぶバーグライドにヒルデはその一言は聞き逃せないと問い詰めてくる。するとバーグライドは下品な笑みを浮べたままヒルデのヴァギナを指でかき回し始める。奥から逆流してきた精液がバーグライドの顔に垂れてくる。すでにヒルデの膣内をペニスで堪能したバーグライドは2人をイかせると同時にヒルデの子宮の中に思い切り射精していた。一発では納まりきらなかったペニスはすぐさまエレナの膣内に飲み込まれ、今に至っている。その精液を指で拭い取り、口に運びながらヒルデはきつい口調で問い詰めてくる。
 「それはそれ。お前のガバガバまんこでも俺のデカチンにはちょうどいいからな!」
 「何がデカチンじゃ!大きすぎて他の女子には合わなかっただけじゃろう!」
 「これが入るくらいの奴はそうそうはいないからな!」
 「かわいそうに。エレナはそなたのその化け物チンコに汚されてしまったのじゃな・・・」
 自分のペニスの極太長大を誇るバーグライドに対して、ヒルデは彼の腰の上で踊るエレナを抱きしめ慰めるようにその頭を撫でてやる。そのヒルデの優しい抱擁にエレナはうっとりとした表情を浮べてなすがままでいた。それがまるで自分がエレナを虐めたかのような気分になったバーグライドは鼻を鳴らしながら憮然とした表情を浮べてヒルデを睨み返す。そのバーグライドの表情にヒルデはしてやったりといわんばかりの笑みを浮べる。その表情がさらにバーグライドを憮然とさせてしまう。それに気付いたヒルデはさらにバーグライドを怒らせる行動に出る。
 「あんっ、あなた、お姉様。喧嘩をなさらないで下さい・・・」
 「おおっ、エレナ。すまぬな。このばか者のために痛い思いをさせてしまって・・・」
 ヒルデはそう言いながらエレナを抱き寄せ、慰めるようにその頭を撫でてやる。その豊満な胸に顔を埋めたままエレナはヒルデに甘える。そんなエレナの唇をもう一度塞ぐと、舌を絡めて唾液を交換し合う。その舌を徐々に下へと下げてゆく。白い喉元に舌を這わせ、強く口付けをする。白い肌に赤い桜の花びらが刻み込まれてゆく。そのヒルデの攻めにエレナはうっとりとしながら甘んじて受け止める。
 「あふぅっ・・・お姉様・・・」
 「ほんにエレナはかわいいのう。この形のいい乳房も・・・」
 「あん、お姉様!そんなにとよく揉んではなりません!!」
 「このコリコリとした乳首もまた愛らしいのう・・・」
 ヒルデはそう言って下から持ち上げるようにしながらエレナの形のいい乳房を弄ぶ。ヒルデの指の動きにあわせるようにエレナの乳房は形を変え、エレナの体をさらに熱くする。しばし乳房の柔らかさを堪能したヒルデは今度はその頂点で硬く勃起している乳首に指を伸ばす。そして指先で転がすようにしながらエレナの反応を楽しむ。
 「んくっ、だめです・・・お姉様・・・そこは・・・」
 「エレナはホンに乳首が弱いのう。その足りない脳みそでも覚えられたであろう、バーグ??」
 ヒルデの指の動きにあわせるようにしてエレナは切ない声を上げてよがる。感度を増した乳首を攻められるのが辛いらしく、顔を真っ赤に染め上げて恥ずかしそうに悶える。そんなエレナを愛しそうに愛撫しながら、ヒルデは自分のお尻の下にいるバーグライドに勝ち誇った表情でエレナの感じる場所を教えてやる。バーグライドのいない20年間、エレナはヒルデの玩具であり、可愛い妹分であった。そのエレナの感じる箇所など、毎晩のように彼女を可愛がっていたヒルデには熟知し切った事であった。これに対してバーグライドは何も言わず、腰の高く浮かせ、ブリッジをするような格好をする。
 「えっ?ちょっと、あなた・・・・」
 「これ、バーグ!何を??」
 ブリッジをする格好をされたため、腰の部分にいたエレナの体は高く浮かび、頭の部分にいたヒルデは低い位置に残される。突然高い位置に送られたエレナは驚きの声を上げ、エレナを弄んでいたヒルデは抗議の声をあげる。だが、バーグライドはそんな二人の言葉に耳を傾けることなく、腰を高く浮かせたり、降ろしたりし始める。
 「あくぅぅっっ!!そ、そんな・・・ひうっ!!し、子宮に響くぅぅっっ!!」
 高い位置から急降下するたびにバーグライドの肉棒が激しくエレナの子宮口を叩く。その振動にエレナは悲鳴にも似た喘ぎ声を上げてよがり、悶える。バーグライドはそのまま何度も持ち上げ、腰を落とす動作を繰り返す。その度にエレナは狂ったような喘ぎ声を上げて快感を露にする。
