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(これは、だいぶ惨めな状況だわね)。
意識を取り戻したミレーヌは、ひとりごちた。
自分を照らし出す強烈なライトに、ようやく眼が慣れはじめ、室内の様子がうかがえるようになる。鉄骨が縦横に張り巡らされたコンクリートが剥き出しの「尋問室」の床には、イヤな感じのシミがあちこちに染みついていた。部屋の隅に据え付けられた工具台には、電動ドリルや、ガスバーナーなどのヘヴィな「工具」が並べられている。
ミレーヌは自由にならない手脚に力を込めて揺すってみた。
ガシャン、ガシャン。
特殊鋼の鎖に繋がった手枷と足枷に、大きくX字型に手脚を引き延ばされていた。肘や膝は樹脂製のギプスが巻き付けられて固められている。肘や膝関節に武器を仕込むサイボーグエージェントも多いのだ。それを警戒しているのだろう。
(やれやれだわ。だけど、手脚を「破壊」されてなくて助かったわ)。
ボロボロになったタクティカルスーツの上半身は剥き下ろされ、ミレーヌの豊かな胸には東(イースト)の対サイボーグエージェントの尋問用標準装備になりつつある特殊鋼のブラジャーが巻かれていた。よく見聞きする女性エージェント尋問用の「電気ブラ」を改造した急造品とは異なる「良い作り」のモノだ。バストガンを連射しても、簡単には打ち抜けそうにない。逆に特殊鋼のブラカップ内で跳弾して自分の乳房をズタズタに引き裂いてしまうだろう。冷たい金属剥きだしの内張りが密着した乳房の表面にヒヤリと冷たい。
そしてご丁寧なことに、東(イースト)の開発陣は特殊鋼のパンティまで開発したらしかった。
(Tバック、Tフロント。……悩殺下着じゃないんだから)。
ウエストに回された金属ベルトの前後から、股間の割れ目にえぐり入り、左右の尻の肉をきつく分断して通るのは細い金属のベルトである。
「おはよう。9課のウデキキくん」
ライトの逆光のなかに、先ほどミレーヌを仕留めた軍服姿の男が姿を現した。
バッ! ババババッ! ビビッ!! ビビビビッ!!
「ウック! クウっ!」
後頭部から鼻先へと鋭い衝撃が走り、ミレーヌの意識は暗闇のなかから急浮上する。眼の裏側に焦げ臭い感覚……。
軍服姿の男は、エージェントの尋問には長けているようだった。拷問の過程で気絶するほど苦しめることは一応避けているし、強制的に覚醒させる手際も良かった。
東(イースト)でも西(ウエスト)でも、エージェントの対拷問訓練で最初に教えるのは、素早く自分の意志で、自分の意識を閉ざすことだった。苦痛を感じる肉体から、とっとと意識を分離し気絶してしまうのだ。意識を失った者を覚醒させる手間で時間を浪費させるのである。教科書通りに意識を閉ざすミレーヌだったが、男はミレーヌが気絶することを許さない。
ミレーヌのこめかみと、うなじに張り付けられた電極からは、ミレーヌが意識を失い暗黒の淵に逃げ込むことに成功する度に、覚醒用の電気ショックが与えられ、強制的に目覚めさせられる。
「さあ、西(ウエスト)の諜報機関が、どこまでココのことを掴んでいるのか? ちゃんと確認させてくれっ!」
ビュッ! バシーッ!!
「ハアッ! クウっ!!」
太いムチが鋭く空気を切り裂き、ミレーヌの背中に叩きつけられる。
「潜り込んでいるのは、オマエだけかっ?」
ビュビュ! バッシーン!!
「ヒッ! クハっ!!」
一撃! そして二撃!! X字に引き延ばされたミレーヌの身体が弓のようにしなった。
「そおれっ!」
男は器用に手首を返すと、三撃目のムチを繰り出す。
ビュルビュル! バッシーン!
ミレーヌのウエストに数回巻き付いたムチは、その切っ先を、今度はミレーヌの腹にヒットさせる。
「ウウッ、クっ!」
ブルブルと震えるミレーヌの身体からは、ボロボロになったタクティカルスーツがほとんど剥げ落ち、白い肌がビッショリと汗に濡れていた。
「思った通り、しぶといよな。くくくっ、期待通りだ!」
男はミレーヌの顔をのぞき込みながら、その股間に回された金属ベルトの端に手を掛ける。
グイッ!
「ハーっ!」
男の手で強く引き締められ、細い金属ベルトがギュウギュウとミレーヌの恥丘と双尻の中央へと食い込んでいく。
ギュ! ギュギュギュウ〜ッ!
(裂けるっ! クウッ、裂けるーっ!)。
女陰を割り裂き紅色の肉へと残酷に食い込んでいく金属ベルトは、やがて陰核を押し潰してミレーヌの恥骨にまでめり込んでいった。恥丘の左右から分断されヘソまで真っ直ぐに切り裂かれていく感覚。きつく左右の肉に喰い込んだ尻では、金属ベルトがミレーヌの尻肉に埋もれ完全に隠れてしまっている。
「アッ、ハアッ! アーっ!」
荒い呼吸を繰り返すたびに、ミチミチと身体の中心に深く、またいっそう深く食い込んでいく金属ベルトの激痛に、ミレーヌの白い尻がブルブルと痙攣した。
ヒュ! バシーン!
「ウっ!」
そのミレーヌの尻に、ムチ打ちがくわえられる。
バシーン! バシーンッ!
「ウグッ! ウッグっ!!」
鋭くムチが閃くたびに、ミレーヌの白い尻に紅いミミズ腫れが刻まれ、熱い汗のしぶきが周囲に飛び散った。
(耐えられる。まだ、耐えられるっ! ……ウッグっ!!)。
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