■■2 餌食(コトナさんのルージくん食べちゃうぞ編)


 「だ、ダメですよ、……コトナさん」
「イイの。オネエサンにまかせなさい♪」
 小さな湖の畔でうずくまるように休息する巨大なレインボージャークの羽根の下、拡げた毛布の上で若い肉体同士が、まるでふたつのパン生地をこね合わせるかのように絡み合っていた。
「はあーっ、ダメです。ダメですよ!」
「ここも、あそこもチャーミング♪」
 熱い汗が互いの肌の表面で玉になり、こすれ合う肌と肌の間で潤滑剤となった。コトナはルージの股間をまさぐり、熱くいきり立つペニスをもてあそぶ。
「ほら、固いぞぉ。ルージくんのココは、こーんなに固いぞぉ♪」
「お、おっ! ……くぅ!」
 ズキズキと脈動するルージをペニスを、コトナは手のひらで優しく柔々とさすりあげていた。
「ああっ! あーっ、あっ!」
「カワイイよぉ。……女の子みたい♪」
 きつく眼を閉じ、押し寄せる「なにか」に耐えているルージの首筋や耳元に熱い息を吹きかけながら、コトナは自分の盛り上がった胸を、彼の脇腹や胸にグイグイと押しつけルージの反応を楽しむ。自分自身も固く尖りはじめた乳首がルージの肌に擦れて、ツーンツーンと内側から疼きはじめていた。
「……さわって。オッパイにさわって。ホラ、こんなになってるの」
 身体の横で、軍隊の「気をつけ」のようになっていたルージの手を導き、コトナは自分の胸に触れさせる。その丸く、しかも「熱い」乳房の感触に最初はギクシャクとしていたルージの手が、段々溶かされていった。
ムニュウ。ムニ、ムニッ。
「イイわ。もっと、もっと強く♪」
「は、……はい」
ムニッ、ムニッ! モミッ、モミッ!
 ルージの手のひらが、コトナの乳房にピッタリと密着していた。優しくはあるが、だが力強く、その芯から揺さぶり立てるように揉みしだいていた。
モミッ、モミッ!
 ひと揉み、ふた揉み。不慣れなルージの手でシェイクされるひと揉みごとに、コトナは自分の乳房に熱いモノが注がれる気がした。
モミモミっ! ボインッ、ボイーンッ!!
(オッパイが膨らむ、膨らむのぉ♪)。
 その熱い汗にまみれ怒張しはじめた乳房の先端で、乳首も乳輪ごとクプクプと勃起し、やがてカチンカチンに硬化していく。
「上手、上手よ。ウフフ、感じちゃうわ」
 ルージの手のひらを、固くなったコトナの乳首がこすり、コロコロと転がる。
「はいっ、はい! こ、こうですか!?」
 コトナは、自分の乳房を揉むルージの動きと、ルージのペニスをしごき立てる自分の手の動きを巧妙に合わせていた。強く揉まれれば、強くしごき、乳首に触れられれば、亀頭を丸めた手のひらで包み込みヤワヤワともてあそぶ……。
モミモミ、ムニムニ、グニグニ、シコシコ……。
「コトナさん。もう、ダメです。……もう、ダメですよ!」
「うふふ。なにがダメなのかな?」
 コトナは、スルリと身体を入れ替えて、仰向けになったルージに上から跨ってしまう。
「あ、ああっ!?」
 横になった姿勢のルージの身体から、そのペニスだけが真っ直ぐに真上を指して屹立していた。
(えへへ、いただきま〜す♪)。
 コトナは、指で自分の濡れそぼった秘部をジワリとかき拡げると、キリキリと天を指している、その張り詰めた若木へとあてがった。自分自身の縦に裂けるクレヴァスの上から下へ、……クリトリスからヴァギナへと、ジリジリと腫れぼったく疼いている自分の粘膜で、ルージの亀頭部を擦り立て、意地悪く責め立てる。
ピチャ! ピト! スリスリ、ニュルンっ!! 
「あっ! ああっ!」
 切っ先からトロトロと透明な先走り汁を吹く自分自身の分身を、ルージはまったくコントロールすることができないでいた。逆にコトナのクレヴァスに挟み込まれ、上に下にと翻弄される度に、まるで「痛み」と錯覚するような感覚が、睾丸の裏側にたまっていく。
「可愛い。……可愛いオチンチンよ。
んもうっ、可愛いっ! 食べちゃってイイよね?」
 コトナは、ビクビクと痙攣するかのように猛り狂うルージのペニスを、自らのヴァギナにあてがう。そして、ひとつ大きく息を吸うと、ゆっくり、焦らすようにゆっくりと身体を沈めていった。
ニュル、ニュル。ムニュ! プリプリっ!!
「はあ〜んっ!」
 ルージの硬くいきり立つ肉棒が、コトナの無限に柔らかくほぐれた肉壷にヌルリヌルリと沈み込む。
「あーっ! あーっ!!」
 コトナとルージのお互いの身体の中心が重なり合った。
「熱いっ!」
「熱い〜んっ!」
 ふたりは互いの体温の「熱さ」を感じた。その熱さの中で、粘着質のぬめりの抵抗が溶けていき、新鮮なバターを塗ったようになめらかさが粘膜同士の隙間を支配していった。
(深く! もっと深くぅ!!)。
ドクドク! ドクンドクン!! ズキン! ズキン!
 ペニスの脈動とヴァギナの脈動が、どちらのモノとも解らぬほど響き合い、互いを締めつけ合っていた。
「ど、どう? ルージくん、気持ち良〜い?」
「……は、はい。……はい」
 最初は、コトナの「熱いびしょぬれ」の「柔らかいぬめり」の中に、自分自身のペニスが飲み込まれているのは奇妙な感覚だった。ルージには、先ほど身体を重ねてお互いの身体をまさぐり合っている時の方が気持ち良かった気もしていた。
「はあっ! はああっ! はあっ!!」
 突然、らしからぬ嬌声とともに、コトナのヴァギナが収縮した。
「はっ! はっ! はあっ!!」
ギュギュギュ! ギュウ!!
 思わず突き上げたルージのペニスが、コトナの奥の方を突く。
 同時にコトナの全身が、ギクンギクンと震えるのをルージは確かに感じ取った。
 自分のペニスと、コトナのヴァギナが「繋がって」いることを確かに感じて、ルージの睾丸の裏に固まった快感は、一気に爆発し理性を吹き飛ばした。
ギュウッ! ギュウ〜ッ!!
「い、いきますよ。コトナさん……」
「きて! きて! ルージ!!」
ズン! ズンズン! ズン!!
 自分が「突き上げ」れば、コトナが「締めつけ」返してくる。
「うんっ! ふうんっ!」
「あはぁ!? あっあっ〜!」
 ルージが自分の快感をこらえるようにしてヘソの裏側に溜め、腰をローリングさせると、コトナの頬がパッと紅く染まり身体を反り返らせる。コトナが予想外の快感の大波に驚いているのがルージには分かった。
 自分がコトナさんを気持ち良くさせて上げているんだ。そして何より、自分とコトナさんは今、「ひとつ」なんだ……。
「うおうっ! で、出ますっ!」
 ルージは、その青い樹液を、コトナの胎内に思い切り放出していた。身体の奥に打ちつける熱く若い樹液を、コトナも下腹全体で感じ取っていた。ルージの熱く熱い、若さのほど走りを……。
「……コトナさん。コトナさん。……すごく気持ち良かったです」
「私も良かったよ。……ルージくん大好き♪」
 コトナは、ルージに討ち跨った騎乗位の体勢のままで、顔を紅く上気させ、自分の乳房をまさぐっていた。
(もっと、……もっと欲しいかも)。
 コトナの紅く鮮やかな唇を、コトナ自身のかわいらしい舌がチロチロと舐め回す。いちど火が点いたコトナの官能の山火事は、若木一本では鎮火しそうもない。
「ね、もっと凄いことしましょ♪」
 コトナは射精したルージのペニスをくわえ込んだまま、下腹をうねらせるようにして、ルージの一度は萎えたペニスを自分のヴァギナ全体で、きつく締めつけた。
「えっ? ええっ? そんなぁーっ……」
 ルージの「悲鳴」が、星空の下にこだました。