 「あああっ、だめ、だめです。そんない激しくされたら・・・あああああああんんんんっ!!」
 バーグライドの腰の動きにエレナは大きな喘ぎ声を上げてよがり狂う。ヒルデの腕から離れた体は火照りを増し、その快感を押さえ込もうとしても押さえきれなかった。やがて切なそうに自分の両腕で体を抱きしめ、甘い声を漏らす。その声に呼応するかのようにバーグライドのその太い肉棒は激しくエレナの膣壁をかき回し、あふれ出してくる愛液をかき回して泡立て、膣外へと掻き出してゆく。泡立った白い液体が肉棒を伝ってバーグライドのお腹にさらに濡らしてゆく。
 「どうだ、エレナ。20年ぶりの肉棒の味は??」
 「すごい、すごいですわ、あなた!愛されているのがよくわかります!」
 バーグライドの問いにエレナは嬉しそうに悶えながら、その頬を涙が伝う。20年前に自分が愛し、自分を愛してくれたものとの再会が嬉しくて嬉しくてたまらなかった。そして今自分のヴァギナを貫く肉棒の存在がその存在をしっかりと自分に教えてくれる。膣壁を通して硬く、大きく、太い存在がいやでもエレナのその存在を認識させる。だからバーグライドに突き上げられるたびに嬉しさがこみ上げてくるのだった。その嬉しさがさらにエレナの快感を増加させ、膣壁を収縮させる。その収縮がバーグライドのペニスを激しく締め付け、バーグライドも喜ばせる。
 「バーグ、そなたがいない20年間、エレナを愛し守ってきたのはわらわぞ?横取りするでない!」
 「そうは言ってもエレナのここはワシのイチモツが好物のようじゃぞ?」
 「ふん、そのようなものにかき回されるとは・・・かわいそうに、わらわが清めてくれようぞ」
 バーグライドとヒルデはお互いにエレナは自分のものであると主張し、言い争い続ける。しばらく不毛な言い争いを続けていたヒルデであったが、いくら主張してみたところでバーグライドが意見を代えることがないことは重々承知していた。ならばエレナの開発しきった体をいじくってエレナのからだが自分のものであることをバーグライドに実感させればいい。そう判断したヒルデは言い争うのをやめ、バーグライドを無視しうように身をかがめると、エレナとバーグライドの結合部分に顔を近づける。そして野太いペニスに貫かれ、それを伝って溢れ出してくる愛液を、丹念に舌で舐め取ってゆく。時折大きく膨らみ顔をのぞかせた肉芽を舌先で転がしたりもする。
 「ああああっ、お姉様、そのようなことを・・・」
 「ほほほっ。うそはいかぬぞ、エレナ?そなたの一番のお気に入りはここであろう??」
 ふるふると体を震わせて悶えるエレナにヒルデはころころと笑いながらさらに肉芽を転がして愛撫する。それにあわせて愛液はさらにあふれ出し、バーグライドの肉棒を包み込む肉壁は収縮し、自分の内にある肉棒を激しく締め付ける。その締め付けにバーグライドは顔を顰める。エレナのどこを攻めればエレナが感じ、膣内を収縮させるか、どこがもっともエレナの弱いところであり、感じる箇所であるかはヒルデにとってはすでに手に取るようにわかっていた。そしてそこを攻めれば膣内は収縮し、そこに収まっているバーグライドのイチモツを終わりに近づけていくことも分かっていた。だからそこを徹底的に嬲り、攻め立て、エレナとバーグライドを極みへと押し上げてゆく。
 「おい、ヒルデ!それは!!」
 「なんじゃ、もう降参かえ?情けないのう・・・」
 「むっ!そこまで言うならこうしてくれる!!」
 ギチギチと締め付けられる感触にバーグライドが苦しそうに悶えると、ヒルデは勝ち誇った顔でバーグライドのことを笑い飛ばす。その勝ち誇った表情がバーグライドの闘争心に火をつける。自分の目の前にあるヒルデのヴァギナの奥深くにまで二本の指を押し込み、これでもかとばかりに荒々しく膣内をかき回す。膣内で愛液が精液と混じりあい、グチュグチュとイヤらしい音を奏でる。その音にあわせるようにバーグライドはヒルデのクリトリスをべろべろと舐めあげ、さらにその上にある菊門に指を伸ばす。しばし、指先でそのしわの感触を堪能したバーグライドはおもむろにアナルの中に指先を捻じ込んでゆく。すでに慣れた穴はその指を簡単に飲み込んでゆく。
 「こ、こら、バーグ!!そなた、卑怯じゃぞ!!」
