第三章・プリンセスミネルバ
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ミネルバはマケドニアの王女であるがその地位は決して高いものではなかった。
その理由は、現マケドニア王のミシェイルとは血が繋がっていないからである。
前マケドニア王オズモントの妃は身体が弱く、ミシェイルを生んだ後に他界してしまった。
その数年後、既にミネルバを身篭っていた女性と結婚しミネルバが生まれ、その後二人の間にマリアが生まれたのである。
ミシェイルの母親はマケドニアの貴族の生まれだったのに対し、ミネルバとマリアの母親は庶民の出であったこともあって、マケドニアの国内にはミシェイルだけが正当な血筋であるという風潮があった。
それを感じてミネルバとマリアは、王女という地位にいることを嫌い、それぞれ竜騎士やシスターになったのである。
しかし、ミネルバはミシェイルを嫌っていなかった。
むしろ本当の兄のように慕っていた。
しかし、ドルーアに唆され勢力拡大を謀って父親を謀殺し、反対するミネルバが裏切らないように血の繋がっているマリアを幽閉してしまったのである。
ミネルバはその事実を知ってからはミシェイルを憎み、何時の日にかマリアを救い出して兄を倒そうと考えていた。
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