ガガッ! ピー!
「目標を発見! 総司令、目標を発見しました!」
 コトナとルージが、お互いの身体を絡み合わせる湖の畔。その湖を見下ろす岩山に黒い人影があった。雑音の激しい無線装置を通じ、黒い人影は「総司令」に指示を仰ぐ……。


「ほらほら、ルージ。持ち上げちゃうわよぉ♪」
「あ、ああっ! コ、コトナさんっ! オチンチンが、とっ、取れちゃいますーっ!!」
 自分たちを観察する人影にはまったく気づかないふたりは、コトナのリードで、ルージが一方的に責め立てられていた。
「抜けるっ。根本から抜けちゃいそうですっ!!」
 コトナがヴァギナでルージのペニスを吊り上げていた。騎乗位というより人間起重機とでも呼ぶべきコトナの荒技である。
「イイのよ! 思いっきり出してイイのよ!!」
 切なそうに眉を寄せたコトナの小鼻は荒い呼吸の度に膨らみ、唇はますます紅く濡れ光っている。自分で自分の盛り上がった乳房をギュウギュウと揉みしだいていた。
「誤解しないでぇーっ! 普段はこんなオンナじゃないの! キミだからっ! ルージくんだからっ! こんなに、こんなにエッチになっちゃうのよぉーっ!!」
 手練手管の数々を使い、コトナは陽が昇るまでルージを絞り尽くした。


チュン、チュンチュン。ピピピピピピュー、ピピッ!
 いつの間にか夜が明け、周囲には小鳥のさえずりがうるさいほど鳴り響いていた。
「あー、えーとー。あ、朝だ……。
あ、コトナさん。
そ、それじゃあ、また……。
あー。お元気で……」
「うんうん、ルージくんも元気でね♪」
 まるで幽鬼のような有様のルージに対して、コトナは飢えを満たした肉食獣そのものだった。トボトボと道を下っていくルージにブンブンと千切れんばかりに手を振り見送る。
「もー、お腹いっぱい♪ ……ハッ!?」
 ツヤツヤと満ち足りた表情で、今にも舌なめずりをしそうな様子のコトナだったが、周囲に人の気配を感じ取り素早く身構える。
「誰かいるの!」
 コトナには数人の人の気配、それも緊張した戦闘の空気を色濃くまとった気配が感じ取れる。
 ガサガサと、背の高い草むらが音を立てる。
「抵抗しても無駄よ。コトナ・エレガンス!」
 最初に姿を現したのは、鋭い眼をした女性士官だった。続いて野戦服に身を固めた一群が四方八方から現れ、コトナは完全に包囲されてしまう。
「……その軍服、ディガルドの残党?」
 それはディガルドの軍服に身を固めたフェルミだった。ディガルド武国の陥落以来、姿をくらませているジーンの側近だった女性士官である。会ったことはないはずだったが、その気配にコトナは既視感を感じる。
「お互い、会うのは初めてじゃない気がするわね」
 かつて、お互いの乗機レインボージャークとバイオプテラに打跨り、惑星Ziの大空に火花を散らしたエースパイロット同士の邂逅だった。


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