 「お前の弱いところは先刻承知!そのワシに戦いを挑んだ己が愚かさを呪うがいい!」
 「や、やめ・・・ふあぁぁぁぁっっっ!!」
 グニグニとお尻の穴をかき回される感触にヒルデは甘い声を上げて悶える。その声をもっと聞きたいとばかりにバーグライドは指をさらに奥に押し込み、ヒルデが最も喜ぶ場所をかき回す。同時に膣内にも二本指を差し込み、膣壁を指先で擦りあげ、奥に溜まっていた精液を掻きだしながら愛撫する。さらにクリトリスには舌を這わせ、転がして遊ぶ。その三箇所を同時に攻めるバーグライドの愛撫にヒルデはさらに甘い嬌声を発して悶える。
 「こ、こりゃ、やめ・・・やめ・・・そこは弱い・・・」
 「相手の弱点を突くの魔族のやり方よ。それを晒した自分が悪いのじゃ!」
 「うくぅぅっ、普段は大うつけのくせに正論を・・・はんっ!」
 全身を駆け巡る快感に悶えながらヒルデは頬を膨らませる。そんなヒルデをさらに喜ばせようとバーグライドはさらに激しくヒルデのアナルとヴァギナをかき回し、舐めましてゆく。精液とともに溢れ出す愛液は止め処なく、バーグライドの手首まで濡らして行く。指を差し込まれたアナルは入り口をヒクヒクと戦慄かせながら奥はきゅっと締まってバーグライドの指を締め上げる。そして大きく肥大したクリトリスは舌先で転がす度に膣内を激しく締め付け、愛液を迸らせる。その度にヒルデは甘い嬌声を発して悶え、バーグライドの愛撫を堪能する。
 「んあぁぁぁっ、お姉様・・・綺麗ですわ・・・」
 汗を振り乱しながら悶えるヒルデの姿に上下に体を揺すられていたエレナはうっとりとした口調で呟く。髪を振り乱し、汗を撒き散らせながら悶えるヒルデの姿は確かに美しかった。そんなヒルデの姿にうっとりとしていると、バーグライドの腰の動きが急激に変わる。腰を激しく突きあげて地の強い一撃をエレナの子宮口に見舞ってゆく。その度にさらに大きく開き、肥大したカリ首がエレナの濡れそぼった粘壁をゴリゴリとかき回し、抉り、刺激する。その子宮を抉るような腰使いにエレナは女の喜びを実感し、喜びの声を上げる。
 「ああああっっっ!!あなた、そんなに激しくされたら・・・もう、もう!!」
 「やめ・・・もう、耐たぬ・・・ふあぁぁぁぁっっ・・・」
 バーグライドの極大のペニスにかき回されるエレナのヴァギナはあふれ出した愛液が舞い散り、ヒルデの顔に吹きかかる。大きな肉棒に膣内をかき回されたエレナはどんどん極みへと登りつめてゆく。それに従ってあふれ出し、舞い散る愛液の量も増してゆく。そのいやらしい光景を目の当たりにしながらヒルデもまた、バーグライドの指の動きに愛液を噴出し、手首まで濡らして行く。さらに激しく、早くなるバーグライドの指の動きにヒルデもまた限界に近付きつつあった。雄たけびにも似た喘ぎ声を上げながら2人の美女はその大男の体の上で彼のなすがままに快楽を貪り、その極みへと登りつめてゆく。どんどんと登りつめてゆく体に精神が追いつかず、ついにその瞬間が訪れる。
 「そら、イってしまえ!」
 「ひぐぅぅぅっっっっ、バーグ、バーグゥゥゥっっ!!!」
 「ひゃあああぁぁぁぁんんんっっ、あなた〜〜〜〜!!」
 バーグライドは2人を攻め立てながら二人の絶頂が近いことを察し、さらに激しく腰を突き上げ、抉り、指でかき回し、舌先で舐っていた。そして2人がイく瞬間、もっとも力を込めてペニスを突き立てる。子宮を貫かんばかりの一撃がエレナの体を駆け巡る。同時にヒルデの大きく肥大したクリトリスに歯を立てて軽く噛んでやる。その瞬間、ヒルデの体に電流が走り、目の前を真っ白に染め上げる。そのバーグライドのとどめの一撃にヒルデとエレナは同時に大きく震え上がり、大きな喘ぎ声を上げ、小刻みに震えながら徐々に脱力してゆく。体を駆け抜けた絶頂にヒルデもエレナも放心状態のまま、お互いの体を支えあい、どちらからともなく舌を絡ませあってゆく。絶頂の余韻に浸るようにキスをし続けるヒルデとエレナを他所に、ふたりをイかせたバーグライドは体を起こし、二人のキスをじっと見つめる。
 「まったく、自分達ばかりイきおって・・・ワシはまだ・・・」
 「なんじゃ、イきそこなったのかえ?」
 「申し訳ありません、あなた」
