「いやあーっ! いやあっ!」
 ジャラジャラと、鎖を鳴らしながらキャスリンは空中で身をよじった。ガラガラとウインチで移動させられ、トロワの真上に運んで行かれる。キャスリンが見下ろすとトロワと眼が合った。スッとその目線が外される。トロワの顔面、10センチと離れていない場所に、剥き出しのキャスリンの股間がさらされていた。
「み、見ないで、トロワ。お願い、見ないで……」
 震える声でキャスリンが嘆願する。先ほど犯され、注がれた兵士の精液がポタポタとトロワの顔に滴り落ちる。自分のアソコの、そんな状態をトロワには見られたくはなかった。
「くくくっ、ゆっくりと降ろせ。……ゆっくりだ」
 レディアンが命じ、カチャカチャとキャスリンを吊した鎖が繰り出される。トロワの顔面と、キャスリンの股間が、少しづつ接近していく。
「や、やめて……」
 股間にトロワの息が感じられるほど接近させられ、それでも降下を止めない事にキャスリンは身体を硬直させた。
「!」
 ついに、キャスリンはトロワの顔面に跨らされてしまう。身体をよじってトロワの鼻や口に当たる部分をずらそうとしたが、腰をレディアンに押さえ込まれ、ヴァギナに唇を、クリトリスに鼻先が当たるように強引に誘導されてしまった。ぴったりとトロワの口唇部と、キャスリンの女陰部が密着させられる。
「ごめんなさい。ごめんなさい、トロワ……」
 泣き始めたキャスリンにも、トロワは無反応だった。いや、止めていた呼吸を静かに再開した。しかし、どんなに静かに呼吸してもキャスリンの小陰唇を刺激せざるをえない。キャスリンの敏感な部分をトロワの呼吸が吹き抜ける。
「冷静なふりをしても無駄だ。おまえのチンポは正直だぞ」
 握ったトロワのペニスの脈動のペースが変わったことをレディアンは見逃さなかった。ペニスに芯が一本通り硬度が増している感じがする。
「どこまで耐えられるか楽しみだわ」
 カチャカチャと、トロワの睾丸を締め付けるスプーンの柄に電気ケーブルの被覆を剥いた金属部分が巻き付けられる。通電性を高めるための液体が、トロワの睾丸に吹きかけられた。そして、対になる極の電気ケーブルはキャスリンの胸、小振りながらもリンゴのようにプックリと膨らむシルエットの乳房にセットされた。大きな半球形の黒いゴム吸盤が、キャスリンの乳房を覆い尽くしてしまう。その中央の乳首の部分から延びたケーブルが、用意されたトランスの接続部に繋がれた。
「なに、……なにをするの?」
 ビクとも動じないトロワに対して、キャスリンの怯え方は哀れなほどだった。乳房に取り付いた吸盤の電気ケーブルが細かく震えて止まらない。
「くくくっ。この男の金玉と、お前のオッパイの直列通電実験だよ。オマンコを強くこいつの顔に押しつけていた方が痛みが少ないぞ」
 レディアンは傍らのトランスに手を延ばし、キリキリとダイアルを回した。
「ホントに、どこまで耐えられるか、……楽しみ。くっくっく!」
 音もなく2人の男女をパーツとして組み込んだ電気回路が開く。ケーブルを電流が這い進み、2人の急所に喰らいついた。
ビク、ビク、ビクン!
「はあっ!」
 キャスリンの身体が吊り下げられた空中で跳ねる。頬を紅く染め、その紅みが上半身に広がった。それを見ているレディアンの唇に、ニヤニヤと笑いが浮かんだ。
「どうだ、2人とも、ちょっとは感じているのか?」
 小鳥の羽で撫でる程度の電気刺激である、痛みこそ感じないだろうが、急所に流れる電流の「刺激」は充分に感じているはずだ。特に対拷問訓練などとは縁がないであろうキャスリンという女には効いているハズだ。
「はぎぃ、いいいっ! やめて、止めてぇ!」
 キャスリンの両乳房の表面にチクチクザワザワという刺激が湧き上げ、トロワの顔面に押し付けられた股間からも、同様の刺激が湧き上がっていた。恥丘を左右に分け陰唇部に密着したトロワの鼻や唇から、チクチクビリビリと感電刺激が這い上がってくる。

「いや、いやあ、ヘンになる! ヘンになっちゃう!」
 皮膚や粘膜表面の違和感が、ジワリジワリとキャスリンの身体の中に向かって浸透しはじめていた。レディアンがトランスのダイアルを小刻みに上げていく。キャスリンのふたつの胸のふくらみの中心に、氷の塊のような冷たさが湧き起こり、つららのように胸の先端の乳首に延びていくと、そこで火が点き灼熱の炎に変化する。やがて灼熱の感覚は乳房の表面を這い降りていき、熱い汗として乳房の表面に熱を解放し、胸の根本から乳房の中心に向かって、ふたたびもぐり込む。まるで乳房のなかに小さなマントル対流が生まれたようだった。
「トロワーっ、ダメ、ダメよぉーっ。動かないでっ! 動いちゃダメーっ」
 トロワが動いているのではなかった。キャスリンが耐え難い刺激に思わず身をよじる度に、トロワの鼻先と唇は、意図せず彼女の陰部をこね回してしまうのだ。
 無数の針でチクチクと刺されるよう刺激が、紅くプックリと充血しはじめたキャスリンの陰唇内を満たしていき、ヴァギナの入り口から、胎内を少しずつ這い上ってくる。やがて、犯され注ぎ込まれた男たちの精液に混じって、キャスリン自身の愛液が鮮やかな色の襞から分泌されはじめ、あふれてトロワの顔面を濡らしはじめた。
「くくくっ。キテいる、だいぶキテいるなお前!」
 注意深くトロワの股間を観察していたレディアンは歓喜の声を上げた。通電されているトロワの睾丸が、呼吸に合わせるように大きく上下動をはじめたのだ。
「イイぞ、イイぞ! 感じていることを隠しきれなくなってきたのだな!」
 再びトロワのペニスを、レディアンはむんずと握りしめる。感電による痙攣とは別に、血管がドクドクと熱く脈打っていた。


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