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ミレーヌが何度目かの気絶から覚めると、それまで胸に固く巻き付けられていた特殊鋼のブラジャーが外されていた。豊かな真っ白い乳房が、今は剥き出しにされている。
「まったく、西(ウエスト)の連中はヘンな仕掛けを考えるね」
軍服姿の男が外科医の手つきで、ミレーヌの乳房をムニムニと触診し「点検」している。鳶色の乳首を指先で摘み潰しては、その弾力を確かめている。
「……さわらないでよ。助平」
ニイッ、記憶に残っているイヤな笑いの「かたち」が浮かぶ。
「いやはや、面白いオッパイだよ、実際」
男が傍らのコントロールパネルを操作すると、ミレーヌの乳房に変化が起こった。
「ア、アッ!?」
乳房全体がブルブルと震えたかと思うと、見る見るうちに固く突き出しはじめる、お椀型だったミレーヌの乳房は、洋梨型を経て、どんどんラグビーボールのように形を変えていく。
「くくくっ! すごいオッパイじゃないか!」
まるでグロテスクにデフォルメされたロケットのノーズコーンである。最終的につきだした乳房の先端で、キリキリと乳首が乳輪ごと親指大に屹立して突きだし、その先端にパックリと銃口が開いた。
(くっ、コントロールを取られた!?)。
ミレーヌの意志を離れ、バストガンが精密射撃モードに強制移行させられたのだ。乳房の芯に通る管状の銃身がカチカチに硬化してライフリングの付いたバレルを形成していくのが感じられる。
「ホントにすごいな。さぞかし自慢なんだろう、ええ?」
砲弾のように突き出したミレーヌの乳房をむんずと掴み、男は力を込める。精密射撃モードに移行したミレーヌの乳房は、全体が固く引き締まり、その感触は男に勃起した男性のペニスの感触を連想させた。
「くくくっ、尿道オナニーって知ってるか?」
その弾力が、男にミレーヌの責め方を閃かせたらしい。
「いや、乳道オナニーと言い直そう」
男は、見張りの兵にアサルトライフルを持ってこさせると、そのストックに納められたメンテナンスキットを取り出した。
「なに悪趣味なこと考えているのよ?」
銃身洗浄用のブラシを取り出した男に、ミレーヌは問いかけるが、男のやろうとしていることは言わずもがなだった。「銃口」の前に立たないように注意しながら、右の乳房をグイと掴み上げる。そしてオイルや火薬の煤で汚れたワイヤーブラシを、ミレーヌの右乳首に開いた「銃口」にあてがい「挿入」をはじめる。
ズイッ! ズイズイッ!!
「クっ!」
金属ブラシが乳房内に侵入してくる感触に、さすがのミレーヌも動揺を隠せない。生身なら一掻きで肌を削り、肉をこそげ取るような「凶器」である。
グイグイと乳首から乳房の奥へ向けて送り込まれる金属ブラシの感覚に、ミレーヌは唇を噛み締めて耐えた。「痛み」ではないが、「感覚」がないわけではない。
……コツ!
「ウッ、ウックゥ……!」
やがて、乳房の奥のバストガン機関部へ突き当たり、金属ブラシは止まった。
「およそ30センチといったところか。くくくっ!」
ズルズルズルッ!
「ウァ! グウっ!」
乱暴に勢いをつけて金属ブラシが引き抜かれた。
「ちょっとは感じるのか?」
今度は左の乳首に金属ブラシを差し込みながら、男は面白そうにミレーヌの表情をうかがう。
「……ホント、悪趣味」
呼吸を整えてミレーヌはうそぶいた。うっかりすると声が震えそうになるのを必死でこらえていた。
(痛みは無い。大丈夫、大丈夫よ……)。
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