 憮然とした表情でベッドの上に座ったバーグライドの股間にイチモツはイきそこない、エレナの愛液に濡れビクビクと戦慄いてその瞬間を求めていた。そのことに気付いたヒルデとエレナはくすくすと笑いながら、バーグライドに甘えてゆく。二人揃ってバーグライドの乳首を舐めながら、そっと手をそのビクビクと戦慄くペニスに添えてゆく。
 「おお、おお。相も代わらず、大きいのう・・・」
 「あなた、たっぷりと感じてくださいまし・・・」
 そう言ってヒルデとエレナはペニスに添えた手をゆっくりと動かし始める。熱く硬い肉棒は柔らかく細い指に包み込まれ、ヒクヒクと震える。焼けるほど熱く膨張したペニスを指で包み込むと、ゆっくりとその肉棒に絡ませながら扱きあげる。その柔らかな指の動きにバーグライドのペニスはさらに激しく脈打ち、膨張する。
 「ほほほっ、もうこんなに先走りを垂らしおって・・・情けない・・・」
 「気持ちよろしいですか、あなた・・・」
 「おう!!最高に気持ちいいぞ!!」
 「これが最高?甘いぞ、バーグ。更なる快楽を与えてやろうぞ!!」
 2人の指の動きに満足そうに頷くバーグライドにヒルデは首を横に振って、ペニスから指を離す。そしておもむろにその大きな肉袋で張り詰めたバーグライドのペニスを挟み込んでくる。柔らかくも張りのある肉厚に包み込まれたバーグライドのペニスはさらに元気よくなる。さらにエレナがその大きめの胸でペニスを挟み込んでくる。
 「うほぉぉぉっっ!!これは!!!」
 合計四つの肉袋に囲まれたバーグライドのペニスはこれでもかといわんばかりに張り詰め、激しく脈打つ。ヒルデとエレナはお互いの乳首を擦り合わせながら、お互いの乳房でバーグライドの張り詰めたペニスを扱き上げる。膣とは違った柔らかく、張りのある圧迫感にバーグライドは歓喜の雄たけびを上げる。
 「うおおおぅぅぅっっっ!!こりゃ、たまらん!!!」
 「ほほほっ、もう降参かえ?」
 「あなた、もっと気持ちよくなってくださいませ」
 今にも暴発しそうなくらいにまで張り詰めたペニスにヒルデとエレナは双方のおっぱいで挟み込んだまま、そこから頭をのぞかせた部分に舌を這わせてゆく。半透明の先走りの水を湛えた鈴口に舌を這わせて綺麗に先走りの水を舐め取り、カリ首の周りに舌を這わせて愛撫する。その2人の舌使いにバーグライドのペニスはついに限界を迎える。
 「ぐほっ!!もう限界じゃ!!!」
 大きな胸に囲まれたバーグライドのペニスはビクンと大きく跳ねると、その先端から白濁の粘液を迸らせる。二度、三度と吐き出された粘液は亀頭に舌を這わせていたヒルデとエレナの顔に容赦なく降り注ぐ。熱い粘液を顔中に浴びたヒルデとエレナはうっとりとした表情を浮べる。
 「あむっ、エレナ・・・・」
 「んんっ・・・お姉様・・・」
 恍惚の表情を浮べたヒルデとエレナはどちらからともなくお互いの顔に振り注いだザーメンをお互いに舐めあって綺麗に舐め採ってゆく。そして口の中にザーメンを溜め、それに唾液を絡め口付けを交わしてお互いに交換し合う。ジュルジュル、ピチャピチャと淫らな水音を立てて舌を絡めあう。
 「うほっ、これはこれは・・・」
 ヒルデとエレナのレズ行為を見ていたバーグライドは手を叩いて喜び、元気を失い始めていたペニスを勢いよく勃起させる。先ほど並に反り返ったペニスはビクビクと脈打ち、早く収まるべきところに収まりたいと要求してくる。そしてバーグライドもそれを我慢するつもりはさらさらなかった。
 「今宵は寝かせんからな、2人とも!!」
 「それはわらわに対する挑戦じゃな?いいじゃろう、受けて立つ!!」
 「ああ、あなた・・・今度はステラのような娘がいいです!!」
 キスを交し合う2人に襲い掛かると、バーグライドは遠慮なくヒルデのヴァギナにそのいきり立った男性の象徴を押し込んでゆく。そして数度突き上げると引き抜き、今度はエレナのヴァギナに押し込んでゆく。バーグライドは激しい腰使いでヒルデとエレナ、2人を同時に犯してゆく。そのバーグライドの攻めにヒルデとエレナは歓喜の声を上げる。
 「おっ、おっお、おっ!すごいぞ、バーグ!!カリが膣壁を捲り上げて・・・」
 「あああっ、そこ、そこが・・・んんんっ、響く!!」
 そのバーグライドの激しい攻めに同調するようにヒルデとエレナは腰を振り、バーグライドを奥へ奥へと求める。そして膣内はきつく締め付け、バーグライドを逃がすまいとする。夜は更けたばかり、誰もいないダークハーケン城での飢えた獣のような三人の宴はまだ始まったばかりであった。



 「それで、サクラは??」
 「すでに結界が消えましたので、救出はしてありますが・・・」
 バーグライドたちがダークハーケン城に引き上げたあと、エリウスたちも魔天城に戻り、最後の詰めについて話し合っていた。すでにユトユラの将来はシンゲン、ケンシンの両雄に委ねられている。この国をどう立て直すかは彼らが考え、実行してゆけばいい。自分達はその手伝いをするだけで十分である、それがエリウスの考えであった。だからこの後に控えるストラヴァイドとの決戦について話し合うほうが重要であると考えたエリウスはすぐさまこの会議を始めたのである。そしてまずエリウスが尋ねたのが最後の巫女姫の様子であった。彼女についてはレオナに任せてあったのだが、そのレオナは報告を躊躇っている。
 「どうかしたのかい?」
 「それが実はいまだ眠り続けておりまして・・・」
 レオナの話を聞いたエリウスはふむと少し考え込む。力を使い尽くして休眠状態に入っている、そう考えるのが妥当だろうと思う。ならばしばらくすれば休眠状態から回復するはずである。彼女と面会し、その封印を解く楽しみはそれからでも遅くはないだろう。ならば今はサクラのことは考えないで置くことにした。
 「まあ、彼女のことはあとで考えるとしよう・・・ゾフィス、ストラヴァイドの様子は?」
 『すでに結界の一部、消えてきている。このままなら・・・』
 「あと数日・・・といったところか・・・」
 足元から聞こえてくるストラヴァイドの情報を聞いたエリウスはストラヴァイドの結界が消えるときが迫っていることを改めて実感する。そしてそれは最後の戦いの始まりを意味するものであった。この大陸統一戦争、その始まりでもあったストラヴァイドとの決戦が近付いていることにレオナもやや興奮気味であった。
 「やっとリンゼロッタの泣き面を拝めるのですね・・・」
 「そう言うことになるね・・・」
 自分を嵌め、ヴェイスに売った従姉妹のことを思い浮かべ、レオナは興奮気味にエリウスに話しかける。レオナ自身、今はもうヴェイスに売られたことを恨んではいない。むしろ、エリウスと出会い、自分の正体を知るきっかけを与えてくれたことに感謝さえしていた。していたが、それを簡単に赦せるほど大人でもなかった。第一彼女と彼女の父ルードには父王ジーン=エイム=ストラヴァイド四世殺害の嫌疑がある。それを問い質さなければレオナの気がすまなかった。しかしこれまでは大結界に阻まれてそれは叶わなかった。しかし、間もなくその大結界は消える。
 「リンゼロッタとルードの悪行の全てを白日の下に晒してくれる!」
 「お姉様、落ち着いてください。まずは大結界が消えた直後のことを話し合わなければ・・・」
 鼻息も荒く捲くし立てるレオナをアリスが諌める。大結界に覆われたストラヴァイドがどうなっているかは今もわからない。確実にいえることはルードとリンゼロッタの二人に支配されたストラヴァイドは間違いなく自分たちの敵である事、そして祖国との戦いは避けられないことだけだった。
 「・・・・・・そうね、アリス。まずはストラヴァイドの鎮圧、それが先決だったわね・・・」
 落ち着きを取り戻したレオナは大きく深呼吸をすると、アリスに答えながらにっこりと微笑む。レオナが落ち着きを取り戻したのを見たエリウスは小さく頷くと、傍らに座るフィラデラに問い掛ける。
 「フィラ、各国の状況はどうなっている?」
 「ストラヴァイドと隣接する国々ではすでに軍の配備は終了しいております」
 エリウスの問いにフィラデラは脇に抱えた資料に目を通しながら報告してゆく。各国とも最高指導者の下軍備を再編し、ヴェイスに協力体制を示している。さらにもしものために各国縁のある巫女姫が護衛とともに配されていた。これは各国の軍の士気を高める意味もあったが、同時にもしも反乱が起こったときに、カリスマ的存在である彼女たちがそれを押さえる意味合いも含まれていた。それでも押さえきれないとき彼女たちの護衛にと各軍の副将が彼女たちに付き添っている。
 「まあ、ストラヴァイドと内通することができないから、気は楽か・・・」
 「そうですね。大結界のおかげで中とは連絡手段がりませんから・・・」
 ストラヴァイドと呼応して反乱を起こす可能性がないことがエリウスたちにとっては好条件であった。さらに各国ともヴェイスに帰順しており、今のところこちらに不利な情報は入ってきてはいない。大結界が消えたと同時にストラヴァイド軍が攻め込んできたとしても十二分に対応できるはずであった。
 「そして残りの九賢人は・・・」
 エリウスはそう言って指折り数え始める。リカルド=ヴェルベット、フィリップ=オーギス、ゴルゾール=アデン、ルイトーム=ハンガ、アセンブラ=ウォーニッシュ、ザンバッシュ=リーケイル、シロー=アマクサ、これまでに倒した九賢人は全部で7人。残り2人の九賢人がストラヴァイドにいることは間違いない。
 「とすると残りはアストリア=ロードとギルガメッシュ=ヴォータスのふたりか・・・」
 指折り数えていたエリウスは残りの九賢人の名前を思い出し、しばし考え込む。この二人の中で厄介なのはギルガメッシュだけだろう。アストリアは比較的穏便な性格で自分から争いを起こすようなことはしない。過去に自分を封じたときも他の八人の強硬な意見に流されただけといった感情をエリウスは感じ取っていた。だからもし彼女が生き残ったとするならば、戦いにはならない、そう思っていた。
 「ギルガメッシュはおそらく王宮内にいるとは思うが・・・」
 エリウスはそう呟いて考え込む。前に尋ねたときレオナもアリスもそれらしき人物を見かけたことがないといっていた。ならば王宮内にいないとでも言うのだろうか。しかし、エリウスはその考えを否定する。これまでも九賢人は国の中枢に食い込む形で力を保ってきた。九賢人の中でも際立って権力欲の強かったギルガメッシュがストラヴァイドの中枢にいないとは考えにくい。
 「ならば、姿形を代えて・・・ということになるが・・・」
 エリウスは目を閉じて考え込む。今ストラヴァイドの中枢にいるのはルードとリンゼロッタ。しかしどう考えてもこの二人がギルガメッシュとは考えにくい。これまでの行い、生き方、政策、どれをとっても行き当たりばったりの愚か者にしか思えない。しかし、大結界を張り、国力を蓄えてヴェイスに対峙するという策を授けた者がいることもまた間違いない。そしておそらくそれこそがギルガメッシュであろうとエリウスは予測していた。
 「レオナ、ルードに政策を指南している人物はいるか?もしくは懇意にしている賢人とか?」
 「いいえ。そのような人物は一人もいません。叔父は他人と対等の立場というものを嫌っていましたので」
 エリウスの問いかけをレオナはあっさりと否定する。レオナの知るルードはどこまでも相手を下に見る男であり、男には蔑みの眼差しを、女にはいやらしい眼差しを向けていたことはレオナにもよくわかっていた。その眼差しは自分やアリス、ステラにすら向けられていたこともよくわかっていた。だからレオナは叔父を嫌い、あまり近寄らないようにしていた。その娘であるリンゼロッタが擦り寄ってきたときに自分を蔑む眼差しで見ていないと思い込み、側においてしまったことをレオナは今になって後悔していた。あのような見え透いたおべっかに乗せられて戦いに走った自分が今でも情けなく思ってくる。だが、そのお陰で自分はエリウスと出会うことができたのだから、その点だけは感謝していた。感謝と言ってもほんのわずかであるが・・・
 「じゃあ、ジーン殿の手助けをしていたのは?僕の知る限り宰相は・・・」
 「宰相はエステモーン様です。あの方が九賢人とは・・・」
 レオナの指摘どおりエリウスもエステモーン宰相がギルガメシュとは思えなかった。それほどジーンとエステモーンは善政を布き人々の言葉を幅広く取り入れていたからであった。この2人を除くと他に国の中枢にいた人物は思い当たらない。となると、ギルガメッシュの居場所がどうしてもわからなかった。
 「中枢以外で権力を維持できるところなど・・・」
 エリウスは自分の知る限りの情報を頭の中でまとめ上げてその居場所を何とか推察しようと試みる。考えられるところでは王城出入りの商人、ユーナス神殿の大司祭、ストラヴァイド軍をまとめ上げる大将軍、そんなところであった。その中でエリウスはまず最初に大将軍を除外した。
 「あの頭脳派の奴が肉体派の大将軍に身を窶すなど・・・考えられないな・・・」
 それが除外した理由であった。もう一つの理由が奴が将軍位以上の階級にいたとしたらヴェイス討伐を進言しないはずがない。しかしストラヴァイドでヴェイス討伐を進言したのはレオナだけであり、それ以外の将軍は触らぬ神にたたりナシとばかりに手を出そうとはしてこなかったし、進言もしていなかった。
 「あとは商人か大司祭だけど・・・商人もありえそうにないな・・・」
 ストラヴァイドでは王宮出入りの商人といえども政治に介入することはできなかった。もちろん懇意にしている大臣に助力を求めることはあっただろうが、積極的に政治に介入した痕跡はない。つまり、ヴェイスからの攻撃に備えて街道筋を固めてもらうことはあっても、ヴェイスを滅ぼすことを望んだ商人はいなかったということである。
 「最後は大司祭だけど・・・これもないな・・・」
 光の神と信じられているユーナス神の大司祭はストラヴァイドでも高い地位にある。その大司祭ですらヴェイス攻撃を望まなかったのだからこれまで大きな戦争が起こらなかったのだ。こうやって一つ一つギルガメッシュがいそうなところをつぶしていったエリウスだったが、どうしてもそれがわからない。
 「あとは大結界が消えた後、ゾフィスに探索してもらうしかないか・・・」
 諦めにも似た溜息をつきながらエリウスはそれ以上の話を打ち切る。わからないものはいくら考えたところでわかるはずがない。情報がない以上、ここでいくら考えてもそれは推測に過ぎない。その推測で行動することは非常に危険であることはエリウスが一番よくわかっていた。だからこれ以上の推測を止めにしたのだ。
 「まあ、いいさ。どうせ逃げることはないし、自分から顔を出すだろう・・・」
 考えるのをそこまでにしたエリウスはフィラデラに続きの情報を聞き出してゆく。
 フライゼルトは商人の国らしくヴェイスからもたらされた技術を元に強度の高い武器の量産に精を出し、それを各国の軍に供給している。国境線には民兵を中心とした軍が配備され、ロカが第一軍の半数とともにその指揮に当たっていた。
 セルビジュではナリアが自分が巫女姫であったことを国中に公表し、自分のあとを遠縁に当たる青年に委ねることとした。そして彼を中心とした新たな王国はナリアを崇め、彼女のために戦うことを誓っているという。
 サーナリアには何の問題も起こっていない。第一王女ティリナトアと第二王女であり巫女姫でもあるユフィナトアに指揮された軍勢にはいささかの乱れもなかった。
 ルドオールもまた新たなる王として立ったユーノを中心として一致団結している。これもその周りを固めるファンスロット、エリック、エリーザ、ソルンといった有能な将軍がいればこそであった。
 ハイザンデはこれまでどおり庸兵を各国に供給している。早々にヴェイスと手を結んだお陰で国内の混乱はなく、これまで通り傭兵たちは各国で戦うことになるだろう。
 シンドルテアは国王ファルゼライドが健在であることが功を奏した。軍に被害は出ているものの大きな混乱は見られず、国の建て直しは容易なことであった。
 残る懸案はストラヴァイドと隣接していないシーゲランス皇国、そして戦いを終えたばかりのゼルトランド、アルセルム、ユトユラの状況であった。特に後者三国についてはエリウスも非常に気になっていた。
 「シーゲランス軍の再編は完了。ストラトス皇子を中心にセルビジュへの派兵が決まっております」
 「ユトユラの方はどうだい?まだ国の安定がしていないはずだけど・・・」
 「そうですね。ユトユラからの派兵は難しいかと・・・あとゼルトランド、アルセルムも・・・」
 フィラデラはそこで言いよどむ。確かに戦いが終わり新たな指導者が定まったばかりのユトユラは復興への一歩を踏み出したばかりである。その国から人員を廻せとは言えない。さらにゼルトランドは三大指導者を失い、混乱の極みにある。これをまとめ上げるためにフェイトが派遣されドクターとともに魔導砲の修理と新軍の再編が進められているが、大きく傷ついたゼルトランドの建て直しははかどっていないという。それはアルセルムも同様であったが、こちらは正統な王位継承者であるライオットとそのライオットと婚約したフィーラ、”龍の巫女姫”となったアルセイラ、死んだものともと思われていたエリザベートたちによって軍の再編と国の建て直しはうまくいっているという。しかし、主力であった竜騎兵の半数以上が失われ軍の弱体化は著しかった。そのためアンとヒョウが野生化した飛竜を捕まえ、騎乗出来ように教育しているらしいが間に合うかどうかは微妙らしい。
 「仕方がないな・・・ゼルトランドには第八軍の過半数を向かわせろ。そしてアルセルムには第一軍の残りを配備」
 「わかりました。そのように布陣するように命令を出します」
 エリウスの命令にフィラデラはすぐさまそれを側に控えたものに命じ伝達させる。その者はすぐさま会議室から出てゆき、それを各軍に伝達する。エリウスはもう一度地図に目を落とす。今のところ布陣に穴は見当たらない。今のストラヴァイドの戦力をこの軍勢と戦わせたとした場合、彼らが勝てる確率は限りなく零に近い。おそらく自分が指揮したとしても勝ち目はなかっただろう。それほどの列強の軍勢であった。それを人間、それも精鋭とは呼べないような軍勢が相手しなければならないのだから何の問題ないように思えた。
 「・・・なんだ、この胸騒ぎは・・・」
 いくら勝ち戦あることがわかっていても、エリウスは言いようのない不安に駆られて眉をしかめる。エリウスにとって不安要素はギルガメッシュだけ、そのギルガメッシュもストラヴァイドでは権力を握れなかったらしい。そのギルガメッシュがどうしても不安に思えてくる。大結界の向こう側で何かを謀っている、そう思えてならなかった。
 「何か強力な武器、または兵器を作り上げている、可能性はあるな・・・」
 大結界に覆われていた一年間はこちらに情報が伝わってきていない。その間に国を取りまとめ、何かしらの対抗策を労していると考えてもおかしくはなかった。しかし、いくら考えてもそれがどのような策であるかまではエリウスにもわからなかった。自分の思いつく限りの軍勢と策略で戦いを進めてみても向こう側に勝ち目はどうしても出てこない。なのにどうしても不安を拭いきれないでいた。むしろその不安はどんどん大きくなってゆく。
 「蓋を開けてみなければ・・・ということか・・・」
 これ以上考えても、どんな策を弄しても、相手の出方がわからなければ何の意味も成さない。そう悟ったエリウスはそれ以上考えるのをやめる。ギルガメッシュが何らかの策を弄してきたというなら、あえてそれに乗ってやるのもまた一興と開き直ってしまう。
 「それにしても長かったな・・・」
 「そうですね、大結界が張られてから一年。長かったような、短かったような・・・」
 「だがお陰ですべての巫女姫はボクの元に集った。そうだろう?」
 エリウスの呟きに答えたレオナはこの一年を振り返る。エリウスにレイプされたのがついこの間のことのように思えてくる。もちろん、レオナはそのことを恨んではいない。むしろ本当の自分を知ることができて嬉しくさえ思えた。そしてそれからの戦いの連続もまたいい経験であったと思えてくる。
 「十二人の巫女姫か・・・」
 エリウスはそう言ってレオナをちらりと見つめる。”剣の巫女姫”レオナ=シーン=ストラヴァイド、”楯の巫女姫”シェーナ=ヴェルベット、”竪琴の巫女姫”ナリア=セルビジュ、”鏡の巫女姫”サーリア=デュ=シーゲランス、”槍の巫女姫”ユフィナトア=サーナリア、”冠の巫女姫”イシュタル=レイバーン、”鞭の巫女姫”アンジェリカ=シールスト、”翼の巫女姫”プリスティア=ボーグナイン、”本の巫女姫”フェイト=ファルビル、”竜の巫女姫”アルセイラ=アルセルム、今も眠り続ける”指輪の巫女姫”サクラ=ゴホウイン、そして・・・
 「サクラの力が解放されればあとは君だけだね、アリス・・・」
 「・・・・・・はい・・・」
 自分の元にいながらいまだ巫女姫としての力が解放されていないアリスにそう声を掛けると、アリスはやや俯き加減に頷くだけだった。その様子が少し気に掛かったエリウスだったが、そのことを気に掛けている余裕はなかった。今はまずサクラが目覚めるのを待つこと、そして彼女の力を解放することが先決であった。
 「まあ、焦っても仕方がないんだけどね・・・」
 未だに目覚めないサクラに少し苛立ちを覚えながらもエリウスはもう少し心に余裕を持とうと試みる。そのエリウスの元にサクラ目覚めるとの報が届いたのはそれから数刻してからのことであった。


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